片倉コープアグリ 【東証スタンダード:4031】「化学」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「企業活動を通して社会に貢献する」を基本理念として掲げております。当社グループは将来にわたって社会からの信頼を高めるべく、企業の社会的責任を最重要視し、公明正大な事業活動を通して企業価値の向上及び持続的成長、株主利益の拡大を図ることを基本方針としております。
(2)経営環境及び経営戦略等
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。当社グループは、このような経営環境のもと2021年度を初年度とする中期経営計画(2021~2023年度)に基づき、「日本が誇る農業ソリューションカンパニー」「世界へ向けて素材の機能性を創出する肥料・化学品メーカー」へと成長するための事業基盤・収益基盤を固めるべく各施策に取り組んでまいりました。
(3)中長期的な会社の戦略及び対処すべき課題
当社グループは、2021から2023年度までの3年間を対象とした中期経営計画を策定しております。最終年度である2023年度には、親会社株主に帰属する当期純利益1,100百万円の数値目標の達成を掲げております。一方で、主力の肥料事業においては、安定供給を果たすべく常時一定量保有している原料及び製品について、高騰していた原料相場が反転下落していることから、肥料価格値下がりを想定したマイナス影響を見込まざるを得ない状況となっております。
以上のことから、昨今の特異的な原料情勢を勘案した結果、中期経営計画の方針・戦略に変更はないものの、最終年度数値目標の達成は困難であると判断致しました。大きく変化する事業環境へ柔軟に対応し、中期経営計画で掲げた施策を着実に遂行しながら当社グループが「日本が誇る農業ソリューションカンパニー」「世界へ向けて素材の機能性を創出する肥料・化学品メーカー」へと成長するための事業基盤・収益基盤の構築を進めてまいります。
親会社株主に帰属する当期純利益 (単位:百万円)
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
実績/業績予想 | 1,022 | 2,172 | 600(予想) |
中期経営計画 | 850 | 900 | 1,100 |
(今後の事業戦略)
肥料事業においては、当社製品・技術を通じて日本農業へ貢献することが「持続可能な開発目標(SDGs)」の実現に繋がると考えております。
片倉コープアグリは「2030年にはプラスチックを使用した被覆肥料に頼らない農業に。」を理想に掲げ、これからの時代にマッチした肥料製品ラインナップを充実させ、利便性の向上と自然環境への負荷軽減に向けてさらに努力するとともに、引き続き以下の施策への取り組みを進めてまいります。
①ペースト二段施肥機を用いた実証展示圃を全国各地で展開
②資源循環の取り組みとして、国内の未利用資源の活用を進め、堆肥を混合した肥料や、再生リンを原料に使用した肥料の開発・拡販
③当社の技術力を活用した植物が本来持っている収量・品質等のポテンシャルを引き出し、化学農薬使用回数低減に資するバイオスティミュラント資材の普及
④農業従事者の施肥労力を軽減する機能性肥料の開発・拡販
化学品事業においては、グローバル展開を進めるなか、顧客に対する製品品質やサービスにおいて、より高い安心や満足を保証することを目的とし、2022年10月1日、品質保証部を新設しました。現状の品質保証体制を強化し、より満足いただける製品への改善を図りながら、引き続き以下の施策への取り組みを進めてまいります。
①化粧品原料では、サステナブルな化粧品開発・生産を目的としたグローバル認証であるCOSMOS認証の取得に向け取り組みを進めるほか、”美と健康”を追求した高機能素材の開発や、HALAL認証と新たに取得したVEGAN認証を活かした化粧品原料の更なる海外フィールドへの展開
②無機素材では欧州で発表されたリサイクル環境規制(Proposal for a revision of EU legislation on Packaging and Packaging Waste)の基準を達成するための機能性素材を開発・提案
③化成品では工業用リン酸において取得したHALAL認証及びKOSHER認証を活用した更なる拡販
不動産事業においては、現状の賃貸物件による安定的収益の確保、渋谷駅前に有する土地については、今後新たに店舗・事務所用途の建物を建設し賃貸事業を行うべく進めてまいります。
その他事業においては、新型コロナウイルスを背景に進捗が遅れている、中国上海に設立した「片倉(上海)農業科技有限公司」の中国国内における微生物資材の製造・販売と土壌診断及び指導事業について、早期収益化に向けて取り組んでおります。
(資本政策の基本的な方針)
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を図るため、資本効率の向上と財務健全性とのバランスを確保することを資本政策の基本方針と致します。
中期経営計画では不動産事業の渋谷駅前に有する賃貸物件、及び海外事業の中国の合弁会社での事業展開の収益を織り込まないため、具体的な数値目標は立てないものの、 株主資本当期純利益率(ROE)を資本効率向上の重要な指標ととらえ、新規事業分野への投資、付加価値の高い製品の開発、効率的な生産・販売体制の構築を追求し、連結当期純利益の増大を図り、株主資本当期純利益率(ROE)の向上を図ってまいります。
また、株主に対する利益還元を経営の重要政策と位置づけ、安定的かつ継続的に業績に見合った成果の配当を行うことを基本とし、引き続き配当性向50%を目標と致します。
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