企業扶桑化学工業東証プライム:4368】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)基本方針

 当社グループは、下記の社是、経営信条に則り、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。

 社是

「限りなき進歩と創造」

 経営信条

 一. 信用を重んじ確実を旨とする

 一. 技術を通じて国家社会に貢献し

 一. 社業の繁栄によって従業員の豊かさを築く

 そのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している「金メダル製品」の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます。

(2)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題

 今後の世界経済は、ウクライナ情勢の長期化、インフレの継続、金融信用不安の増加、経済安全保障リスクの高まり等、経済の混乱要因により、先行きは見通せない状況にあります。

 このような状況のもと、当社グループは、当社経営資源を有効活用した国内外の需要取り込み、海外拠点を活用した海外展開、継続的な改善活動を通じたコア事業の更なる強化、市場ニーズに適合した新規商品の開発に取り組みます。さらに新規設備投資計画を進め、増加が見込まれる需要に対応するため供給力を強化します。

 業績予想の売上高は、半導体市場の減速が想定されますが、当社主力製品である有機酸の海外展開の強化により、増収を見込んでいます。利益面では、セグメント構成比の変化や、原料・エネルギー価格の高止まり、新規設備の稼働に伴う減価償却費等の費用増加を見込んだことにより、減益となる見込みです。

〇連結業績計画および当期実績比較

(単位:百万円)

 

2022年度実績

2023年度計画

増減額

売上高

68,459

69,300

+840

営業利益

18,930

13,800

△5,130

経常利益

19,740

13,800

△5,940

親会社株主に帰属する当期純利益

14,129

9,450

△4,679

償却前営業利益

23,268

21,700

△1,568

〇ライフサイエンス事業連結業績計画

(単位:百万円)

 

2022年度実績

2023年度計画

増減額

売上高

37,803

39,500

+1,696

営業利益

7,403

6,800

△603

償却前営業利益

8,846

8,650

△196

〇電子材料および機能性化学品事業連結業績計画

(単位:百万円)

 

2022年度実績

2023年度計画

増減額

売上高

30,655

29,800

△855

営業利益

13,394

9,400

△3,994

償却前営業利益

16,147

15,250

△897

<中期経営計画>

 当社グループは現在、2021年度から2025年度を対象とする中期経営計画“FUSO VISION 2025”を推進しています。策定時の想定に比べ、為替相場の円安傾向への変動、原料価格の高騰、および半導体微細化の更なる進展等、市場環境の目まぐるしい変化が、当社を取り巻く事業環境にポジティブな影響を与えました。その結果、業績が中期経営計画策定当初の想定を大きく上回ったため、最終年度である2025年度の経営目標の見直しを行いました。

 なお、最終年度の経営目標以外の経営方針や施策については、現行の中期経営計画 “FUSO VISION 2025”に記載の内容から変更はありません。

 中期経営計画の詳細および、中期経営計画の見直しに関する詳細につきましては、当社ウェブサイト(https://fusokk.co.jp/fusovision2025)をご参照ください。

1.中期経営計画の概要

 名称   :中期経営計画“FUSO VISION 2025”

 サブテーマ:社会課題の解決に貢献するFUSOであるために

 期間   :2021年度~2025年度(5ヶ年の中期計画)

 経営目標 :売上高850億円、営業利益190億円、償却前営業利益300億円

 経営方針 :①既存事業における拡大する需要の取り込み、着実な対応

②新規事業・分野への投資・挑戦

③持続的成長を支える経営基盤の強化(SDGsへの取組み)

2.目指す企業像

「限りなき進歩と創造」の先にあるもの、当社グループが目指す企業像としては、その特定の分野で輝く数多くの金メダル製品と様々な価値観・アイデアを持つ社員がそれぞれの持ち場で活き活きと働き、社会に貢献し続けられる体力のある企業、そのような未来を思い描き下記の通り設定しました。

・グローバルニッチトップを追求する FUSO

 ・人々の暮らしの豊かさの向上・持続的な未来に貢献し続ける FUSO

 ・現状に満足することなくInnovationに挑戦し続ける FUSO

 ・既存事業に続く成長性ある第3の柱構築で倒れない強い企業である FUSO

3.中期経営計画の進捗状況

2022年度の業績は、底堅く推移した食品市場を背景にした果実酸の安定的な販売、半導体市場の需要増加に対応した電子材料事業の販売数量の増加に加えて、原料やエネルギー価格高騰によるコストアップを、生産効率を上げ、価格改定を実施することで吸収し、収益の確保に努めました。その結果、当初の中期経営計画の経営目標を達成することができました。

2023年度以降においては、半導体市場が短期的には調整局面にあることを想定しており、厳しい市場環境ですが、各施策を着実に実行し、新経営目標の達成を目指します。

 

2021年度(実績)

2022年度(実績)

2025年度(目標)※

売上高

557億円

684億円

850億円

営業利益

150億円

189億円

190億円

償却前営業利益

194億円

232億円

300億円

※修正後の目標値です。

<対処すべき課題>

 当社グループの事業展開において、以下を重点的テーマとして取り組んでいきます。

(ライフサイエンス事業)

2023年度は新規開拓した販売網の強化、生産数量の拡大を目指し、当社の果実酸ビジネスをさらに推し進めます。また、国際食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」を継続して取得することで、世界基準での品質の高さをアピールし、更なる販売数量の拡大を見込んでいます。

 次世代新製品として取り組んできたコート果実酸(有機酸の油脂コーティング品)は、2022年度に新規採用が実現しました。2023年度は国内外での更なる採用を目指し、営業開発活動を加速させていきます。更に、2022年度に上市した新しいコンセプトの次世代新製品であるテクノアシッドA(粉末酢酸)、テクノアシッドF(易溶化フマル酸製剤)、ウェルドゥS(グルテンフリー食品用製剤)も、顧客での評価は高く、2023年度には生産体制の確立と早期の販売を目指して取り組んでいきます。

 また、製品ラインナップを充実させる一方、十三工場機能を大阪工場へ集約させ生産体制の効率化を図っています。2023年3月大阪工場に当該設備が完成しており、5月から製造を開始、2023年度中には十三工場での生産を終了する予定です。

 海外では、青島扶桑精製加工有限公司が昨年に上海食品調味料開発センターを開設しました。青島のテストキッチンと併せて活用することによって、中国国内でのFFAビジネス(果実酸の特徴を活用したビジネス)の更なる拡大を目指していきます。また、FUSO(THAILAND)CO.,LTD.でもタイ国内のみならず、経済成長が著しい周辺国での活動を強化し、ローカル食品でのFFAビジネスの拡大を進めていきます。米国にあるPMP Fermentation Products,Inc.では、2023年度にグルコン酸ソーダの増産設備投資により製造能力が2割程度増強する見込みです。拡大する北米需要を取り込み、シェア拡大に努めます。

 以上のように、国内外において市場・顧客動向を捉え、生産供給体制の拡充、新製品開発と早期戦列化、並びに中長期課題への適切な対応によって、さらなる売上および利益の拡大に取り組みます。

(電子材料および機能性化学品事業)

 コロナ禍の拡大を経て、半導体の需要は大きく伸長しました。それに伴い当社の超高純度コロイダルシリカの販売も計画を上回る結果となっています。2023年度においては一時的に減速すると見込まれるものの、中長期的にはこの市場傾向が継続していくこと、各国家・地域が半導体に対する政策を打ち出していることを勘案し、当社では、半導体の生産量は増加すると予測しています。また、半導体の微細化の進展や高積層化によるウェハプロセスケミカルの需要量も、増加基調が継続されるものと見込んでいます。

 この需要の増加に対応しつつ、BCP(事業継続計画)の観点から増設した鹿島事業所内の新設備は、2023年4月に稼働を始めています。本設備は、2018年に京都第一工場および第二工場に完成した超高純度コロイダルシリカ生産設備と同じ高度な技術を集結した仕様で、製造条件を高精度にコントロールする事が可能であり、益々厳しくなるお客様の品質要求に応える事ができます。また、旺盛な需要に対応するため、2024年4月に完工予定の京都事業所第二工場の設備増強、その先の2025年7月完工予定として鹿島事業所にさらなる追加設備を計画しています。2023年4月からの鹿島事業所の稼働と併せて、生産能力は現状の約1.5倍となる見込みです。

 研究開発におきましては、従来どおりケイ素化学を基軸として多方面への事業展開を推進しています。半導体分野では微細化、高集積化が益々進んでおり、それらのニーズに対応すべく、様々な大きさの粒子や硬さの粒子、表面修飾した粒子等の製品開発を続けていきます。

 半導体研磨用途以外の新分野への製品開発や今後のグローバルな研究活動への拡大を見据え、京都事業所内の研究所を神戸市内へ移設し、新たな研究拠点として2022年7月に開所しました。東京研究所と共に、今後も積極的に経営資源を投下し、当社グループのコア技術である超高純度コロイダルシリカの合成技術を活かし、新規技術の研究開発を行います。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています。

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