企業戸田工業東証スタンダード:4100】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループは、「事業活動を通じて、社会的な課題解決を支援する」ことを使命とし、社会の課題、時代の最先端ニーズに応えることで成長してまいりました。2023年11月30日に創業200周年及び会社設立90周年を迎えるにあたり、パーパス(存在意義)として「微粒子の可能性を、世界の可能性に変えていく。」を制定しました。微粒子と人の可能性を信じ、未来への希望となる新しい価値の創造に挑み続けていくという意思を表現しております。当社の歩みは、磁器の絵付けや、歴史的建造物の彩色等に欠かせない人類最古の酸化鉄顔料「ベンガラ」の製造から始まりました。その酸化鉄の様々な機能を使って社会に貢献してまいりました。当社グループは、創業200周年のその先も、酸化鉄の可能性を追い求め、新素材、ソリューションを提供し、多様に進化する社会を支える存在であり続けるよう取り組んでまいります。

<中期事業計画「Vision2023」>

 当社グループは、現在、2021年8月4日に公表した中期事業計画「Vision2023」の計画達成に向け邁進しております。第89期(2022年3月期)から第91期(2024年3月期)までの3か年を実行期間としており、本期間においては、「電子素材」セグメントを成長事業とし、「機能性顔料」セグメントを安定した収益基盤事業として位置付けております。計画期間中には、「事業の成長に向けた生産能力強化、既存設備・インフラの維持更新への投資」の他、「次世代電子素材材料や環境関連材料等新規事業への投資」、「ESGの取組みを推進するための投資」も積極的に行い、事業拡大、企業価値向上を実現してまいります。

「電子素材」セグメント

 

「機能性顔料」セグメント

 ・磁石材料

 

 ・顔料

 ・誘電体材料

 

 ・環境関連材料

 ・軟磁性材料

 

 

 ・リチウムイオン電池用材料

 

 

 計画の最終年度である第91期においては、原材料及びエネルギー価格が依然として高水準で推移すると見込まれることや、世界的な金融引き締めが続く中での海外景気の下振れリスクが懸念される等、当面は不透明な状況が続くものと予想しており、目標の達成に向け、各事業に応じた取組みを推進してまいります。

<電子素材セグメントの取組み>

 電子素材においては、主に自動車、通信・家電市場を事業フィールドとして製品展開を行っております。

 「磁石材料」は、主に自動車や家電用のモーター、センサー用途としてこれまでも利用されておりますが、特に自動車の電動化等に伴い需要が増加しております。今後も、CASEの進展により市場は拡大する見通しであり、当社グループでは磁性粉と樹脂を複合化したボンド磁石用の材料を中心に事業の成長を目指してまいります。第89期に中国のボンド磁石専業の成形企業である江門協立磁業高科技有限公司を子会社化し、ボンド磁石成形品の事業を開始いたしました。これによって、部品から原料に繋がる技術情報の一元的な管理等により、各段階での品質レベルと開発スピードの向上を図るとともに、一貫した開発・生産体制の安定化を進め、これまで以上にお客様からの信頼を向上させてまいります。

 「誘電体材料」は、ICT機器や電気自動車に多く使われる積層セラミックコンデンサー用途として利用されており、ICTの発展やCASEの進展等により成長してまいりました。第90期(2023年3月期)においては、ICT市場の低迷がありましたが今後、需要回復が見込まれており、供給体制を整えてまいります。また、コンデンサーの小型化に対応したさらなる微粒子化のニーズに応え、事業拡大を図ってまいります。

 「リチウムイオン電池用材料」は、BASF等のビジネスパートナーと組み、電気自動車市場の拡大に対応できる体制を整えてまいりました。旺盛な需要は続いており、第90期においては、BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社の生産能力増強工事を開始いたしました。今後もビジネスパートナーと協力し、品質と生産性の向上を図りながら、さらなる事業拡大に取り組んでまいります。

 「軟磁性材料」は、第92期(2025年3月期)以降における事業拡大に向けた開発を進めております。電気自動車向け非接触給電用の厚膜大判フレキシブルフェライトプレート、車載用途を中心とした電子機器用ノイズ対策材料、磁石材料と同様に磁性粉と樹脂を複合化した軟磁性コンパウンド等の開発及びマーケティングを加速させております。

<機能性顔料セグメントの取組み>

 機能性顔料においては、主に塗料、複写機・プリンター、環境関連市場を事業フィールドとして製品展開を行っております。第90期においても塗料や複写機・プリンター用の材料である「顔料」を中核として成長してまいりました。また、第90期には中国の酸化鉄顔料メーカーである連結子会社の出資持分の全部を持分法適用関連会社である浙江華源顔料股分有限公司(以下、浙江華源)等に譲渡いたしました。この結果、浙江華源は、赤色、黄色、黒色の全ての酸化鉄顔料事業を手掛ける世界有数の酸化鉄顔料メーカーとなりました。今後、浙江華源の事業成長を通じてグローバル展開を進め、酸化鉄顔料事業を拡大させてまいります。

 また、パーパス「微粒子の可能性を、未来の可能性に変えていく。」に基づき、微粒子の力で未来の課題に応えるべく新規事業の育成にも取り組んでおり、第92期以降においては、環境負荷低減につながる「環境関連材料」の事業化を計画しております。当社グループは、酸化鉄製造で培った微粒子合成技術を深化させ、鉄系触媒を用いたメタン直接改質法によるCO₂フリー水素製造システムの研究開発を進めるほか、CO₂固体回収材やリチウムイオン電池の再資源化開発等の取組みを通じ、持続可能な社会実現への貢献と事業成長を目指してまいります。

<持続可能な開発目標(SDGs)への取組み>

 2030年までに国際社会が協力して取り組むべき地球規模の課題をまとめた「持続可能な開発目標」の理念に則り、当社グループ全体で、事業及びガバナンスを通じてSDGsの実現に向けた活動を進めるべく、2019年6月に会社設立100年である2033年を達成目標年度とした「戸田工業グループ 環境ビジョン2033」を策定しました。2021年6月には、CO₂等のGHG排出量の削減目標を引き上げ、具体的な数値目標を掲げて環境保全活動に取り組んでおります。CO₂排出量削減の取組みとしては、2023年4月1日から日本国内の生産拠点(大竹事業所、小野田事業所、岡山事業所)で使用する電力の全てを太陽光発電によるCO₂フリー電力に切り替えました。これにより電力使用によるCO2 排出量は0(ゼロ)となり、1年間の電力使用におけるCO2発生量のおおよそ15,000トンを削減する効果があります(2022年実績)。また今後、駐車場を活用した自家消費型太陽光発電設備(ソーラーカーポート)を導入し、研究開発において使用する予定です。

 最後に、当社はメーカーとしてお客様のニーズに応える製品を安定継続的に供給することが重要な責務であると認識し、事業活動に取り組んでまいります。そして、今後も会社を生々発展させることを通じて、株主様、お客様、従業員及び地域社会の皆様に対して負っている社会的責任を果たしてまいります。

パーパス

微粒子の可能性を、世界の可能性に変えていく。

 

経営理念

私たちグループは、酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させながら、永遠に生々発展します。

誠実・信頼を基盤とし創造力と製造力を結集させ、魅力ある独創性に富んだ新素材及びソリューションを通じて、広く社会に貢献します。

PR
検索