企業ホウライ東証スタンダード:9679】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社は「ひとを大切に。自然を大切に。」をコーポレート・ステートメント(スローガン)として掲げ、次の4つの領域でのコミュニケーションを大切にして、永続的な健全経営を目指します。

① お客様・消費者とのコミュニケーションには誠実と熱意をもって臨みます。

 社員一人一人が当社を代表しているという意識と責任感を常にもってお客様に接し、誠実と熱意をもって商品やサービスを提供します。

② 地域・社会とのコミュニケーションによって、共存共栄の実現を目指します。

 良き企業市民として法令規則を遵守し、地域・社会とともにより良い環境の実現を目指し、その実現と保持に努めます。

 創業以来の伝統である文化支援や社会貢献に、事業利益の社会への還元をふまえて様々な形で取り組みます。

③ 株主・投資家とのコミュニケーションには透明性の高い経営姿勢で臨みます。

 財務情報を始めとする経営情報の公正な開示を常に心掛け、適正な株価の維持実現に努めます。

 常に経営の透明性を保ち、経営戦略や経営理念に裏付けられた事業展開の理解促進を図ります。

④ 社員・お取引先とのコミュニケーションで互いの信頼獲得を目指します。

 役員社員、そして事業パートナーであるお取引先の皆様と、互いに理解交流を図り、信頼関係を築きます。

 企業情報の円滑な流通と共有化を常に心掛け、互いの協力によって事業の発展に寄与することを使命と心得ます。

(2) 経営戦略、経営環境及び対処すべき課題等

① 経営環境と課題

 当社を取り巻く環境としては、

(環境変化)地球温暖化等の気象変動の進行に伴う異常気象の頻発とその影響の深刻化

(国内情勢)円安進行、インフレ高進、少子高齢化に起因する国内市場の縮小、総人口減少と労働力不足の深刻化

(国際情勢)新興国市場の成長によるグローバルな競争激化、紛争の発生

(消費行動の厳格化)消費者の節約志向・価格志向、商品・サービスに対する厳しい選別

 等が挙げられ、当社は、これらに起因する様々な課題に的確かつスピード感をもって対処しつつ、中長期的な視点での変革に確り取り組んでいくことが重要と考えております。

 また、その過程では、資本コスト・資本収益性を十分に意識した経営資源の配分、従来のビジネスモデルからの変革(DX推進、お客様満足度と業務効率化の両立、他社との協働等)、並びに当社の有する自然資本の活用(豊かな森林資源等)や事業活動を通じたSDGsへのより具体的な貢献を意識した経営の実現も重要と考えております。

 以上の認識に基づき、当社は、三つのフェーズの成長プロセスに基づいて中期経営計画を策定し、具体的な施策を着実に実行していくことで、「健全経営の基盤強化と永続的で強靭な経営体質の構築」を目指しております。

② 前中期経営計画の評価

「既存ビジネス・利益基盤の再構築」を目指す第一フェーズと位置付けた前「中期経営計画」(2021年9月期~2023年9月期)では、新型コロナウイルス感染症拡大による大きな影響を受けながらも、千本松ルネサンスへの戦略投資をはじめとする千本松事業(牧場・ゴルフ)の再構築、利益基盤の柱としての保険・不動産事業の強化、ITを活用した非効率業務の見直し等、各種施策を着実に推進した結果、次のステップに臨むために必要な利益基盤の最低ライン「営業利益5億円」の目標を達成いたしました。

[各事業部門における成果と課題]

≪保険事業・不動産事業≫

 当社における2つの収益基盤の柱として、営業総利益の合計額を2020年9月期929百万円から2023年9月期1,154百万円へと、3カ年で24%の増益を果たし、営業利益目標500百万円の達成に大きく寄与いたしました。

a. 保険事業

■「お客様のリスク管理パートナー」として最適な提案活動に基づく新規獲得

■生損保に跨る多種目化取り組み

■良質な保険代理店のM&Aへの取り組み

■代理店登録の一本化等の業務効率化・コスト圧縮に向けた取り組み

b. 不動産事業

■プロ人材活用による建物管理・工事費の精査体制等による修繕費削減等の徹底したコスト削減

■適切な修繕・更新投資による「利便性・快適性・安心安全の提供」によるお客様満足度確保と賃料収入向上の両立への取り組み

≪千本松牧場・ゴルフ事業≫

 両事業については2011年9月期から約12年間、営業赤字が続いており、前中期経営計画において黒字転換を図ることを最優先課題として業績回復に取り組み、千本松牧場は13期振りに営業黒字への転換を実現いたしました。ゴルフ事業につきましても赤字幅は大きく改善しましたが、黒字転換までには至らず、新中期経営計画への継続課題となりました。

a. 千本松牧場

■赤字要因となっていた業務からの撤退(レストラン「ランチョ」の閉店、牛乳生産のOEM化等)

■競争力の維持・強化に向けた「千本松ルネサンス」への取り組み

・新たな牧場の新コンセプト“”に基づくリブランディング

・飲食・売店の外観・ゾーニング・お客様動線等の再構築

・商品ラインアップの刷新(アイスクリームのリニューアル等)

・千本松牧場らしい手づくり感ある商品(クッキー、チーズケーキ、チーズ等)の開発

・ブランドビジネスの展開(ソフトショップの出店強化、ソフトミックスの外販等)

b. ゴルフ事業

■コースコンディションのきめ細やかな管理・向上

■お客様への接遇改善、レストラン食味向上等、ご来場からお帰りまでの「おもてなし」の充実

■情報発信力・知名度の向上(男子プロゴルフトーナメントの開催、TV番組への舞台提供等)

≪本社部門≫

a. DX推進によるお客様満足度と業務効率化の両立

b. 実力・成果をより反映した人事制度の見直し、研修制度の充実、ベース処遇改善

c. コーポレートガバナンス強化等への取り組み

(3) 新中期経営計画の策定

① 現状認識と今後の成長プロセスについて

 前中期経営計画において、収益力強化と施策の立案・遂行能力向上等、最低限必要な水準までの引き上げは出来たものの、インフレが進行する状況下で営業収益(トップライン)が50億円程度にて推移していること、また、一般的な目安と言われる「ROE8%以上」「PBR1倍以上」を割り込む状況が続いていること等、成長性や資本収益性において課題があると認識しております。

 これらの改善には、「投資魅力の有る企業への成長」が必要不可欠との認識に立ち、既存の枠組みに囚われない新しいビジネスモデルの構築を通じて更なる成長に挑戦し、企業価値を投資家・ステークホルダー等の期待に応え得る水準にまで引き上げることを目指してまいりたいと考えております。

② 「中期経営計画2026」(第二フェーズ)の位置付け

 今般策定した「中期経営計画2026」(2024年9月期~2026年9月期)は、「成長モデルへの転換のための基盤整備」を目指す第二フェーズと位置付けており、設立100周年に向けて「更なる成長への挑戦」を掲げた第三フェーズを見据え、成長基盤の整備に取り組みます。

 具体的には、引き続き外部環境の変化への対応力を高めるとともに、新しいビジネスモデルによる更なる成長に不可欠となるブランド力向上のための施設リニューアルや新商品開発等の先行投資、経営を支える基盤である人的資本への戦略的投資等を進めてまいります。

「中期経営計画2026」(第二フェーズ)の目指す姿

 :ブランド価値向上による成長モデルへの転換のための基盤構築

③ 「中期経営計画2026」の内容

<基本方針>

■設立100周年に向けた将来の更なる成長を見据えた成長モデルへの転換に向け、

①ブランド力を強化し、

②インフレ進行等の事業環境変化に迅速に適応するとともに、

③資本コスト・資本収益性を意識し、経営基盤の更なる強化・安定化

を目指します。

■人材戦略(ダイバーシティ&人材育成)の高度化

人材の多様性に加え、当牧場での主要な来場者層でもあるファミリー層を想定して「商品開発プロジェクト」を新たにスタートし、ジェンダーにとらわれない、よりユーザー目線での様々な発想・経験等から生まれる知見を加えることで、新しい事業、商品・サービス等が生み出される機会を創出してまいります。

■また、経営の根底に流れる「自然との共生」を掲げて歩んできた歴史と、豊かな自然資本の整備等によるサステナブルな「環境適応型企業」として、SDGsへの更なる貢献に努めます。

<計画骨子>

1.ビジネスモデルの変革・再構築・創造(成長モデルへの転換)

a.安定的基盤領域の拡大・強化

b.成長領域への資源の重点配分

c.既存事業に次ぐ新規事業領域の創造

2.経営効率の改善・コスト構造改革

a.DX推進等、お客様満足度と業務効率化の両立

b.更なる経費圧縮への取り組み

3.人的資本への戦略的投資

a.実力主義・成果をより反映した処遇

b.処遇改善(ライフサイクル・スタイルに合わせた働きがい/働きやすさ等の追求)

c.人材の採用・育成制度の拡充(社内・外部研修、資格取得奨励制度等)

4.SDGsを意識したサステナビリティ経営の強化

「自然との共生」の理念に基づき、企業活動を通じた豊かでサステナブルな社会づくりへの貢献、

千本松における持続可能で環境負荷の少ない循環型酪農、これを支える森林等の自然資本の整備等

5.コンプライアンス及びガバナンス強化による強固な組織体制の構築

取締役会のモニタリング機能強化、内部通報制度の周知徹底と円滑な運用等

<各事業部門の主要施策>

 事業部門・本社部門での主要施策における共通概念は以下のとおりであります。

①事業環境の変化を踏まえた収益基盤の強化、成長領域への事業拡大

②お客様との対話を通じた「満足度の高い商品・サービスの提供」

③DX推進による「お客様満足度」と「生産性(業務効率化)」の向上

④当社の最大の強みである「質の高いお客様基盤」の有効活用と更なる拡充

⑤ビジネスモデル変革の原動力となる人材の育成

⑥「環境・社会・経済への貢献」と「企業価値向上」の両立

〇保険事業

 専門分野に強みを持つ「プロの保険代理店」としてお客様に寄り添ったコンサルティングを推進し、以下を柱としたサステナブルな成長の実現を目指します。

◇お客様の様々なライフスタイルに応じたリスク管理パートナーとしての総合提案力の強化

◇教育制度の拡充による専門知識を持つスペシャリストの育成

◇お客様との信頼関係を基盤とした継続的な成長を実現し得る組織・体制の強化

〇不動産事業

 テナント様・入居者様へ「安心安全」かつ「快適」な空間を提供いたします。

◇適切な設備更新・改修投資の実施によるビルグレード(利便性・快適性・安心安全)の維持向上

◇お客様満足度の向上を意識し、専門性を更に強化した業務体制の構築

◇優良資産の取得、ポートフォリオ見直し及び新規事業への展開による収益基盤の強化拡大

〇千本松牧場

”のコンセプトの下、安心・安全でお客様のご要望にお応えできる環境と態勢づくりに努め、更なる成長を目指します。

◇観光施設では、レストラン・売店の新築を中心とするリニューアル投資や場内施設の改廃によるお客様満足度・ブランド価値の更なる向上

◇外販営業では、日配品からの脱却、スイーツ等高付加価値商品への転換

◇酪農における「循環型酪農」の高度化等、広大な自然資本を活用したSDGsへの取り組み推進

〇ゴルフ事業

 ご来場者様により楽しく・心地よい時間をお過ごしいただけるよう基本となる取り組みを深化させ、営業利益の黒字転換と安定的な利益基盤の構築を目指します。

◇コースコンディション、接遇、レストラン食味等の一層の向上によるゴルフ場の魅力アップ

◇ゴルフ場の魅力・素晴らしさを伝える情報発信力の強化によるブランド価値の向上

〇本社部門

◇人的資本への戦略的投資~企業価値向上と持続的成長をもたらす人材の育成、環境づくり

:事業部別特性を踏まえた雇用やワークライフバランスの支援、研修・教育プログラムの拡充等

◇DXを基とした全社的な業務の効率化推進と事業推進環境の強化

◇SDGsを意識した全社的な取り組み推進

:環境配慮型の設備導入、ペーパーレス化への対応、働きがいのある職場づくり等

<数値目標>

「中期経営計画2026」では、強靭な経営基盤の構築と収益力強化に取り組み、これに続く2027年9月期以降の「第三フェーズの飛躍」を展望して、収益性及び資本効率を意識した指標として「営業利益6億円」「ROE5%以上」を、また将来成長に向けた基盤強化・戦略的投資の実施を踏まえた指標として「EBITDA10億円」を、最終年度(2026年9月期)の数値目標として設定いたしました。

 なお、市場からの評価指標としてのPBRにつきましては、当社の現状(企業価値向上に向けた成長プロセスの途上)、並びに低位な株式流動性等の要因も踏まえ、今後の資本コストを意識した経営の実現に向けた取り組みにおいて、引き続き検討してまいりたいと考えております。

2024年9月期は、更なる成長モデルへの転換に向けた基盤整備の一環として、千本松牧場のレストラン・売店棟の新築を中心とするリニューアルを実施し、新築に要する費用の一時的な増加が見込まれること等から前年比減益を予想しております。

 広大な牧場の豊かな緑や景観、開放感をお楽しみ頂きつつ、環境にも配慮した、千本松牧場のブランド価値向上の戦略的基盤となる新施設は、2024年10月にオープンする計画であります。

 同施設を“”をコンセプトとする千本松牧場リブランディングのフラッグシップ的存在と位置付け、「千本松ルネサンス」を更に深化させていくことで、新しい牧場ビジネスモデルの構築に取り組み、その果実を得て更なる成長に挑戦してまいります。

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