企業兼大株主堺化学工業東証プライム:4078】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは『グループの総合力を最大限に高め、社会のニーズにタイムリーに応える事業活動を展開する。以て盤石な経営基盤を構築し社会的貢献を希求する』ことを経営理念としております。

 当社の創業は、鉛含有の白粉(おしろい)による健康被害が問題視されていた中、無鉛白粉の原料である酸化亜鉛の製造法の開発に成功したことから始まります。以来、思いやりの心と技術革新で社会の快適と安心を支える素材(マテリアル)づくりにこだわってきました。

 培った化学技術により生まれる素材(マテリアル)をベースとし、各ステークホルダーとともに持続可能なやさしい未来社会を実現する、この目的に向かって創造を続ける会社であることが私たちのミッションです。

 このミッションを実現するために、社員が日々ワクワクして働いてこそ、価値ある創造が継続できるとの考えより、働く社員が能動的で躍動感に溢れる「わくわくカンパニー」を目指しています。

(2)経営環境

 当社グループは、国内連結子会社8社、国内非連結子会社1社、海外連結子会社8社、海外非連結子会社1社からなります。うち医療セグメントに分類される子会社は1社、その他は全て化学セグメントに属します。また、堺商事および堺商事傘下の海外子会社6社以外は製造子会社です。堺化学および各製造子会社は、特徴のある製品・技術ノウハウを保有し、そのビジネスモデル・ビジネス領域も多種多様です。各社の特徴を伸ばしていくとともにグループガバナンスの強化を行い、グループ間シナジーの発現、業務の効率化など最大のパフォーマンスが発揮できるよう努めています。

 化学セグメントは、原燃料高騰、中国ロックダウンによる在庫調整や半導体不足による自動車の減産等による景気後退の影響を受けました。成長事業である電子材料は、中国を中心としたPC、スマートフォンといった民生品の需要が大きく落ち込み、在庫調整も相俟って、誘電体、誘電体材料の販売が低迷しました。また、他の事業においても、景気低迷の影響で販売数量が減少し、製造コストの上昇をもたらしました。

 一方の、日焼け止めやメイク関連向けの化粧品材料は、コロナ禍による外出規制が緩むにつれて、少しずつですが回復基調にあります。

 また、医薬中間体・原薬、プラスチックレンズ向け製品などの有機化学品は、景気後退の影響を受けにくく、引き続き堅調に推移しました。

 医療事業については、昨年度に続き、新型コロナ感染拡大による行動制限の影響に加え薬価改定の影響も受け、昨年同様の厳しい業績となりました。

 当社グループ全体では、下半期からの景気後退の影響で販売低迷が続き、利益を大きく引き下げました。

 なお、新型コロナ対策については、 全グループ会社で予防対策に取り組み、従業員・家族への感染を最小限に抑えることができ、事業活動への影響はございませんでした。今後も状況判断を適切に行い、感染症予防対策に努めてまいります。

 ウィズコロナによる景気回復に加えウクライナ問題により購入資材の調達不安や調達価格高騰を招き、さらに円安により事業環境は一層厳しくなりましたが、諸課題に対して適切に取組み引き続き円滑な事業活動推進に努めてまいります。

(3)中期的な経営戦略と目標とする経営指標

 当社グループは上記経営環境を認識し、2019年にスタートさせたグループ中期経営計画『SAKAINNOVATION 2023』の数値目標達成と持続的成長を目指して取り組んでおります。中期経営計画4年目に当たる2023年3月期は中国ロックダウンやウクライナ問題に端を発した第2四半期からの電子材料市場の停滞の影響を受け、業績が急速に悪化しました。加えて、輸入を中心とした原料単価アップ、円安影響及び燃料コスト高騰により製造原価が大幅にアップし、広範囲の生産品目において採算が悪化しました。結果、2023年3月期は前期比大幅な減益を余儀なくされました。

 中期経営計画最終年度の2024年3月期につきましては、注力分野を中心として当初目標の達成を目指します。

堺化学グループ中期経営計画

① 稼ぐ力へ再挑戦し確実な増益体質を実現

 中期経営計画最終年度の数値目標達成に向け、新たにカテゴリーを設定した成長事業、安定事業、効率化検討事業それぞれにメリハリをつけた方針で臨みます。

1. 成長事業(電子材料・化粧品材料)

 電子材料についてはMLCC用材料(チタン酸バリウム、高純度炭酸バリウム)を中心に開発及び拡販に注力しましたが、期後半の市況悪化が業績の低迷を招きました。市況の回復時期にも左右されますが、今中計期間に投資をした設備の稼働率アップにより、V字回復を目指します。

 化粧品材料についてはほぼコロナ前の業績に回復しました。来期についてはコロナ禍の本格終息、インバウンド需要回復、新工場の本格稼働を背景に大幅な業績伸長を目指します。

2. 安定事業(受託加工、有機化学品)

 受託加工は加工顔料、工程受託共に減収減益となりましたが、顧客ニーズは根強く且つ益々多種多様で高度なものになっております。今後はそのニーズにお応えすべく、保有設備の拡充、生産管理の高度化、人材育成による技術レベルアップを図ることでビジネスの安定的拡大を実現します。

 有機化学品は医薬中間体・原薬の受託とプラスチックレンズ屈折剤を柱としたチオ製品共に堅調な実績を残しました。今期についても引続き高レベルの採算を維持する見込みです。

 医薬中間体・原薬の製造受託については研究施設の増強によりCMO(医薬品製造:Contract Manufacturing Organization) からCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)への進化に一層注力します。

 プラスチック眼鏡レンズの高屈折材料として引続き強い需要があるチオ製品は安定生産を維持すると共に将来の増設に向けた取組を加速させます。

 なお、有機化学品は現状の高収益率を維持しつつ、今後は一層の成長を実現する為積極的な投資を実施する成長事業として位置付ける予定です。

3.効率化検討事業(酸化チタン・亜鉛製品・樹脂添加剤・触媒)

 個々の事業においてポートフォリオを見直し、メリハリをつけた施策を展開することで収益の改善を目指します。

 触媒事業はニッケル触媒、脱硝触媒という既存事業の拡販並びに採算向上を目指すと共に、環境配慮型触媒であるクロムフリーの銅触媒、アンチモンフリーのPET重合触媒等SDGsに資する触媒開発に注力します。

4. 医療事業

 引続きコロナ禍でX線造影剤事業は本格回復に至らず、事業の柱の一つとなった内視鏡洗浄消毒装置は半導体不足に見舞われ販売活動に一時ブレーキがかかり、全体業績低下の一因となりました。2024年3月期はX線造影剤事業の本格回復に加え美容医療機関向け製品、がんスクリーニング検査事業を中心として新規事業で業績の回復を目指します。

② 再構築投資による環境と人にやさしい工場・オフィスの実現

 働く人や環境にやさしい、災害に強い工場、本社、技術棟の整備と、将来の工場建設スペースを確保します。

③ 10年先の社会を見据えた新事業へ取り組む

1.既存事業を通して、人と環境にやさしい製品づくりで社会的貢献を希求します。

2.研究開発の方向性

 持続可能な開発目標(SDGs)における、7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」9「産業と技術革新の基盤をつくろう」を重視し、それに沿った研究テーマを継続して取り組んでいきます。

3.化学の力で新しい事業創造の可能性を追求

 持続可能な開発目標(SDGs)における、2「飢餓をゼロに」6「安全な水とトイレを世界中に」7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」9「産業と技術革新の基盤をつくろう」13「気候変動に具体的な対策を」14「海の豊かさを守ろう」15「陸の豊かさも守ろう」を重視し、将来に向けた新しいビジネスモデルの可能性を追求します。

④ 配当性向30%以上を目標とした安定的・継続的な株主還元を実施

 事業活動で得たキャッシュを主に将来の成長に向けた投資に充てると共に、安定的・継続的な配当を基本とする株主還元を実施し、持続的な成長と企業価値の向上に努めます。

目標とする経営指標

 

2024年3月期目標

営業利益

80億円以上

ROE

6%以上

2023年3月期は国内での新型コロナの影響に加え、中国のロックダウン、ロシアのウクライナ侵攻に端を発したサプライチェーンの混乱、原燃料の高騰により、好調であった2022年3月期比で業績が大きく低下しました。特に業績を牽引してきた電子材料の市況は年度後半に大きく後退し、2024年3月期に入っても回復の兆しが見えない状況です。

 このような経営環境を鑑み、諸施策の展開を積極的に推進し設定した目標の早期達成を目指して参ります。

 グループ全体の最重要課題である「稼ぐ力の向上」は引続き営業利益金額で評価し、株主資本に対するリターンを測る指標としてはROEを選択しております。経営環境を鑑みると2024年3月期の目標達成に向け諸施策を展開してまいります。

 営業利益は為替差損益、利息・配当等の影響を含まず、製造業を主体とする当社グループの業績、努力の結果を的確に反映する指標と判断しております。また、ROEは株主資本に対してのリターンを反映する指標として、資本市場にて広く認識されている指標です。当社におきましても、ROEが株主資本に対するリターン目標として的確なものと判断しました。ROEの数値目標につきましては、営業利益目標に株主還元目標を加味し設定しました。2023年3月期はROE目標値を下回る結果となってしまいましたが、今後については、現中期経営計画での6%以上はもとより2030年の目標値である12%を達成すべく、努力を続けてまいります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 2023年3月30日に発生した小名浜事業所酸化チタン工場燃焼排気ガスの集塵機で発生した火災におきまして、近隣住民の皆様、関係当局、お客様をはじめとする多くの皆様にご迷惑、ご心配をお掛けしたことを心よりお詫び申し上げます。当該設備は休止中ですが、酸化チタンの生産及び小名浜事業所内の他製品工場は通常操業に戻っております。なお、本件が業績に与える影響は軽微なものと考えております。

 本件は、2021年5月11日に発生した湯本工場亜鉛末工場の爆発・火災事故に続いての火災事故であることを重く受け止めており、再発防止の徹底に努め、全社一丸となって安全操業に取り組んでまいります。

 2024年3月期までの5ヵ年においては、設備投資総額400億円、そのうち収益向上を目的とした戦略投資として190億円を計画しておりました。コロナ禍の影響により、戦略投資以外の設備投資案件を延期するなど計画の見直しを行いましたが、現在までに総額189億円(うち戦略投資98億円)の設備投資を実行し、足元の需要に対して十分な生産体制を構築しました。特に注力分野である電子材料、化粧品材料においては、業況の回復に伴う需要の増加に対応する十分な生産能力を有しております。

 足元は電子材料市況の悪化、原燃料のコストアップにより業績の低迷を強いられております。ただし、新型コロナウイルスの収束、インバウンド需要の復活により化粧品材料は伸長、有機化学品も堅調な推移を見せております。来期に向けては原燃料高騰による製造コストアップに対処しつつ、増強した生産能力に見合った販売数量を達成することが喫緊の課題です。医療事業においては、薬価改定に影響されない医療機器関連や有望な新規ビジネスの開拓・育成に注力し、稼ぐ力(営業利益)の向上に引き続き取り組んでまいります。

 なお、2023年3月期末時点においても十分な自己資本を維持しております。加えて、長期借入やコミットメントライン等、金融機関から十分な支援を受けられていることから、当事業年度以降の営業キャッシュ・フローを含め、当面の資金繰りについても盤石な体制を維持できると考えております。経営環境の激変に備え全社的なコスト削減、棚卸資産の圧縮、キャッシュ・マネジメント・システムによるグループ資金の運用効率化等の対策を打ち、財務の健全性確保に努めると同時に、今後のビジネス環境の変化を注意深く見極め、適切に対応してまいります。

 また、戦略投資に要する資金確保と資本効率向上のため、保有している政策保有株式を2024年3月末までに株主資本の5%以下に縮減することを目標に掲げ、持合株式の解合いを中心に縮減に努めてまいりました。既に目標は達成しておりますが、更なる縮減に取り組んでまいります。

 新型コロナウイルスの収束を間近に控え、現時点ではグループ会社を含め、操業に影響を与えるような事案は発生しておりません。有機化学品や衛生材料は堅調を維持するものと見ておりますが、中国における大規模なロックダウン、ロシアのウクライナ侵攻によるサプライチェーンの混乱と、それに伴う景気停滞が継続しており、幅広い用途に使用されている酸化チタンやバリウム製品等がマイナスの影響を大きく受けております。加えて、急激に進行している原燃料高騰と円安がもたらす製造コストの上昇は、主要な原料鉱石を輸入している当社にとって免れ得ないものと認識しており、適正な販売価格の設定、収率の改善、製造設備の集約等、更なる製造コスト削減により業績の維持向上に努めてまいります。

 同時に、サステナビリティへの取り組みも喫緊の課題であり、当社は「人々を幸せにする」「地球環境を守る」「ものづくりで社会の課題を解決する」「透明で強固な経営体制を築く」をテーマに11項目のマテリアリティを定めております。2021年9月にはサステナビリティ委員会を設置し、項目別の目標とKPIを設定したほか、TCFDに沿ったシナリオを策定しました。また、TCFD提言並びにGXリーグ基本構想についても賛同を表明致しました。今後はKPI目標達成に向けて取り組んでまいります。

(化学事業)

電子材料(成長事業)

 2022年の夏以降急激に市況が悪化しました。中国のゼロコロナ政策による中華系スマートフォンの需要減少および半導体不足による自動車生産量の減少等により、サプライチェーンの各所でMLCCの在庫調整が進み、誘電体材料(高純度炭酸バリウム)と誘電体(チタン酸バリウム)の販売が当初計画より大幅に減少しました。2023年度下期には市場回復が想定されるため、機会を逃さず拡大してまいります。

 また、誘電体は次期ボリュームゾーンとなる製品開発を進め、シェアの拡大を図ってまいります。

化粧品材料(成長事業)

 UVケア化粧品材料として使用される超微粒子酸化チタン・酸化亜鉛は、海外向けの復調が先行し、国内出荷も回復し始めました。今後、インバウンド需要の拡大が期待できます。UVケア化粧品のみならず、メイクアップ、スキンケア化粧品全般に、機能性、意匠性等に優れた無機材料を提供すべく、引き続き材料開発、処方開発に取り組んでまいります。

酸化チタン・亜鉛製品(効率化検討事業)

 酸化チタンは、チタン鉱石の世界的な産地の一つであるウクライナがロシアからの侵攻を受けました。鉱石の調達には問題は生じませんでしたが、原料全般が前年度同様に高騰しました。併せて燃料価格も急激に上昇した為、採算性がさらに厳しくなりました。事業所の操業バランスや他の自社製品の中間体供給等について重要な役割を担っておりますので、引き続き生産体制の効率化・最適化に努めてまいります。

樹脂添加剤(効率化検討事業)

 塩ビ安定剤は、環境に優しい非鉛系安定剤の積極的な展開を図り、売上・利益を維持していきます。また、世界的な原材料供給のタイト化に対応して、より安定した原材料の調達を進め、競合他社との差別化を図ります。

 塩ビ需要の拡大が期待できる海外(特に東南アジア地域)へは、当社の非鉛系安定剤の配合技術を駆使し、ベトナム、タイの現地法人と協力して現地メーカーへの新規採用、シェア拡大に努めてまいります。

 その他、金属石鹸やハイドロタルサイト等の機能性添加剤については、それらの特徴・機能をより高め、高付加価値分野への用途展開を図り、利益の確保に努めます。

衛生材料(安定事業)

 堺商事が扱う紙おむつ、生理用ナプキン、ペットシート等の材料について、世界中の信頼できる供給元との関係を一層強化し、グローバルに販売活動を展開しております。

 また、堺商事の子会社であり、昨年、設立10周年を迎えた通気性フィルムを生産するPT.S&S HYGIENE SOLUTION(インドネシア)は、品質、コスト競争力の更なる向上に取り組み、生産活動も行う商社として、お客様の信頼を高めてまいります。

有機化学品(安定事業)

 有機イオウ製品およびリン製品は、高品質と安定供給に努めるとともに、伸長が予想される用途への積極的な展開、新たなニーズで付加価値を生み出す開発技術力の強化と生産体制の強化により次の収益の柱になる製品育成に取り組みます。

 医薬品原薬・中間体の生産受託は、受託品目、受託数量増加を視野に入れ、生産要員確保、品質管理等の体制整備を進めるとともに、将来の新規案件獲得に向け、研究設備の拡充ならびに原薬製造ラインの増強を計画中です。

触 媒(効率化検討事業)

 衛生材料向け接着剤など粘着性が必要な分野で水添石油樹脂の需要拡大が期待されています。ニッケル触媒はその製造工程で使用されており、顧客の品質要求に応えるべく、性能の改良や生産効率の向上により、他社との差別化を図ってまいります。

 脱硝触媒は、環境対策としてごみ焼却炉施設の普及が進む東南アジア地域や中国等への積極的な営業活動を推進し、それに対応すべく生産・供給体制の強化を進めてまいります。

 その他、低炭素化社会実現のためのカーボンニュートラルに関連した企業との協業で新規触媒の開発と拡販にも注力してまいります。

受託加工(安定事業)

 受託加工事業に対する顧客からのニーズは、近年多種多様でより高度なものになり、それらニーズに対して迅速かつ確実に対応できるよう、保有設備の拡充、生産管理の高度化、人材育成等を図り、より信頼される受託体制を構築して発展に努めてまいります。

(医療事業)

 医療用医薬品、医療機器、一般用医薬品、機能性食品ならびに美容医療向け製品等、これまで培った販路・商流を活用できる商品ラインアップの拡充に注力します。また、産学連携の枠組みを活用した大学との共同研究を積極的に推進するほか、新素材、新技術、新プラットフォームを有するスタートアップ企業を探索し、業務・資本提携を含めたビジネス協業関係の構築を図ります。

医療用医薬品

 バリウム造影剤は、需要が漸減する国内においては顧客ニーズへの対応力を強化する一方、輸出については韓国、台湾等への拡販に努め、国内・輸出の販売合計で事業規模維持を図っております。新型コロナウイルスの影響を受け集団検診の延期または受診控えにより販売量が一時減少しましたが、検診自体は早期発見の観点からも必要性が指摘されており、今後検診需要は一定の回復を見込んでおります。

医療機器

 内視鏡洗浄消毒器は、世界的な半導体不足の影響で実績は予算を下回りましたが、耳鼻咽喉科領域でのエビデンスを取得し、来期以降への業績貢献に期待します。消耗品の原材料高騰による影響は製品価格転嫁により抑えました。

2019年6月に上市した内視鏡手術用の粘膜下注入材「リフタルK」および注入材用穿刺針「リフテインニードル」は、大学病院、官公立病院からクリニックまで営業強化を図った結果、目標とした30%のシェアに近づいてきており、更に拡販に注力してまいります。

 また、胸部X線診断支援AIシステムと胸部CT診断支援AIシステムに加え、2023年1月より下部消化管内視鏡診断支援AIシステムについても販売を開始しました。当社の得意領域であり、新規需要の開拓に努めてまいります。

 その他に、2022年12月より緑内障検査装置「アイモscan」の健診施設向けに販売を開始しました。緑内障の早期発見に貢献します。

一般用医薬品・その他

 一般用医薬品の収益力強化と事業改革のため、販売ルートおよび商品ラインアップの整理、新商品と新商流の開拓などの活動を積極的に展開します。またかぜ薬「改源」が2024年に発売100周年を迎えるのを記念した製品の発売を準備中です。

 新事業領域として取り組んできた美容医療向け事業は、新型コロナウイルスの影響下にあっても紫外線対策サプリ「ソルプロ」シリーズを中心に順調に売上を伸ばしており、今後も新製品を投入し拡大を図ります。

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