企業ファンケル東証プライム:4921】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてファンケルグループが判断したものであります。

(1)中期方針

 ファンケルグループは、創業以来「『不』のつく事柄を解消する仕組みづくり」を経営の基本方針とし、無添加化粧品、栄養補助食品、発芽米および青汁事業などを展開してまいりました。

2013年1月に創業者である池森賢二が経営に復帰して以降、当社の原点である「お客様視点」の徹底を強力に推し進めるとともに、不採算事業の撤退や将来に向けての投資など様々な構造改革を実行してまいりました。その後、2016年3月期を初年度とした第1期中期経営計画「広告先行成長戦略」で業績回復を果たしました。

 さらに、経営基盤を進化させ、長期的な視点で持続的な成長を図るため、2017年3月に2030年に目指す姿を「VISION2030」と定め、その実現に向けて「第2期中期経営計画 実行2020」(2019年3月期~2021年3月期)を推進しました。2022年3月期を初年度とする「第3期中期経営計画 前進2023」(2022年3月期~2024年3月期)では、「VISION2030」の実現に向けた持続的な成長を図ります。

(基本方針)

① 「VISION2030」~世界中を、もっと美しく、ずっと健やかに、そして世界中で愛される会社に~

 ファンケルグループは創業以来、美と健康に関わる価値提供に取り組み、2030年には創業50周年を迎えます。2030年の世の中は少子化とともに超高齢化が進み、労働人口が減少するなど、大きく変化することが予想されます。「VISION2030」は、このような環境の中でもファンケルグループが新たな価値の創造を続け、持続的な成長を図るために目指す姿として示しております。

2030年のファンケルグループは、ベンチャーとして様々な事業領域に挑戦し、それぞれの事業が日本にとどまらず広く世界で、より多くのお客様の美しく健康で豊かな生活を支え、信頼され愛される企業集団となることを目指します。

 イ 美領域

 多様な価値観に合わせブランドの多角化を図るとともに、化粧品の枠を越え「美しくあるため」のファッションやライフスタイル提案型の事業展開を目指します。

 ロ 健康領域

 人生100年時代をサポートする、新たな健康事業の展開に取り組み、世の中で最も使用いただけるサプリメントブランドを目指します。

 ハ 共通

 ファンケル、アテニアおよびboscia(ボウシャ)がそれぞれ積極的に海外に展開し、世界中のお客様に愛用されるブランドを目指します。

② 「第3期中期経営計画 前進2023」(2022年3月期~2024年3月期)

 第3期中期経営計画は「前進2023」~逆境を超えて未来へ~と銘打ち、7つのチャレンジを掲げました。
「実行2020」をさらに発展させ、新型コロナウイルス感染症で生じた新たな「不」の解消を図るとともに、社会環境の変化に即応し、国内外で持続的な成長を全社一丸となって実現してまいります。

 7つのチャレンジ

 イ メイン事業

1)独自価値のある製品づくりと育成。

2)ファンケルらしいOMOの推進。

 ロ 成長事業

3)新しい事業の育成と開発。

4)本格的なグローバル化の推進。

5)キリングループ(キリンホールディングス㈱および関係会社)(以下、「キリン」という。)とのシナジー創出。

 ハ 経営基盤

6)人材育成と人材活用。

7)サステナブルな事業推進と永続的なSDGs貢献。

(事業戦略)

① 化粧品関連事業

 イ ファンケル化粧品

 無添加化粧品の「安心・安全」という絶対的な価値のもと、効果実感の高い新製品の発売と、肌本来の機能を高める無添加の価値を情報発信し、ブランドの多角化を推進します。

 (基本戦略)

新たなターゲット層の開拓を目的に、ターゲット別にブランド体系を構築し、多角化を図ります。

The FANCL

基礎スキンケアライン「エンリッチ」および「ブライトニング」を強化し、スキンケアユーザーの拡大を図ります。

基礎スキンケアのお客様へのクロスセルで「ブライトニングエッセンス」および「コアエフェクター」などのスペシャルケアやメイクを提案します。

洗顔カテゴリーを強化して、「洗顔市場No.1ブランド」を目指します。

 

Neo

「ビューティブーケ」および「AND MIRAI(アンドミライ)」は、ブランド特性に応じた認知拡大および拡販を図り育成を強化します。

Prestige

2021年に立ち上げた「BRANCHIC」は、ファンケルブランドとは切り離したプレステージブランドとして、国内外で成長を目指します。

 (海外戦略)

 ブランド多角化を通じて、アジア地域でのEC展開につなげます。

 ロ アテニア化粧品

・国内ブランドからグローバルブランドへと進化を図ります。

国内は、スキンケアの強化やビューティサプリのリニューアル・ラインアップの拡充などにより、「トータルビューティブランド」としての成長を目指します。

・海外は、中国現地のニーズに合わせた製品を開発するとともに、越境ECに加えて一般貿易販売を開始し、グローバル展開を本格化します。

 ハ boscia(ボウシャ)

・クリーンビューティのグローバルブランドを目指し、事業を再構築します。

・アメリカ、カナダの主要ECをより充実させ、事業成長につなげます。

・中国において、Tモール旗艦店を中心に成長を加速します。

② 栄養補助食品関連事業

「既存サプリメント事業の強化」、「パーソナル対応」および「食品剤型の展開によるトライアル機会の創出(BtoBビジネス)」という3つの柱のもと、少子高齢化社会と新型コロナウイルス感染症により生じた新たなニーズに対応し、高収益なビジネスモデルを目指します。

 (製品戦略)

既存サプリメント事業は、社会背景から生まれたニーズに応えるため、機能性表示食品を中心とした製品開発とスター製品の育成により、売上拡大を図ります

・「 楽ひざ」および「コレステサポート」などを強化し、新たなお客様層として50代後半以降の「アクティブシニア層」を開拓します。

・ キリンをはじめとした食品メーカーと、「おいしさと健康価値」を兼ね備えた食品を開発し、「ファンケルブランドの浸透」と「サプリメントの潜在的なユーザー」の開拓を目指します。

 (海外戦略)

・越境ECでは「年代別サプリメント」や「カロリミット」の育成に取り組みます。

・新たに高成長のアイケア市場にもアプローチします。

(販売チャネル戦略)

ITを活用して、通信販売および直営店舗販売が持つ強みを融合し、「ファンケルらしいOMO」を創造します。また「お客様体験価値の最大化」を図ります。

① 通信販売

・WEBを起点とした情報発信で、よりスピーディーかつパーソナルなお客様対応を実現します。

・新たなお客様接点・体験の場として、外部通販を強化します。

② 直営店舗販売

・AIパーソナル角層解析などを用いた店舗スタッフによるコミュニケーション・カウンセリングを強化し、上質な接客を目指します。

・個別店舗の特性を活かしたファン作りに取り組みます。

③ 卸販売

・主力製品のマス広告と、小売店のメディアを連動させた販売促進活動を行い、1店舗あたりの売上最大化を図ります。

(キリンとのシナジー創出)

「商品開発」および「チャネル・インフラ」の領域でのシナジー創出を目指します。

・新型コロナウイルス感染症により市場のニーズが高まっている「免疫」などの分野で、キリンの独自素材を活かしたサプリメントの開発、発売を進めます。

・キリンと化粧品素材を共同開発し、化粧品の機能性向上を図ります。

・「免疫」、「脳機能」および「腸内環境」などの分野での共同研究を推進し、将来の事業成長につなげます。

(経営基盤強化)

① 研究

・事業戦略の加速と、新たな「不」を解消するソリューション研究を推進します。

・キリンの技術および素材を活用した新製品の開発を進めます。

② 製造

・供給体制の強化とフレキシブル化を進めます。

静岡県三島市に新設したサプリメント工場により、生産能力の拡大を図ります

・製造リードタイムの短縮とBCP対策による安定供給を進めます。

③ ITシステム

・お客様の購買情報だけでなく、購買に至るまでの行動情報を収集および分析する「FIT3」システムにより、お客様一人ひとりに最適なアプローチを行います。

④ 物流

・大阪府門真市に設置した関西物流センターにより、徹底した自動化、省人化とお届け日数の短縮および配送費の削減を目指します。

⑤ 人材

・次世代経営層をはじめとした階層別教育、グローバル教育を強化します。

・人材マネジメントシステムを構築し、経営戦略に合わせた最適な人材配置と従業員エンゲージメントの向上を推進します。

(サステナビリティの推進)

2018年に策定したファンケルグループサステナブル宣言「未来を希望に」に基づき、「環境」、「健やかな暮らし」および「地域社会と従業員」の3つの重点取り組みテーマで推進します。

① 環境

・わたしたちは、自然の恵みに感謝し、企業活動のあらゆる面において、自然環境の保全に貢献するとともに、重要度の高まる気候変動の課題に対処していきます。

② 健やかな暮らし

・わたしたちは、独自性のある製品・サービスを通じて、世界中の人々の健康寿命の延伸と、生活の質(QOL)の向上のために貢献していきます。

③ 地域社会と従業員

・わたしたちは、「人間大好き企業」の企業文化を大切に、人々の幸せを応援し、誰もがイキイキと輝ける社会づくりに貢献していきます。

(配当政策)

 配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。

(数値目標)

 事業ごとの収益性・投資効率を意識した経営をさらに推進するため、従来からKPIとして設定しているROE(自己資本利益率)に加え、ROIC(投下資本利益率)を新たにKPIとして導入します。第3期中期経営計画の最終年度である2024年3月期には連結売上高111,000百万円、営業利益12,000百万円、ROE10.5%、ROIC9.5%の達成を目指します。

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 ファンケルグループを取り巻く事業環境は、異業種からの新規参入などによる市場競争の激化や、高齢化社会の進行に伴う健康意識の変化、IT等の技術革新など、変化の速度が上がっております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、消費者の需要減退や購買行動の変容、企業の経済活動の停滞など、先行きの不透明感が増しておりますこうした状況の中、ファンケルグループは事業環境の変化に迅速に対応し、着実に事業継続のための取り組みを遂行するとともに、持続的な成長を実現するために、以下のように課題に対し適切に対処しております

新型コロナウイルス感染症などにより、お客様の購入方法は多様化しております。ファンケルグループの持つマルチチャネルの強みを最大化し、お客様の購入方法の変化に迅速に対応するとともに、外部ECなどの販売経路を強化することで、新しいお客様との接点を拡大します。
② お客様のニーズは、お客様が感じる「不」に応じて変化していきます。「美」と「健康」の領域において、お客様一人ひとりが必要とする新製品およびサービスを提供します。
③ 今後のファンケルグループの成長のためには、グローバル化の推進が不可欠となります。中国での越境ECの取り組みをさらに強化するとともに、新たな国での取り組みも推進していきます。
④ 将来の地球環境をよりよくするために、SDGsの取り組みを推進することは企業の責務となっています。ファンケルグループでは2018年に策定したファンケルグループサステナブル宣言「未来を希望に」のもと、優先課題を再整理し、「環境」、「健やかな暮らし」および「地域社会と従業員」の3つの重点取り組みテーマを推進していきます。
⑤ ファンケルグループは、2019年8月にキリンホールディングス㈱と資本業務提携契約を締結しております。ファンケルグループの価値の最大化を目指し、キリンとのシナジーの早期創出・最大化を図ります。第3期中期経営計画では、両社の研究開発力を活かした製品の発売、通信販売での相互送客や、チャネル・インフラの相互活用を中心にシナジー創出を図ります。
⑥ グローバル化の推進等による「VISION2030」の実現に向け、サプリメント工場や関西物流センターなどを安定稼働し、投資効果を発揮します。
⑦ 新型コロナウイルス感染症の流行により、従業員の働く環境にも大きな影響が生じています。ファンケルグループでは事業継続計画に基づき製造・物流・IT拠点・コールセンターなどを分散化しております。今後も様々な状況に応じた事業継続の取り組みを実行します。
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