企業日本トリム東証プライム:6788】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

当社グループは、事業を拡充していくためには科学的エビデンスが不可欠であるとの考えのもと、ウォーターヘルスケア事業におきましては、水を電気分解して得られるアルカリ性で水素を豊富に含んだ「電解水素水」の研究及びそれを生成する「整水器」等の機器開発を行っております。また、医療関連事業では、電解水素水を血液透析に応用した「電解水透析」に関する研究並びに機器開発を、再生医療関連事業におきましては、「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞を利用した新しい医療の実現を目指した共同研究等を実施しております。

(1) ウォーターヘルスケア事業

① 飲用分野

 電解水素水は、医療効果の認証を得ている「胃腸症状の改善」だけでなく、溶存する水素の抗酸化作用による様々な効果が期待されており、産官学共同研究により、新たな機能の解明、実証、多用途化に取り組んでおります。

 昨年10月に理化学研究所との共同論文が科学誌「Nutrients」に掲載されました。電解水素水の日常的飲用は腸内炎症を抑制し、炎症性腸疾患の症状緩和に効果が期待されることを示唆する内容です。炎症性腸疾患は腸の炎症が原因で、下痢、血便、腹痛、倦怠感などの症状を繰り返す病気で、その代表的疾患である難病指定の「潰瘍性大腸炎」の患者数は140,574人、「クローン病」は47,633人おられます(厚生労働省「令和2年度 衛生行政報告例」)。それらの方々のQOL(生活の質)改善が期待されることから、今後、ヒト試験も検討してまいります。11月には科学誌「Heliyon」に「健常者においても電解水素水の日常的継続飲用により、血中酸化ストレスが低く抑えられている」との内容の論文が掲載されました。「ウォーターヘルスケアという、新習慣。」が生活習慣化しやすい疾病予防策として期待されることを示唆するもので整水器普及の大きな後押しとなるエビデンスです。

 本年4月、これらの成果を更に深化させることを目的に、本年4月より神戸大学と、共同研究講座「エッセンシャルヘルスケア科学共同研究講座」を開設いたしました。

 高知県須崎市との3年間に亘る電解水素水飲用による健診データや医療費に関する疫学調査事業につきましては、引き続き進行中で、2025年3月期末頃に終了する計画です。

 今後も引き続き、理化学研究所、東京大学、東北大学等と、電解水素水の効果とその機序解明とともに新たな事業シーズ探索を目的とした共同研究を進めてまいります。

② 農業分野

 農業分野では、農作物の栽培に電解水素水を応用することにより、生産効率向上、抗酸化性や糖度の高い機能性作物生産への寄与、「還元野菜®」のブランド化など高品質・高付加価値農業の実現に向けて取り組んでおります。

 農作物栽培に関する電解水素水の効果については、これまで農家の方々にも協力いただき確認してまいりましたが、現在、その機序解明を目的に、遺伝子レベルでの解析を行う共同研究を理化学研究所と推進しております。効果の機序を明らかにし、国内のみならず世界にも目を向け、農業分野事業拡大に向けて精力的に研究開発に取り組んでまいります。

(2) 医療関連事業

① 電解水透析分野

電解水透析では、昨年7月、「Renal Replacement Therapy」に、聖路加国際病院、日鋼記念病院等と、電解水透析による透析患者の重度疲労感低減に関する共同論文を発表いたしました。多くの透析患者が最も苦しんでいる疲労感を抑制することは、透析患者の家庭復帰や社会復帰に繋がり、QOL改善によるWell-being実現は、社会的、経済的にも大変大きな意義があります。これまで東北大学を中心に聖路加国際病院などの協力機関と連携して推進してきた共同研究によって、安全性とともに、電解水透析による透析患者の疲労感低減や患者の粗死亡率の低減など、期待される効果についてのエビデンスがさらに積み上がっております。引き続き、臨床データを蓄積していくとともに、今後、当システムの医療機器化や海外展開も視野に、更なる開発を推進してまいります。

② 再生医療分野

ステムセル研究所では、再生医療・細胞治療のためのさい帯血の分離・保管及び周産期組織由来細胞の研究開発に取り組んでおります。国内における「さい帯血」を用いた研究開発では、高知大学医学部附属病院において脳性麻痺児に対する臨床研究が、大阪公立大学医学部附属病院等においては低酸素性虚血性脳症(HIE)児に対する臨床研究が進められております。米国においては、FDA認可のもとデューク大学で進められている、脳性麻痺児等へのさい帯血投与プログラムに同社にさい帯血を保管されている方々が参加されるケースが増加しており、その結果も良好です。また、「さい帯」を用いた研究開発では、東京大学医科学研究所及び東京大学医学部附属病院との小児形態異常等の先天性疾患に対する治療法の開発を、大阪大学大学院医学系研究科とは新たな半月板治療法の開発を引き続き推進しております。

(3) 製品開発

上記の様々な研究成果を反映して、水の質をより高めるための機能向上は勿論、業務用機器、電解水透析用機器、農業用機器始め、新たな事業開拓を目指した製品、技術開発にも取り組んでおります。また、再生医療分野でも独自の技術によるユニークな製品開発に取り組んでまいります。

このように、当社グループでは、電解水素水の機能の解明、普及促進への後押しとなるエビデンスの取得、並びに農業分野、電解水透析分野、再生医療分野等での新たな事業軸の構築に向け、研究開発及びより高機能な製品開発に注力し、更なる企業価値向上に取り組んでおります。

 以上の結果、ウォーターヘルスケア事業における研究開発費は185百万円、医療関連事業における研究開発費は19百万円となりました。

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