企業双信電機東証スタンダード:6938】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

当社グループを取り巻く事業環境については、安全・環境規制の強化、通信・交通インフラ網の拡充などにより中長期的には事業機会の拡大が期待できます。しかし、直近では、世界情勢の不安定化やインフレ懸念による景気減速、半導体・通信関連市場での生産調整などによる影響から需要の減退を迎えており、当社業績も悪化しています。

 このような厳しい事業環境ではありますが、当社グループは「収益力の向上」と「持続的な成長」に向け邁進していきます。

 まずは足元の需要減退状況でも、より儲かる仕組み「収益力の向上」に対する施策を実行します。また「持続的な成長」に関しては、当社グループの存在目的と定義しました「ノイズの無い世界を作る」を目指した新製品・サービスの開発、人材育成を進めていきます。

 目標の早期達成に向け、親会社であるWALSIN TECHNOLOGY CORPORATIONを中心とした企業グループ(以下「PSAグループ」)との連携を加速し、同グループが保有するグローバルな販売、調達チャネルや低コストの製造技術などのリソースを最大限活用していきます。

収益力の向上 現行事業の課題

  1.  積層誘電体フィルタ事業の再構築

 これまで積層誘電体フィルタ事業は情報通信事業本部の傘下にありましたが、次期より事業部として独立させます。また、同事業部長をPSAグループより迎え、当社同事業とPSAグループの高周波部門との一体運営を行います。

 当期、同事業は期首予想からの大幅な需要減により赤字となりました。需要減の直接的要因は通信関連投資抑制によるものですが、一方でマーケティング力の不足、お客様からのコスト・納期要求に十分対応できていないことによる機会損失等も要因として挙げられました。この点を抜本的に是正するため、組織変更を伴うPSAグループとの一体運営に踏み切ります。

 既に販売面では協業体制を構築しており、PSAグループとのマーケティング情報一元化を進め、当社商品戦略に反映させていきます。また、材料・製造プロセス共通化の技術開発も進んでおり、次期よりPSAグループ製造ライン活用によるコスト低減、量的拡大を行います。

 以上のとおり、次期より新たな組織体制のもと、事業の再構築を進め、売上の拡大と収益力の回復を図ります。

  2.  製品収益性の改善

 当期より着手しております、代替部材によるコスト低減、納期遅延解消による航空輸送費抑制、生産性の改善を継続していきます。また、お客様に対しても、材料やエネルギー価格の上昇によるコスト増分の製品価格転嫁や、旧来の低収益製品の新規品への置換、終息もお願いしていきます。

2025年度 営業利益率10%を目指し、以上の課題に取り組んでいきます。

持続的な成長 人材育成

「ノイズの無い世界を作る」のような長期ビジョンを実現するうえで、最も重要な資産は人材です。当社でも従業員平均年齢は44.7歳に上がり、部門での人材過不足が課題となっていますが、会社が持続的に成長するためには、人材の潜在能力を引き出し育成することが最重要課題です。

 当期、管理職人事について、年齢、性別によらない能力本位の制度設計を進め、全社のマネージメント力の向上を図っています。また、一般職を含めて、教育の拡充、柔軟な人員配置などの施策を実施、従業員がやりがいを感じ、主体的に業務に取り組む環境を整備していきます。

③持続的な成長「ノイズの無い世界」実現に向けて

2050年カーボンニュートラル実現に向け、電気エネルギー活用が重視される中、当社は存在目的である「ノイズの無い世界を作る」を目指します。当社が貢献できる5つの領域を設定。その実現に向け、当社コア技術(高電圧高電流回路、高周波設計、ノイズ測定診断、セラミックプロセス)を進化させると共に、PSAグループとの連携による技術、マーケティング強化を進めていきます。

1.新たなモビリティ社会インフラ

 駆動源は電気エネルギーで、自動制御を基本とした新たなモビリティ(移動手段)が提案され、これを支える社会インフラが求められます。具体的には充電インフラ、車車間・路車間通信ネットワークの整備が必要となります。

 新たな急速充電や非接触充電インフラに対し、当社コア技術である高電圧高電流技術を活用し、低ノイズ化、高効率化を実現するためのノイズフィルタ、コンデンサ開発を進めています。車車間・路車間通信では、当社の積層誘電体フィルタならびにPSAグループとの協業による部品・モジュールを提供していきます。

EV車自体に対しても、蓄電池安全性・省電化要求に対応する部品を開発し、EV化の促進に寄与します。

2.高効率な電気エネルギー活用

 電気エネルギーをより効率的に活用するため、直流送電や高周波利用による電圧変換など、電源の小型軽量化や損失を低減する新たな技術の利用が予想されます。これらの新技術実用化に向け、当社は高電圧高電流技術、ノイズ測定診断技術による低ノイズ高効率な製品群を提供、実現を促進していきます。

3.世界をつなぐ通信網

 デジタル技術を用いたさまざまなサービスの社会実装に向け、通信・デジタルインフラにより世界がいつでもどこでも「つながる」状態になることが必要です。当社は基地局小型化や小型衛星通信網の構築を通して、低ノイズ・高効率な通信を実現する製品群を、PSAグループと共同して開発していきます。

4.産業への高周波エネルギー応用

 半導体製造プロセスや低温化学プロセスなどへの高周波応用が進むと予想されます。これらは高電圧と高周波を組合わせた新しい領域ですが、当社のコア技術を活用し、社会のニーズに応えていきます。

5.デジタルツインに向けた取り組み

 今後、現実の事象を仮想空間上に再現するデジタルツインが発達します。当社のノイズ測定診断技術も、現地現物による診断から仮想空間上での診断への進化が求められます。これに対応するため、同技術のデジタル化の研究を進めており、今後新たなサービスとしてお客様へ提案していきます。

PR
検索