乃村工藝社 【東証プライム:9716】「サービス業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、プランニング力、デザイン力、演出技術力等を駆使することにより、集客と感動の環境を創り出し、顧客のビジネスの繁栄と成功に貢献していくことを基本方針としております。この実現のため、グループ各社の専門性を高め、その総力を結集して企画段階から運営までの幅広い領域で顧客のニーズに適合したサービスの提供をおこなってまいります。それにより、企業ブランドをさらに向上させることでグループの企業価値を高め、継続的に成長してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
ミッション : 空間創造によって人々に「歓びと感動」を届ける
ビジョン(ミッションを実現するために、乃村工藝社グループとしてのありたい姿を規定したもの)
: 一人ひとりのクリエイティビティを起点に、空間のあらゆる可能性を切り拓く
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事業価値と社会的価値の向上を通じて「企業価値」の向上を成し遂げます。 (事業価値向上) 既存事業を高度に洗練させる 市場別の専門性を高度化し、それぞれの専門性を他市場のニーズに積極的に活用する連携体制を充実させ乃村工藝社グループの圧倒的な総合力を発揮する。 (事業価値向上) 新たな事業領域に挑戦し新しい事業を全社員で興す 時代や社会環境の変化に対応した新しい空間の価値を創造し、空間を活用した新しいビジネスや事業のプロデュースによって、乃村工藝社グループ事業領域の無限の可能性に挑戦する。 (社会価値向上) 社会が必要とする価値を提供する 乃村工藝社グループの掲げる“サステナビリティ方針”のもと、企業の社会的責任・持続可能性に取り組むとともに空間創造を通じた社会課題解決にむけたソーシャルグッド活動を推進する。 |
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そのために=起点となるクリエイティビティの醸成 (働き方改革) 個の力を発揮する働き方に挑戦する 自律した自由な働き方により社員一人ひとりの「個の力=専門性」が如何なく発揮され、社内外と積極的に連携・協創できる“働きがい”のある会社にむけた制度改革を行う。 (業務改善) クリエイティビティに費やす時間的余力を創出する 会議体・報告プロセスの削減やワークフローとシステムの見直しによる効率化で、それぞれの仕事に旺盛なクリエイティビティを発揮するための余力を創出する。 (人財育成) 創造力と実行力を発揮する人財を育成する 多様性を推奨する環境下にあって、創造力と実行力を発揮できる人財を育成することで、不確実と言われる時代においても柔軟に対応できる強靭な組織をつくりあげる。 (R&D) 新たな提供価値創造のための研究開発を実行する 社員の新しい発想やアイディアによって、まだない空間や事業を「創り出す」ための研究開発を実行する。 |
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成長投資 将来の継続的な成長を目指し、3年で70億円の投資を行う |
(3)目標とする経営指標
<2025年度 財務目標>
(事業収益)
連結売上高 : 1,300億円以上
連結営業利益 : 78億円以上
連結売上高営業利益率 : 6.0%以上
成長投資 3カ年合計 : 70億円以上
(資本効率)
自己資本利益率(ROE) : 10.0%以上
自己資本比率 : 50.0%以上
(株主還元)
純資産配当率(DOE) : 6.0%以上
(4)経営環境ならびに優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
今後の経済情勢につきましては、新型コロナウイルス感染症対策の緩和による経済活動の活性化が期待されるものの、長期化するロシア・ウクライナ情勢や世界的なインフレ等がもたらす影響により、引き続き先行き不透明な状況が予想されます。
当社グループを取り巻く環境におきましても、原材料価格の上昇や価格競争の激化など利益を圧迫する要因も未だ多い状況が続いておりますが、一方で新型コロナウイルス感染症対策の方針転換により各市場分野における集客施設等への人流回復が見込まれることから投資活動再開の兆しも見られ、緩やかな回復基調で推移することが期待されます。
このような事業環境の中、当社グループは空間の未知の可能性に挑み、これからも人々に「歓びと感動」を届け続ける企業であるための指針となる新しいビジョン・中期経営方針(2023~2025年度)を策定いたしました。
「一人ひとりの『クリエイティビティ』を起点に空間のあらゆる可能性を切り拓く」という新ビジョンのもと、2024年2月期は新中期経営方針の初年度として、企業価値の向上に資する3つのテーマと、それらを成し遂げるための『クリエイティビティ』を醸成する4つのテーマに取り組んでまいります。
企業価値の向上に資するテーマとしては、「既存事業を高度に洗練させる」「新たな事業領域に挑戦し新しい事業を全社員で興す」「社会が必要とする価値を提供する」を掲げております。当社グループの総合力による既存事業の専門性高度化と、新しい空間価値を創造する新ビジネス・新事業のプロデュースによって事業価値を向上させるとともに、当社グループが掲げる「サステナビリティ方針」のもと、空間創造を通じて社会課題を解決していく「ソーシャルグッド活動」を推進させることで、社会価値の向上を図ってまいります。
クリエイティビティの醸成を図るテーマとしては、「個の力を発揮する働き方に挑戦する」「クリエイティビティに費やす時間的余力を創出する」「創造力と実行力を発揮する人財を育成する」「新たな提供価値創造のための研究開発を実行する」を掲げております。企業価値の向上を成し遂げるための起点として、当社グループ社員一人ひとりのクリエイティビティの醸成が必要不可欠だと捉え、そのために必要な投資も行い、当社グループの将来にわたる継続的な成長を目指してまいります。
(5)サステナビリティに関する考え方および取り組み
乃村工藝社グループでは、サステナビリティ課題への取り組みなどを検討するにあたり、役職員が大切にするべき価値と目指す目標を示すためサステナビリティ方針を制定しています。また、限られた経営資源を最大限有効に活用し、事業の機会とリスクを的確に捉えた経営戦略の方向性を示すためマテリアリティ(重要課題)を特定しております。
サステナビリティ方針針 | |
| マテリアリティ(重要課題) |
1.企業統治(ガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンス) ・法令および社会規範を遵守し、事業活動を取り巻くリスクの適切な管理に取り組み、環境や社会に配慮した公正で健全な企業活動のためガバナンスを構築します | |
| ・コンプライアンスを徹底し、変化に対応できる柔軟でスピーディーな経営の実現 ・ステークホルダーとの対話、協働の実践 |
2.人権尊重、働き方・多様性の受容・人財育成 ・事業活動にかかわる人権課題についての理解を深め、人権尊重の責任を果たしていきます。 ・社員の健康的な働き方を追求するとともに、年齢、性別、障がいの有無、国籍、人種、価値観など、幅広い多様性を受け入れます。また、人が持つ能力を資本としてとらえ、個々の能力を発揮できる人財の育成に努めます | |
| ・多様な人財の活用・育成による創造力の発揮 ・働きがいのあるライフワークバランスの推進 ・ハラスメントのない安心して働ける環境の実現 |
3.品質・環境・安全 ・提供する商品・サービスの品質や安全水準の向上・改善に取り組みます。 ・事業活動における環境負荷を低減し、環境に配慮した調達や新しい技術の導入・開発に取り組みます。 ・働く人びとの安全と健康の確保、災害や事故の防止に取り組みます。 | |
| ・サプライチェーンマネジメントによる商品・サービスの信頼性向上 ・地球・自然・人間環境を豊かにするモノづくり・コトづくり ・安全・安心な労働環境の実現 |
4.社会貢献活動 ・事業活動等を通じて、文化の発展や地域社会への貢献、また文化や地域を超えた相互理解の促進や次代の創生に資することに取り組みます。 | |
| ・地域資産の継承とコミュニティー形成による地域の活性化 ・誰にでも使いやすい空間づくりの実現 ・文化的活動との共創・支援による豊かな感性づくり ・スポーツやウェルネス事業の空間づくりによる健康社会の実現 ・豊かな人間環境を実現するクリエイティブ人財とエンジニアリング人財の輩出 ・クリエイティブな発想と技術革新による空間価値の向上 |
①サステナビリティに関する取組み体制
当社では、サステナビリティ方針の実現に向け、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会(委員長:代表取締役 社長執行役員)を設置しており、サステナビリティ方針に基づくマテリアリティの特定、目標の設定および進捗の確認を行うこととしております。
なお、現在当社では、マテリアリティに対する目標設定に取組んでおり、その内容につきましては適宜当社ホームページ等で開示することを予定しております。
②人的資本に関する取り組み
当社では、以下のとおり人的資本に関する取り組みに努めております。
(健康経営の推進)
イ ガバナンス体制
人事担当役員である「健康経営推進責任者」を筆頭に、健康推進担当・保健師等と労働組合・産業医等の様々な関係者と連携をはかりながら健康経営を推進しています。
ロ リスク管理体制
当社ではマテリアリティとして「安全・安心な労働環境の実現」を掲げております。
当マテリアリティにつきましては、サステナビリティ委員会においてその進捗を確認することとしており、当活動を通じたリスク管理体制を構築しております。
ハ 戦略
健康に伴う経営課題の解決に向け「戦略マップ」を作成し、目標・指標を設定、健康保持・増進に関する具体的な取り組みを推進しています。
※「健康経営推進体制」および「戦略マップ」につきましては、当社ホームページにてご参照ください。
https://www.nomurakougei.co.jp/corporate/sustainability/health/
・健康保持・増進に向けた取り組み内容
健康経営推進拠点の設置 | 社員が活き活きと働くことができる職場環境の整備と健康保持・増進を担う機関として健康管理室を設置。また、社員間のコミュニケーション醸成、食を通して健康意識を向上する場としてRE/SP(リセットスペース)を設置。 |
健康管理 | 健康診断受診の必要性の周知・受診促進、人間ドック、婦人科検診の費用補助。 |
健康増進対策 | 健康関連セミナー、感染症対策の社内情報配信・費用補助などを通じた健康増進、コミュニケーション促進。 |
健康課題の分析、改善 | 社員の健康診断データの分析を通じて健康課題を特定し、改善のための施策により中長期的に社員の健康増進をサポート。 |
ニ 指標(状況)
健康経営推進における経年変化を数値化し、各項目の現状把握をおこなっています。
項 目 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
定期健康診断受診率(%) | 100 | 100 | 100 | 100 |
喫煙率(%) | 33.1 | 30.7 | 30.3 | 29.5 |
1カ月当たり平均時間外労働時間(時間) | 35.2 | 26.7 | 34.3 | 30.9 |
有給休暇取得率(%) | 58.8 | 53.5 | 53.2 | 56.4 |
平均勤続年数(年) | 12.1 | 12.2 | 12.6 | 12.9 |
上記取り組みの結果、当社は経済産業省と日本健康会議より「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定されております。
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