企業兼大株主山洋電気東証プライム:6516】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、営業部門と設計開発部門が一体となり、お客さまが新たに価値創造ができる製品の開発をおこなうことを基本方針としています。

 研究開発活動は、「地球環境を守るための技術」、「人の健康と安全を守るための技術」、「新しいエネルギーの活用と省エネルギーのための技術」への貢献をめざし、3つの事業部において積極的に推進しています。

 研究開発の体制は、当社テクノロジーセンターを主要な拠点とし、市場ニーズの先取りやお客さまの要求に即応できるよう、設計開発部門をグループ制とするなど、課題ごとのチーム編成が容易となる体制としています。

 無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、3,477百万円です。

 なお、研究開発費のセグメントはすべて日本で計上されています。

 また、事業部門別の研究開発活動は、次のとおりです。

(クーリングシステム事業)

 クーリングシステム製品「San Ace」においては、次のような開発に取り組みました。

 医療機器、計測機器、アミューズメント機器など、人の傍らで使用される装置では、とりわけ静かなファンが求められています。これらの要望に応えるため、業界トップの低騒音ファン「San Ace」 9RAタイプを4機種ラインアップしておりましたが、9RAタイプのラインアップを拡充するため、80/140mm角×38mm厚の2機種を新たに開発しました。

 また、通信基地局、急速充電器、監視カメラなど、屋外で使用される装置の高性能化にともない、小型の防水ファンには今まで以上に高い性能が求められるようになりました。これらの要望に応えるため、業界トップの高風量、高静圧、保護等級IP68を実現した、40mm角×20/28mm厚の防水ファン「San Ace 40W」9WPAタイプを開発しました。

 一方、工場設備で使用される制御盤や植物工場など、ACファンが好まれる用途においては、防水・防塵性能を有する高風量の耐環境ファンが求められています。これらの要望に応えるため、ACDCコンバータを搭載した、業界トップの高風量、高静圧を有する120mm角×38mm厚のACDCファン「San Ace 120AD」9ADAタイプと、保護等級IP68を有する「San Ace 120AD」9ADAWタイプを開発しました。

 同様に、当社独自のサイズである160mm×51mm厚ACファンが使用されている、制御盤、産業機器、空調機器などの用途では、低消費電力や低騒音、防水機能、PWM制御機能、入力電圧のワイドレンジ仕様が求められています。このような市場の要望に応えるため、同サイズのACDCファン「San Ace 160AD」9ADタイプと、保護等級IP56を有する「San Ace 160AD」9ADWタイプを開発しました。

 空気汚染や新型コロナウイルスの蔓延などにより、きれいな空気を求める社会的な要望が高まっています。人が多く集まる施設などでは、感染症対策として、今後も大型の空気清浄機の需要が高まると予想されます。このような市場の要望に応えるため、当社がこれまでに蓄積した冷却ファンの技術と高効率の流路設計技術を活かして、広い空間を集塵し、除菌・脱臭もできる空気清浄機「San Ace Clean Air」を開発しました。

 このように、さまざまな市場からの要望に応えるため、世界トップの性能と安心してご使用いただける高信頼性を確保しつつ、さらなる高性能化と耐環境性能を実現した冷却ファンを開発するとともに、当社の技術を活かした新分野の製品開発にも取り組みました。

 当事業部門における研究開発費は529百万円です。



(パワーシステム事業)

 パワーシステム製品「SANUPS」においては、次のような開発に取り組みました。

 無停電電源装置(UPS)では、常時インバータ給電方式の単相200V系UPS「SANUPS A11Nシリーズ」を開発しました。この製品の特長は拡張性、高信頼および高効率です。5kVAのユニットを最大4台組み合わせることで、出力容量を20kVAまで拡張することができます。組み合わせたユニットのうち、1台を予備ユニットとして使用する並列冗長運転も可能であり、電力の安定供給に寄与します。また、従来の製品に対して電力の損失を15%以上低減し、電力変換効率94%以上(最大95.1%)を達成しました。電気料金およびCO2排出量の削減にも寄与します。

 また、無停電電源装置(UPS)をネットワークに接続するための周辺機器として、新しい「LANインタフェースカード」を開発しました。UPSのギガビットEthernetへの接続、高度なセキュリティ機能の要求、有線LAN以外の接続によるUPS監視の実現、PCを接続しないままでUPSの動作情報を取得できるなど、使いやすい機能を備えています。

 通信速度が従来品の10倍となる1ギガビット環境のネットワークに直接接続することができ、収集したデータの高速でのダウンロード、アップロードが可能です。また、USBポートにWi-FiアダプタやUSBメモリを接続することにより、無線LAN機能によるUPS監視や、USBメモリへUPS故障履歴などのデータを保存できます。さらに、コンピュータを遠隔制御するための機能の向上(OpenSSHの搭載)、ネットワーク通信を暗号化してサーバをシャットダウンする機能の追加(REST APIによるサーバのシャットダウン機能)、スクリプト実行機能の拡充などにより、高度なセキュリティ環境や、複雑な手順が必要なサーバのシャットダウンが求められる環境でも利用できるようになりました。

 当事業部門における研究開発費は694百万円です。


(サーボシステム事業)

 サーボシステム製品「SANMOTION」においては、次のような開発に取り組みました。

ACサーボシステム製品では、出力30W~1.5kWまでの「SANMOTION G」シリーズを開発しました。「強く」て「やさしい」サーボシステムをコンセプトに、サーボモータ、保持ブレーキ、エンコーダ、およびサーボアンプを「SANMOTION R」シリーズから一新しました。本製品は、サーボ性能が大幅に向上し、信頼性をより高め、機械装置を高速かつ高精度で力強く制御できるため、厳しい環境でも、安心してご使用いただけます。また、省エネルギー化、小型、高効率を実現するとともに使いやすさを追求した「地球環境」と「人」にやさしい製品です。

 リニアサーボモータでは、「SANMOTION リニアサーボモータ コア付フラットタイプ」を開発しました。本製品は、推力特性の向上による高加速での駆動を実現するとともに、エネルギー効率を大幅に向上しました。そのため、機械装置のサイクルタイムを短縮することができ、生産性の向上に貢献するとともに、発熱(損失)低減による高精度化に貢献します。

 また、2相ステッピングシステム「SANMOTION F2」と5相ステッピングシステム「SANMOTION F5」に、それぞれ「ハイパワーモデル」と「ベーシックモデル」の新製品を開発しました。ハイパワーモデルは、小型・高出力を特長としており、高トルクでモータを駆動でき、機械装置のサイクルタイムを短縮できます。ベーシックモデルは、従来品との互換性を維持しながらも、小型・軽量化を図った製品です。いずれのモデルもモータ回転中の振動を大幅に低減しており、機械装置の高性能化と低振動化に貢献します。

 当事業部門における研究開発費は2,252百万円です。



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