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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援、並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。

 現在、当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、「エンゲージメント(企業風土)」「人材育成(仕組み)」「CS向上(戦略)」を経営の基軸として位置付けております。

 「エンゲージメント(企業風土)」として、社員の働きやすい環境整備の観点から、当社グループのすべての活動のベースとなる「チーム制」と各種エンゲージメント施策を積極的に展開しております。また、当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指す「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。当社グループの持続可能な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、代表取締役社長を健康経営担当の最高責任者に任命し、会社、従業員が一丸となって取り組んでおります。その結果、2023年3月には経済産業省と東京証券取引所が共同で、上場企業の中から「健康経営」に優れた企業を選出する「健康経営銘柄」に5年連続で選定されました。また、経済産業省と日本健康会議が共同で取り組んでいる「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも7年連続で認定されました。今後もさらにその活動を推進してまいります。

 「人材育成(仕組み)」では、お客様の新たな技術的ニーズにお応えすべく、独自の教育研修機関である「KSKカレッジ」の体制・機能を一層充実させる等の人材育成投資を積極的に行っております。技術研修と合わせ、高い人間力を形成するためのヒューマンスキル研修や、先輩社員とコミュニケーションを図る「新入社員帰社日」制度など、多角的な育成プログラムを運用し、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本への投資強化を行っております。

 「CS向上(戦略)」では、当社グループの強みの一つでもある現場力のさらなる強化に向け、全社一丸となって「品質向上運動」を展開するほか、お客さまに感動をお届けできるようなサービスの提供を目指した「CS向上運動」に長年取り組み、お客様満足度の向上に努めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値を高めております。

 また、当社グループでは、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて、社会貢献活動に積極的に参加するほか、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。

 当社グループでは、社員一人ひとりの高い技術力や人間力がお客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、5GやIoT等に関連する新たなサービスの提供、自動運転支援などのソフトウェア開発業務の急拡大など、想定した以上に速いテンポでかつダイナミックに変化する市場を勝ち抜くための源泉であると考えております。あらゆる変化に対応し、さらなる発展へ全社員が考える集団となり、お客様に新たな価値を提供し続けるエクセレントカンパニーを目指し、将来にわたり持続的成長を実現してまいります。

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。具体的な指標としては、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は10.9%となり、3期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。

(3)経営環境並びに中長期的な経営戦略と事業戦略

 新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すことは困難な状況であり、ウクライナ情勢の緊迫化等、地政学リスクも高まっていることから、いましばらくは不透明な状況が続くものと予想されます。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大は、行政のデジタル化や働き方改革など新常態の定着化を強く促しており、今後も5Gや

IoT、仮想化等の技術に対する需要は高まるものと期待されます。

 このような環境下において、さらなる発展を追究し、将来にわたる持続可能なエクセレントカンパニーの実現を目指し、当社グループでは、2024年5月に迎える創立50周年を視野に入れて策定した中期経営計画「TRUST50」において、「究極の品質」「考える現場」「プレミアムサービスの提供」を目標に掲げております。

 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。

(システムコア事業)

 本事業は半導体設計業務、組み込みソフトウェアの開発業務及びハードウェアの装置設計業務を中心に行っており、事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。

 半導体設計では、よりネットワーク端末に近い所での処理を行う、「エッジコンピューティング」に必要なプロセッサーの開発技術等への対応を目指します。

 組み込みソフトウェアの開発では、自動車をはじめとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器がネットワークにつながる「コネクテッド社会」の実現に向け、各種センサーや通信機能付き制御機器に関する技術力の提供を目指します。

 ハードウェアの装置設計では、計測装置の回路設計やプリント配線基板設計までを最先端技術で一貫してサポートしてまいります。

(ITソリューション事業)

 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデータエントリー業務などを中心に行っておりますが、AIやIoTの技術に関する研究開発を通じて提案力を強化し、シェア拡大と新規顧客の獲得を目指します。

 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーションテストのアウトソーシングにおいては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。

 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、お客様のニーズの反映や、機能の充実と操作性を向上させました。今後も、さらなる改良を続け、ユーザーにとって使い易いシステムの提案等を行うとともに、この分野でのデファクト化を目指します。

 アウトソーシング業務では、人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどにおいて、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与してまいります。

 データエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、AIやRPA技術等も活用し高速・高精度なサービスを提供してまいります。

(ネットワークサービス事業)

 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援などを中心に行っており、新規分野や成長分野へ業務や技術要員をシフトするとともに、新規採用者の早期戦力化を目指します。

 具体的にはクラウドの運用や仮想ネットワークの構築といったクラウド関係業務、データセンターのクラウド基盤運用や障害監視などのデータセンター業務、キャリア系ベンダーへのネットワーク構築・運用支援、5Gネットワークの展開支援の業務、ソリューションベンダーやセキュリティベンダに対する、インフラ基盤の構築・運用・障害監視や、CSIRT運用支援、脆弱性診断やSOC運用業務など、幅広いサービスを提供してまいります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。

① 技術力及び品質の向上

DX(デジタルトランスフォーメーション)や5G、IoT等、変化が激しい市場において、柔軟かつ的確に対応できるよう、当社グループでは、2017年4月以降展開している「かがやきプロジェクト」において、品質向上に向けた各種施策を実施し、成果をあげてまいりました。また、経営トップも参加する「全社技術力向上委員会」では、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を実施しております。今後とも、品質に加え、技術力と専門性に裏付けられた付加価値の高いITサービスを提供し続けることで、将来にわたり持続可能なエクセレントカンパニーの実現を目指してまいります。

② 人材の確保と育成

IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化は、加速度的に、さらに新たな変化が起きる可能性を秘めております。このように目まぐるしく変化する環境の中で競争力を高め、勝ち残っていくためには、高い技術力と品質を兼ね備えた技術者やサービスをタイムリーに提供する体制を整える必要があります。当社グループでは、人材の確保と育成を経営の最重要課題のひとつに位置づけており、エンジニア未経験者も含めた一人ひとりが「自立したエンジニア」になるための教育支援を行うなど人材育成への投資を積極的に行っております。また、独自の研修機関(KSKカレッジ)を通じ、常に最新技術の動向に対応すべくグループ社員の研修を行う等、人材育成投資を積極的に行っております。引き続き、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本投資を強化してまいります。

③ 事業構造の見直し

DX推進に伴うクラウド環境整備や仮想化技術の活用、イメージセンサーなどの半導体分野や組込ソフトウェア開発等に加え、ハードウェアとソフトウェアの融合など市場はダイナミックに変化しております。このような環境に対し機動的に対応すべく、成長が期待できる分野へ経営資源を投入し、柔軟かつ戦略的な業務シフトを行ってまいります。ただし、特定の分野や取引先に過度に集中や依存することは業績変動リスクを伴うため、必要に応じて適度な分散や多様化も図ってまいります。

 また、当社グループでは、基幹システムを通じて経営情報の的確な収集を実現しておりますが、さらなる意思決定のスピードアップを目指し、販売管理システムやタレントマネジメントシステム等、今後も社内DXを推進してまいります。

④ 健康経営

 企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、当社グループでは2014年に「健康経営宣言」を発表して以来、代表取締役を健康経営の最高責任者とし全社体制で健康経営を推進しております。こうした取り組みを継続的に行う中で、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に5年連続で選定されたほか、経済産業省からは7年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けております。今後とも従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、さらなる従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。

⑤ コーポレートガバナンスの強化

 社会的要請や関連法令改正等に応え、すべてのステークホルダーから信頼される企業であり続けるためには、コーポレートガバナンスの一層の強化が重要であると認識しております。当社グループでは、独立役員である社外監査役の他に、多様性に配慮した社外取締役を複数名選任しております。加えて、非執行部門という共通性を持った社外役員等からなる「社外役員協議会」を設置し、経営の監視について十分に機能する体制を整備しております。今後も意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。

⑥ 情報セキュリティ対策のさらなる強化

 昨今、情報セキュリティを取り巻く環境は厳しさを増しており、地政学リスクの高まりから様々な脅威が顕在化しております。企業が存続していくためには、このような状況の変化にいち早く対応する必要があります。

 当社グループでは「KSK-CSIRT」を設置することによって、標的型メール攻撃やランサムウェアなど外部からの攻撃に、より強固でフレキシブルに対応できる体制を整えております。また、ウイルスや不正アクセス等に対する検知・防御能力のさらなる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備にも同時に取り組んでまいります。

⑦ 今後予想される災害等への対応

 当社グループでは、近年、全国的に頻発している地震や台風などの自然災害、火災や停電などの人災、感染症拡大のリスク、さらには外国からの武力攻撃、テロ、サイバー攻撃など、有事への備えを徹底することでリスクを軽減するための対策を講じています。

 具体的には、地震や台風の発生時に備え各拠点での非常用品や非常食の備蓄、防災訓練の実施などを行っております。また、感染症拡大のリスクに対しては、感染予防対策を強化することで社員の健康を守りつつ、事業継続を図るためにテレワークや分散勤務など柔軟な対応を実施しております。また、サイバー攻撃に対しては標的型メール訓練を定期的に実施しており、高いセキュリティ意識の維持に努めております。

 当社グループでは事業継続計画(BCP)を策定しており、地震や台風等の暴風雨による水害を想定した自然災害対策に加え、パンデミックや都市封鎖への対応等、より実効性のあるものに随時見直しを行っております。引き続き従業員の安全確保、事業継続に必要な体制整備、設備増強を図ってまいります。

⑧ サステナビリティへの取り組み

 経営理念「敬天愛人」並びにグループ企業行動憲章に則った「サステナビリティ基本方針」に基づき、当社グループが社会の構造変化に適切に対応し、責任ある企業の一員として持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことで、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。

 具体的な取り組みとして、経営トップも参加する「サステナビリティ委員会」を中心に、環境や地域社会との共存に資するボランティア清掃活動や里山保全活動、地域図書館との連携によるオープンカレッジの開催や書籍・雑誌の寄贈等を推進しております。従来から取り組んでいる健康経営や各種エンゲージメント施策の推進などと合わせ、今後も人間中心の経営を進めてまいります。

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