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企業概要

 当社グループは、橋梁・鉄骨の製作及び架設段階での最先端の技術並びに風力発電に関する研究開発活動を行っております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は375百万円であります。

 当連結会計年度の研究開発の部門別内容については以下のとおりであります。

―橋梁事業―

 当連結会計年度に実施した研究開発項目とその概略の内容を以下に示します。

1.建設生産システム全体の生産性向上へ資するICT技術を活用した研究開発

     2.補修・補強工事に必要な要素技術の開発

     3.新たな架設方法の開発

     4.ケーブル系橋梁施工時における施工技術の更新

1.につきましては、前連結会計年度以前からの継続研究であります。官民研究開発投資拡大プログラム(通称PRISM)予算を活用して 国土交通省が実施する『建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト』で開発したハイブリッド計測により出来形一元管理を行う技術の実装を行っており、「ICTの全面的な活用」として受注工事においても採用しています。汎用性を持たせるための改良について取組中であり販売・導入拡大に向け取り組んでおります。

2.につきましても、前連結会計年度以前からの継続研究であります。これまで現場施工で重要となる継手部材の表面処理剤などの開発商品の販売促進や適用範囲の拡充に向けた検証試験などに取り組んでおります。

 3.につきましても、前連結会計年度以前からの継続研究であります。新たな橋梁仮設用手延べ機の開発に当たり、性能確認試験を実施し商品化に向けた開発を継続しております。今後、該当工事の応札時に提案することで、受注機会向上および収益確保を目指しております。

 4.につきましは、ケーブル系橋梁施工時の品質管理で重要となるケーブル張力計測・調整といった特殊技術について受注工事を対象に老朽化した計測システム等の更新,世代交代に伴う若手人材への対応を推進しました。

 当連結会計年度における橋梁事業の研究開発費は9百万円であります。

―鉄骨事業―

 当連結会計年度に実施した研究開発項目と概略の内容を以下に示します。

1.780N/mm2級鋼(80㎏鋼)の全層多層サブマージアーク溶接施工法の確立

2.780N/mm2級鋼(80㎏鋼)を用いたエレクトロスラグ溶接の性能検証

     3.板厚60mm~80mm角溶接のサブマージアーク溶接品質安定に向けた検証試験

     4.エレクトロスラグ溶接の品質安定に向けた検証試験

  1.につきましては前連結会計年度以前からの継続研究であります。780N/mm2級鋼(80㎏鋼)を用いた柱の製作で、角溶接は従来初層の割れ発生の観点から、下盛りCO2のあと多層サブマージアーク溶接の施工としておりました。これを施工効率の向上のため、初層から多層サブマージアーク溶接を実施できる施工技術を確立するための研究になります。当連結会計年度では開先形状を35°V形、ルートギャップ7㎜で決定し、溶接条件を変数とした施工試験を5体製作しましたが、まだ初層の溶込み不足の改善まで至っておりません。次期連結会計年度では、欠陥発生位置がほぼ特定できたので、ワイヤ狙い位置の調整、溶接条件の更なる見直しを実施し、実用化に向けた取り組みを継続してまいります。

  2.につきましても前連結会計年度以前からの継続研究であります。780N/mm2級鋼(80㎏鋼)を用いた柱の製作のうち、内ダイアフラムをエレクトロスラグ溶接とした部位の性能と品質を確立するための研究になります。当連結会計年度では、ミルメーカー3社分(JFEスチール,神戸製鋼所,日本製鉄)の試験体を共同研究として溶接し、全てのメーカーにおいて品質的に問題ないことが確認できました。次期連結会計年度では、実工事における780N/mm2級鋼のBOX柱溶接施工試験が予定されているので、試験合格後に実工事への適用となります。

  3.につきましても前連結会計年度以前からの継続研究であります。既存サブマージアーク溶接の品質安定を図るため、特に板厚60mm~80mmについて性能検証試験を実施しております。前連結会計年度以前では、品質安定化には現状の設備では能力不足であることが確認されたため、設備の増強を行うことになりました。部品調達の問題から前連結会計年度の増強・改善が出来ておらず、当連結会計年度の8月に増強・改善工事(ワイヤ送給装置の能力向上)を実施することになっております。当連結会計年度では設備増強工事後、確認試験を行い、適正溶接条件の確立を目指します。

  4.につきましても前連結会計年度以前からの継続研究であります。エレクトロスラグ溶接の品質安定化に向けた取り組みになります。当連結会計年度ではエレクトロスラグ溶接の始終端銅製エンドタブの形状を改良し、デポ処理作業軽減を図る予定としていましたが、業務都合でまだ検証試験が実施できていません。また、実施工のマクロ試験等でもスラグの巻込みが散見される状況なので、フラックスの投入方法の再確認と見直し、エンドタブ形状改良によるデポ処理作業軽減を当連結会計年度で実施することに致します。

   当連結会計年度における鉄骨事業の研究開発費は7百万円であります。

―インフラ環境事業―

環境部門における当連結会計年度に実施いたしました項目と概略の内容を以下に示します。

     1.大型洋上風車用一体成型ブレード技術の研究開発

     2.風車及び蓄電池の一体制御による出力安定化システムの技術開発

     3.スマートロータシステムを有する陸上風車技術の研究開発

     4.洋上風車用タワーの高効率生産技術の開発

1.につきましては、前連結会計年度以前からの継続研究であります。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「風力発 電等技術研究開発/風力発電高度実用化研究開発/風車部品高度化技術研究開発」を活用し、開発した一体成型ブレードの設計の妥当性を確認するため、実物大ブレードによる静的載荷試験および疲労試験を実施しました。また、一体成型ブレードを風車実機に搭載して、運転データの収集を行い、設計で想定した挙動と性能が発揮できることを確認しました。将来的には、更なる大型化が進む、陸上大型風車及び洋上風車用ブレードへの展開を目指します。

2. につきましても、前連結会計年度以前からの継続研究であります。同じく国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業 「風力発電等技術研究開発/風力発電高度実用化研究開発/風車部品高度化技術研究開発」を活用し、風力発電設備に蓄電池を取り込んだ出力安定化システムの詳細設計を行いました。風車実機による運転データ収集を行い、風車と蓄電池の協調運転により安定した発電出力を確認しました。また、蓄電池の効率的な運用を検証し、蓄電池容量の最適化を行うための指針を作成しました。本技術を活用して、系統側の出力安定化コストの低減を図り、マイクログリッドでの周波数変動対策の導入拡大につなげることを目指します。

3. につきましては、同じく国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「風力発電等技術研究開発/風力発電高度実用化研究開発/風車運用・維持管理技術高度化研究開発」を活用し、センシングブレードとライダー支援の両方を用いた風車制御を行う日本型台風仕様風車の設計を行いました。益々多様化する日本の気象条件に対応するため、サイト毎の要求仕様レベルが上がってきています。これまで、乱流に強いKWT300を生産してきた実績をもとに、耐風速70m/sを90m/sへとスペックの強化を図り、山岳地や離島などのリプレースや、極値風速の高いサイトへの導入促進による、脱炭素化への貢献を図ります。

4.につきましては、同じく国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「グリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化/次世代風車技術開発事業/洋上風車用タワーの高効率生産技術開発・実証事業」を活用し、合理化溶接技術の開発、ブラスト・塗装ロボット施工システムの開発、AIを活用した非破壊検査システムの開発を行っております。今年度はその基本設計を行い、国産タワーの技術力・競争力の強化につなげるべく、開発に取組みます。

 当連結会計年度におけるインフラ環境事業の研究開発費は357百万円であります。

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