企業兼大株主熊谷組東証プライム:1861】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの研究開発活動は、企業業績に対して即効性のある技術、商品の開発、各種技術提案に直結した技術の開発、中長期的市場の変化を先取りした将来技術の研究、開発技術の現業展開と技術部門の特性を生かした技術営業、総合的技術力向上のための各種施策からなっており、社会経済状況の変化に対し機動的に対応できる体制をとっている。
 当連結会計年度は、研究開発費として2,812百万円投入した。
  当連結会計年度における主な研究開発活動は次のとおりである。

(1) 土木事業

 ① 小断面トンネル等の補強・改修工事用のモルタル吹付システム「FCライナー工法」

 近年、老朽化した水力発電所の改修工事が全国で盛んに行われている。それらの導水施設は山間部に位置する小断面トンネルであることが多く、各種の補修・補強工事には立地や狭小空間といった特有の条件から生じる人力主体で行われる苦渋作業の軽減が喫緊の課題となっており、施工環境の改善が求められている。

 当社では、小断面トンネル等の補強・改修工事のうち、覆工の施されていない素掘り区間での肌落ち対策をターゲットとしたモルタル吹付システム「FCライナー工法」の開発に取り組んできた。本工法では、新たに開発した超速硬セメント系プレミックス材「FCモルタル」を高性能小型ミキシングポンプに投入するだけで連続的に注水・練混ぜ・圧送することができ、これら全ての作業が坑内施工箇所で完結するシステムとしている。吹付の際には、液体急結剤を併用することで速硬性・早強性が付与され、補強箇所の早期安定性の確保が可能となる。現在、導水路トンネルの改修工事の他、災害復旧工事、緊急対策工事などの施工実績を積み上げながら工法の普及を図っている。また、この種の技術は機械設備の調整や材料供給操作が現場で行われることから、本工法の信頼性向上を目的として、品質管理手法の改善検討や耐久性を含めた材料特性のデータ蓄積を継続している。

 本工法については、材料販売並びに機械リースを手掛けるグループ会社の株式会社ファテックが技術商品として外販するビジネスモデルも構築している。

 ② 次世代トンネル施工システムの開発(ロックボルトの機械打設)

 山岳トンネル工事では、機械化による作業の省力化と安全性が図られているものの、依然として切羽付近における事故の発生の可能性は高く、重大災害に繋がることが多い。当社では2015年より山岳トンネルの切羽作業に関して、効率化・安全性の向上を目的とし、施工サイクル一連の遠隔化・自動化を目指して技術開発に取り組んでいる。これまでに長崎県雲仙普賢岳や阿蘇斜面の災害復旧工事で当社が培ってきた「無人化施工技術」を取り入れ、爆薬の遠隔装填や遠隔吹付け技術など、現場での継続した運用が可能となるように技術開発を継続している。

 これらに加えて当期は、ロックボルトの機械打設システムを新たに開発した。一般的にロックボルトの打設作業は、人力による苦渋作業かつ切羽近傍の高所での危険を伴う作業であり、改善すべき作業のひとつである。そこで、鋼管膨張型ロックボルトを対象に、打設作業の施工性、安全性の向上及び省力化を目指し、ボルトの挿入と高水圧ポンプによるロックボルトの拡張作業を専用治具により機械化し、人力作業を介さない一連の作業となるよう開発を行い、現場適用試験によりその効果を確認できた。

 山岳トンネルの切羽作業に対し、特徴的な災害である落盤・土砂崩壊災害リスクを回避するため、当社で培ってきた無人化施工における遠隔操作技術を活用し、切羽作業の遠隔化・自動化を図るとともに、さらなる効率化・省力化を目指して、今後も技術開発を進めていく。

 ③ 近赤外線水分計を用いたフィルダム遮水材の含水比管理システムの開発

 フィルダム工事の遮水材料の含水比管理は、堤体の強度・安定性等の確保のために特に重要であり、その含水比は、概ね最適含水比よりも湿潤側になるように管理して湿潤密度や透水係数の基準値に適合する必要がある。

 従来、遮水材料(土質材料)の含水比管理は、品質管理基準に従って、堤体と仮置きヤードで1~2回/日などの頻度で、電子レンジ法や炉乾燥法による含水比試験が行われている。特に炉乾燥法は、試料のサンプリングや乾燥時間など多大な労力や時間が必要で、施工に適応した効率的な含水比管理の方法が望まれていた。

 本システムは、遮水材料を運搬したダンプトラックが材料仮置き場に設置したタイヤ洗浄設備でタイヤを洗浄している30秒間に、上部の門型クレーンに設置した近赤外線水分計をダンプトラック荷台の遮水材料の計測面まで自動で誘導して含水比を計測する。その計測結果が基準値内に入っていることをリアルタイムに判定してオペレータに伝達し、所定の盛土場へ向かうことを指示できる。遮水材料を運搬するダンプトラックの含水比を全て計測することで全量管理が可能となり、含水比管理の迅速化及び省力化だけでなく、安定した品質の材料供給が可能となる。

 今後は、フィルダム工事だけでなく明かり工事などの幅広い土工事への適用を目指す。

 ④ クレーンワイヤーロープ全周囲外観検査システムの開発

 クレーン等安全規則にあるように、安全上クレーンワイヤーロープの損傷の有無について始業前に調べる必要があるが、人の目視による外観検査では時間と労力を必要とする。そこでワイヤーロープの外観目視検査を自動化させることにより、始業前点検の一端を担うことを目的とするシステムの開発を行った。基本的に現場で使用するクレーンには新品のワイヤーロープが具備されるため、検査では良品判定が定常であるという前提に立っている。

 システムの概要は、大きく3種のユニットで形成され、撮影ユニットでワイヤーロープに対して4方向からエリアセンサーカメラで撮影してワイヤーの全周囲を網羅する。処理ユニットはクレーン揚重部に設置し、撮影ユニットから送られてきた画像データの検査判定処理を行い、処理結果を地上管理室にある閲覧ユニットへ無線伝送を行う。閲覧ユニットは検査結果の表示と検査データの保存を行い、さらにリモートアクセス機能で本社等遠隔地での検査結果の閲覧が可能となっている。外観検査処理の判定は、正常(良品)画像のみを用いた機械学習を行い、正常画像には見られない特徴が検出された場合は異常とみなすAI判定と、画像処理による合否判定の2種類の判定処理を行い検査精度の向上を図っている。

 現在、本検査システムは、施工中の現場内天井クレーンでシステムの試行運用を開始しており、検査データの集積を続けサンプル数を増やしているところである。

 今後は、今回集積したサンプルデータでのさらなる機械学習を行い検査精度のブラッシュアップを図る。また、検査対象も天井クレーンのみならずタワークレーンや移動式クレーンにも適用できるようにハード開発にも着手し、現場の安全かつ作業効率向上への寄与を目指す。

 ⑤ 泥土圧シールドのチャンバー内可視化技術の開発

 泥土圧シールド工法では、掘削土砂に掘削添加材を添加してチャンバー内土砂を塑性流動化(流動性を有する土砂状態)させて加圧することで、切羽の安定を確保しトンネルを掘削する。

 施工管理においてはチャンバー内の性状を把握することが重要であるが、隔壁奥のチャンバー内にある掘削土砂は見えない。そのため土圧分布状態やシールドマシン作動状況及びスクリューコンベヤからの排土状況をもとにシールド技術者の経験によって判断することが一般的であり、個人の技量に依存せざるを得ない状況にある。また、高齢化や熟練工不足が進む昨今の状況において、チャンバー内の状況を客観的かつ定量的に把握できるような可視化が求められている。

 本システムは、隔壁に設置した多数の土圧計の値に連動して、リアルタイムにグラデーション表示を行うことで土圧の分布を視覚的に捉え、適正な掘進管理の指標となるシステムの構築と実用化を目指すものである。

 ⑥ 索道技術を利用した災害対応運搬技術の開発(月面での建設活動における索道技術の開発)

 内閣府スターダストプログラム(宇宙開発利用加速化戦略プログラム)の「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」(国土交通省及び文部科学省連携)へ、「索道技術を利用した災害対応運搬技術の開発」として2021年度から参加している。

 本技術開発では、我が国の独自技術として、月面での基地建設や資源採取にワイヤーロープとウインチを利用した索道技術を高度利用するための研究開発を行っている。空間の移動で活用が期待される急斜面や空洞内への調査、資材運搬が容易に実現できる。

 月面での水資源探査は重要な課題であるが、太陽光の届かないクレータ内部や洞窟内への物資投入や採掘資源の運搬は、運搬路のリスクを軽減し、できるだけ簡単に自動化できる技術が必要となる。一方、地上の災害で発生する崩壊地などでの作業や調査は困難であり、安定して物資を運搬する技術が求められ、災害発生時に迅速に効率的な運搬を可能とする技術は、インフラ等の早期復旧など、社会的に必要性が高い技術といえる。

 本技術開発では、JAXA宇宙探査イノベーションハブでの共同研究で開発した電動ウインチをベースに、架設資材を改良した簡易支柱と可搬性の高いウインチを開発し、遠隔化・自動化の制御により、インフラ等の早期復旧が可能となる技術の開発を目標としている。

(2) 建築事業

 ① 『基礎SC化工法(KSCP工法)』の開発 ~杭基礎のパイルキャップをSC化し施工の合理化を図る~

 杭基礎のパイルキャップを鋼コンクリート造とすることにより、現場での煩雑な鉄筋、型枠工事を省略して施工性の向上を図ることを目的とした、基礎SC化工法『KSCP工法®』(注)を開発した(特許取得 特許第6890039号)。従来の鉄筋コンクリート造での基礎工事では、杭基礎のパイルキャップ(杭基礎と上部構造の接合部)を鉄筋コンクリート構造とすることが一般的であり、現場での鉄筋・型枠工事、コンクリート打設という工程を要していた。KSCP工法®では基礎梁を鉄骨造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とした場合に、杭基礎のパイルキャップを鋼コンクリート造(以下、SC造)とすることにより、それらの工程を省略し、施工の合理化と生産性の向上を図ることができる。KSCP工法®は、SC造とするパイルキャップの鋼管を、外鋼管と内鋼管の2重鋼管とし、内鋼管は鉄骨基礎梁と溶接することで、柱RC梁S構法のようにパイルキャップのコンクリートを拘束し、パイルキャップの応力を鉄骨基礎梁へ伝達させる。さらには、外鋼管を杭頭の施工位置に追従する形で杭芯に合わせることで、杭の施工時偏心による付加応力についてもスムーズに基礎梁に伝達することが可能となる。本工法は、2018年11月に日本ERI株式会社の構造性能評価を取得しており、兵庫県加古川市の物流倉庫に採用された。今後は、就労人口の減少や高齢化、コスト軽減、工期短縮要請等多様な社会変化に対応するために、より合理的な設計、施工を目指し、様々な建物への適用を積極的に行っていく。

  (注)KSCP:Kumagai Steel Concrete Pile cap

 ② 「アースドリル工法(場所打ちコンクリート杭)における掘削抵抗測定技術」を開発 ~現場でのリアルタイム計測による支持層確認技術を目指す~

 アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の施工において、支持層確認の信頼性向上を図る技術「熊谷式アースドリル工法掘削抵抗測定技術」を雄正工業株式会社と共同開発した。

 従来のアースドリル工法における場所打ちコンクリート杭の支持層確認は、施工中に地中より直接掘削した土砂から採取した試料と事前に行った地盤調査のサンプル試料とを目視で比較し判定する方法で行っている。この方法による場合、支持層とその直上の土質変化が大きい地層構成(例:粘土と砂礫)では容易に確認することができる一方、地質変化が小さく類似した地層構成(例:泥岩塊からなる盛土と地山の泥岩)では支持層確認が困難であった。本技術では、軸部掘削時における掘削データ(掘削深度、回転トルク、回転数)を計測し、それらの計測データから掘削抵抗値として定義した値を随時算出しながら、標準貫入試験で得られたN値(注)との比較を定量的に行うことで支持層確認の判断材料とする。従来の支持層確認方法に加え、本技術を採用することにより支持層確認の信頼性向上を図ることができる。なお、本技術は2022年8月に一般財団法人日本建築センターの建設技術審査証明(建築技術)を取得している。

 現在、本技術を実現場の施工時に施工管理者がパソコンによってリアルタイムで画面確認し、掘削土砂の目視確認と併用して行うことができるシステムの開発を行っている。今後は、同一敷地内の支持層に傾斜・不陸が予想される地盤などで本技術を採用することにより、場所打ちコンクリート杭の施工品質向上を目指していく。

  (注)地盤の固さを示す値で、重さ63.5kgのおもりを76cmの高さから自由落下させ、標準貫入試験用サンプラーを地層に30cm貫入させるのに要する打撃回数のこと。

 ③ CLTを用いた「木質耐震垂れ壁構法」を開発 ~ 鉄骨造とのハイブリッド構造に積極採用を目指す ~

 当社は、今後の需要増加が予測される中大規模の木造建築の実現に向けた技術開発を進めており、東京大学と銘建工業株式会社と共同で「木質耐震垂れ壁構法」を開発した。中高層のオフィスビルや商業施設への導入を想定している。本構法は、鉄骨造の柱にCLT(注1)の木質垂れ壁を接合し、鉄骨柱と木質垂れ壁のフレームがラーメン構造の働きをすることにより、地震に対して高い抵抗力を発揮する耐震性能を持つ。さらには、木質垂れ壁を耐震要素として組み込むことで、耐火建築物でも木材の「あらわし」(注2)での利用が可能となり、木材をふんだんに使った室内外から木質感を感じられる空間が実現できる特徴を有している。本構法の開発にあたっては、鉄骨柱と木質垂れ壁の接合部の性能が建物全体の性能に大きく関係するため、数多くの実験で接合部の性能を確認している。なお、本構法は2022年4月に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得している。今後は、本構法の実物件採用に向けて取り組むとともに、都市の木質化を通じた持続可能な社会の実現のために、さらなる研究開発を進めていく。

  (注)1 直交集成板(Cross Laminated Timber)の略。

2 木材の構造部材を素材そのままの仕上げとすること

 ④ 「環境配慮型λ-WOODⅡ」 柱・梁の1~2時間耐火大臣認定を取得

 木材と被覆材の分別廃棄を可能とした木質耐火部材である「環境配慮型λ-WOODⅡ」について、柱・梁の1~2時間の耐火大臣認定を取得した。当社が中大規模の木造建築の導入に向けて今回開発した「環境配慮型λ-WOODⅡ」は、既に開発している「断熱耐火λ-WOOD®」の施工手間・現場管理を低減させるとともに、環境配慮性を付与した木質耐火部材である。従来のλ-WOODの特長である薄い耐火被覆層(注1)と表面仕上げ材の選択自由度の高さ(注2)を踏襲しつつ、施工性の向上とコストダウンを実現した。また、数十年後を見据え、木材と被覆材の分別廃棄やリサイクルを可能とする環境に優しい仕様となっている。「環境配慮型λ-WOODⅡ」は従来のλ-WOODと比較した場合、以下の3つの特徴をもつ。

  1.厚みの異なる2種類の被覆材を統一することで耐火被覆層の構成を簡素化し、現場管理の手間の低減や工期短縮を図れること。

  2.被覆材を積層する際に、長い留付材を使用することで接着剤が不使用となり、木材と被覆材の分別廃棄とリサイクル促進による環境への配慮。

  3.これまで基本としてきた柱・梁取り合い部の交互張りから、性能確認試験により耐火性能を確認し、柱先行から梁後追いでの施工を可能とした。これにより、耐火被覆の施工スピードが上がり工期短縮が期待できる。

 本開発は現在施工中の地上13階建てオフィスビルの柱と梁に適用予定であり、今後は、さらなる物件適用や事業化を目指し、その他の部位・要求耐火時間についても大臣認定取得を進める計画である。また、梁貫通孔や異種構造との取り合い部等、中大規模木造建築の実現に向け必要とされる技術についても開発を進めていく。

  (注)1 1時間耐火仕様の場合、耐火被覆層の総厚は42mmで、告示の仕様(46mm)と比べてスリム化を達成した。

  (注)2 内装制限の基準の範囲内で様々な仕様の表面仕上げ材を選択できる。

 ⑤ 「KMLAセンサー」の販売開始

 当社が開発した「KMLA(Kumagai Magnet Light Alarm)センサー」を、グループ会社である株式会社ファテックから、2022年9月より販売を開始した(製造は東亞エルメス株式会社に委託)。本センサーは鋼製の部材に設置することで、部材に閾値以上にひずみが生じた時に光のアラームを発して危険の可視化を行うセンサーである。しかも、掘削工事などの際に土留め支保工の部材に磁石で設置できるため、特殊な技術を必要とせず、誰でも簡単に設置と取り外しが行える特徴をもっている。部材に変状が生じた時に発する光のアラームにより、作業者がリアルタイムで危険を察知でき、危険の見える化に貢献している。2020年に本センサーを開発・発表後、多くの問い合わせがあり、これまで社内2件、社外で3件の現場で基礎工事の安全管理や部材の軸力計測のため採用されている。また、普及展開活動の一環として、展示会への出展の実施、「構造体の損傷検知装置」の名称でのセンサーの基本特許の取得(2022年5月)や国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)への登録を完了(2022年10月)している。今般、これらの活動と並行して実施してきた現場での実証や研究開発による各種改良を経て、KMLAセンサーの正式販売に至った。今後は、さらなる現場の安全性と利便性の向上に向けて高性能化に取り組み、株式会社パトライト及びソナス株式会社の2社と協力し、本センサーと連携できる装置・システムの開発に取り組んでいく。

(3) 子会社

 株式会社ガイアート

 ① フォームドアスファルトによる中温化混合物の実用化

 脱炭素社会の実現に向け、フォームドアスファルトによりアスファルト混合温度を低減することで使用燃料を減らし、CO2削減に寄与する中温化混合物の開発に取り組んでいる。野田合材工場へ導入しているフォームドアスファルト装置について、20℃低減した場合のCO2削減効果の確認と品質の検証を行い、ストレートアスファルトと改質Ⅱ型アスファルトの新規合材については、東京都の事前審査認定合材の認証を取得でき、実用化することができた。今後は、他のプラントへの展開を視野に、再生合材についても実用化に向け検証していく。

 ② 全天候型常温合材の開発

 常温アスファルト補修材(以下、常温合材)は、常温施工が可能でポットホール等の補修材として使用される混合物であり、雨天時や水溜まりなど水が介在する現場において、その強度が発現するタイプ(水添加で固まる全天候型常温合材)が多く発売されている。新見合材工場で製造した常温合材の試作品について白糸ハイランドウェイにて約6か月にわたり耐久性の検証を行い、他社製品と同等以上の耐久性が得られたことから特許申請を行った。今後、技術資料等を整備し製品化を図っていく。

 ③ 木質系アスファルト舗装の開発状況について

 住友林業株式会社との共同研究として、杉の間伐で発生し廃棄焼却される間伐材を、木チップとして、アスファルト舗装に再利用する技術について検討を続けており、開発に成功したアスファルト乳剤を用いた常温式木質系アスファルトについてさらに改良を進め、白糸ハイランドウェイ内歩道通路において試験施工を行った。現在、冬季の耐久性については確認済みであり、今後、夏季の耐久性についても確認を行い、製品化を図っていく。

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