飯田グループホールディングス 【東証プライム:3291】「不動産業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「より多くの人々が幸せに暮らせる住環境を創造し、豊かな社会作りに貢献する」という経営理念のもと、「誰もがあたり前に家を買える社会」の実現を目指し、理想の住まいづくりを通じて社会の発展に貢献していくことを経営の基本方針としております。
更に、今後展開を進める海外市場においては、「良質で安全、安価な住宅を供給して社会に貢献する」という経営方針を掲げ、「時代の変革をいち早く読み、素早く対応できる企業集団」として、常に変革に挑みながら、世界中により良い住まいを提供できるよう、更なる発展・成長を続けてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは株主資本の有効活用を目指しつつ、安定的に成長投資資金を調達できる強固な財務基盤の確保を目指すために、在庫回転率と営業利益率を重要な経営指標としており、下記の数値を目標として取り組んでおります。
目標とする経営指標 | 目標値 |
在庫回転率(分譲戸建)(注) | 年2回転 |
営業利益率 | 10%以上 |
(注)在庫回転率:365日/土地の仕入決済~物件のお客様への引渡しまでの日数
また、サステナビリティ経営を推進する上での重要課題(マテリアリティ)に対しても、経営目標を設定し、計画的な取組みを推進すべく検討しております。
(3)経営環境
当社グループの主要な事業である不動産事業の経営環境は以下のとおりです。
① マクロ環境
国内における人口・世帯数の減少、特に住宅の一次取得者層である生産年齢人口が減少することにより住宅市場の縮小が懸念されます。他方、長寿命化が進むことにより、住宅に求められる機能やニーズは変化していくことが予想されます。また世界全体を見ると、人口・世帯数の増加により住宅需要の拡大が見込まれる国や、市場規模が大きく安定的な需要が見込まれる国があります。
② 市場動向
中長期的には人口・世帯数の減少により住宅市場の縮小が懸念されますが、注文住宅市場、賃貸住宅市場、分譲マンション市場と比較すると、分譲戸建市場は安定的に推移しております。他方、優良な住宅ストック市場の拡大に伴い、今後は中古住宅市場とリフォーム市場の成長が予想されます。
③ 競合動向
戸建分譲業界は、中小事業者を含めた多数の競合企業が存在する業界構造です。また参入障壁が低いことから、他業界からの新規参入もあり競争環境は厳しくなっていくことが予想されます。
④ 当社グループの構造
当社グループは、持株会社である当社を中心に、戸建分譲事業を主業とする6つの事業会社と、機能別事業会社で構成されております。各事業会社は、グループ統一的な事業方針のもと、それぞれの自主性、独自性を尊重した事業運営を行っております。戸建分譲事業においては、各事業会社が販売する住宅の価格帯や仕様が異なるため、多様な顧客ニーズに対して全方位的に対応できる商品群を提供しております。
⑤ 主要な製品・サービスの内容
戸建分譲事業では、「誰もがあたり前に家を買える社会」を実現するために、住宅の一次取得者を主要ターゲットとして、耐震性能や断熱性能などに優れた住宅を、お買い求めしやすい適正な価格で提供しております。また、住宅を購入して頂いたお客様に対しては、定期的なメンテナンスを行うことにより、住宅の性能を維持し、長く安心して快適に暮らして頂けるようなサービスも提供しております。
戸建分譲事業以外にも、マンション分譲事業、注文住宅事業、メンテナンス・リフォーム事業や、不動産賃貸事業、住宅設備機器販売事業、スパ温泉事業など幅広くお客様の人生や日常生活に寄り添う商品・サービスの提供を行っております。
⑥ その他
当連結会計年度においては、経済・社会活動の正常化が進む中で、景気は回復基調で推移するものとみられます。しかしながら、インフレ抑制のための金融政策次第では、景気後退(リセッション)に転じる可能性もあり、先行きは不透明感が続くものとみられます。加えて、地政学的リスクの動向にも注視が必要であり、引き続き、エネルギー価格や建築資材価格の高騰等による建築原価の上昇が予想され、販売価格や住宅ローン金利の上昇が住宅需要に影響を及ぼす懸念があります。
(4)中期的な経営戦略
当社グループは、“人生100年時代”に向けて既存ビジネスモデルを進化、変革し、持続可能な社会の実現と企業の持続的な成長との両立を図るべく、2024年3月期を最終年度とする「第3次中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)」に基づき「コア事業の競争力強化」と「事業ポートフォリオの拡大」の2つの戦略を推進してまいります。当社グループの成長の原動力である“グループ内の健全な競争”を更に加速させるため、戸建分譲事業で培った“競争と協調のコントロール”を他事業にも展開し、成長させていく方針です。
しかしながら、足元では事業環境が急激に変化しているため、エリアによる特性や保有在庫状況のバランスを注視しながらきめ細かいエリア戦略の徹底を優先しております。
① コア事業の競争力強化
戸建分譲事業は当社グループの中核事業であり、安定的な収益を上げる事業と位置付けております。競争が厳しくなる事業環境の中で、土地仕入や建築資材の調達から設計、施工、販売、アフターサービスまで一貫してグループ内で行うというビジネスモデルを進化させ、お客様の求める商品をより高いコスト競争力を持って提供できる仕組みの構築を図ります。特に、主要な建築資材である木材の安定調達に向けた取組みとして、大規模な森林資源を取得しバリューチェーンの強化を推進してまいります。
更に、長寿命化による“人生100年時代”の到来に備えて、お客様に長く安心して暮らして頂けるよう、当社グループが提供する分譲戸建住宅は、全棟で住宅性能表示制度4分野の最高等級を取得し、購入後は、定期的なメンテナンスを徹底する体制を構築することで時代の変化に対応したビジネスモデルへと強化・再構築を図る方針です。
② 事業ポートフォリオの拡大
戸建分譲事業で培った“競争と協調のコントロール”をマンション分譲事業、注文住宅事業、メンテナンス・リフォーム事業、収益不動産ビジネス等のストック事業等にも展開し、事業育成に取り組むことで、安定的な収益構造の構築を図ります。戸建分譲事業の事業基盤、顧客基盤を活かした事業展開に加え、提携、M&Aなども選択肢として検討してまいります。また、海外市場においても中長期的に市場成長が見込まれるエリアをターゲットとして、事業展開を進めてまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① コア事業の競争力強化と事業ポートフォリオの拡大
第3次中期経営計画に基づき、「コア事業の競争力強化」と「事業ポートフォリオの拡大」の2つの基本戦略を推進してまいります。当社グループの成長の原動力である“グループ内の健全な競争”を更に加速させるため、戸建分譲事業で培った“競争と協調のコントロール”を他事業にも展開し、成長させていく方針です。また、中核事業である戸建分譲事業においては、「誰もがあたり前に家を買える社会」を実現するために、住宅品質の向上と徹底したコスト管理に努め、住宅性能表示制度4分野で全棟最高等級を取得するなど、安全・快適・健康に暮らせる高品質な住宅の提供と、住宅を購入されたお客様に対するメンテナンスサービスの強化、工法や施工技術の研究開発、施工品質の管理強化を行い、競争力強化を図ってまいります。
② サステナビリティ経営の推進
当社グループは、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長の両立を図るべく、サステナビリティ基本方針に基づき、サステナビリティ経営を推進しております。気候変動、人的資本への取組みをはじめ、マテリアリティ(重要課題)への対応を推進してまいります。
当社グループのマテリアリティ(重要課題)
| マテリアリティ | 主な取組み内容 |
企業と組織 (G) | 健康的で働きがいのある職場環境の維持 | ワークライフバランスの推進 |
人材育成と雇用の確保 | ||
法令・規則の厳格な遵守と公平公正な企業活動及びリスク管理 | リスクマネジメント体制の構築 | |
社会 (S) | 誰もが安全・快適・健康に暮らせる住環境の実現 | 誰もが家を持てる社会の実現 |
安全性の高い住環境の創出 | ||
健康に暮らせる住環境の創出 | ||
住宅の長寿命化・資産価値の維持 | ||
環境 (E) | 地球環境保全・クリーンエネルギーへの貢献 | 温室効果ガスの削減 |
商品・サービスによるエネルギー効率の改善 |
③ 事業環境変化に対応できる財務健全性の維持
資本コストや株価を意識した経営を考慮しつつも、経済環境の不確実性が高まっている状況においては、お客様に長期にわたり利用される商品の供給者として、財務健全性の維持に努めてまいります。
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