企業兼大株主神東塗料東証スタンダード:4615】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、高い技術水準に裏打ちされた高品質、高機能、環境対応型の塗料製品・コーティング材料とサービスを顧客志向の組織を通じて、真心こめて提供していくことを基本方針としております。

 また、当社は以下の「企業理念」を経営の基本としております。

「企業理念」

 神東塗料は、

1. 塗料事業を通じて社会の発展に貢献します。

2. 堅実と信用を第一に、お客様に信頼される会社であり続けます。

3. 社員が愛着を持ち、より誇りの持てる会社を目指していきます。

(2) 目標とする経営指標

 当社グループにおきましては、業績に占める持分法適用会社の重要性を考慮し、売上高、営業利益、経常利益、売上高営業利益率及び売上高経常利益率を重要な指標として認識しておりますが、当面はコアビジネスの収益力の向上を図るため売上高営業利益率を最重要視しております。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、現在主な事業地域としている国内市場の構造的な縮小、世界で広がる保護貿易主義的な傾向、原材料価格の値上がり懸念など厳しい市場環境が想定される一方、老朽化した設備の更新投資をはじめとする経費の増加も避けられず、売上高・利益の拡大は容易ではないと認識しております。この課題解決のため、既存製品の改良によるシェア拡大・収益向上、事業範囲の拡大による売上高増加、ITツール導入による生産性向上に取り組んでまいります。また、10年先の利益水準の目標を連結売上高営業利益率10%と設定し、この10年を準備・実施・収穫の3つのフェーズに分けて、様々な施策を進めてまいります。2021年3月期からの3年間は準備フェーズとして2023年3月期の連結売上高営業利益率を4.7%まで引き上げることを目標とする中期経営計画を策定、その後の環境変化等をふまえ、その計画期間を2024年3月期まで1年延長し、その達成に向け取り組んでおりました。しかしながら事業環境は、コロナ禍による業界全体の需要減が長期化する一方、供給不安等による資源価格・原材料価格の高騰が続いております。

 当社グループとしては、売価是正や合理化等各種改善努力を尽くしたものの、中期経営計画2年目の2022年3月期決算は大幅な連結営業赤字を計上するに至り、最終年度に掲げた連結営業利益目標からさらに乖離する結果となりました。今後の事業環境についても、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等急速な好転が望み難い状況であることに加えて、当社製の一部製品に係る品質不適切行為を受け、品質保証体制や不適切行為を長年放置してきた当社のコンプライアンス・ガバナンス体制について見直し、失った信頼を回復することが急務であると認識しております。

 このような状況をふまえ、今次中期経営計画の取り組みは2023年3月期で一旦終了し、新たに企業風土改革・会社体質改善を主軸とした、2023年度からはじまる3か年の次期中期経営計画を策定中であり、確定次第、開示する予定です。

(4) 会社の対処すべき課題

 当社には、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(その他経営全般に関するリスク)」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在しております。

 このような事象を解消するために、当社グループが取り組むべき課題は、利益率の改善に向けて、既存塗料製品の高機能化によるシェア獲得・高利益率化の成果発現、新規コーティング材の開発及び海外市場進出による事業拡大の加速、ITツール導入による業務の可視化等を通じた生産性向上を製造、販売、研究開発、管理の全ての分野において推進することの3つを事業展開の軸として取り組むのはもちろんのこと、まずは、不適切行為を受けて、当社の品質保証体制や不適切行為を長年放置してきた当社のコンプライアンス・ガバナンス体制について見直し、失った信頼の回復が急務であると認識しております。

<不適切行為の再発防止策の進捗状況等>

 当社における不適切行為につきまして、株主の皆様にはご迷惑、ご心配をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。

 当社は、2022年4月28日付「当社製の一部製品に係る不適切行為に関する調査報告書公表のお知らせ」にて、再発防止策等を取りまとめ公表いたしました。

 その後、2022年7月28日付「当社塗料製品のJIS認証取消およびJISマーク表示一時停止について」で公表しましたとおり、不適切行為に関連して、日本産業規格(JIS規格)について臨時の認証維持審査(以下「JIS臨時審査」といいます。)の結果、一部の認証規格について取消し及び一時停止の判定を受けました。なお、JIS臨時審査で受けました指摘は、品質検査を行う際の管理上の不備事項であり、塗料品質に対するものではありませんでした。

 これらに対して、当社では、不適切行為が認められた全ての製品に関し、検査成績書に定められた検査項目の全てについて検査を実施し、その結果に基づき合否判定を行い、出荷しております。また、お客様に対し個別に事態を丁寧に説明し、指摘された事項に対してはご指導に従い対応しておりますとともに、社内では、社長直轄で全社全部門から成るプロジェクトチームを立ち上げ、再発防止策の各々の施策を実行に移しております。

 さらに、再発防止策が適時適切に行われているかどうかをモニタリングしていただくため、社外役員・外部コンサルタント等から構成する「『明日の神東』推進委員会」を設置し、同委員会にて2022年6月より1~2ヶ月に一回、継続的に進捗状況のレビューを受け、種々の提言もいただいてまいりました。

 当社の再発防止策の各項目及び進捗状況の概要は次のとおりですが、詳細につきましては、当社ホームページ(https://www.shintopaint.co.jp)をご参照ください。

再発防止策

 進捗状況(2023年4月末時点)

(1)経営陣を含む全社的な品質コンプライアンスに対する考え方の抜本的な変革

実施中。

(2)品質コンプライアンス体制の構築等

 

①品質保証・品質管理部門の独立性確保、強化

概ね完了。

②品質保証・品質管理部門の増強

計画9名に対し5名増員完了。

増員継続実施中 。

③社内規程の見直し

社則改定済、実施中。

(3)コンプライアンス研修の充実・強化

各種研修計115回実施。

充実・強化継続実施中。

(4)部門・部署を跨いだ人事ローテーションの推進と属人的な業務の見直し

計画作成中。

(5)内部通報制度の周知、利用促進及び独立性の確保

概ね完了。

(6)お取引先様との密接なコミュニケーションの推進

実施中。

(7)コンプライアンス・ガバナンス再構築プロジェクト

社長対話集会計81回実施。

企業風土・体質改革活動継続実施中。

JWWA規格に関わる製品については、2023年3月31日付で日本水道協会より認証取消し等の処分内容が公表されました。また、JIS規格については、JIS臨時審査で受けた指摘事項に対して改善計画を作成し、再審査を受審いたしましたが、改善内容については承認されましたものの、一部の改善の効果については確認ができないとの判断を受け、認証の一時停止判定の解除には至っておりません。

 当社としてはこれらの結果を厳粛に受け止め、再発防止策の着実な実行と実効性を更に担保し徹底していく所存であり、改善が不十分との指摘に対しましては追加対策をすでに実施しております。

 また、「明日の神東」推進委員会には、再発防止策について、2022年6月の第1回委員会以降10回にわたり進捗状況を確認していただいてまいりました。同委員会からは、当社は現在まで社長の強いリーダーシップの下、考え得る精一杯の努力を傾注し、その成果も出始めていると評価できる一方で、規格の認証状況や業務の属人化を廃するための業務標準化等社内人事ローテーションに向けた諸準備も遅れが目立つなど、うまく進んでいない項目もあり、こうした点については今後一段の努力が求められること、さらに言えば、本活動の最終的に目指すべきところは、「働く人の心の持ちよう及び企業文化」の変革であり、そしてそれは、現在取り組んでいる再発防止策を粘り強く継続するとともに、定期的にPDCAを回しながら更なる高みを目指していく活動の積み重ねにより初めて得られるものであるとの意見を頂戴しております。

 当社は、一連の不適切行為を受けまして、きちんと仕事ができる会社に生まれ変わっていくために再発防止策を策定し、全社をあげて取り組み実行してまいりました。改善の取り組みに終わりはないとは理解しておりますものの、各規格の認証状況については前述のとおりであり、当社の歩みはまだまだ道半ばです。お客様に当社の製品を安心してお使いいただき、お取引先様等関係者の皆様方の信頼を少しでも早く回復していけるよう、「明日の神東」推進委員会からの提言もふまえつつ不適切行為の再発防止の諸施策を、経営陣が先頭に立って、グループ会社全従業員が真摯にかつ愚直に継続して実行してまいります。

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