企業山喜東証スタンダード:3598】「繊維製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループは、創業以来「最大の企業たらんより最良の企業たれ」を社是とし、常に豊かな感性と大胆な発想によって時代の変化に対応した様々なシャツファッションを提案し、生活文化の向上に貢献することを基本理念としております。

 また、「株主・顧客・社員・取引先から信頼される企業」を行動指針とし、収益の向上とともに共存共栄を図ってまいります。

(2)中長期的なグループ経営戦略

2022年度からスタートしておりました、中期3ヵ年経営計画は、1年ローリング(後ろ倒し)をし、改めて2023年度(第72期)を初年度とする『新中期3ヵ年経営計画』を実行することで、アフターコロナにおける業績の回復を目指してまいります。

① 「FANFUN150」のスローガン

 お客様に一生を通してシャツを選んでいただく楽しさ、お客様がシャツに袖を通す喜び、当社の商品を通して山のような喜びをご提供することで、山喜のファンになっていただくこと。つまり新規顧客へのアプローチにより、山喜のファンを150倍に増やすこと・・・『FAN』

 そのためには、シャツの広がりを創造する楽しさ、お客様の生活文化の向上に貢献できる楽しさ、お客様の幸せな笑顔を感じる楽しさを追求し、2025年度(第74期)には、売上高150億円を達成し、全社員が楽しみながら仕事をし、生活を豊かにしていくこと・・・『FUN』

 以上のような想いが、このスローガンには込められています。

② オリジナルブランドの構築

 消費者直接対応の小売型販売管理体制の強化策としては、山喜のファンになっていただくために、お客様にご提供するオリジナル商品の強化、即ちオリジナルブランドの構築を行います。

・SWANブランドの復活とメンズ&レディースでの展開に挑戦

 量販店シャツ売場にて、当社オリジナルブランドSHIRT HOUSE(シャツハウス)のコンセ店舗を展開しており、当連結会計年度末の109店舗から、3年後には167店舗まで拡大する目標を掲げております。このコンセ店舗を足掛かりに、SWANブランドの企画・製造・販売をメンズ&レディースで展開することで、3年後の直営店出店を目標に、SWANブランドの復活を図ります。

・CHOYAブランドのブランディングとコーナー化・一社化・ショップ化

 百貨店の既製ドレスシャツ売場およびオーダーシャツ売場にて、CHOYAブランドのコーナー化・一社化でシェアを拡大中であり、現在のシェア72%をさらに高めることで売場の一社化・ショップ化を図り、CHOYAブランドの構築を実行してまいります。あわせて、CHOYAレディースの企画・販売の開始、およびシャツ生地を使用したハンカチーフ・エプロン・パジャマ・エコバッグ・クッションカバーなどの拡がりを企画し、3年後の直営店出店を目指して、CHOYAブランドのブランディングを進めてまいります。

③ BtoCの強化による収益アップ

・3年後のネット売上16億円、自社サイト会員数8万人を目指す

 実店舗と同様にネット販売を拡大するため、お客様がインターネットで発注しやすいシンプルな画面の設計、ネット販売専用のオリジナルブランドの商品開発に取り組み、さらに自社サイトの会員数増加に向けた販売促進策を強化し、3年後にはネット売上16億円、自社サイト会員数8万人を目指します。

・リアル店舗とネット販売サイトのオムニチャネル化

 百貨店シャツ売場や、量販店シャツコンセ売場にご来店頂いたお客様と、山喜公式サイトにご来店頂いたお客様が、店頭売場とネット販売サイトの双方向から、当社商品をお買い回り頂けるプラットフォームを整備することでオムニチャネル化を促進し、売上・利益の拡大を図ります。

・SWANブランド売場・CHOYAブランド売場の収益改善

 量販店、百貨店の衣料品売場縮小、コンセやテナント売場拡大の方針転換により、SWANブランド展開予定の量販店シャツコンセ売場「SHIRT HOUSE」や、CHOYAブランドを展開している百貨店シャツ売場での取引条件改定を促進し、収益改善に繋げてまいります。

④ ドレス・カジュアル・レディース・ユニフォームの新商品開発と売上拡大

 ビジネススタイルのカジュアル化に伴い、スーツからジャケットやシャツが主役となるニュー・ワーク・スタイルに変化していることから、カジュアル化に対応したシャツジャケット・シャツワンピース・カットソーアイテム等の企画・生産・販売の強化を図ります。

・新商品開発の機能強化

 従来のシャツビジネスで培った紡績・合繊メーカーとの素材開発機能や縫製技術を駆使し、シャツジャケットやシャツワンピースの企画・生産や、カットソー素材を使用した高機能なビジカジシャツの新商品開発を強化してまいります。

・OEM受注型営業からODM提案型営業への転換

 得意先様から素材、パターンが提供されるOEM受注と、当社から素材、デザインを提案するODM受注の二通りの営業形態がありますが、収益性を高める上でも前述の新商品開発の機能を強化し、ODM提案型の営業に切り替え、粗利益額・粗利益率の向上に努めてまいります。

・新規得意先の開拓

 長年シャツビジネスで培った素材開発機能と自社工場での縫製技術を活かし、カジュアル事業、レディース事業、ユニフォーム事業はもちろんのこと、生活雑貨・ファッショングッズ等を扱うライフスタイル事業まで営業活動を拡げ、新しいビジネスモデルの構築に向けて、新規得意先の開拓を強化してまいります。

⑤ 物流対応力の強化

・物流対応力の強化

 作業の標準化を推進し、EC物流対応を強化してまいります。

・デジタル化の推進による物流効率改善

 ネット販売の売上拡大に伴う出荷単位の小口化に対応すべく、さらなるデジタル化を図り、物流効率改善に努めてまいります。

⑥ 国内外の自社工場・海外販売子会社の収益改善

・国内4工場(山喜ソーイング)の連携強化

 国内4工場のさらなる連携を強化しながらキャパシティーの拡大を実施すると同時に、技術力を活かしたオーダーシャツはもちろんのこと、レディースブラウス、シャツワンピースなど、シャツ生地で生産できる新しいアイテムの拡充にもチャレンジしてまいります。また、高齢化などの人手不足の対策としては、雇用条件などの改善を行うと同時に、海外自社工場であるラオ山喜(ラオス)からの実習生を受け入れ、長く働ける職場環境の改善にも努めてまいります。

・タイ山喜・ラオ山喜の連携強化

 中国の生産を移管した自社工場であるタイ山喜、ラオ山喜の両工場の特性を活かしながら、連携を強化するとともに、さらに付加価値の高い商品の生産工場へシフトしてまいります。また、低価格商品の受注拡大を目的に、その生産拠点であるバングラデシュの協力工場の生産管理業務を、タイ山喜と連携し強化してまいります。

・海外販売体制の強化

 上海ジョイモントにおいて、中国での既製品のODM・OEMの受注を強化してまいります。

 また、アセアン、オセアニア地区および欧米のオーダーに関しましては、タイ山喜・ラオ山喜を中心に、販売体制の強化をさらに図ってまいります。

⑦ SDGsの取り組み

 持続可能な社会の形成として、リサイクル素材の使用はもちろんのこと、ドレスシャツのプラスチック製付属品を2030年までに全廃する取り組みを始めており、環境省の「プラスチック・スマート(脱プラスチック)」運動にも登録し、活動を強化しております。また、国内自社工場の強みを活かし、衿・カフス取替等のリフォームサービス事業の継続拡大、また衣料品再生のリメイクサービス事業にもチャレンジしてまいります。

(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 国内アパレル業界をめぐる環境は、物価高の影響から、消費者の衣料品の購買に関し、低価格志向が継続しており、依然として厳しい経営環境が続いております。

 国内小売市場は、オムニチャネル化の進展、デジタルマーケティングの重要性の拡大、消費者ニーズの多様化、環境問題への取り組みなどがますます進むと見込まれます。また、世界的なエネルギー資源の高騰や、日米金利差による円安ドル高により、原副材料価格の上昇や生産拠点における人件費の高騰、国内におきましても労働需給の逼迫による人件費、物流費上昇等により、製造原価や販売・流通コストは上昇傾向にあります。

 このような状況を解消すべく、2022年度からスタートしておりました、中期3ヵ年経営計画は、1年ローリング(後ろ倒し)をし、改めて2023年度(第72期)を初年度とする『新中期3ヵ年経営計画』を実行することで、アフターコロナにおける業績の回復を目指してまいります。

 今後につきましては、百貨店、量販店のドレスシャツ売場での当社オリジナル商品のシェア拡大と取引条件の改定、山喜公式サイトを中心としたネット販売の売上拡大、品質、コスト競争力によるアパレル、セレクトショップ、シャツ専門店でのシェア拡大、差別化商品の企画開発力の強化による専門店、量販店のストアブランドの受注拡大、小ロット短サイクル生産の構築によるカジュアル事業、レディース事業での新規受注拡大、自社工場におけるドレスシャツ以外の多様なアイテムに対応すべく技術開発力を強化し、ユニフォーム事業での官公庁や企業の制服等の新規受注拡大など、継続的に進めている各施策をさらに強化していくことで、売上回復、収益回復に努めてまいります。

 また3年の間、猛威を振るった新型コロナウイルス感染症もワクチン接種が行き渡る中、同感染症の重症化の勢いも弱まり、今後インバウンド需要も回復が見込まれる状況に移っていくものと考えられております。しかしながら、当期は予測を上回る急激な円安状況により、対策に遅れが生じ、厳しい環境が続いた結果、前述のような各施策に対する効果は計画どおりとは行かず、業績の改善には至りませんでした。今後は、環境の変化に対して、適時適切な対応にて対処すべく、準備のうえ、前述の施策の効果が実現するよう努めてまいります。

 一方、今後の運転資金需要に備えて、取引金融機関とシンジケート型のタームローンを引き続き契約、手元流動性の高い現金及び預金を確保するとともに、コミットメントラインの融資枠および当座貸越枠も継続、短期間での手元流動性の問題は生じないと考えております。また、取引金融機関とは緊密な関係を維持していることから、今後も継続的な支援が得られるものと考えております。さらに、キャッシュ・フローの改善策の一環として、仕入抑制と在庫販売の強化による製品在庫の削減も引き続き実行していくことで、有利子負債の削減にも努めてまいります。

(4)目標とする経営指標

 当社グループは、転換期を迎えているアパレル業界において、事業戦略の見直しや新規事業を検討、次なる成長への対策を講じ、3年後の2025年度(第74期)には、売上高150億円、経常利益4.3億円を目標として、業績の回復と収益基盤の安定化に努めてまいります。

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