企業日精エー・エス・ビー機械東証プライム:6284】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 経営理念

・人と社会に豊かさを提供する

・高い技術、サービスで恒久的な存続を追求する

PETボトルの生産(成形)機であるストレッチブロー成形機の製造・販売を手がけている当社グループは、高い先取的技術性を蓄積しながら、よりきめ細かいユーザーへのサービスを提供し、PETボトルを広く世界に、より多くの用途で普及させていく事業を営んでおります。当社グループはこの事業をより発展させ、人々が、便利で豊かな生活を営むことに資することを目指しております。

 企業目標の達成には、業務執行体制の整備とそこに帰属する要員の高い資質が求められます。これに添い、就業者に対しては、前述の経営理念に基づく企業目標を達成する上での、業務遂行上の規範になるものとして、以下の「行動指針」を設定しております。

 行動指針

・顧客満足の追求

・継続的改善への試み

・規律と活力ある職場

(2)業界構造、市場環境及び経営環境

① 業界の特徴

 当社の所属するストレッチブロー成形機業界は、容器の成形方法の違いから、次の2種類に大別されます。

<2ステップ方式(以下、2ステップ機)>

 容器の原形となる1次成形品のプリフォーム成形と、それに高圧エアを噴射して膨らませるブロー成形工程を別々の機械で行う方式であります。容器の成形時間においてボトルネックとなるプリフォーム成形を別の機械で行い、それをストックして搬送システムでブロー成形機に投入し膨らませることで量産性を確保します。但し、機械の特性上、均一で単純形状の容器成形に適しているため、主に飲料容器の大量生産に使われております。

<1ステップ方式(以下、1ステップ機)>

 当社の得意とする方式で、プリフォーム成形とブロー成形工程を1台の機械で行う方式であります。2ステップ機に比べて量産性では劣りますが、同一の機械で成形するため、産業設備としての省エネ・省スペース・省人化に優れ、プリフォームの保管工程を省くことで衛生面も優れております。また、機械の特性上、容器形状の制約がないため、複雑で多種多様な容器の成形に適しており、主に食品や日用品、化粧品といった非飲料容器の中小ロット生産で使われております。

② 当社成形機の特徴

 当社は1ステップ機を主力とし、その分野において高い評価を得ておりますが、その理由は独自の「4ステーション方式」であります。具体的には、①プリフォーム成形、②温度調整、③ブロー成形、④取出し工程の4つのステーションで構成されており、中でも重要なのが第2ステーションの温度調整機能であります。プリフォームを容器形状に応じて温度調節することで、成形難度が高く、複雑な形状が求められる多種多様な容器成形を可能としております。

 また、近年では、「ゼロ・クーリングシステム」と命名した新技術の開発実用化を進め、製品競争力を強化しました。これは、1ステップ機の中でも当社の4ステーション方式でしか成し得ない、容器の生産性・物性強度・外観品質・軽量化を同時にかつ飛躍的に向上させる画期的な新技術であります。とりわけ、軽量化についてはプラスチック材料の使用量削減を実現できるため、廃プラスチック問題への対策としても有効な技術であります。

③ 市場環境の変化及び競争優位性

 現在、容器分野においては、一般消費者の価値観の変化・多様化を受け、多くの課題が生じております。

 具体的には、価値観の多様化による容器寿命短期化への対応や、商品差別化のための容器の高付加価値化への対応が挙げられます。また、廃プラスチック問題に端を発する環境意識の高まりから、リサイクル材料や生分解性樹脂等を用いた環境配慮型容器が注目を集めております。更に、衛生意識の高まりを背景に、消毒液や医薬品などの衛生用品の需要が世界的に高まっております。

 このような市場環境の変化を背景に、多品種・高難易度の容器を中小ロットで効率的に生産できる当社の1ステップ機への注目度が高まっております。

 また、当社は機械メーカーでありながら、「顧客が最終的に欲しいのは容器」であるという考えの下、技術者が国内外の客先に出向き、機械・金型・成形技術の「三位一体の技術力」で、顧客が容器品質に満足するまで徹底した成形支援を行うことをモットーとしております。これによって当社の技術者も腕を上げ、複雑な温度調整等の高度な要素技術を蓄積し、それを技術開発に還元し、顧客ニーズを満たした成形機を開発することで、新たな容器市場を開拓してまいりました。

④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 多様化するビジネス環境の中で、常に優位性を保ち続けながら、進化発展を成し遂げるためには、利益を着実に生み出す収益構造と効率経営が必須であります。

 とりわけ、主たる市場を海外に求めながら、製造拠点を日本からインドヘと拡充し、製品・企業体そのものの競争力を増強させてきたメーカーとして、当社グループは、売上総利益、営業利益及び経常利益について、絶対額の増加及びこれらの対売上高比率の均衡・良化を重要な経営指標としております。

(3)中長期的な会社の経営戦略・優先的に対処すべき課題

 今後につきましては、長期化するロシア・ウクライナ情勢に加え中東情勢の悪化など地政学リスクの増大のほか、世界的な金融引締めの影響が懸念されるなど、世界経済は先行きに不透明な状況にあります。

 一方、ストレッチブロー成形機業界におきましては、安全で衛生的なプラスチック容器の需要は底堅く推移することが見込まれ、加えて、気候変動やプラスチック環境問題などの社会課題への関心の高まりは環境対応技術に強みを持つ当社製品の需要を押し上げることが想定されます。

 当社は、業界のリーディングカンパニーとして、先進的な研究開発活動を継続するとともに、気候変動問題やESG経営などの社会課題に積極的に取り組むことで、中長期的な事業規模の拡大を図り、恒久的な存続を追求してまいります。

① 製品競争力向上によるシェア拡大

 得意とする非飲料容器分野において、主力製品である1ステップ機の機能強化に努めてまいります。具体的には、「ゼロ・クーリングシステム」の更なる進化により高品質容器の対応幅を拡げ、金型交換時間短縮仕様である「クイックモールドチェンジ」の提案を進めることで、顧客の生産性向上に貢献してまいります。更に、リサイクル樹脂を用いた2層容器成形や生分解性樹脂を用いた容器成形などの環境対応技術の一層の強化を図ってまいります。

 飲料容器分野においては、2ステップ機と1.5ステップ機の機能強化に努めてまいります。具体的には、当社独自の耐熱技術(ダブルブロー・ヒートセット成形)を搭載した「HSB-4N(2ステップ機)」において、PETボトルのリユース性能を高めてまいります。更に、「PF36シリーズ(1.5ステップ機)」において、1way軽量ボトルの成形性能を高めてまいります。加えて、既存の製品ラインナップを補完する新型機の開発を進め、大量生産から中小ロット生産のあらゆる顧客ニーズに対応してまいります。

 更にDX戦略としては、成形機の制御・モニタリングシステムである「Vision1」の提案により、顧客成形機の稼働状況の可視化やデータ分析をサポートするとともに、保守サービスの強化につなげてまいります。

② 強固な生産体制の構築

 インド工場への大型設備投資が完了したため、インド工場の有効活用を次のステージに進めてまいります。具体的には、大型機及び新型機のインド移管を進め、生産性向上と原価低減をより一層強化してまいります。更に、日本国内でのものづくりと研究開発体制を再構築することで、国内新工場の建設計画を具体化し、グローバルな規模での生産最適を進めてまいります。

③ グローバル営業体制の強化

 今期中に創設した営業本部の機能を更に進化させることで、グローバル営業体制の強化を図ってまいります。具体的には、欧州・米州に所属する外国人2名を正副本部長に据え、販売地域間における情報・戦略を有機的に連携させることにより、組織的な営業力の強化を図り、グローバル顧客への提案力を高めることで、受注拡大に努めてまいります。

④ ESG経営への取り組み

「人と社会に豊かさを提供する」、「高い技術、サービスで恒久的な存続を追求する」という当社の経営理念は、自然豊かな長野県小諸発のグローバルメーカーとして、サステナビリティ経営を体現するものです。当社は持続可能な社会の実現に向け、引き続きESG経営を積極的に推進してまいります。

E(環境)では、バリューチェーンでの脱炭素化への取り組みを着実に進めてまいります。

S(社会)では、地域社会貢献活動に継続して取り組むとともに、多国籍社員の活用や次世代リーダー及び女性管理職の育成を進めてまいります。また、健康で活力ある職場環境を目指して、健康経営や福利厚生の充実を図るなど人的資本経営を強化してまいります。

G(ガバナンス)では、新たな本部制のもと、グループ経営を軸とするグローバル事業の推進及び管理により経営基盤を強化してまいります。更に、サステナビリティ委員会を通じてESG経営の推進を図るとともに、グループ共通基盤の整備拡充を進めることで、グループガバナンスの強化に努めてまいります。

PR
検索