企業NCS&A東証スタンダード:9709】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

当社グループの当連結会計年度における研究開発活動は、「新たな技術への果敢な挑戦が、価値あるITサービスの提供につながる」との考えのもと、新たな取り組みとして最近注目を集めているメタバースについて研究を開始いたしました。前年度から継続している取り組みとしましては、新たな技術要素が多いクラウドの活用や近年ますます注目されているノーコード/ローコード開発、さらに当社独自技術のレベルアップとなるマイグレーションにおける機能拡大に関する研究を進めました。また、前々年度に開始いたしました社内スタートアップ制度も継続し、新しいビジネスの創出を目指しております。その概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の研究開発費は186,117千円であります。 

 (1) メタバースに関する研究

「メタバース」という言葉を世間でよく聞くようになってまだ日は浅く、普及の黎明期に入ったところと言われ、様々な分野で様々な捉え方をされておりますが、ビジネス活用の模索もいくつかの企業で始まっております。これからどのように発展していくのか不透明ではありますが、この早い段階でメタバースが当社のビジネスにおいて、どのような影響があり、どのように活用できるのかを研究することは有用であると考えました。

当年度は、メタバースを実際に作成し実体験することで、メタバースがどのようなものなのかを正しく理解し、必要となる技術やノウハウを習得することを目指しました。その結果に基づいて今後の取り組み方針を検討していきたいと考えております。

具体的には、メタバース上での仮想オフィス構築に取り組みました。まず、オフィスを構築するメタバースプラットフォームは、できるだけ自由度が高いものを選択することから開始いたしました。それをベースにデザインの検討やコンテンツの配置などを設計し、実際に3Dコンテンツの作成やメタバース空間の構築などの実装まで、技術的な課題を解決しながら取り組みを進めました。これらの取り組みにより、メタバースに対する基本的な技術を会得することができました。

次年度以降はこの経験を活かした継続的な取り組みとして、例えば、メタバース空間を作成して社外へ公開し、そこにアバターとして自由に参加していただけるような形で活用したいと考えております。その空間では、自社商品の紹介やセミナールームを開設し、参加していただくことで実体験が可能となるようなものを想定しております。

このような取り組みから、メタバース関連の技術力を習得しビジネスへの活用を検討してまいります。

 (2) クラウドに関する研究

お客様がDXを推進するにあたり必須となっているクラウドの活用については、システムを素早く、低コストで導入し、柔軟に拡張できることが必要となります。そのための技術を提供できるように当社では以前からクラウドタスクチームを立ち上げ技術力習得に取り組んでまいりました。特にIaaS(Infrastructure as a Service)/PaaS(Platform as a Service)関連技術につきましては、これまでも10,000人以上の利用者を想定した負荷分散や冗長化のクラウド構成のような大規模なものから小規模なものまで数多くの構築を実施し技術力を向上させてまいりました。しかし、クラウドで提供されるサービスは非常に多岐に渡り、その使用方法も複雑で、日々新たなサービスが提供されていく状況であります。そのような中で、お客様にクラウドをより有効に活用していただけるよう、継続してクラウドの研究と実践に注力してまいります。

当年度はIaaS/PaaSの実案件をさらに実践することで、より高いレベルの技術習得を進めております。例えば、仮想化技術として広まっているコンテナについてもクラウド上での活用を実践いたしました。

また、クラウド構築の効率化を図るために、Infrastructure as Code(IaC)の考えに基づいて、クラウド設定要素をコード化し自動的に構築することに取り組みました。一般的にクラウドの設定は対話形式で画面から実施する人手による作業のため、作業ミスも発生しやすく、構築・運用負荷が高くなります。そこで、手作業ではなく設定内容をコード化し、それを実行するだけで構築できれば、同じような環境での迅速な構築が可能となり、負荷低減、ミス低減、効率化が図れます。これにより、必要な環境を素早くご提供できるように取り組んでおります。

次年度は、さらなる技術のレベルアップや技術の標準化、技術者の育成などに取り組む予定であり、お客様のDX推進に役立つクラウド活用をご提供できるように継続してまいります。

 (3) ノーコード/ローコード開発の研究

ビジネス環境の変化が加速し、よりタイムリーに柔軟で迅速な対応が求められる時代に、高速開発手法であるノーコード/ローコード開発に注目が集まっております。ノーコード/ローコード開発のツールは非常に種類が多く、それぞれが特長を持っており、機能、使用方法、環境、運用など千差万別の状況であります。当社でもいくつかのローコード開発ツールを選定し、試行から実践での活用を進めております。

当年度は、クラウド上のローコードツールとオンプレミス上の基幹システムの連携を中心とした研究開発に取り組みました。具体的には、オンプレミスの基幹システムからデータを抽出し、そのデータをクラウドのローコードデータ分析ツールでパソコンやタブレットから分析するようなシステムの構築を実践いたしました。さらに、クラウドのローコードツールで開発した画面から入力されたデータをオンプレミスの基幹システムに連携する仕組みも構築いたしました。

このようなオンプレミス・クラウド間のデータ連携ができる仕組みの構築により、既存のオンプレミス基幹システムの機能拡張や新規機能追加を実施する場合に、クラウドとローコードツールを活用することができると考えております。

次年度以降は、システム開発事業でローコード開発をうまく取り入れるとともに、当社が提供するパッケージと連携するような機能においてもローコード開発を適用することで、お客様の多様なニーズに素早く応えられるよう進めてまいります。

 (4) マイグレーションに関する研究

マイグレーションとは、既存のアプリケーションを再利用して新たなプラットフォームへ移行する手法のことであり、既存のビジネスロジックを踏襲できるためシステムの完成度も既存システムと同等に保てることが最大の利点となります。当社のマイグレーションの特長は、当社独自の可視化技術により解析したリポジトリを用いることで、アプリケーション全てを対象にライン毎の命令やデータ項目から同一構文を機械的に集約できることであります。

このマイグレーションに関する研究活動の取り組みとして、以前から進めている「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性の向上の取り組み」を継続しております。

当年度においてはAS400版の棚卸分析・移行性分析機能の研究開発を実施し、DX支援サービスとして提供を開始いたしました。さらに、メインフレーム版の棚卸分析・移行性分析機能の研究開発にも取り組み、実現可能であることが確認できましたので、今後はサービス提供に向けた取り組みを行ってまいります。

次年度以降も「マイグレーションにおける品質の均一化、生産性の向上の取り組み」を継続し、コストの抑制に貢献できるマイグレーションサービスをお客様に提供できるようにするとともに、お客様のニーズに対応できるようなマイグレーション対象範囲の拡大についても研究・開発を進めていく予定であります。

 (5) 社内スタートアップ制度

前々年度から開始しました社内スタートアップ制度とは、社内で広く新たなビジネスの種を募集し、採否を審査して採用された場合は会社としてバックアップを行い、研究開発を進めていくものであります。

当年度は1年間で23件の申請があり、例えば、インフラ自動化ツール、統合情報監視基盤、C/SシステムからWeb化、在席情報システムプロト、MDMシステム、DX支援サービスなどの研究開発に取り組みました。その中から実際にユーザ先での実証実験を実施したもの、製品化につなげて販売を準備しているものなど成果はあがっております。

次年度も、さらに積極的なスタートアップ申請を促し、研究開発から新たなビジネスへと繋げる取り組みを継続していく予定であります。また、このような取り組みにより社内で新しいことを考えチャレンジしようとする風土を根付かせ、社員の意識改革・活性化を図り、成長し続ける会社を目指してまいります。

PR
検索