企業兼大株主北洋銀行東証プライム:8524】「銀行業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、主に下記の(1)~(5)のとおりであります。

 これらのリスクが顕在化する可能性について、特にその蓋然性が高いと認識しているのは、海外での高インフレ持続と各国中央銀行の利上げ継続、国内物価上昇と日本銀行の金融政策修正、それに起因する信用リスク、市場リスクなどであり、その動向によっては、信用コストの増加や保有有価証券の減損・評価損など、当行及び当行グループ(以下、本項では「当行」という。)の経営成績等に相当の影響を及ぼすものと認識しております。

 当行では、想定される具体的なリスクについて、機動的に(原則毎月)その発生の「影響度」と「蓋然性」を確認の上、その重要性を判定しており、早期予兆管理とコントロールするための施策を講じることに努めております。また、発生した場合には、迅速かつ適切な対応に努める所存であります。

<リスク認識のイメージ図>

 なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行が判断したものです。

(1)信用リスク

① 不良債権の状況

 当行の当連結会計年度末における銀行法及び金融機能の再生のための緊急措置に関する法律に基づく債権額(破産更生債権及びこれらに準ずる債権、危険債権、要管理債権)は865億円です。それらは当行の内部基準に照らし判定を行ったものであり、当連結会計年度末現在において償却・引当処理を実施しております。

 銀行法及び金融機能の再生のための緊急措置に関する法律に基づく債権額の貸出金に対する比率は低位な水準にありますが、今後の資源・資材の高騰に伴う北海道の景気動向、融資先の経営状況、不動産価格及び株価の変動等によっては、当行の不良債権及び貸倒償却引当費用が増加し、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2022年3月期

2023年3月期

銀行法及び金融機能の再生のための緊急措置に関する

法律に基づく債権額

796億円

865億円

与信額に占める割合

1.04%

1.09%

 当行では、日常のお客さまとの対話などを通じて、事業内容の変化をその都度把握し、売上・利益の縮小や資金繰りに問題を抱えるお客さまに対して、経営改善支援等のソリューション提供による課題解決に取組むことなどにより、不良債権の増加を抑制する対応を行っております。

② 特定の業種等への与信集中に係るリスク

 当行の業種別貸出状況では、卸売業・小売業、不動産業・物品賃貸業及び地方公共団体に対する貸出金の構成比が比較的高く、それらの業種の経営環境等に変化が生じた場合には、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当行では、特定業種への過度な与信集中を回避するために、与信取引の大口集中排除・小口分散化を基本にポートフォリオのコントロールを行っております。業種全体の悪化が懸念されるような注意を要する業種については、定期的に分析を行い、状況に応じた管理施策を導入し対応しております。

③ 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

 新型コロナウイルス感染症の影響による売上低迷など、業況回復が遅れている取引先企業の倒産・廃業等が発生し、信用コストが増加する可能性があります。

 当行は、地域金融機関として、緊急時におけるお客さまの資金ニーズ等にきめ細かく対応し、柔軟かつ迅速な支援の徹底により、企業の倒産等を抑えることなどを通じて、信用コスト増加の抑制と適時適切な管理に努めております。

(2)自己資本比率が低下するリスク

 当行は、自己資本比率規制における国内基準行であり、連結自己資本比率及び単体自己資本比率について4%以上の水準を確保することが求められております。

 そのいずれかが4%を下回った場合は、金融庁長官から、その水準如何によって、改善計画の提出及びその実行の命令、自己資本の充実に資する措置に係る命令、業務の全部又は一部の停止の命令等の措置を受けることとなりますが、直近4年間の推移では、連結・単体ともに概ね11%~12%を維持しており、現状4%を下回る蓋然性は高くないものと認識しております。

自己資本比率

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

連 結

12.61%

12.41%

12.53%

11.78%

単 体

12.30%

12.07%

12.17%

11.48%

 当行の自己資本比率にマイナスに影響する主な要因は以下のとおりです。

・有価証券ポートフォリオの価値の低下

・債務者と株式・債券の発行体に対する内部格付に応じて生じるリスク・アセット及び期待損失の増加

・繰延税金資産の自己資本への算入制限が課せられた場合の自己資本の減少

・繰延税金資産の回収可能性判断に基づく繰延税金資産の取崩しによる自己資本の減少

・債務者の信用力の悪化や不良債権の処分に際して生じうる与信関係費用の増加

・銀行の自己資本比率の基準及び算定方法の変更

・為替レートの不利益な変動

・本項記載のその他の不利益な展開等

 当行は、様々なリスク事象によるストレスが加わった場合にも、十分な自己資本の維持が可能かどうかについて、年に2回「統合ストレステスト」を実施しており、資本の十分性について定点的に検証しております。

(3)業務に伴うリスク

① 市場リスク

 当行では有価証券などの市場取引及び投資活動を行っております。したがいまして、当行の業績及び財政状態は、これらの活動に伴うリスク(金利、為替レート、株価及び債券相場の変動等)にさらされております。例えば、金利が上昇した場合、当行の保有する国債をはじめとする債券ポートフォリオの価値に悪影響を及ぼします。また保有している株式の価格が下落した場合には減損又は評価損が発生することにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 流動性リスク

 資金繰りに関して、内外の経済情勢や市場環境等の変化、当行格付の低下及びその他の何らかの理由によって当行の信用力が低下することなどにより、必要な資金が確保できなくなる場合や、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされたり調達が困難となったりすることで損失を被る可能性があります。また債券などの金融商品の売買において、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることで損失を被る可能性があります。

 例えば、2008年のリーマン・ショック時には保有している金融資産を適正な価格で現金化できない、「市場流動性が枯渇」した状況が発生しました。著しく不利な価格での取引を余儀なくされた場合、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 事務リスク

 当行では、各種取引に伴う事務処理について、規程等に則った適宜適切な処理を徹底しておりますが、当行役職員や外部委託先の人為的ミスなどにより事故が生じ、金融資産の喪失や原状回復等に係る対応費用などの発生及び社会的信用の失墜などにより、不測の損害を被る可能性があります。

④ システムリスク

 コンピュータ機器や通信回線の故障、プログラムの不具合などによるコンピュータシステムの停止又は誤作動や、コンピュータの不正使用又は外部からのサイバー攻撃などによる情報の破壊や流出が発生した場合、決済機能やサービス業務の停止、社会的信用の失墜などにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。当行では、コンピュータ機器や通信回線の二重化、サイバー攻撃などの探知システムの拡充を図っており、2023年1月には基幹系システムを刷新し、メインシステムに加え、バックアップシステムについても強化を図っております。

⑤ 法務リスク

 当行役職員の法令等違反に起因した多大な損失の発生や当行への訴訟の提起等により信用力の低下等が生じた場合には、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。当行ではコンプライアンス(法令等遵守)を経営の最重要課題のひとつと位置付け、法令等遵守態勢の充実・強化に取組んでおります。

⑥ 災害等の発生により業務に支障を来たすリスク

 当行が保有する店舗、事務所、電算センター等の施設が、地震等の自然災害の発生、停電等の社会インフラ障害及び犯罪、物理的テロ等の被害を受けることにより、当行の業務運営に支障を来たし、業績及び財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 風評リスク

 当行及び銀行業界に対するネガティブな報道や悪質な風評等により、それが事実であるか否かにかかわらず、流動性リスクを誘発することなどにより、当行の業績や財務内容、株価等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 情報漏洩に関するリスク

 当行役職員及び外部委託先の人為的ミス・事故等や外部者の不正アクセス等により、お客さまに関する情報が外部に漏洩した場合、お客さまからの損害賠償請求や社会的信用の失墜などにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。当行では、グループ会社情報管理に関する基本方針・取扱規程及び体制を整備し、各部署への「お客さま情報管理責任者」、「お客さま情報管理者」設置のほか、職員教育、セキュリティ対策といった情報漏洩防止策を講じております。

⑨ ビジネス戦略が奏功しないリスク

 当行では収益力増強のため様々なビジネス戦略を実施していますが、これら戦略が功を奏さないか、当初想定していた結果をもたらさない可能性があります。戦略が奏功しない例としては既存の貸出についての利鞘拡大が進まないこと、手数料収入の増大が期待どおりとならないこと、経費削減等の効率化を図る戦略が期待どおりに進まないこと、などが挙げられます。

⑩ 業務の外部委託に伴うリスク

 当行は、様々な業務を外部委託するにあたり、業務委託を行うことの妥当性検証や委託先の情報管理態勢の確認等により、委託先の選定を適切に行うよう努めておりますが、委託先において重要な業務の遂行に支障を来たす事態が発生した場合、当行の業務運営に支障を来たし、業績及び財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)金融環境等に係るリスク

① 競争の激化

 近年、日本の金融制度は大幅に規制が緩和されてきており、これに伴い競争が激化してきております。当行がこうした競争的な事業環境において競争優位を得られない場合、当行の事業、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 規制変更のリスク

 当行は現時点の規制に従って、また規制上のリスクを伴って業務を遂行しております。将来における法律、規則、政策、実務慣行、解釈、財政及びその他の施策の変更並びにそれらによって発生する事態が、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 地域経済の動向

 当行は、北海道を主要な営業基盤としておりますが、インバウンドや公共事業の大幅な縮小等により地域経済が想定以上に悪化した場合は、収益基盤の拡大が困難となるほか、信用リスクの増加などにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。当行では、事業性理解や経営改善支援など、道内企業の価値向上に向けた取組みを通じて、地域経済の持続可能性に貢献すべく努めております。

(5)その他

① 格付低下のリスク

 格付機関が当行の格付を引下げた場合、当行のマーケット部門は、取引において不利な条件を承諾せざるを得なくなったり、又は一定の取引を行うことができなくなり、資本・資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。このような事態が生じた場合には、当行のマーケット部門及びその他業務の収益性に悪影響を与え、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 退職給付債務に関するリスク

 当行の年金資産の時価が下落した場合、年金資産の運用利回りが低下した場合、予定給付債務を計算する前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合、又は退職給付に係る会計基準が改正された場合には、損失が発生する可能性があります。また、年金制度の変更により未認識の過去勤務費用が発生する可能性があります。金利環境の変動その他の要因も年金の未積立債務及び年間積立額にマイナスの影響を与える可能性があります。これらの結果、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 固定資産の減損会計に関するリスク

 固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針を適用し、所有する固定資産に損失が発生した場合には、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 会計制度変更に伴うリスク

 現時点で将来の会計制度変更について影響を測定することは困難ですが、会計制度の変更内容によってはコストの増加につながり、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 財務報告に係る内部統制に関するリスク

 当行は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められており、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行い有効性を評価する過程で発見された事項は、速やかに改善するよう努めております。

 しかしながら、改善が不十分な場合や、開示すべき事項に重大な不備があると監査法人が評価するような場合には、当局による監督指導や社会的信用の失墜により、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 疫病発生による業務継続に関するリスク

 事前に疫病発生の影響を測定することは困難ですが、社会的混乱により当行の業務運営に支障が生じ、業績及び財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。当行では業務継続計画(BCP)や「緊急時対応要領」を策定のうえ、様々な緊急時の訓練を定期的に実施しています。また、職員の出勤前・出勤時の健康管理チェックを行い体調不良者は自宅待機を徹底、窓口等における飛沫防止のパーテーションの設置など、感染予防・感染拡大防止のための対策を講じています。

⑦ 気候変動リスク

 地球温暖化の進行やそれに伴う異常気象等による自然災害の急増など、気候変動リスクがもたらす被害は年々拡大しています。こうした被害の状況によっては、当行の業務運営への影響に加え、当行取引先の事業活動や業況の悪化等による信用リスクの増加などにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があることから、当行では気候変動問題への対応を進めるため、2021年5月にTCFD(※)提言への賛同を表明しました。引き続き、当該リスクを分析・評価・把握し、統合的リスク管理の枠組みの中で管理する体制の構築を進めていきます。

 今後もTCFD提言に沿った体制整備に努めてまいります。

(※)TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)

Task Force on Climate-related Financial Disclosures の略。2015年12月に金融安定理事会(FSB)により設立された、気候変動リスク・機会の情報開示を推奨する国際的な支援組織。

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