企業兼大株主大和工業東証プライム:5444】「鉄鋼 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは持株会社体制のもと、社会に貢献できる可能性をあらゆる角度から検討し、傘下の事業会社のそれぞれの特性と機能を活かし、活力と調和のとれたグループ経営を推し進めるとともに、世界市場をターゲットとした事業を展開してまいります。

 また、当社グループでは、2019年に創立75周年を迎えたことを機に、これまでの伝統を踏まえつつ、これからの当社グループの方針・理念をより明確にするため、あらたに下記のとおりMission, Vision, Yamato SPIRITを制定いたしました。


 鉄鋼事業・軌道事業ともに日本国内市場は成熟していることから、当社グループとしてこれからも更に発展していくために、需要が堅実な市場や今後インフラ投資の伸びが期待出来る新興国などに拠点を持ち、その国の成長に寄与していくと同時に成長の果実として収益を取り込んでいく所存です。このMission, Vision, Yamato SPIRITのもと、当社グループの成長の源泉が、海外事業にあることを改めて発信し、今後も海外事業を更に安定・発展・拡大させてまいります。そのためにも、モノづくり企業として技術、経営のベースである国内姫路の工場を当社の海外展開を支えるグループのマザー工場として位置付け、更なる基盤強化を推し進めるとともに、コスト競争力の強化、品質の安定と向上、デリバリーを含む顧客サービスの向上に不断の努力を続けてまいります。また、人材教育・育成にもより一層力を入れ、更なる事業の発展に努めてまいります。

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社は、世界的な経済構造の激しい変革に対応できる経営方針として、事業の一極化をさけ、主に海外に事業投資を行い、投資の分散化を進めてまいりました。健全な財務体質を維持しつつ、将来の成長分野へ投資する方針であり、キャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。なお、当社グループの業績は、製品販売価格と原材料価格の変動に大きく影響され、各々の市場価格は、国内外の経済情勢をはじめ外部環境に大きく影響を受けることから、中長期の収益計画は作成しておりません。

 短期的な業績の見通しにつきましては、中国の経済活動再開による鉄鋼需要回復の期待があるものの、一方で世界的なインフレ長期化や米中対立など世界景気の下振れ懸念が続いております。当社グループの主要製品であるH形鋼等の土木・建築用鋼材の需要は全体的に盛り上がりに欠けるものの、中間材も含め販売数量確保に努めることで、グループ総販売数量は概ね前期並みを見込んでおります。

 以上を踏まえ、次期の業績予想につきましては、売上高は160,000百万円、営業利益は9,500百万円、経常利益は68,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は48,000百万円を予想しております。

 なお、現時点での各国・地域の事業状況の前提は以下のとおりとしております。

日本
 形鋼需要は再開発プロジェクト及び半導体工場や物流施設など大型建築案件を中心に引き続き堅調に推移する見
通しであり、土木関連も引き続き堅調な需要が期待されます。
 販売面では需給が引き締まった状態が続くなか、原料価格の高止まりやエネルギー価格、物流コストの上昇など
コスト高を反映した販売価格の浸透に努めてまいります。なお、圧延設備の更新工事を計画的に順次実施すること
に伴う生産・販売数量減の影響を織り込んでおり、前期比で減収減益を予想しております。


タイ
 タイ国内景気は回復基調にあり、インフラ投資を中心に建設活動が上向き、形鋼需要は徐々に回復する見込みで
す。一方、ASEAN市場では中国メーカー等との厳しい競争環境が継続し、販売数量及び販売価格が落ち込むことを織
り込んでおり、業績につきましては、前期比で減収減益を予想しております。


米国
 インフレによる経済の先行き不安が続くなか、半導体、電気自動車及び再生可能エネルギー関連の建設需要は堅
調ながら、流通顧客向け等は需要の伸び悩みが懸念されます。業績につきましては、販売価格が過去にない高値圏
で推移した前期に比べ減益も、需給が引き締まった状態は続き、高収益を確保する見込みです。


中東
 中東諸国は原油高を背景に財政状態が改善し、ビジネス活動の活発化が期待されております。インフラ投資など
建設需要も回復基調であり、引き続きフル生産を見込んでおります。業績につきましては、先行き不透明感もある
ことから、販売価格の下落を織り込んでおり、連続黒字であるものの前期比で減益を予想しております。


ベトナム
 経済回復とともに公共投資予算が増加するなど、形鋼需要の回復が期待されますが、中国経済への依存度が高く、先行き不透明感があります。業績につきましては、販売数量増により前期比若干の増益で引き続き黒字を予想しております。


韓国
 金融引き締めの影響による不動産市況の軟化が懸念され、鉄筋需要は減少する見込みです。業績につきましては、販売数量減及び販売価格下落により、営業利益ベースでは前期比で減益を予想しております。

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、グローバルな鉄事業を通して、国際社会の発展や豊かな地域社会の実現に貢献するため、更なる事業成長を図るとともにサステナブルな社会の実現に向けた取り組みを継続してまいります。

 更なる事業成長に向け、当社グループは、成長の源泉である海外事業を更に安定・発展・拡大させていく所存です。既存の海外事業拠点に於ける事業の良質化に向けた取り組みの深化に加え、将来に向けた新たな成長投資にも積極的に挑戦していくと共に、それを支える人材育成に一層注力して参ります。そのためにも、グループのマザー工場であるヤマトスチールにおいて、最新の技術・設備を導入し、安全性の向上、コスト競争力の強化、品質の安定と向上に取り組み、国内事業の基盤強化を推し進めるだけでなく、そこで培ったノウハウをグループ展開して参ります。これら取り組みの一環として、圧延ライン更新などの戦略的設備投資をここ数年掛けて実施する計画としております。

 海外におきましては、成長市場であるASEAN地域を米国事業に次ぐ第二の収益の柱に育成すべく、ASEANでの形鋼300万トン体制構築を目指してまいります。具体的には、既存拠点であるタイのサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッドを当社ASEAN展開のマザー工場と位置付け、技術力の向上と競争力の強化を図るために圧延ラインの戦略的更新を計画しております。また、ベトナムのポスコ・ヤマト・ビナ・スチールジョイントストックカンパニーにおきましては、操業改善の継続に加え、今後成長が見込まれるベトナム国内の形鋼需要に対応すべく、上工程の製鋼能力の余剰を活用した中小型形鋼圧延ラインの増設を合弁パートナーとともに検討していく所存です。これら既存の海外拠点の充実に加え、M&Aを通じたASEAN地域での新拠点の獲得にも積極的に取り組んでまいります。

 なお、当社グループにおきましては従来から鉄鋼製品製造会社間で技術会議を定期的に開催し、技術情報の交換と技術向上に努めておりますが、人材育成面や更なる技術交流の機会を創出していくためにも、海外の関係会社と姫路のヤマトスチールとの間でエンジニアの交流等を一層活発化させることでグループの技術情報の共有及び人材の底上げを図り、競争力の強化にも努めていく所存です。

 当社グループはサステナビリティへの取り組みを重要な経営課題と位置づけ、事業活動を通じて各国・各地域の発展と人々の未来を支え、持続可能な社会の実現に寄与して参ります。2025年度をターゲットとした「サステナビリティ中期計画」を策定しており、中期的な視点から当社グループのサステナビリティへの取り組みを具体的に推進し、持続的な成長を支えるためのリスクと機会への対応について積極的に進めて参ります。

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