企業兼大株主ベネッセホールディングス東証プライム:9783】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、「『人』を軸として、赤ちゃんからお年寄りまで、お客さま一人ひとりに寄り添い、地域に根差し、お客さまの『よく生きる』を一生を通じて支援する」という企業理念のもと、「自分や自分の家族がしてもらいたいサービスを事業化する」「赤ちゃんからお年寄りまで生涯にわたって、一人ひとりの課題解決や向上意欲を応援する」「年をとればとるほど、生きる意味を深く味わい幸せになるサービスを提供する」ことを通じて、企業価値の向上と、株主の皆様をはじめとする、すべてのステークホルダーへの貢献を追求しています。

 そして、企業理念を事業現場で具体的な活動において実行していくよりどころとして、

『誰もが一生、成長できる。自分らしく生きられる世界へ。ベネッセは目指しつづけます。』

 というグループパーパスを2023年2月に公表しました。

(2) 経営環境及び対処すべき課題

「人」を軸とした企業グループとして日本における人口動態変化に注目しますと、特に顕著な変化として、少子化の進展、働く期間の延伸、高齢化率の上昇が挙げられます。

 教育事業を行う当社グループにとって、少子化は、持続的な成長を考えるうえでの重要課題であり、一人ひとりの、あるいは社会全体の課題そのものを掘り下げ、深掘りされた課題に対する市場創造というチャレンジを行っていかなければならないと考えています。

 一方で、働く期間の延伸、高齢化率の上昇という社会的ニーズの増大を成長の機会にしていく必要があります。

 さらに近年、事業を取り巻く環境に非常に大きな変化が生じており、国内教育事業においては、大学入試における年内入試の拡大と大学入学前教育ニーズの高まり、政府が進める学校情報化(いわゆる「GIGAスクール構想」)の進展と教育現場の負担増加、社会人領域でのリスキリング需要の拡大が顕著になり、介護・保育事業においては、要介護高齢者の増加に対し、介護人材の不足、DX化の遅れが深刻化しつつあります。これらの環境変化を踏まえた事業変革が必要となってきています。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた業績を速やかに回復し、環境変化を踏まえた事業の進化を図るべく、2021年度を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「コア事業の進化と新領域への挑戦」を推進してきました。

 この中期経営計画は、2021年度から2022年度をフェーズ1として、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた既存事業の速やかな回復を目指し、2023年度から2025年度をフェーズ2として、コア事業の進化と教育・介護領域等において当社グループの強みを生かした新領域への挑戦により、さらなる成長を図るものです。

 フェーズ1の最終年度にあたる2022年度のグループ連結の売上高は4,118億7千6百万円、営業利益は206億2千万円と、目標である2019年度の売上高、営業利益を上回ることはなりませんでした。

 売上高においては、国内教育事業の回復・伸長と、介護・保育事業における施設数増加、2021年6月に㈱ハートメディカルケアを連結子会社としたこと等による増収があったものの、2022年2月にBerlitz Corporationに関して、当社の保有する全株式の第三者への譲渡を行い連結対象から外れた影響が大きく、2019年度を下回る結果となりました。

 営業利益においては、国内教育事業の回復・伸長があったものの、介護・保育事業において、新型コロナウイルス感染症の影響が長引いていることや、昨今の光熱費の高騰等による費用増、Kids & Family事業において、中国での新型コロナウイルス感染症の影響の長期化等により、2019年度を下回る結果となりました。

2023年度からのフェーズ2のスタートにあたり、2023年度から2025年度の打ち手を具体化し、近年の教育・介護領域の環境変化を踏まえてブラッシュアップした計画として「変革事業計画」を2023年5月に策定いたしました。

 この「変革事業計画」が目指すところは、「人」を軸とした社会課題の解決に圧倒的に取り組み、グループパーパスの実現を追求するとともに、ポートフォリオ構造の変革を通して持続的利益成長を図り、「コア教育」「コア介護」「新領域」の3本柱の利益構造を実現することです。


 ここで言う「コア教育事業」とは、校外学習事業、学校向け教育事業、Kids & Family事業を指し、「コア介護事業」とは、介護・保育事業のうち、主に㈱ベネッセスタイルケア、㈱ベネッセシニアサポートが展開している事業を指します。大学・社会人事業、及び介護・保育事業のうち㈱ベネッセMCM、㈱ハートメディカルケア、㈱ベネッセパレットが展開している事業は「新領域」に含みます。

 中期経営計画最終年度となる2025年度の状態目標は、以下のとおりです。

・コア教育事業においては、構造改革・ニーズ多様化対応等で収益安定化、さらに事業モデル変革に着手

・コア介護事業においては、新型コロナ前の入居率/利益水準へ早期回復し安定成長軌道へ

・新領域においては、2026年度以降の利益成長牽引に向けた戦略投資と売上成長

 これらの状態目標の達成に向け、具体的には以下に取り組みます。

1.コア教育事業

・商品価値・営業手法の再設計(顧客基盤維持・強化とニーズ多様化への対応…ROI(投資収益率)評価により精度向上を図る)

・コスト構造改革(全社・組織横断で固定費構造の見直し・削減を行う)

・次世代化と事業モデル変革("Next GIGA構想"(「GIGAスクール構想」の次のフェーズ)に移行する2025年度以降を視野に、変革に着手する)

・中国事業の講座在籍回復とLTV(顧客生涯価値)拡大

2.コア介護事業

・入居率の回復(入居意欲回復を促す施策と営業力・マネジメントの強化)

・物件開発対象エリアの新たな拡大

3.新領域

<大学・社会人向け事業>

Udemyを中心としたラーニングを起点に、企業向け・個人向け双方でのリスキル支援を一気通貫して提供可能な事業モデル構築を目指し、マッチング事業にも取り組む。

<介護周辺事業>

 魅力的な市場環境があり、自社の強みが活きる介護HR事業・介護食事業に注力し、さらなる成長を実現する。

<海外事業>

 以下を基本方針として事業開発に取り組む。

・当社グループに強み・ノウハウのあるドメイン(教育・介護関連)で展開する

・グローバル展開する戦略ではなく、特定の国に深くコミットする戦略をベースとする

  (例:インドでの学校教育支援事業)

・組織能力が十分ない領域においては、M&Aを起点・ブースターとするシナリオも検討する

4.ポートフォリオ変革の実現に向けた経営の仕組みとしてのマネジメント・コーポレート変革

・経営チームとしてのCXO体制の再構築と専門性の向上、横断連携の強化

・経営トップ主体での全社リソースアロケーションを行う経営システムの構築

・コーポレートの生産性の向上に向けた、シェアード化、最新AI技術を活用した自動化・機械化の検討と  推進

 当社グループは、資本政策を経営の重要課題と位置付けています。配当については「配当性向35%以上」を目途としています。2022年度の実績は1株当たり年間配当額60円で配当性向は51%です。また、自己株式については、2023年3月末時点で6,163千株、213億6千5百万円の自己株式を保有しており、今後も必要に応じて取得する考えです。なお、自己株式は、発行済株式総数の5%程度を目安に保有し、それを超過する部分は原則として毎期消却する方針です。

 また、キャッシュ・フローを重視した経営を行い、財務体質の健全性の維持に努めると同時に、今後の中長期的な成長に向けて、M&AやDXのさらなる推進、研究開発、事業基盤強化のための投資等を行っていきます。なお、M&Aは、当社グループが成長領域と位置付けた分野を中心に、投資対象を厳選したうえで、積極的に実施します。

(4) 目標とする経営指標

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、中期経営計画の最終年度にあたる2025年度において、営業利益320億円以上、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を目指します。また新領域では、2025年度において2022年度の2倍の売上高への成長を図ります。

 そして、ポートフォリオ変革を通じ、その先の2028年度においては「コア教育」「コア介護」「新領域」の3本柱でバランスよく利益創出している状況を目指します。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日である2023年6月26日時点において判断したものであり、予測し得ない経済状況の変化等様々な要因があるため、その結果について、当社グループが保証するものではありません。

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