企業兼大株主多木化学東証プライム:4025】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、グループ理念「創業者精神に則り、自然と環境を守り、確かな価値の創造を通じて、豊かな社会の実現に貢献」のもと、企業の持続的発展と企業価値の向上を図り、株主、取引先、従業員、地域社会等からの信頼と期待に応えるとともに、法令その他の社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行い、社会の発展に貢献することを経営の基本方針としております。また、先行きが不透明で予測が困難な状況下、将来のありたい姿を「環境、社会、地域に配慮した持続可能な事業戦略の実践」と明確化した「長期ビジョン2050」を構築し、長期的な成長に向けた取り組みを進めることとしております。

 政府の掲げる温室効果ガス削減目標を踏まえた非財務に関する取り組みについては「サステナビリティビジョン2030」を策定し、持続可能な社会の実現に貢献していくこととしております。ESGに配慮し、社会課題の解決と企業価値の向上を両立すべくグループ一丸となって取り組んでまいります。

(2) 経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境は、コロナ禍後の経済活動の回復に伴って製品需要は全般的に改善傾向にあるものの、為替レートの影響による原燃料価格の変動や一部の製品に需要の減退が見られるなど、事業活動への影響が懸念されます。また、気候変動への対応をはじめとするサステナビリティの取り組みについては、新たなリスク及び収益機会について適時・適切に対処していくことで、当社グループの持続的成長につなげていく必要があります。なお、事業別の経営環境については以下のとおりです。

 アグリ事業は、農地面積の減少や少子高齢化による農業就業者の減少に歯止めがかからない中、持続可能な農業の実現に向けた政府の改革が推し進められています。先端技術を利用したスマート農業の推進、2050年に向けた「みどりの食料システム戦略」に基づく化学肥料の使用量削減や有機農業拡大の取り組みなど、農業を取り巻く環境は重要な転換期を迎えています。

 化学品事業の水処理薬剤は、人口減少などに伴う市場の縮小による価格競争の激化、原料高や燃料価格の高騰に伴う物流運賃の上昇などにより、厳しい状況が続くものと予想されます。その一方で、気候変動などによる原水の水質悪化、環境負荷低減の観点から、当社が開発した超高塩基度ポリ塩化アルミニウムの市場への浸透が進んできております。

 化学品事業の機能性材料は、半導体不足などの影響を受けた末端製品の需要に緩やかな回復傾向がみられるものの、中国の景気後退やスマートフォン需要の低調が続いていることなどにより、先行きは依然不透明であります。

 建材事業は、石こうボード出荷量と関連性の高い新設住宅着工戸数の漸減が予想されているほか、燃料価格の高騰などによる製造コスト上昇の長期化が懸念されます。

 石油事業は、自動車の電動化、気候変動への対応強化に伴う化石燃料からの燃料転換等により、需要の減退が予想されています。

 不動産事業は、大規模リニューアルを終えたショッピングセンターが堅調に推移しているものの、電子商取引が台頭する中、実店舗販売を取り巻く環境は厳しさを増しております。

 運輸事業は、景気の先行きが不透明な中、荷動きの動向にも不確実性があります。

(3) 経営戦略等

 当社グループにおいては令和3年を初年度とする3カ年の「中期経営計画2023」が終了しました。「中期経営計画2023」では、①成長事業への積極的投資、②既存事業の収益力向上、③経営基盤の強靭化、④コンプライアンス経営の推進、を基本方針とし、コロナ禍からの緩やかな経済の回復を見込み、最終年度の経営目標を連結売上高320億円、連結経常利益25億円、ROE6.0%以上としておりました。1年目、2年目については、アグリ事業では肥料の駆け込み需要が継続したことに加え、化学品事業の機能性材料では、スマートフォンに関連する製品を中心に需要回復が進んだことにより最終年度の目標数値を上回る結果となりました。しかしながら最終年度の令和5年は、肥料の販売数量が前年までの駆け込み需要の反動や値下がりを見越した買い控えなどの需要の減退により大幅に減少したことに加え、スマートフォンや自動車に関連する製品の需要が大幅に減退しました。また、建材事業においては、エネルギーコストの上昇を製品価格に十分に転嫁できず業績不振が続きました。その結果、当社グループの業績は、連結売上高348億52百万円、連結経常利益13億37百万円、ROE4.1%となり、連結経常利益とROEは目標未達となりました。このように「中期経営計画2023」では、コロナ禍からの回復過程において想定外の影響を大きく受ける結果となりました。

 これらの結果を踏まえ、当社グループでは、将来予測が困難な時代に持続的に成長していくための道しるべとして、2050年のありたい姿を明確化した「長期ビジョン2050」を定めました。あわせて、長期ビジョンをバックキャストした5カ年の「中期経営計画2028」を策定し、令和6年からスタートさせております。

 最終年度の経営目標は、連結売上高420億円、連結営業利益30億円、ROE6.0%以上としており、これらの目標達成に向けた取り組みに加えて、気候変動への対応や人的資本経営の推進など、サステナビリティの考え方に則った活動を進めてまいります。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 企業が持続的に成長するためには、事業の競争力を高めて収益を確保するとともに、社会や環境の問題に真摯に向き合い、課題解決に貢献することは、企業価値を本質的に高める上で必要な要素であります。「中期経営計画2028」では4つの基本方針を掲げ、財務・非財務の両面から企業価値の向上に取り組んでまいります。

① 成長事業への積極的投資と新事業の創出

 成長事業に対しては、積極的な投資によって事業の早期拡大を実現していきます。メディカル材料、コラーゲン材料は、品質や機能の向上によりライフサイエンス分野への展開を推進します。アルミニウム化合物やナノ材料などの機能性材料は顧客ニーズや技術動向を踏まえ開発と拡販に取り組みます。完全人工栽培に成功した「バカマツタケ」は、早期事業化を進めます。また、新事業・新商品の創出に関しては、自社開発に加え、産官学連携、M&A、海外進出などについても積極的に検討してまいります。

② 既存事業の深化による収益力向上

 アグリ事業は、国内需要のさらなる縮小が予想される中、生産の合理化、物流の効率化などの取り組みの徹底に加え、農業関連の周辺領域の開拓により事業の拡大に努めます。化学品事業の水処理薬剤は、環境配慮型の水処理薬剤の市場浸透が進んできており、引き続き拡販に努めるとともに、気候変動に伴う水質の変化に対応した薬剤の開発等により新たな収益機会の獲得をめざします。不動産事業は、事業拡大と地域社会への貢献の両立をめざし、自社開発エリアを中心としたコンパクトシティ化に取り組みます。

③ サステナビリティ・トランスフォーメーションの実践

 「サステナビリティビジョン2030」で定めた4つのマテリアリティ、重要課題への取り組みを推進します。

 特に温室効果ガス削減を含む気候変動への対応、人的資本経営の推進、DXの推進など、当社グループの持続的な成長、発展に向けた取り組みにより企業価値の向上を図ります。

④ GRCの推進

 進展するビジネスのグローバル化、ICTの急速な発達など、企業を取り巻く経営環境の変化がますます激しくなる中、対応すべきリスクや要求されるコンプライアンスも複雑化・多様化してきております。ガバナンス(G)、リスク管理(R)、コンプライアンス(C)を一体的に捉え、責任ある企業活動を推進します。

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