文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針及び経営戦略等
当社グループは、「感謝と喜び」を企業理念に掲げ、人や企業が深く結びつくために欠かせない“心”を大切 に、お客様とともに繁盛するビジネスを進めております。「感謝と喜び」の心を根本に、幅広い業種・業界により良い製品・サービスを提供することにより、お客様の事業創造に貢献するとともに、社会課題を解決することに努めてまいります。このような企業理念の実現に向けた努力が、企業価値の増大につながるものと考えております。
100年に一度と言われる変革期に直面しているモビリティ産業では、AIを活用した自動運転等の新しい技術や、電気自動車に代表される新しい形の移動体が今後大きく普及すると予想されております。また、近年のカーオーナーのニーズや個人のライフスタイルの多様化に伴い、カーシェアやライドシェアといった所有から利用へ自動車との関わり方が変化しております。
これらの動きに迅速かつ柔軟に対応するために、当社グループは、Broadleaf Cloud Platformの拡大を推進し、お客様へのデジタル化への支援を通じて、トータルマネジメントシステムの提供による経営・業務改革の支援を強化してまいります。また、国内自動車アフターマーケット向けシステム販売からの事業ドメイン拡大を掲げ、先端技術を取り入れた革新的な事業を創出する企業への進化を目指し、中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。さらに当社グループは、SDGs(持続可能な開発目標)に代表される環境・社会課題の解決に向けた取り組みを強化してまいります。
具体的な内容として、2022年2月9日に2022-28年の中期経営計画を発表いたしました。
中期経営計画における2つの成長戦略として「クラウドの浸透」と「サービスの拡張」を掲げています。主力クラウドサービスである『.cシリーズ』の更なる浸透と、Broadleaf Cloud Platform上の多様なサービスを組み合わせることで、お客様の業務を総合的にサポートすることが可能となり、お客様の経営・業務改革の支援を実現してまいります。これらの成長戦略を「2つのDX」の観点で推進してまいります。1つ目のDXは、当社グループのお客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、お客様の新たな価値創造につながる、ビジネス環境の構築に貢献することです。2つ目のDXは、当社グループ内でデータエクスチェンジャー(DX)と呼んでいるものです。Broadleaf Cloud Platform上に集まる情報を収集、分析、予想、統合し、情報の付加価値を高めた上で提供をおこなってまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは売上収益、営業利益、営業利益率と親会社の所有者に帰属する当期利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として掲げています。加えて、中期経営計画で成長戦略として掲げている「クラウドの浸透」の達成状況を判断するための客観的な指標として、クラウドソフトウェアサービス『.cシリーズ』におけるクラウド化率、ライセンス数、ユーザー維持率、平均月額売上を掲げています。
(3) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「(1) 経営方針及び経営戦略等」で記載した経営環境に対応し中期経営方針を実現するために、当社グループが認識する主な対処すべき課題は以下のとおりです。
・クラウド化の促進とBroadleaf Cloud Platform上で稼働するサービスの拡充
当社グループは、お客様の業務を改善する業務アプリケーションを提供しており、業界で高いシェアを獲得してきました。これらのアプリケーションをクラウドサービスへ切り替えることで、変革期を迎えている市場に対してより迅速かつ柔軟に必要な機能を提供し、カスタマーサクセスを追求してまいります。また、当社グループが開発したクラウドサービスに加え、業種・業界を超えた様々なパートナー企業と連携し、Broadleaf Cloud Platform上に多様なサービスを提供してまいります。クラウドサービスとBroadleaf Cloud Platform上の多様な サービスを組み合わせることにより、従来の業務アプリケーションの提供による業務効率化の支援から、トータルマネジメントシステムの提供による経営・業務改革の支援へとサービス範囲を拡張してまいります。
・新しい働き方への移行の支援
当社グループでは、セミナーや商談等のリモート化を推進していくとともに、業務のデジタル化を通じて、新しい働き方への移行を支援する様々なサービスをお客様に提供しております。2022年12月には整備事業者向けのクラウドサービスである『Maintenance.c』の車検・点検支援システム『スーパー検査員』と、一般財団法人自動車検査登録情報協会の『スマート継続OSSシステム』との連携を開始いたします。これにより、記録簿作成等の様々な業務をシームレスに行う事が可能となり、入力の工数やミスの削減、コンプライアンスを重視した合理的な運用を実現します。今後も法改正やデジタル化に対応した商品やサービスをいち早く提供し、お客様の新しい働き方への移行を支援してまいります。
・自動車部品受発注ビジネスの浸透・eコマースビジネスの展開
当社グループは、強みである自動車アフターマーケットの顧客基盤とデータベースを活用することで、自動車補修部品の電子受発注サービスを提供しております。クラウドサービスの提供により、本サービスの更なる浸透を図る素地が整いました。本サービスでは自動車リサイクル部品の受発注も行っており、修理時のリサイクル部品の利用を促進しております。本サービスを通じて、資源循環型社会の実現に寄与してまいります。また、受発注を電子化することで、業界の課題である部品の取引や物流における非効率を解消するとともに、紙による印刷物の削減にも寄与してまいります。
・データを活用したサービスの創出
当社グループは、自動車関連のビッグデータを活用したカーオーナー向けサービス等の新たなサービス事業の立ち上げを行ってまいります。また、従来の自動車にとどまらず、次世代自動車や自動車以外も含めた全てのモビリティを対象としたビジネスの創造に向け、データベースの付加価値向上を目指してまいります。そのために必要な関連企業との共同研究やアライアンスも進めてまいります。2022年6月に開始したトヨタファイナンス株式会社が提供するローンとの連携機能をはじめとし、2022年7月にはSALES GO株式会社を子会社化し、インサイドセールス(見込み顧客に対して電話やメールなどを利用し非対面で行う営業活動)の強化・営業支援を目的とした機能連携を開始しました。2022年8月には当社お客様である自動車整備事業者とカーオーナーとの関係強化・業務効率化を目的として、当社クラウドソフトウェアとLINE公式アカウントの連携を開始しました。これらのサービスを通じて蓄積したデータを基に、お客様の経営・業務改革の支援を推進してまいります。
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