企業兼大株主横浜ゴム東証プライム:5101】「ゴム製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

 当社グループでは、以下を経営方針とし、基本理念である「心と技術をこめたモノづくりにより幸せと豊かさに貢献します」の実現を目指しております。

・技術の先端に挑戦し、新しい価値を創り出す
 ・独自の領域を切り拓き、事業の広がりを追求する
 ・人を大切にし、人を磨き、人が活躍する場をつくる
 ・社会に対する公正さと、環境との調和を大切にする

(2) 目標とする経営指標

 当社グループでは、2026年度までの中期経営計画において以下の財務目標の達成に向けて取り組んで参ります。

売上収益

1兆1,500億円

事業利益

1,300億円

事業利益率

11%

自己資本比率

50%を目安

ROE

10%超

営業キャッシュフロー

3,850億円(3年間累計)

設備投資

減価償却費以内 (除く戦略投資)

(3) 経営環境及び経営戦略・対処すべき課題

 当社グループは、2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)の終了を受け、2024年度から2026年度までの新中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーロク)を発表しました。

 新中期経営計画「YX2026」では「YX2023」から推進してきた既存事業における強みの「深化」と新しい価値の「探索」をさらに推し進め、次世代に負の遺産を残さないという強い意志を持って変革の「総仕上げ」を行います。こうした考えの下、各事業で定めた成長戦略を断行し、「YX2026」中または2027年度に「Hockey Stick Growth」(「うなぎ昇り」の成長)を果たすことを目指します。現在見込んでいる2026年度の経営目標は、売上収益1兆1,500億円、事業利益1,300億円、事業利益率11%、ROE (自己資本利益率)10%超を掲げています。

各分野での戦略は、次の通りです。

■タイヤ消費財

 タイヤ消費財では近年、低コスト・低価格な新興タイヤメーカーが生産能力を拡大し、市場シェアを伸ばしています。これに対し「YX2026」では高付加価値品比率の最大化を積極的に推進し、収益率の向上を目指します。これに加え「Hockey Stick Growth」を果たすため、新興タイヤメーカーのコスト競争力に対抗すべく低コスト・高効率化を目指し、1年で工場を立ち上げる「1年工場」に挑戦します。高付加価値品比率の最大化では、プレミアムカーへの新車装着の推進およびグローバルでのモータースポーツへの参戦を継続しブランド価値向上に取り組みます。また、各地域の市場動向に沿った開発・供給・販売体制などを強化する「商品・地域事業戦略」を引き続き推進します。

■タイヤ生産財

OHT事業

OHTの市場規模は約4兆円、市場成長率は年6%と予測されており、消費財タイヤ市場の年2%と比較し高い成長が期待できます。OHT市場の約40%を占めると予測される農業・林業用機械向けタイヤでは、横浜ゴムグループがトップシェアを誇っており、Tier(ティア)1~Tier3までティアごとに持つ生・販・技の強みを活かした「マルチブランド戦略」でさらに市場地位を強化します。市場の25%と予測され、当社が市場2位のシェアを持つ産業・港湾用車両向けタイヤでは、専門スタッフによるタイヤメンテナンスサービス「Interfit」のさらなる展開地域の拡充を図ります。また、当社が僅かなシェアに留まっている建設・鉱山用車両向けタイヤ、そしてOHT事業全体で「Hockey Stick Growth」に向けて「Programmatic M&A」(プログラマティックM&A)を検討し、さらなる成長を目指します。さらに生産能力のさらなる拡大に加え、2023年5月に買収したTrelleborg Wheel Systems Holding AB(現Yokohama-TWS=Y-TWS)とのシナジー創出を横浜ゴムグループ全体で本格化します。

TBR事業

TBR(トラック・バス用)タイヤにおいても新興タイヤメーカーが生産量や市場への供給量を拡大しており、これに対し、欧米政府はアンチダンピングや相殺関税といった保護政策を実施しています。当社はこうした措置により適正な価格が維持された国や地域での販売強化を図り、収益を伴った成長を目指します。

■MB事業

MB(マルチプル・ビジネス)事業は「YX2023」における事業再編や収益改善策の実行により、収益を生み出す事業基盤を整えました。「YX2026」ではホース配管事業を「成長ドライバー」と位置づけ、バリューチェーンの再構築や北米での生産構造の改革を行います。工業資材事業は、コンベヤベルトでは国内における確固たる市場地位の確立、マリンホースでは高収益体制の安定化に向けた内部改善を推進します。MB事業全体では2026年度に事業利益率10%を目指し、MB事業の存在感を高めていきます。

■技術・生産

「YX2026」では「よいものを、安く、スピーディーに」をモットーに横浜ゴムグループ全体の基盤強化に取り組みます。「よいもの」では次世代プレミアムカーへの新車装着の強化を、「安く」では他社に負けない抜本的コストダウンを、そして「スピーディー」ではタイヤ消費財戦略で目指す「Hockey Stick Growth」の目玉である「1年工場」への挑戦とタイヤ開発のスピードアップを図ります。

■サステナビリティ

 横浜ゴムでは、サステナビリティ活動は企業活動である以上、企業の成長に資するものであるべきと考えています。そのため、環境投資も十分な検討を重ね、企業収益と両立していくことを目指します。その一部として、温室効果ガス排出量の削減ではY-TWSを含め、2019年比で2026年に30%、2030年に40%削減を新たな目標とし、コストを下げながら目標を達成する計画を策定しました。サステナブル原料使用の促進では新たにScope3の削減目標を追加し、2026年に28%、2030年に30%を設定しましたが、「YX2026」中にコストアップなく2030年に40%を達成できる方法を検討していきます。

財務

「YX2026」でも引き続き「Hockey Stick Growth」を目指す積極的な戦略投資によって企業価値を高めていきます。資産効率化では政策保有株式売却をさらに推進し、資本構成では事業構造に合った最適な資本バランスの実現(自己資本比率50%を目安)に取り組みます。また、PER(株価収益率)向上では、経営陣によるIRイベントを拡充し、情報発信と対話の強化を通じて資本コスト低減や期待成長率の向上に努めます。キャピタルアロケーションでは、3年間累計のキャッシュイン約4,500億円のうち、約3,200億円を戦略投資および経常投資に充てる予定です。株主還元については、こうした持続的な利益成長に向けた投資を積極的に実施する中においても、当社の「将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を図りつつ、安定した配当を継続する」といった基本方針に則り、安定的かつ継続的に増配していくことを目指します。

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