企業兼大株主日本瓦斯東証プライム:8174】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社は経営理念として、①地域社会に対する貢献、②企業の持続的成長を目指す、③人的資源の尊重を掲げております。

(2)経営環境及び経営方針・戦略等

◆当社グループを取り巻く経営環境

 当連結会計年度における我が国の経済は、ポストコロナ社会への移行による経済活動の正常化や原材料供給制約の緩和により、景気は緩やかに持ち直しました。エネルギーの分野では、2015年のパリ協定(COP21)を契機としてカーボンニュートラルの動きが急速に拡がる中、コロナ禍からのリバウンド、ロシアによるウクライナ侵攻により、グローバル規模でサプライチェーンが混乱し、エネルギー原料価格は記録的なレベルでの高騰が続きました。加えて、米中対立といった世界の分断の深化による従来の国際秩序の崩壊、ブロックチェーン技術を基礎としたNFT、スマートコントラクト、Web3.0等のテックの革新的進化は、既存の中央集権型社会システムを分散型へと変容させつつあり、経営環境は、新しい時代へのターニングポイントにあると考えています。

◆エネルギー業界に対する当社の認識

 地球温暖化という未曾有の危機、天災の発生増加や激甚化、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻などを踏まえた社会情勢は、上流から下流までの一貫して安定したエネルギー供給が当然のものではなくなったことを明らかにしました。大きく変化する経営環境のもと、お客さまや地域社会がエネルギー会社に求める価値はエネルギーの最適利用に移り、必要とされるのは、①再生可能エネルギーや蓄電池(EV等)の利用を前提としながら災害時でもエネルギーを強靭に自律的に供給できるレジリエントな分散型のエネルギーシステムの構築、そして②エネルギー業界のインフラや機能(営業・保安・システム・人材)などを共通化し、業界のオペレーション最適化に向けた、エネルギーインフラ・システムの共同利用(=プラットフォーム化)と考えております。


◆事業モデルの進化 "NICIGAS3.0" と新たな価値提供

 この課題に対し当社グループは、従来のガスや電気を仕入れて販売するという総合エネルギー事業を進化させ、①お客さまと②エネルギー業界のそれぞれに、新たな価値を提供し、成長させてまいります("NICIGAS3.0")。

①電気とガスをセットでお客さまに提供することを前提に、太陽光発電設備、蓄電池としてのEVやハイブリッド給湯器、EV充電設備などの分散型エネルギー(DER)を普及させ、各家庭のスマートハウス化を推進し、その上で広く地域社会に対して最適なエネルギー利用を実現する「エネルギーソリューション」を提供します。需要側の自律分散型エネルギーマネジメント(ソリューション事業)をいち早く実現。既存の中央集中型エネルギーインフラを補完する役割を担い、小売事業を強化・深化させて収益基盤を拡大してまいります。

②エネルギー業界に向けては,当社の高効率なオペレーションを他社と共同利用する環境を構築し、業界全体でのシェアリング(プラットフォームの利用)を進めます。設備・サービス・インフラ・システムの共同利用でエネルギー業界全体のインフラの最適化を図りながら、プラットフォーム事業収益を拡大いたします。

◆組織再編

 この事業モデルの進化を踏まえ、当社グループは、近未来の地域社会の姿を想定し、お客さま(=需要家)側の視点で新たなエネルギーの在り方を実現することを目的として、当社及びグループ都市ガス3社(当社完全子会社)を統合し、その上で「総合エネルギー小売会社」と「エネルギープラットフォーム会社」の2つに分ける組織再編を実施することを決定いたしました。具体的には、①当社が、会社分割により子会社3社(東彩ガス、東日本ガス、北日本ガス)のエネルギー小売事業を承継するとともに、②当社、東日本ガス、北日本ガスのガス導管事業等を東彩ガスが会社分割及び吸収合併により承継するものです。(効力発生日:2024年1月1日) 


◆3ヶ年計画

LPガスと電気の顧客基盤を拡大する利益成長に加え、今後本格化させるエネルギー・ソリューション事業とプラットフォーム事業の成長を実現する、3ヶ年計画を発表しました。
顧客基盤の拡大に加え、1件当たり営業利益を追求、DXで全体の販管費の伸びを抑制し、2026年3月期に営業利益220億円、純利益150億円、ROE22%を達成する計画です。


◆資本政策

 当社は、資本政策とは、株主資本の効率性を最大化するために行う能動的な戦略と位置付けています。そしてその効率性を端的に表す指標であるROEを財務上の最重要KPIと設定し、これを高めることを経営の重要課題をしております。なぜならROEが株主の皆さまにとっての投資利回りであり、経営にとってはお預かりした株主資本をどれくらいの効率で増やせたかを表す指標と認識しているからです。投下資本利益率(ROIC)の向上に努めながら、「不要な株主資本はお預かりしない」資本政策を徹底することで、ROEの向上を追求します


ROE向上には、バランスシートの能動的なコントロールが最重要事項となります。

 資産(の運用)サイドでは、これまでと同じように全体の資産規模を大きく増やさず、収益性の高いLPガスの商圏買収やICT投資、次世代投資等の「高収益資産」を積み増し、資産全体の収益性(ROIC)を高めてまいります。

 また、調達サイドにおきましても、適正自己資本比率を設定し、この水準を超える株主資本(不要な資本)を株主の皆さまからお預かりせずコントロールすることで、ROICの向上をダイレクトにROEにつなげております。今年度は、グループ再編で将来の企業体の在り方を定める中で、有利子負債の調達能力を検証し、最適な自己資本比率を見直しました。従来設定しておりました同比率を45%~50%(23年3月期は48%)から26年3月期までに40%まで引き下げ、最適化してまいります。


 当社は、キャッシュフローの配分では、高収益資産への成長投資を重視しながら、株主さまに対して高いレベルで還元することの二つを両立させております。24年3月期から26年3月期の3年間のキャッシュ-イン(営業キャッシュフローと借入によるキャッシュの獲得)として、860億円を見込んでおりますが、このキャッシュから、成長投資に385億、株主さまへの還元に475億を振り向ける方針です。


 還元につきましては、20年3月期以降、総還元性向は100%程度の水準を続けております。これは、積極的な投資を行いながらも不要な資産を売却、資産を圧縮して資産全体の規模を抑えているため、株主資本を積み増す必要がないからです。24年3月期から26年3月期までの3年間につきましても、利益からの総還元100%を計画しております。また、同期間には、自己資本比率を40%に最適化する還元も計画しており、実質的な総還元は100%超を想定、還元の方法については、株主の方々のご意向を反映し、配当の割合を高める方針です。


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