企業稲葉製作所東証スタンダード:3421】「金属製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

(1) 経営方針

 当社グループは、「独自性のある高品質な製品をお客さまにお届けする」という事業精神のもとで、お客さまの声に対し、従業員一人ひとりが新しいアイデアを出し合い、モノを創造していくこと、それが最高の品質を生み、最高の価値を生むものと考え、技術部門は「独自性」を、製造部門は「品質とコスト」を、営業部門は「信頼」を徹底的に追求し、「信頼に応えるモノづくりを通じて社会に貢献する」ことを経営理念としております。この経営理念のもと、鋼製物置及びオフィス家具を製造・販売し、「くらしの快適さのための機能的な収納空間の実現と快適で創造的なオフィス空間の実現」に向けて事業活動を行っております。

 当社グループは創業以来、社会環境の変化に向き合いながら、開発・生産・販売の一貫体制を活かした着実な事業展開と効率的な経営を実践し続けることで、イナバらしさを追求し、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指してまいります。

(2) 経営環境

① 当社グループを取り巻く環境

 翌連結会計年度の事業環境については、価格改定後の需要減や消費者物価の上昇に賃金の伸びが追い付かず、実質賃金の伸びがマイナスで推移している状況等から、鋼製物置の需要は弱含みで推移すると予想されます。一方で、オフィス家具事業については、デジタル時代におけるオフィスのあり方の変化など、オフィスの改装需要は堅調に推移すると予想されます。材料の価格動向は、一部の材料において値上げの動きがあり、引き続き高止まりの水準で推移すると予想され、材料費の増加が見込まれます。また、生産設備新設などの投資が予定されていることから、設備関連費用や減価償却費の増加が見込まれるなど、利益水準を押し下げることが予想されます。

② 鋼製物置事業を取り巻く環境

 当連結会計年度については、コロナ禍で普及した在宅ニーズの高まりを背景とした新築需要の一巡などから持家の新設着工数が減少したこと、材料価格の高騰を受けて販売価格の上昇が進んだことから、物置の需要は弱含みで推移いたしました。また、防災意識の高まりを背景に、物置はより強さが求められるようになり、お客さまのニーズが堅牢性の高い「安全」な物置から、さらに一歩進んだ「安心」できる物置へと変化しつつあります。

 価格改定の実施、消費者物価の上昇などの影響で、翌連結会計年度における鋼製物置の出荷数は減少すると予想されます。

③ オフィス家具事業を取り巻く環境

 当連結会計年度については、リモートワークの普及とともに、単なる執務空間からコミュニケーションやイノベーションの場へとオフィスを再構築する動きが進んだこと、シェアオフィスの普及などから、オフィス家具の需要は底堅く推移いたしました。

 翌連結会計年度においても、デジタル時代におけるオフィスのあり方の変化など、オフィスの改装需要は堅調に推移すると予想されます。

(3) 経営戦略等

① 一貫体制の維持・強化

 当社は、1940年にプレス加工メーカーとして創業して以来、鋼製物置、オフィス家具に事業領域を拡大し、新技術・新製品の開発に取り組み、鋼製物置・オフィス家具の両事業で多彩な製品を提供しております。鋼製物置事業では、イナバ物置の生産開始以降、CM「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫」での認知度に加えて、ユーザーの立場にたって組み立てやすく高品質な製品づくりを心掛けてきた結果、鋼製物置市場では国内トップシェアを獲得しております。また、物置で培ったノウハウを活かしてガレージ、倉庫、自転車置場等で製品領域を拡げ、現在は大型製品のラインナップ拡充に注力するなど、快適な住環境からパブリックスペースまで多様なニーズに対応する製品を提供しております。オフィス家具事業では、ユーザーの使いやすさを徹底的に追求し、ノックダウン方式を業界で初めて採用するなど、デスク、チェア、パーテーション等を含めたオフィス空間のトータルプロデュースに心掛けております。

 当社グループは、市場から求められる高品質な製品を安定的に供給し続けるため、引き続き一貫体制の維持・強化に取り組んでまいります。

 技術部門では、市場ニーズに合致した競争力のある新製品を開発し、製品ラインナップの拡充に取り組んでおります。製造部門では、「製品の90%以上が自社による一貫生産」という自社生産比率の高さを強みとし、加工専用機械、金型製作、ライン編成等も自社で設計・製作し技術とノウハウを社内に蓄積することで、コスト競争力と高品質を両立させた製品づくりを行ってまいります。また、自動化・省力化に資する設備投資とより最適な生産体制の確立を継続的に進めております。営業部門では、全国展開している代理店網を活用した地域密着型の営業活動を重視し、お客様・代理店・販売店の声、市場動向等をリアルタイムで技術部門や製造部門へ伝えることで新たな製品開発を進め、お客様の信頼獲得につなげてまいります。また、全国に開設している物流拠点を営業部門が統括することで、正確な配送と納期の短縮化を目指しております。

② 翌連結会計年度の基本方針

a.基盤事業の成長と収益力の向上

 当社グループは、収益性の維持・向上を実現するために、イナバ製品の「品質」「独自性」「価値」を追求し、引き続き「新製品開発」「用途開発」「職人の育成・充実」などに取り組んでまいります。

(鋼製物置)

 鋼製物置事業については、高収益基盤の構築に向けて、「フォルタ・シリーズ」、「ガレージ・倉庫」など主力ブランドへの集中による売上高の拡大と収益力の向上に取り組むことで、投資原資を安定的に創出してまいります。

 翌連結会計年度には、市場ニーズに応える新製品の投入を予定しており、新たな顧客層の獲得に努めてまいります。また、大型製品の生産能力増強と物流の効率化などに取り組むことで、更なる収益力の向上と物流負荷の低減を目指してまいります。

(オフィス家具)

 オフィス家具事業については、売上高の拡大と収益力の改善に取り組んでまいります。これらを実現するために、お客さまのニーズにマッチした製品の拡充や提案営業の強化並びにコスト抑制の取り組みを継続してまいります。また、新製品開発については、OEM先との共同開発を積極的に行ってまいります。

b.経営基盤の強化

 当社は、持続的成長・中長期的な企業価値の向上のため、生産革新や積極的な設備投資が重要であると認識し、これまで2014年着工の富岡工場新設をスタートに、犬山工場及び柏工場の刷新を進めてまいりました。これを更に進め、将来にわたる資本収益性の維持・向上を目指してまいります。

 富岡工場の新設では、大型製品の生産能力増強と自動化を推進いたしました。犬山工場では、物置生産ラインの全面更新、塗装設備の更新並びに倉庫レイアウトの変更を行うことで、生産性の向上と自動化を推進するとともに、物流負荷・環境負荷の低減を図りました。柏工場でも、塗装設備の更新を行い、環境負荷の低減を図りました。

 当社は、これまでの設備刷新等を基盤として、さらに次の設備投資を進めてまいります。

ⅰ)富岡工場に加え、犬山工場にガレージ製品の生産ラインを新設し、併せて西日本地区への大型製品配送の効率化を図ります。

ⅱ)オフィス家具の生産を犬山工場から主要マーケットである首都圏に近い柏工場に生産移管いたします。ⅲ)柏工場の物置生産の一部を富岡工場に生産移管いたします。

 当社はこれらを通して、収益力の向上、物流負荷の低減及びBCPの強化を目指してまいります。

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、中長期的な経営指標として売上高経常利益率を重視しております。また、経営基盤の強化や将来の収益向上に向けて、設備投資を継続的に実施していることから、減価償却前営業利益の水準も重要な経営指標と考えております。

 翌連結会計年度の経営目標・指標は、次のとおりであります。

売上高

44,000百万円

営業利益

2,570百万円

経常利益

2,910百万円

親会社株主に帰属する当期純利益

2,270百万円

<経営指標>

売上高経常利益率

6.6%

減価償却前営業利益

4,459百万円

売上高減価償却前営業利益率

10.1%

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の国内経済については、ロシア・ウクライナ情勢、その影響等によるエネルギー・原材料価格の動向、世界的な金融引き締めに伴う急激な金利・為替変動、物価上昇の動きなど、引き続き不確実な状況が続くことが見込まれます。

 このような状況のもと、当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するためには、生産革新や積極的な設備投資が重要であると認識しており、これからも設備投資等を通じて生産性・生産技術の改善等を進め、収益性の維持・向上を目指してまいります。

 また、当社グループは、鋼製物置事業において高シェアと高収益を維持していくこと、オフィス家具事業において多様化するマーケットニーズに対応した競争力のある製品のラインナップ充実などに加え、徹底したコスト管理の強化、品質・生産性の向上などに努めてまいります。そして、両事業の成長と収益力の向上により創出したキャッシュを、事業基盤の拡大、経営基盤の強化を目的とする設備投資や株主還元などの成長投資に活用してまいります。

 あらゆるステークホルダーからの信頼にお応えするために、省エネルギー・省資源、廃棄物削減、部品共通化等、持続的環境負荷低減に取り組むほか、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス体制強化による内部統制システムの充実、BCPなどリスク管理体制の整備による安定した事業継続に取り組んでまいります。

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