企業兼大株主富士通東証プライム:6702】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループでは、デジタルテクノロジーにより、「人」「企業」「システム」「プロセス」「データ」などが複雑かつ無限につながる社会において、あらゆる局面で求められる信頼「Trust」を確保することを重要な技術戦略に位置付けております。そして、このデジタル時代のTrustの実現と共に、デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらす、DX(デジタルトランスフォーメーション)企業を目指し、イノベーションが絶えず生まれるために必要な先端テクノロジー開発に取り組んでおります。

 当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、上記の研究開発方針のもと、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。

 当社グループの当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,095億円となりました。このうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は1,017億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は77億円です。

・一般的なミリ波センサーを用いることで、プライバシーに配慮し、人の姿勢を高精度に推定できる技術を開発しました。本技術では、対象者の動作から得られる粒度の粗い点群の時系列データから、粒度の細かい点群データへと拡張する技術と、拡張したデータから姿勢を高精度に推定するAIモデルを実現し、様々な姿勢をリアルタイムに検出可能としました。今後、病院などプライバシー性の高い施設でも、安心安全な環境づくりに貢献します。

・人の歩く映像から、顔などの情報を使用せずに歩き方で人物を照合できる歩容照合技術を開発しました。本技術では、従来では精度が低下していた人の映り込む位置の違う映像でも、人の関節点情報に対して独自開発の汎用的に照合可能な空間への変換技術により、複数のカメラ映像から作成した約1,700人の評価データセットにおいて約90%の照合精度を実現しました。今後、迷子や高齢者の捜索での活用など、安心安全な街づくりに貢献していきます。

・専門的な知識なしで次世代コンピュータを容易に利用できる、新たなソフトウェア構想「Computing Workload Broker」の実現を目指し、その先駆けとなる量子・HPCハイブリッド計算技術を開発しました。利用者が解きたい量子化学計算(分子の性質や構造を電子や原子の相互作用をシミュレートして解析する技術分野)の問題に応じて最適な計算手法をAIが自動で組み合わせて選択するため、量子・HPCといった計算資源を意識せずに、自身の要望に最も沿う形で、量子化学計算の問題を解くことが可能になります。

・冷凍マグロの鮮度評価を、超音波AI技術により非破壊で評価することに世界で初めて成功しました。マグロ産業は世界で急速に発展しています。冷凍マグロの品質は尾を切断し、その断面を熟練者が目で見る破壊的検査が主流でした。また、破壊をしない超音波での検査では冷凍マグロの肉質による超音波の減衰の影響が大きいことが課題でした。冷凍マグロの超音波検査が可能な超音波の周波数帯を発見し、鮮度不良の場合は中骨からの反射波が特徴的であることから、機械学習を用いて非破壊で鮮度の判定を行うことに成功しました。

・アンモニアは燃焼してもCO2を排出しない次世代クリーンエネルギーとして注目を集めています。アンモニアをクリーンに合成するための触媒探索の期間を大幅に削減する、量子化学シミュレーション高速化技術を開発しました。更に富士通独自のAIである因果発見技術を適用し、アンモニア合成に適した化合物の性質推定が可能です。HPCとAIを活用した技術開発により、触媒候補探索期間を半分以下に削減することに成功しました。

・第6世代移動通信システム(6G)に向けて、現行の5Gを大きく超えた高速無線通信を省電力で実現することが求められています。高速無線通信の候補であるサブテラヘルツ領域で、基地局の消費電力を低減可能な、世界最高の電力変換効率を有する送信用パワーアンプを開発しました。電子が高速に移動できるInP(リン化インジウム)材料系を用いたHEMT(高電子移動度トランジスタ)で、絶縁ゲート構造を有するMOS構造を実現し、高出力と省電力の両立を可能にしました。

・老朽化した広域ネットワーク設備を最新の光ネットワーク設備へ移行する、ネットワークのモダナイゼーションで、「デジタルアニーラ(Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer)」を活用し移行プランの最適化に成功しました。実在する複数の広域ネットワーク構造に基づき、膨大な回線が複雑に絡み合うネットワークから「デジタルアニーラ」に適した組合せ最適化問題を導出する技術を開発し、移行プランを探索しました。その結果、一般的な商用最適化ソフトウェアを用いた場合に比べ、移行期間中の旧設備の運用コストを最大30%削減し、技術者の移動コストを最大80%削減できることを確認しました。

・計算速度が飛躍的に向上すると見込まれている量子コンピュータは、様々な課題解決に向けて早期実用化が期待されています。量子コンピュータでの高精度計算に不可欠な量子エラー訂正には大量の量子ビット(量子情報の最小単位)が必要です。これに対し、基本量子ゲートセットを新たに定義し、必要な量子ビット数を約1/10に低減する量子計算アーキテクチャを確立しました。これにより、現行コンピュータの性能を超える実用的な量子コンピュータの実現を早めることが可能となります。

PR
検索