企業兼大株主日清紡ホールディングス東証プライム:3105】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループでは、“環境・エネルギー”を軸とし、「モビリティ」、「インフラストラクチャー&セーフティー」、「ライフ&ヘルスケア」に関わる3つの分野を戦略的事業領域に定め、これらの分野において高性能・高品質かつ競争力のある製品・技術の開発に力を注いでいます。そのために、グループ横断的な研究開発活動を行っており、無線・通信、マイクロデバイス、ブレーキ、化学品といった、多岐にわたる保有技術を融合してイノベーションを創出し、持続可能な社会へ資する新たなバリューを提供していきます。

 当連結会計年度の研究開発費は27,301百万円であり、主な研究開発とその成果は次のとおりです。

(1)無線・通信

 無線・通信事業では、コア技術である無線技術、通信ネットワーク技術、センシング技術を基盤にAI、IoT、クラウド、ローカル5G等の技術を加え、各分野のソリューション技術の研究開発に注力してきました。

 モビリティ分野に関しては、船舶の自動運航及び陸上交通の安全に重点を置いた研究開発を行いました。船舶の自動運航に関しては、公益財団法人日本財団(以下、日本財団)が推進する無人運航船プロジェクトMEGURI2040の第2ステージに参加し、本格的な実用化に向けて船上システム・陸上システム・船陸間通信システムの開発に取り組んでいます。2023年10月には、船上システム単独機能で構成する自動運航システムの海上実証実験を既存RORO貨物船の営業航路となる日立港と釧路港間往復約1,600kmで実施し、営業運航の中で成功しました。陸上交通に関しては鉄道の安全運行に貢献する目的で、鉄道車両が屋内外の様々な環境で高精度な位置特定を実現するために、GNSS、ジャイロセンサ、レーダ速度計等を統合した測位アルゴリズムの研究開発を行いました。

 インフラストラクチャー&セーフティー分野に関しては、防災減災を目的に高精細に観測が可能な気象レーダ、汎用性とコストに優れた水河川監視システム、セキュリティの強化と高効率な運用が可能な公共業務向けKu帯衛星通信システム等を開発しました。社会の安全とスマート化に向けては、空港内の航空機の位置を高頻度で把握し且つコストに優れたADS-B受信システム、遠隔監視が可能なテレビ中継放送機等を開発しました。また、ローカル5Gの活用拡大として課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証に、首都高速道路株式会社を代表機関とするコンソーシアムメンバーとして参加し、線状エリアに対応する狭帯域アンテナの開発及びフィールド評価を行いました。

 ライフ&ヘルスケア分野に関しては、超音波センシング技術の高度化を進めています。血管内超音波装置では更なる高速スキャン及び高速プルバックを実現して経皮的冠動脈形成術の時間を短縮する技術を開発しました。また、排尿ケアに特化したワイヤレスプローブ、内視鏡用超音波振動子の微細加工と次世代振動子の実用化に向けた研究開発にも取り組んできました。

 当セグメントに係る研究開発費は6,354百万円です。

(2)マイクロデバイス

 マイクロデバイス事業では、電子デバイス製品やマイクロ波製品等の企画、設計から生産技術まで総合的な研究開発を行っています。

 モビリティ分野に関しては、車両の状況に応じて省電力モードで動作する同期整流型スイッチングコントローラと、機器の状態を幅広い温度範囲で高精度かつ低消費でモニターするボルテージトラッカーの量産を開始しました。

 インフラストラクチャー&セーフティー分野に関しては、様々な用途への搭載が進む小型モータ制御向けに、幅広い駆動電圧に対応し使いやすい三相DCブラシレスモータコントロールICの量産を開始しました。また、リアルタイムでの超音波モニタリングによって、生産設備の故障予兆検知を簡便に可能とする防水接触型アコースティックセンサーの量産を開始しました。これにより保全コスト削減や稼働停止回避に貢献します。海上やルーラルエリア(非都市圏)等、有線による通信インフラ構築が難しい地域・環境でニーズの高い衛星通信分野では、屋外設置送受信機の高周波化・高出力化を進め、高速化•大容量化といった社会の需要に対応しています。

 ライフ&ヘルスケア分野に関しては、高音質を追求したデバイスのブランドである“MUSES(ミューズ)“の高音質化技術をベースに、性能とコストのバランスを最適化した高音質2回路入りオーディオ用オペアンプの量産を開始しました。また、マイクロ波・ミリ波センサでは引き続き水洗便座用センサユニットをより多くのラインアップや便座以外の用途に展開するための活動を継続しています。総務省のSCOPE案件に認定された、システム開発企業・大学との3者協業による危機管理型水位計プロジェクトは、2024年の製品化に向けて河川でのフィールドテストを実施しています。その他介護•見守りやセキュリティ・環境モニタ用途など幅広い用途向けの開発も進めています。

 当セグメントに係る研究開発費は9,347百万円です。

(3)ブレーキ

 ブレーキ事業では、モビリティ分野においてコスト競争力のある差別化商品の提供と技術力の強化を目標に掲げ、自動車用摩擦材の開発に取り組んでいます。

R&D機能では、重要保安部品としての高い信頼性を堅持し、銅規制等に対応した環境負荷物質を低減する製品の開発では、①xEV化で静粛性が高まる新世代車への適合における音・振動事象の撲滅、②効きの安定性、③摩耗粉塵の排出を抑制する優れた摩耗特性等、お客様ニーズへの対応に重点をおいて活動しています。開発した材質は、お客様にご好評を頂いており、国内外の数多くの車両プログラムへの適用が決まり、量産化が進捗しています。

 開発シーンでは、従来のモノづくりと評価を主軸としたPDCAサイクルに加え、CAEによる摩擦のシミュレーションと、データマイニングを主体としたデータ駆動型研究開発を加えることにより、開発期間の短縮化、開発品の高性能化、省力化及び開発費の最小化=開発効率の最大化を目指しています。その実現を支えるためにデータサイエンティストを頂点とするデジタル人財の育成も重視し教育プログラムを実行しています。加えて、2050年にCO2排出量ゼロに向けて独自の目標を掲げ、材質および製造工程の研究開発への取り組みも開始しています。また、当社グループ内のコラボレーションにより車両の安全、自律運転を見据えた足廻りのセンシングに関するマーケティングと研究を推進しています

 当セグメントに係る研究開発費は8,447百万円です。

(4)精密機器

 精密機器事業では、新製品開発と上市の加速を重点取組みテーマと位置づけ開発活動を行っています。

 モビリティ分野に関しては、射出成形技術、エレクトロニクス技術をベースにIMPC®(In-Mold Printed Circuit:立体配線成形技術)を合わせた配線機能一体型成形品の開発や、自動運転などの実現に貢献するセンサ関連の新製品開発を加速していきます。

 ライフ&ヘルスケア分野に関しては、医療分野において、優れた生体適合性等の高機能を備えたスーパーエンプラ樹脂を用いた新製品をはじめ、予防・予後・再生医療に貢献する製品の開発・上市を進めます。家電・住設分野においては、快適な居住空間や省エネに向けた空調機器用ファンや高気密・高断熱窓枠等の開発に取り組んでいます。

 なお、インフラストラクチャー&セーフティー分野に関しては、再生可能エネルギーや社会インフラの整備等持続可能な社会に向けた製品の開発を進めており、新たな事業創出に向けた活動に取り組んでいます。

 当セグメントに係る研究開発費は144百万円です。

(5)化学品

 化学品事業では、地球環境問題の解決に貢献する技術・製品の研究開発に取り組んでいます。

 モビリティ分野に関しては、燃料電池事業において、モビリティ用燃料電池に使用されるカーボンセパレータの新生産方法や性能向上を重点に活動しており、新生産方法での量産化に向け開発を進めています。機能化学品事業では、カーボンニュートラルへの貢献を目的とし、自動車塗装工程の低温化を実現する水性架橋剤の開発を進めています。

 インフラストラクチャー&セーフティー分野に関しては、断熱事業において、鉄道軌道用防振材の開発のほか、安全安心をテーマに不燃ノンフロンウレタンフォームの実用化を進めています。カーボン事業および機能化学品事業では、次世代・先端半導体向けの製品・添加剤の開発を進めています。

 ライフ&ヘルスケア分野に関しては、機能化学品事業において、マイクロプラスチックによる海洋汚染の拡大防止に向けて、海洋環境で生分解性プラスチックの分解を促進する添加剤の開発を進めています。断熱事業では、次世代エネルギーである液化水素の輸送及び貯蔵施設向けの高性能断熱材の開発、きれいな水を守るための高性能水処理担体の開発を進めています。

 当セグメントに係る研究開発費は354百万円です。

(6)繊維

 繊維事業では、ライフ&ヘルスケア分野において、環境・健康社会への貢献を重点取り組み事項として掲げ、グループ内外と幅広く連携し、研究開発を進めています。

 当連結会計年度はノーアイロンシャツに代表される「アポロコット」シリーズの商品を拡充し、環境配慮型の次世代商品として、防汚、冷感、ノンホルマリンなどの機能加工商品の開発にも注力しています。

 また、安心・安全を提供できる防透、抗菌防臭、抗ウイルス、綿100%のストレッチ生地などの健康快適商品の充実を図り、さらに、当社グループ内のマイクロデバイス事業と連携し、胎児見守り腹帯や騒音職場通信デバイスなどのスマートテキスタイルの開発も取り組んでいます。

「サーキュラーエコノミー」の実現を目指した、廃棄シャツから再繊維化し新たなシャツに生まれ変わらせる「シャツ再生プロジェクト」については、当連結会計年度にNEDO先導研究プログラムにおいて信州大学と共同で基礎技術の確立に向けた研究開発を進めています。

 当セグメントに係る研究開発費は694百万円です。

(7)全社共通

 グループ内の研究開発においては、各事業セグメントを超えた連携によるシナジーにより、環境・エネルギーカンパニーとして地球環境問題・社会課題の解決に貢献する新たな事業の創出に取り組んでいます。

・水素社会実現のための取組み

 レアメタルを使用しない燃料電池用触媒や水素生成用触媒などの部材開発に加え、燃料電池活用のためのシステム開発に取組んでいます。これら取組みの一部は、NEDO事業に採択をされています。

 当社グループの持つ超音波技術を活用した水素ガスセンサの開発は、携帯型水素ガス漏れ検知器「MoLeTELL®」の試験販売に加え、定置型漏れ検知器や水素濃度測定器など顧客ニーズに合わせた製品開発を進めました。

・地球環境問題への取組み

 マイクロプラスチックによる海洋汚染の拡大防止に向けて、海洋生分解性プラスチックの開発に取組んでいます。本取組みの一部は、NEDO事業に採択をされています。また、開発した微粒子はプラスチック微粒子代替材料として、ユーザーでの評価が進んでいます。

・安心・安全への取組み

 食の安心安全・安定供給に向けて、「完全閉鎖型植物工場」「環境センサネットワークによる制御」「画像AIとロボットによる省力化」など、プラントファクトリーのスマート化に取組んでいます。

 大容量化するデジタルコンテンツ情報をストレスなく送受信するための高速通信技術を活用した大容量のデータを瞬時に確実に伝送する「ミリ波通信システム」や、センサ及び通信技術を活用した「見守り機器・システム」などの開発、更にはこれらシステムを活用した「データ活用ビジネス」といったサービスへの取組みを強化しています。

 全社共通に係る研究開発費は1,958百万円です。

※国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

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