企業兼大株主味の素東証プライム:2802】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 味の素グループは2030年に向け、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する企業になることを目指します。ここでアミノサイエンス®とは、創業以来、アミノ酸のはたらきに徹底的にこだわった研究プロセスや実装化プロセスから得られる多様な素材・機能・技術・サービスを総称したものであり、また、それらを社会課題の解決やWell-beingの貢献につなげる、味の素グループ独自の科学的アプローチであり、他企業が容易には真似できない味の素グループの競争優位の源泉のひとつとなります。2030年に向け、フードシステムで繋がる健康栄養課題の解決と環境への貢献をセットで取り組み、「環境負荷を50%削減」と「10億人の健康寿命を延伸」の2つのアウトカムを実現していきます。また、味の素グループの成長戦略では、中長期の成長が期待される市場において、味の素グループならではの強みであるアミノサイエンス®を活かし、持続的に社会価値を提供できる、4つの成長領域(ヘルスケア、フード&ウェルネス、ICT、グリーン)にフォーカスし、既存事業の確実な成長と、事業モデル変革(BMX)による成長ドライブにより、2030年に向けて飛躍的な成長を目指します。

 当連結会計年度における味の素グループの研究開発費は25,867百万円です。

 また、当社グループが保有している特許は国内外合わせて約4,000件です。

 当連結会計年度の各事業区分における研究開発活動の概要とその成果は次のとおりです。

(1) 調味料・食品セグメント

 味の素㈱食品研究所が中心となり、味の素AGF㈱、味の素冷凍食品㈱、上海味の素食品研究開発センター社(中国)をはじめとする国内外のグループ会社の研究開発部門とも密接に連携し、味、香り・風味、食感など、「おいしさを構成するすべての要素」を俯瞰した技術開発、製品開発、及びそのアプリケーション開発を行っています。

 また、日本国内の少子化・高齢化、世帯人数の減少、健康志向といった課題に対し、「おいしさ」、「食へのアクセス(あらゆる人に栄養を届ける)」、「地域や個人の食生活」の3つを妥協しない基本姿勢とし、課題解決先進国の日本で磨いたモデルをグローバルに展開しています。グローバルな製品開発体制のもと、マーケティング力、ブランド力を強みに、各国生活者の嗜好とニーズに適応した調味料、加工食品の開発に継続して取り組んでいます。

<調味料(日本)>

 2022年度の調味料事業商品は、本格中華のご飯ものメニューが手軽に楽しめるメニュー用調味料等、生活者の嗜好に合うおいしさや健康課題に応える新製品を開発・発売しました。肉や野菜などの素材と炒め合わせてソースを加え、ご飯にのせるだけで、ご家庭で簡単に本格中華のご飯ものメニューが楽しめる、これまでにない中華合わせ調味料「Cook Do®今夜は中華飯」を発売しました。また、子どもから大人まで一緒に楽しめる味わいの「Cook Do®」<甘口麻婆茄子用>を発売しました。「スチーミー®」では<鶏のうま煮用>や<鶏手羽バーベキュー味>を、「Bistro Do®」では<鶏のガーリックトマト用>を、「Cook Do® きょうの大皿®」では<鶏ももなす用>を開発し、ラインアップを拡充・発売しました。「丸鶏がらスープTM」では、当社独自技術を活用することで、じっくり煮出した丸鶏の香り・風味を強化し、更においしくなりました。「ほんだし®」、「味の素KKコンソメ」等で、内袋(小袋・スティック)は紙製容器包装になりました。個装(ピロー袋)はモノマテリアル化によりリサイクル可能なプラスチック包装になり、軽量化も実現しています。これらのリニューアルにより、プラスチック使用量を削減します(今回の改定により年間29tの削減見込)。

<調味料(海外)>

 事業展開している各国・地域の健康志向やライフスタイルの変化に対応した高付加価値製品のラインアップ拡充、統計解析技術を活用した生活者意識・行動解析による商品開発の高度化を推進しています。都市化やライフスタイルの変化が進む中、簡便で加工度の高い製品や健康価値を有する製品への需要も増加しています。味の素グループの減塩技術、新規独自素材の導入により、メニュー用調味料製品(ペルー「Aji-no-mix®」)では、塩分値を従来製品より下げながらおいしさを向上させる製品を開発しています。

 今後も当社グループの独自素材の活用や独自技術に裏打ちされたおいしさの追求とともに健康価値領域での製品開発を継続強化し、現地の生活者の嗜好に合うおいしさや栄養改善に貢献していきます。

<栄養・加工食品(日本)>

 2022年度の栄養・加工食品事業商品は、個食・即食・簡便ニーズに加え、ライフスタイルの変化に対応した新製品を開発・発売しました。スープ市場においては、スナックスープの中でも、“おいしさ”に加えて“カフェで食べるようなおしゃれなメニューが楽しめて、これ一品でおなかが満たされる”「クノール®スープDELI®」は、リニューアル及び<サーモンとほうれん草のクリームスープパスタ>(3食入袋)、<男爵いもの濃厚ポタージュ パン入り>(容器入)の新品種を発売しました。また、体調不良時のみならず、毎日の食事にも適した鶏むね肉入りでかつおだしの味わいが豊かな、「味の素KKおかゆ」<鶏がゆ>を発売しました。Z世代をターゲットとした、レンジであたためるだけで健康的で本格的な世界の味が楽しめる新感覚カップお粥「粥粥好日(カユカユコウジツ)」をECサイト及び渋谷スクランブルスクエアにて期間限定で販売しました。「本格的なおいしさ」と「食物繊維の充足」双方のニーズを満たす製品として、「クノール®」ブランパンポタージュを新たに開発し、新たなD2Cサイト「GOOOD GOOOD TABLE(グーグーテーブル)」において「クノール®」ブランパンポタージュ<海老のビスク><4種のチーズ>を発売しました。更に、たっぷりのフリーズドライ具材とサッと溶ける風味豊かな“だし味噌”が入った即席味噌汁「具たっぷり味噌汁」を開発・発売しました。

<栄養・加工食品(海外)>

 加工食品では、事業を展開する各ローカル市場の慣習や食の嗜好、資源、原料、ステークホルダーを尊重し、アミノ酸のはたらきを活かして、おいしく減塩したり、たんぱく質等の栄養素を摂取したりできる製品を提供し、子供から大人まで、食とライフスタイルに起因する健康課題の解決に向けた取り組みを進めています。

 今後も当社グループの独自素材の活用や独自技術に裏打ちされたおいしさの追求とともに健康価値領域での製品開発を継続強化し、現地の生活者の嗜好に合うおいしさや栄養改善に貢献していきます。

<コーヒー類>

 スティックコーヒー市場では、リモートワークの浸透をはじめとした在宅時間の増加を背景に、従来缶コーヒーやペットボトルコーヒーを購入していた男性の購入者比率が拡大しています。《「ブレンディ®」スティック》シリーズから初めてのノンカフェインティーオレ《「ブレンディ®」スティック ルイボスティーオレ》を発売しました。また、《「ブレンディ®カフェラトリー®」スティック》の“濃厚シリーズ”から<和栗カフェラテ><抹茶あずきラテ><ほうじ茶きなこラテ>の3品種及び“ザ・シリーズ”から<ザ・ロイヤルミルクティー><ザ・抹茶ラテ>の2品種を発売しました。また、「ちょっと贅沢な珈琲店®」ブランドから新たなシリーズとして《「ちょっと贅沢な珈琲店®」スティック カフェラテ》を発売しました。機能性表示食品《「ブレンディ®」毎日の腸活コーヒー》シリーズからスティックタイプの《「ブレンディ®」 スティックブラック 毎日の腸活コーヒー》を発売しました。

<ソリューション&イングリディエンツ>

 十勝産きたあかりの甘味とホクホク感を活かした手作り品質のロングライフサラダ業務用「十勝ポテトサラダ」<きたあかり>を発売しました。

<甘味料>

 植物由来原料に関心の高い生活者のウォンツにも応えるため、植物由来の原料のみを使用した、カロリー50%カットの甘味料「パルスイート®植物由来」を発売しました。「パルスイート®植物由来」の主な甘味原料には、南米原産のキク科の多年草から抽出したステビアを採用しました。また、パッケージ(個装)には、プラスチック廃棄物削減の観点から紙包材を採用しました。

 調味料・食品セグメントに係わる研究開発費は、6,802百万円です。

(2) 冷凍食品セグメント

 味の素冷凍食品㈱研究開発センターと海外グループ会社の開発部門を中心に、現地の嗜好とニーズに適応した商品開発に取り組んでいます。更に味の素㈱食品研究所との連携により、減塩等の健康価値の向上や、シェフ/パティシエの技の工業化に取り組んでいます。

<冷凍食品(日本)>

 生活者のライフスタイルの多様化や喫食シーンの変化に応じて、食卓カテゴリーを中心としたラインアップを展開するとともに、メニュー提案や店頭訴求、体験型イベントの開催等の取り組みを通じて、冷凍食品の提供価値向上に取り組んできました。2022年新製品として、食卓のメイン料理として楽しめる、素材と味わいにこだわった「黒豚大餃子」と「海老大餃子」を発売しました。また、食卓のプラス1品に最適な、豚肉と大ぶりの海老がゴロッと入った「海老肉焼売」を発売しました。家飲みを手軽に楽しめるおつまみの冷凍焼売「おつまみ焼売」、「しびれ麻辣焼売」、「濃厚チーズ焼売」を発売しました。「適正糖質」シリーズアイスケーキ3品種(チーズ風味・抹茶・チョコレート風味)を公式オンラインストアにて発売しました。また、フライパンで焼くだけで、ふっくらジューシーな手作りハンバーグが出来上がる「私が仕上げるハンバーグ デミグラスソース」を発売しました。

 味の素冷凍食品㈱では2001年から20年の歳月をかけて実現した「国内全工場の大型フリーザーの脱フロン化・省エネ化」の取り組みにおいて日刊工業新聞社主催「第25回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」の環境大臣賞を受賞しました。また、一般財団法人食品産業センター及び公益財団法人食品等流通合理化促進機構が共催する「第44回食品産業優良企業等表彰」の環境部門<容器包装リサイクル推進タイプ>にて、農林水産大臣賞を受賞しました。「地鶏釜めし」の紙を一部使用した袋パッケージの技術開発をはじめとしたプラスチック削減など、環境負荷低減に取り組む企業として評価されました。

<冷凍食品(海外)>

 北米や欧州では、日本食人気の高まりやコロナ禍における新しい生活様式により、特にリテール製品におけるアジアン冷凍食品市場が成長しています。

 今後も日本で培われた生産技術で簡便な調理、かつおいしさを提供していくと共に、健康機能を付与した製品を市場投入する等、製品の付加価値を常に向上させながら、更なる事業拡大に貢献していきます。

 冷凍食品セグメントに係わる研究開発費は、1,424百万円です。

(3) ヘルスケア等セグメント

 味の素㈱バイオ・ファイン研究所、食品研究所、味の素バイオファーマサービス、味の素-ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社、味の素ファインテクノ㈱等の国内外の各グループ会社及びその技術開発部門とも連携し、世界中の人々の健康や生活に貢献するための商品及びソリューションを提供しております。

<医薬用・食品用アミノ酸>

 医薬用・食品用アミノ酸市場の伸びに対応するために、生産性の向上とコスト競争力の強化を目的とした発酵・精製プロセス開発と導入を継続して進めています。また、動物細胞培養用の培地事業は味の素ジェネクシン社をプラットフォームとし、国内外のバイオ医薬品メーカーとの開発を継続、拡大しています。

 味の素ジェネクシン社を通じて、JSR社が開発した新しい高性能培地を当社の培地製品ラインアップに加え、バイオ医薬用培地事業のグローバル展開においてJSR社と協業することに合意し、販売を開始しました。

<バイオファーマサービス(CDMO)>

 製薬メーカーからの原薬受託製造について、低分子医薬品原薬、高活性原薬(HAPI)、ペプチド/オリゴ核酸、タンパク医薬、抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate:ADC)などの幅広い開発・供給体制の充実を図り、継続的な案件の受注に繋げています。

 低分子医薬品原薬製造においては、バイオ技術との融合による効率的かつ環境配慮型のプロセスの研究を進めています。タンパク質発現技術(「CORYNEX®」技術)においては、味の素アルテア社と連携して、グローバル大手製薬企業とバイオ医薬品の開発・製造支援事業「CORYNEX®」を推進しています。オリゴ核酸の受託製造においては、㈱ジーンデザインと連携して固相合成を活用した少量多品種製造から「AJIPHASE®」の液相合成技術による大量製造までの開発体制を構築し、味の素アルテア社、味の素オムニケム社との連携も深めながら、味の素バイオファーマサービス(CDMO)事業全体としてオリゴ核酸製造受託事業を推進しています。

<ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)>

 電子材料につきましては、味の素ファインテクノ㈱と共同で、次世代PC、データセンター向けサーバー、5G通信ネットワーク用途向けに「味の素ビルドアップフィルム®(ABF)」の開発を推進しています。また、国内外の主要ICT関連企業が設立したIOWN(Innovative Optical and Wireless Network) Global Forumに参画し、未来の高速大容量通信社会の実現を目指し研究開発に取り組んでいます。

<その他>

-機能性栄養食品-

 スポーツ栄養科学研究に基づき、アミノ酸の独自配合によるスポーツサプリメントの開発に取り組んでいます。運動時に大切なアミノ酸(BCAA、グルタミン、アルギニン)が入った、500mlの水に溶かして飲むことで、水分を体内に素早く吸収することができるハイポトニック飲料「アミノバイタル®BCAAチャージ」ウォーターを発売しました。

 当社は、長時間の登山を安全に行うための栄養補給として、アミノ酸の摂取を推奨しており、2008年よりガイド協会と共同で、山岳遭難事故対策支援の一環として、全国の山岳ガイドを対象にしたアミノ酸摂取方法等の勉強会や、登山者への「アミノバイタル®」製品提供を実施しています。また2015年には、長野県山岳遭難防止対策協会と「アミノバイタル®」のサプライヤー契約を締結し、同協会への「アミノバイタル®」製品の供給や事故が多発する下山前の摂取を促し山岳パトロール・救助活動の支援を行ってきました。山梨県警察及び山梨県山岳連盟、公益社団法人日本山岳ガイド協会、ヤマレコ社と、同県の安全登山啓発活動に関する連携協定を2022年7月に締結し、当社は、同県を訪れた登山者に対し「アミノバイタル®」製品サンプルセットを提供しました。

-健康基盤食品-

 主力製品の「グリナ®」は長らく自社通信販売で販売しておりましたが、よりお客様に手軽にお買い求めいただけるよう2021年度にドラッグストア・コンビニエンスストア向けに発売し、更に2022年度「グリナ®」<スティック3本入箱>を全国にエリアを拡大し販売をしました。また、大腸の善玉菌までアミノ酸を届けることができる「乳酸菌アミノゼリー」を通販サイト限定で発売しました。植物性乳酸菌が1本あたりヨーグルト1L分に相当する100億個含まれ、さらに小腸で吸収されにくく大腸の善玉菌まで届くアミノ酸「ポリグルタミン酸」と糖質「ガラクトオリゴ糖」のダブルの栄養の“届くチカラ”により、健康維持・増進に貢献します。

 2023年1月より、日常の中で新しいおいしさに出会うことで、こだわりある充実した食卓を叶える新たなD2Cサイト「GOOOD GOOOD TABLE(グーグーテーブル)」を公開しました。「GOOOD GOOOD TABLE(グーグーテーブル)」にて展開する製品として、「Daily Plus™」<セサミン>及び「Daily Plus™」<大豆イソフラボン>の2品種を発売しました。生活者のデジタル上での情報取得や企業との双方向のコミュニケーションが容易となり、より嗜好に合った選択や体験価値を重視する傾向が強まっています。こうした状況を受け当社D2C事業においても、デジタル戦略を強化し、食に関する体験価値提供とユーザーとの価値共創の実現を目指します。

-アミノインデックス®-

 2022年9月、医療従事者向けサイトを大幅リニューアルしました。また、血中の必須アミノ酸濃度と将来のアルツハイマー型認知症発症について、アミノインデックス技術関連の新しい論文がFrontiers in Nutrition誌に掲載されました。

-パーソナルケア素材-

 アミノ酸由来の洗浄剤、湿潤剤、メークアップ素材を中心に研究開発を行っています。環境への負荷が低いマイクロプラスチックビーズ代替原料の工業化に成功し、2022年度に上市しました。顧客ニーズに応えた、サステナビリティに貢献するアミノ酸系香粧品素材の開発を引き続き進めていきます。

-飼料用アミノ酸-

 乳牛用アミノ酸製剤「AjiPro®-L」などスペシャリティ事業にフォーカスした研究開発を推進しています。

 ヘルスケア等セグメントに係わる研究開発費は、9,674百万円です。

(4) その他

 その他セグメントに係わる研究開発費は、364百万円です。

(5) 全社

 当社が想定する2030~50年の未来図からバックキャストし、グループの将来を担うと期待される領域での事業展開を見据え、関係する研究テーマを全社研究とし、資源を集中的に投資し、開発を進めています。

 全社研究では、味の素㈱食品研究所、バイオ・ファイン研究所が中心となり、国内外の研究機関と連携して進めている先端研究・技術を活用し、グループ内の各研究所とともに様々な事業に向けた新技術・独自素材の開発や、各事業分野に共通した基盤技術の強化に取り組んでいます。

 無形資産への投資も増強していきます。まず技術資産には、おいしさ設計技術®や先端バイオ・ファイン技術に代表されるアミノサイエンス®が挙げられます。今後、より一層顧客に寄り添うためにはデジタルのケイパビリティが欠かせないと考えています。顧客と技術をマッチングさせイノベーションを生み出す人財資産、顧客資産、それらの基盤となる組織資産への投資も増強していきます。

<DX関連>

 経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2022」に選定されました。経済産業省と東京証券取引所は、2015年より、経営革新、収益水準・生産性の向上をもたらす積極的なIT利活用に取り組んでいる企業を、「攻めのIT経営銘柄」として選定しており、2020年からは、デジタルでビジネスモデルを変革し、新たな成長・競争力強化につなぐDXに取り組む企業を「DX銘柄」として選定しています。今年度は33社が選定され、当社はこの度初めて選定されました。

<栄養関連>

 消費者庁では、消費者志向経営に関する優れた取り組みを行う事業者を表彰することで広く周知啓発し、消費者志向経営の推進を図ることを目的として、2018年度から「消費者志向経営優良事例表彰」を実施しています。当社は、日本の栄養課題改善に向けた「減塩」への取り組みが評価され、「令和4年度消費者志向 経営優良事例表彰」において消費者庁長官表彰を受賞しました。

 また、当社は、うま味をきかせた減塩の推進に関する活動の一環として、2022年7月25日(うま味調味料の日)より、Z世代に向けてうま味調味料「味の素®」を活用した『うま味でおいしい減塩』を推進するプロジェクト「LOW SALT CLUB~うま味DE減塩部」を開始しました。お酒を飲む人も飲まない人もお互いが尊重し合える社会の実現を目指す「スマートドリンキング」を推進するスマドリ㈱は、Z世代に向けて適切なアルコールの楽しみ方と、適正な塩分の食事体験を推進するため、スマドリ㈱が運営する「スマドリバー渋谷(SUMADORI BAR SHIBUYA)」にて、うま味調味料「味の素®」を活用した「ローソルト(減塩)メニュー」の提供を期間限定で開始しました。

<アミノ酸関連>

 これまで当社では、日本国内でトップアスリートへの強化支援事業「ビクトリープロジェクト®」によって、「アミノバイタル®」製品や「勝ち飯®」(当社が提案する、アスリートの栄養環境を改善するために実施する栄養プログラム)の提供などの“アミノ酸のはたらき”を活用した栄養サポート活動を実施してきました。その知見を活かし、全日本大学ストリートダンス選手権、及び、ミスカレッジダンサー(主催・運営:一般社団法人全日本大学ストリートダンス連盟)に、プラチナスポンサーとして特別協賛することを決定し、若年層に絶大な人気を誇るストリートダンスの支援を通じて、これらZ世代ダンサーの食と健康の課題解決に貢献します。大会名称は「味の素株式会社 presents 全日本大学ストリートダンス選手権」及び「味の素株式会社 presents ミスカレッジダンサー」となります。また、公益社団法人日本ダンススポーツ連盟(Japan DanceSport Federation:略称JDSF)ブレイクダンス本部とパートナー契約を締結しました。パリ2024オリンピックに向けて、新競技となる「ブレイキン(ブレイクダンス)」の選手に対するサポートを開始することとなりました。当社は日本代表及び強化選手への栄養サポート活動を通じて、競技力向上に貢献していきます。また、2022年から、国民の祝日である「スポーツの日」(10月第2月曜日)の前日を、「スポーツアミノ酸の日」として制定し、一般社団法人日本記念日協会に認定されました。

 国立長寿医療研究センターとの共同研究成果を活用した認知機能維持サポートアプリ「100年健脳手帳®」で実用化している認知機能キープスコアと将来の認知機能低下との関連性を明らかにしました。これにより、「100年健脳手帳®」による認知機能低下リスク低減の可能性が示されたことになります。なお、研究成果の詳細は2023年1月に行われた第26回日本病態栄養学会年次学術集会において発表されました。

<オープン&リンクイノベーション>

 本社と北米に世界の先端イノベーション情報・活動に直接アクセスし、出資・協業・M&Aなどをスピーディに検討・判断するインテリジェンス機能(Search & Partnering)を集中化させたイノベーション戦略チームを組成します。

<サステナビリティ>

 国際的な環境非営利団体であるCDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)より、2022年度の「気候変動Aリスト」に選定されました。これは、当社の気候変動に関する開示の包括性や先駆的な取り組みなどが評価されたもので、当社のAリストへの選定は3年連続となります。CDPは、環境問題に高い関心を持つ世界の機関投資家や大手購買企業の要請に基づき、企業や自治体に対して、気候変動、水資源保護、森林保全等の環境問題への取り組みの促進と情報開示を求める活動を行う非営利団体です。同団体は、世界の主要企業の環境活動に関する情報を収集・分析・評価しており、2022年度は世界の時価総額の約半分に相当する18,700社以上の企業がCDPのデータ開示要請に応じました。今年度、気候変動に関する取り組みと情報開示において最も優れた企業を選定する「気候変動Aリスト」に、対象となった約1,700の国内企業より74社が選定されました。

 うま味調味料「味の素®」や核酸などを生産するタイの基幹工場(タイ味の素社カンペンペット工場)において、再生可能エネルギーであるもみ殻を燃料とするバイオマスコジェネレーションシステムを導入すべく、2020年8月に着工、2022年9月のオープニングセレモニーより本格稼働を開始しました。工場で使用する全ての蒸気をバイオマス由来の蒸気に置き換え、同時に蒸気タービンで発電を行い、購入電力の一部を自家発電に切り替えることで、CO2排出量削減を推進するとともにエネルギーコストの低減を実現します。

 フードロス削減の取り組みをさらに推進していくためのスローガン「TOO GOOD TO WASTE~ 捨てたもんじゃない!~」とロゴを新たに決定しました。味の素グループでは、直接の事業活動(工場での原料受け入れから卸店や小売店などへ商品を納品するまで)だけでなく、フード・サプライチェーン全体でのフードロス削減を目指しています。具体的には、味の素グループの直接の事業活動で発生するフードロスを2025年度に半減(対2018年度)、また味の素グループが関わるフード・サプライチェーン全体で発生するフードロスを2050年度に半減(対2018年度)することを目標として掲げています。

 2030年度に温室効果ガス排出量(スコープ1・2の合計)を2018年度比で50%削減することに取り組んでいます。さらに、2050年度までに温室効果ガス排出量を正味ゼロ(ネットゼロ)とするカーボンニュートラルを目標として設定しています。

 全社に係わる研究開発費は、7,601百万円です。

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