永大産業 【東証スタンダード:7822】「その他製品」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは経営の基本理念に『木を活かし、よりよい暮らしを』を掲げ、地球、社会、人との共生を通じて、豊かで持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けることを目指しております。
「持続可能な森林の木を使う」「木を無駄なく使う」「木を循環して使う」という3つの循環の輪に沿った事業を展開するとともに、地球環境に配慮した製品を開発することにより、社会課題の解決に貢献してまいります。
また、すべての世代の安全と使い勝手に配慮した製品を提供することにより、豊かな住環境を創造するとともに、国際社会の一員として国や地域の多様性を尊重し、雇用の確保や製品の提供等を通じて地域社会の発展に貢献することで、ステークホルダーの皆様に報いてまいりたいと考えております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは事業の継続性とともに、株主に対する安定配当を持続するためにも収益の確保が最も重要と考え、売上高を増大させながら売上高経常利益率を高めることにより、収益基盤を強化してまいります。
当面の経営指標として売上高経常利益率5%以上を目標とし、業容拡大に取り組んでおります。
(3)経営環境
今後のわが国経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大には留意が必要なものの、社会生活や経済活動の正常化がさらに進むことにより、個人消費を中心として景気の持ち直しが期待されております。一方、ウクライナ情勢の長期化や為替変動に伴う原材料、資源・エネルギー価格の高騰、さらには世界的な金融引き締めによる海外景気の減速懸念は景気の下押しリスクとなることから、本格的な景気回復には今しばらく時間を要すると考えております。
住宅業界におきましては、政府による住宅取得支援策やコロナ禍で進んだライフスタイルの変化等が引き続き住宅需要を下支えすると見ておりますが、人口減少や単身世帯の増加といった構造的な問題は残されており、特に少子化は当初の想定より速いペースで進行しております。さらに足元では、住宅資材価格の高騰による建設コストの上昇や住宅ローン金利の先高観等による住宅取得マインドの低下が懸念されるなど、事業環境の不確実性が高まっております。こういった状況を踏まえると、住宅需要の早期回復は困難な状況にありますが、一方では、住宅内装部材においては住宅購入者の年齢層や世帯構成、ライフスタイル等によりニーズの多様化が進んでおり、それらの需要を取り込むための製品開発は、当社グループが事業を拡大するうえで重要なポイントになると考えております。
このような状況の中、住宅内装部材メーカー各社は、最新のトレンドを反映した色柄やデザイン、機能を取り入れた新製品開発を強化し、市場投入サイクルを短縮するとともに、生産拠点においては生産能力の強化を図ってきました。こういった企業間の熾烈な競争が続いてきたことから、住宅内装部材の需給バランスは供給過多の傾向が強まっており、原材料や資源・エネルギー価格が高騰を続ける状況においても、想定した期間内に販売価格の改定を浸透させることが難しくなっております。
(4)経営計画、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」の実現に向けて、本計画の基本方針に基づく各施策を進めましたが、新型コロナウイルス感染拡大に加えて、ウッドショックやウクライナ情勢の長期化、急激な円安の進行等により原材料、資源・エネルギー価格が高騰を続けたため、過去2年は売上高、各利益ともに数値計画を下回る結果となりました。コロナ禍で制約された社会生活や経済活動は正常化が図られているものの、原材料、資源・エネルギー価格が高騰するなど、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しております。また、ENボード株式会社は、2021年11月に工場建屋が竣工しましたが、ドイツの専任技術者がコロナ禍の影響により入国できない状況が続いたため、操業スケジュールに遅れが生じ、2022年11月の商用生産開始となりました。
このような状況を鑑み、中期経営計画を精査した結果、最終年度の数値計画が現時点の数値計画から大きく乖離する見込みとなりましたので、見直しが必要と判断いたしました。新たな数値計画につきましては、原材料や資源・エネルギー価格の高騰影響やENボード株式会社の進捗状況を考慮したうえで、売上高及び各利益指標を算定しております。なお、当社グループが優先的に対処すべき課題を落とし込んだ6項目の基本方針は、中期経営計画の根幹をなすものであり、変更はございません。
(3)経営環境に記載のとおり、当社グループを取り巻く環境は厳しさを増しておりますが、当社グループでは、お客様にご満足いただける製品品質の維持向上と併せて、資材の安定調達と製品の安定生産、安定供給に引き続き取り組んでまいります。これらの取組を前提として、主力の住宅資材事業では、更なる製造原価の低減や販売価格の適正化、販売構成の改善により収益性の改善を図るとともに、多様なニーズを取り入れた製品開発とライフスタイルの変化に合わせた製品の拡充を図り、SNSを含めたより効果的な販売促進策を通じて、販売拡大に努めてまいります。さらに、リフォーム需要の獲得や非住宅分野での販売を強化することにより、新築依存からの事業構造の転換を進め、事業領域の拡大と収益力の強化を図ります。
また、ENボード株式会社の事業を早期に軌道に乗せることが喫緊の課題と認識しております。同社の高品質なパーティクルボードを、グループ外から調達している合板などの木質材料の代替として住宅資材事業の製品へ積極的に採用するなど、材料から製品までを一貫して生産できる体制を構築し、調達コストと製品供給の安定化を図ってまいります。一方、構造用やフローリング基材用のパーティクルボードは、合板の代替として需要の拡大が見込まれているため、最新鋭の設備を駆使して生産した高品質なパーティクルボードを提案することにより、新たな販売先を開拓してまいります。さらに、パーティクルボードの新たな用途開発を推進し、住宅資材と木質ボードの両事業の相乗効果により、業績と企業価値の向上に取り組んでまいります。
<数値目標>
①当社グループの目標
(単位:百万円)
| 2019年3月期 (実績) | 2020年3月期 (実績) | 2021年3月期 (実績) | 2022年3月期 (実績) | 2023年3月期 (実績) | 2024年3月期 (計画) |
売上高 | 58,246 | 57,119 | 55,814 | 59,444 | 69,787 | 75,000 |
営業利益 | △1,609 | △750 | △383 | △40 | △1,143 | △100 |
経常利益 | △1,400 | △647 | △227 | 59 | △1,309 | △300 |
EBITDA(注) | 192 | 1,114 | 1,647 | 1,988 | 1,473 | 3,650 |
(注)EBITDA=税金等調整前当期純利益に特別損益、支払利息および減価償却費を加算した値です。
②資本政策・収益計画の基本方針
1)資本政策の基本方針
当社の資本政策の基本方針は、企業価値の持続的成長を目指し、事業拡大の機会を迅速、確実に捉えるために必要となる十分な株主資本の水準を保持するとともに、連結配当性向30%以上を確保しつつ、自己株式の取得を必要に応じて検討することとしております。
2)収益計画に関する目標
当社は、収益力に関する目標として、売上高経常利益率5%以上を設定しております。中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」は、2022年11月に商用生産を開始したENボード株式会社(総事業費約250億円)の償却費が大きく影響するため、最終目標に到達しない計画としておりますが、EBITDAを目標に加え、達成度合いを管理してまいります。そして、次の中期経営計画において最終目標の5%を達成すべく取り組んでまいります。
<基本方針>
① お取引先様及びエンドユーザー様にご満足いただける製品品質とサービスの提供
当社では、設計、製造から販売に至るまで、「お取引先様及びエンドユーザー様にご満足いただくこと」を最優先とし、お客様の声に耳を傾け、各施策を通じて製品品質とサービス、そして信頼を提供してまいります。
② 住宅分野でのシェアアップと新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換
1)住宅分野でのシェアアップ
今後、新設住宅着工戸数は低水準での推移が見込まれますが、当社の主力である住宅分野においては、多様なニーズを取り入れた製品開発とライフスタイルの変化に合わせた製品の拡充に取り組み、効果的な販売促進策を通じて、これまで以上のシェアアップと売上の拡大を図ってまいります。
2)新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換
コロナ禍による市況の悪化、さらには人口減少や世帯構成の変化といった構造的な要因により、新設住宅着工戸数は低水準での推移が見込まれますが、当社のさらなる売上の拡大と将来の事業基盤を強固なものとするため、各施策を通じて事業構造の転換を加速し、事業領域の拡大と収益力の強化を図ってまいります。
③ 木質ボード事業の強化と拡大
パーティクルボードの製造を目的として日本ノボパン工業株式会社と合弁で設立したENボード株式会社を早い段階で軌道に乗せ、各施策を通じて木質ボード事業の拡大と収益向上を図ってまいります。
④ 生産性の向上とグループ全体での生産体制の最適化
当社グループの製造部門においては、生産性の改善をはじめ、海外拠点を含めたグループ全体での生産体制の最適化を図るとともに、コスト低減に継続して取り組んでまいります。
⑤ 物流及び情報システムの改革を推進
物流・情報システムの改革を推進することにより、物流関連業者の負荷低減に努めるとともに、BCMの強化と安定したサプライチェーンの構築に注力し、経営基盤のさらなる強化を図ってまいります。
⑥ SDGsの取り組み
当社グループは、「持続可能な社会の形成や地域社会の発展に貢献する企業」として、社会的な課題やニーズに対して取り組んでまいりました。今後も前述①~⑤の方針に基づく事業活動を推進することにより、SDGsに貢献してまいります。
なお、中期経営計画の詳細につきましては、当社ウェブサイトに掲載しております。
(参考URL https://www.eidai.com/profile/ir/management.html)
注)経営計画等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
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