企業兼大株主JVCケンウッド東証プライム:6632】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

(1)経営方針

 当社グループは企業理念として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げています。経営方針、行動指針は以下のとおりです。

※当社グループの企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」を企業理念として再定義しております。

(2)目標とする経営指標

 当社は、2023年度を開始年度とする新たな中期経営計画「VISION2025」を策定しました。「VISION2025」において目指す主な経営指標は以下のとおりです。

*上記目標数値は、当社が現在入手している情報をもとに、本有価証券報告書提出日現在における当社の判断に基づいて作成されたものであり、また、一定の前提(仮定)の下に作成されています。当社は、上記目標数値の達成を保証するものではなく、実際の結果は上記と大幅に異なる可能性があります。

※1 事業利益率=事業利益÷売上収益。事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除することにより算出され、主として一時的な要因からなる、その他の収益、その他の費用、為替差損益等を含みません。なお、2024年3月期より、「コア営業利益」から「事業利益」に名称を変更しております。

※2 EBITDAマージン= (税引前利益+支払利息+減価償却費+減損損失)÷売上収益

※3 ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)= 親会社の所有者に帰属する当期利益÷期中平均親会社の所有者帰属持分×100

※4 ROIC(投下資本利益率)= (税引き後事業利益+持分法損益)÷投下資本(株主資本+有利子負債)

(3)経営環境・成長戦略

①「VISION2023」の進捗と「VISION2025」の策定について

 当社は、2021年に中期経営計画「VISION2023」を策定し、「変革と成長」を基本戦略として収益基盤の確保と構造改革で安定した事業収益を「稼げる体質」へ変革し、既存事業の収益基盤の強化、事業ポートフォリオの再定義により新たな成長分野を確立し、エクセレント・カンパニーへの飛躍に向けて様々な経営施策に取り組みました。

 これらの取り組みの結果、「VISION2023」の最終年度(2023年度)に設定した主要な経営目標を2022年度に前倒しで達成しました。

 

VISION2023

2023年度 目標

2022年度 実績

売上収益

3,200億円以上

3,369億円

事業利益

120億円以上

158億円

ROE

10%以上

18.2%

自己資本比率

30%以上

33.0%

D/Eレシオ

1.0以下

0.63

 一方、地政学リスク増大によるサプライチェーンの見直しや世界経済動向の不透明化等、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しています。経営指標の前倒し達成とこうした事業環境の変化を踏まえて、今回新たに企業価値最大化の観点から2023年4月に「変革と成長」の基本戦略を強化した、2025年度を最終年度とする新中期経営計画「VISION2025」を策定しました。

②新中期経営計画「VISION2025」の位置付け

 当社は企業理念として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げており、この理念の実現に向けて「たくましさ」と「したたかさ」を併せ持つエクセレント・カンパニーへの飛躍を目指しています。

「VISION2025」では「VISION2023」で掲げた基本戦略「変革と成長」をさらに進化させ、事業ポートフォリオを最適化することで成長モメンタムを加速し、企業価値最大化を目指していきます。

③新中期経営計画「VISION2025」の基本戦略:「変革と成長」

<基本戦略>

「VISION2025」では、「変革と成長」を基本戦略とした事業ポートフォリオとキャピタル・アロケーションの最適化を図るとともにサステナビリティ経営を推進し、企業価値の最大化に向けて取り組んでいきます。またこれらの取り組みを通じて、安定的にROE10%を確保する体質を構築し、PBR1.0倍超の早期実現を目指していきます。

※PBR(株価純資産倍率)= 株価÷BPS(1株当たり純資産)

<企業価値の最大化に向けた事業ポートフォリオの最適化>

「VISION2025」では企業価値最大化の観点で、中期的な事業の成長性と自社の資本効率性を考慮した資源配分を行い、2025年度に向けて事業ポートフォリオの最適化をさらに進め、持続的な企業価値と株主価値の向上に取り組んでいきます。

※2023年度~2025年度の3カ年における売上成長率

<戦略強化の方向性>

「VISION2025」では当社を取り巻く事業環境の変化と企業価値最大化の観点から、「VISION2023」より戦略強化の方向性を見直し、当社の目指す事業戦略をより明確にするために分野名称を変更しました。

分野

戦略強化の方向性

モビリティ&

テレマティクスサービス

市場の変化に対応した車載用スピーカー・アンプ・アンテナ・ケーブル・レンズを軸に事業拡大

セーフティ&

セキュリティ

北米中心に無線システム事業を成長牽引事業として利益の最大化

エンタテインメント

ソリューションズ

ゲーム・アニメ事業を強化

既存メディア事業は事業の質的転換を推進

④財務戦略

「VISION2025」では、資本コストを重視した資本効率向上と成長投資バランスのとれたキャピタル・アロケーションの実行により、企業価値最大化を目指していきます。

<2025年度 財務目標>

・ROE: 10%以上

・ROIC:9%以上

・有利子負債資本倍率(D/Eレシオ):0.6以下

・親会社所有者帰属持分比率:35%以上

・総還元性向:30~40%目安

*上記目標数値は、当社が現在入手している情報をもとに、本有価証券報告書提出日現在における当社の判断に基づいて作成されたものであり、また、一定の前提(仮定)の下に作成されています。当社は、上記目標数値の達成を保証するものではなく、実際の結果は上記と大幅に異なる可能性があります。

<キャピタル・アロケーションの考え方>

「VISION2025」では、資本コストを上回る資本収益性の達成に向けて、利益成長を実現する営業キャッシュ・フロー創出に重点を置いた上で、成長投資、戦略投資等の使途を明確化して、キャピタル・アロケーションの最適化を図ります。

 成長投資には設備投資や経営基盤強化に向けた投資を、戦略投資には新規事業等への投資や株主還元、有利子負債返済を織り込んでいき、戦略的なキャピタル・アロケーションを実行していきます。

<株主還元方針について>

 当社は、安定的な利益還元及び今後の成長に向けて経営資源を確保することを経営上の最重要課題の一つと考え、収益力及び財務状況を総合的に考慮して、総還元性向を株主還元の指標としました。業績に応じた株主還元策とした配当に加え、中長期的な利益成長に向けた資本活用、資本効率性改善効果のバランスを踏まえつつ、機動的に自己株式取得を行い、総還元性向30~40%を目安に株主への安定的な利益還元を実施していく方針です。

⑤サステナビリティ戦略

 当社グループは、企業理念「感動と安心を世界の人々へ」に基づき、事業を通じてあらゆるステークホルダーの期待に応えていくことが重要だと考えます。社会から信頼され、社会に貢献する企業であり続けることは、企業としての持続的な成長にもつながると考えています。

「VISION2025」では、「利益ある成長」と「グローバルでの社会課題解決」を両輪とするサステナビリティ経営の推進活動をさらに深化させ、企業価値向上を目指します。

<サステナビリティ戦略の方向性>

E:環境への取り組み

環境負荷削減に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献

S:社会への取り組み

イノベーションを実現する人材の育成及び組織能力強化と、

サステナビリティ調達の推進

G:ガバナンス

サステナビリティ経営を確実に実行する推進体制

持続的な企業価値向上に向けた取締役会実効性評価の継続的な取り組み

 当社グループのサステナビリティ戦略についての詳細は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社は前述の経営環境のもと、中期経営計画「VISION2025」で掲げた各種施策を継続推進することにより、最終年度である2025年度の経営目標達成を目指し、持続的な企業価値向上を強化していきます。

 上記の成長戦略を進めるにあたり当社が認識している対処すべき課題は以下のとおりです。

① サプライチェーンマネジメント(SCM)改革

 経営判断に必要なデータ分析を強化、原材料から顧客までのサプライチェーンを改革し、安定的な商品供給による機会損失の最小化と、中期経営計画「VISION2025」における経営指標の1つである営業キャッシュ・フローの目標達成を目指します。

② ものづくり改革

 事業環境の変化に即応する安定した『ものづくり』へ、生産グランドデザインと設計改革を推進します。

③ SDGsへの貢献

 当社グループは、事業と関連の強い社会課題を抽出・分析し、企業ビジョンとのつながりを考慮しながらマテリアリティ(重要課題)を特定しています。SDGsの全17ゴールのうちの8ゴールを最優先で取り組むべき重要課題として選定し、進捗管理のためKPIsとして、定性・定量的な目標を設定しています。社会課題テーマ(社会、労働、環境、品質、経済、安全、ガバナンス、価値創造)を明確にし、課題解決に向けた製品やサービス、ソリューションを提供することで、持続的な企業価値の向上とSDGs達成への貢献を図っていきます。

(5)環境保全・社会貢献活動に向けた取り組み

 当社グループは、2021年8月に新たな環境ビジョンを策定し、地球環境保全に対する基本的な考え方を示すとともに、それに基づく環境基本方針「JKグリーン2025」の中で、「気候変動への対応」「資源の有効活用」「環境保全・管理」「生物多様性の保全」の4項目でそれぞれ目指すべきゴールを設定しました。特に、気候変動への対応については、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、Scope1+2と3でそれぞれCO₂排出量削減の目標を設定しています。

 具体的には、環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001認証取得を継続するとともに、その活動を通じて廃棄物や水の使用量削減及び化学物質の適正管理を行っています。また、従業員に対する定期的な環境研修による環境保全についての啓発活動、環境法規制遵守に基づいた飛散性アスベストの除去及びや保管している高濃度PCB汚染廃棄物も計画的に無害化処理を進める等環境リスクの低減を推し進めています。

 電機メーカーとして要素技術開発や商品設計に際してアセスメントを行う事によってRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等製品の有害化学物質管理や各国の法規制に対応しながらバリューチェーン全体におけるScope3(購入品の製造、販売した製品の使用、輸送等)のCO₂排出量削減及び環境負荷の低減を目指してプラスチック使用量削減と個装箱の小型化による積載効率の向上等にも取り組んでいます。

 また、事業活動における地球環境や生物多様性の保全だけでなく、当社の製品・サービスや知見を生かし、聴覚過敏による困難を抱える方のサポートに繋がる製品の開発や除雪車へのドライブレコーダーの導入等を行うとともに、今後の社会を担う次世代の育成や地方自治体が主催する活動への参画等コミュニティに貢献する活動もグローバルで展開しています。具体的には、SDGsへの理解を促すことを目的とした出前授業や、学生の職場見学・就業体験、各拠点でのスポーツイベントへの支援や震災自然災害等に対する復興支援、寄付活動等を通じて、様々なコミュニティへの貢献に繋がる取り組みを、情勢に鑑みて新型コロナウイルス感染症等へのリスク対策等も講じながら推進しています。

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