企業ホクリヨウ東証スタンダード:1384】「水産・農林業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針及び経営環境等

① 経営方針

 当社は「グローバルな競争社会で成長発展していくために、常に将来を見通し、大胆に変化していく。」を経営方針としております。いまや鶏卵といえども国内情勢だけを見て経営判断できる時代ではなくなったと認識しております。国内、国外の動向を把握し、常に10年後の近未来を予測し、過去、現在の仕事のやり方に固執することなく積極的かつ大胆に変化していく事が肝要です。

② 経営環境

 当事業年度における日本経済は、依然として終結の目途が立たないロシアによるウクライナ侵攻に伴う世界的なエネルギー、資源相場の高止まりや米国金利引き上げに伴う円安により企業物価指数、消費者物価指数は高止まり、実質賃金は今年3月まで12か月連続減少を続けています。一方新型コロナウイルス感染症は今年に入り徐々に感染者が減少、昨年秋以降の外国人の入国規制の緩和もあり、輸送業、観光業、飲食業等を中心に本格的な景気回復局面に入りつつあります。

 鶏卵業界におきましては、昨年10月に今シーズンはじめての鳥インフルエンザ感染が国内の農場で確認されて以降、感染拡大に歯止めがかからず、3月末までに感染事例は82例、1,600万羽近い採卵鶏が淘汰されております。この影響を受け、当事業年度平均鶏卵相場は、北海道Mサイズが1キロ280円21銭と前年比58円11銭高、東京Mサイズは1キロ250円74銭と前年比35円50銭高となりました。

 この様な状況下当社としましては、引き続き当社としての競争優位の源泉となっている小売店への直接販売や農場生産成績の改善、差別化卵の販売比率の引き上げ等を通じて当社収益構造の強化を図ってまいります。

(2)経営戦略等

① 事業領域の拡大

 当社の持続的成長のため、引き続き事業領域の拡大に注力してまいります。当社は既に昨年秋より宮城県にある農場で生産した平飼い卵を関東、東海、東北、北海道において販売開始しておりますが、本年度は当該卵の業務用需要開拓、海外市場への輸出に取り組んでまいります。さらに同農場で製造される発酵鶏糞肥料の東南アジア向け輸出にも取り組んでまいります。

② 相場に左右されない収益体質の構築

 鶏卵は相場商品であり、このため当社収益も相場動向に左右されやすい収益構造になりがちです。当社は相場に左右されない収益体質構築のため、販売価格が比較的安定し、相場の影響を受けにくい「付加価値卵」(各種栄養成分を強化した卵、アニマルウェルフェアを意識した平飼い卵)の生産、拡販に引き続き注力してまいります。

③ 農場生産成績向上による鶏卵生産コストの引き下げ

 生産コストの引き下げはメーカーでもある当社にとって永遠の取り組み課題です。最新技術を導入した鶏舎への建替え、飼料成分・飼育環境の改良、徹底した防疫対策を通じ、鶏卵生産成績の向上とコスト削減に取り組んでまいります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社の事業は製品の定価販売が可能な製造業と異なり、製品たる鶏卵、原料である飼料ともその価格が相場に大きく左右されます。このため売上高総利益率等の指標を計画や経営上の目標とすることはかえって経営の本質を見誤る危険性を含んでいるため、事業計画上これらの指標に目標を設定しておりません。代わりに各事業毎の事業成績目標の達成状況を判断するため、産卵率、平均卵重、飼料要求率(卵を産むためにどれだけの餌が必要かを示す指標)、一人一時間当たり製造量(パック詰め等作業)、相場差(販売単価と鶏卵相場の価格差)等の生産・製造・販売に関連する指標を当社では重視しており、結果として売上高総利益率の改善につながるような事業活動を行っております。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 高病原性鳥インフルエンザ感染防止対策の徹底

 当社は残念ながら今年4月に千歳農場での高病原性鳥インフルエンザの感染が確認され、約70万羽の鶏の淘汰を行い、結果として株主様、取引先様、消費者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしました。今回の事故を教訓に農場における感染防止策を再点検し、再発防止に最大限の対策を打ってまいります。さらに当社大規模農場である札幌、千歳農場においては、農場の一か所で感染が確認された場合でもその影響を最小限にとどめるため、農場の分割管理を検討してまいります。

② 原料コストの高騰に伴う適正な鶏卵販売価格への改定

 ロシアのウクライナ侵攻に端を発した世界的な原料価格高騰に伴う国内飼料価格、エネルギーコスト、物流費の高騰には終息の兆しが見えません。当社としては生産コスト引き下げに全力を挙げるとともに、自社努力のみでは吸収できないコスト増に対応するために当社取引先に対しては原料事情を丁寧に説明し理解を求めたうえで、引き続き鶏卵販売価格の改定を進めてまいります。

③ 平飼い卵の生産・販売

 当社はアニマルウェルフェアへの取り組みの一つとして昨年秋より宮城県において生産した平飼い卵の関東、東海、東北、北海道での販売を開始していますが、本年度はさらに販売数量を増加させるとともに、業務用ユーザーの開拓、海外への輸出にも取り組んでまいります。

④ SDGsへの取組

 未来に責任ある企業としてSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みは避けて通れない課題と認識しております。当社は既に農場で発生する鶏糞を発酵鶏糞ペレット化する肥料工場を稼働させ、鶏糞の農地還元を行っておりますが、ロシアのウクライナ侵攻による世界的な肥料価格の高騰を踏まえ、本年度は当該製品の東南アジア向け輸出に取り組んでまいります。

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