企業パイオラックス東証プライム:5988】「金属製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 以下において、当社グループの事業その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業展開上のリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
 当社は、これらのリスクの存在を認識した上で、その回避及び顕在化した場合の対応に努める所存であります。
 なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において、当社グループ及び当社経営者が判断したものであります。

1.自動車産業の動向

 当社グループの売上は、その90%超が自動車産業向けのものであり、なかでも日系自動車メーカーを主要な取引先としていることから、当社グループの業績は日系自動車メーカーの生産販売動向に影響を受けます。この動向に関係する事象として2021年以降続いている半導体部品の供給問題による客先生産台数の減産があります。また、自動車業界の競争激化を背景に取引先からの製品価格引下げの強い要請を受けており、当社グループといたしましては、合理化による原価低減ならびに製品構成の高付加価値化により、製品価格引下げが収益性低下につながらないよう努力いたしております。しかし、サプライヤー間の競争上、収益性を低下させる製品価格の引下げを実施せざるを得ない可能性があり、その場合には当社の収益にも影響することが考えられます。当社としては、今後も取引先との連携を強化し、リスク管理を実施してまいります。

 また今後、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みが急速に進む自動車産業において、CASEに対応した商品の開発、特に電動化対応商品の需要が高まる反面、燃料系部品、駆動系部品などの一部の製品で需要が減退する可能性があります。当社グループはこの受注減のリスクを打ち返すべく、2022年には、CASE対応が進む欧州市場でのビジネスの拡大を狙ったドイツ駐在員事務所や、CASEに対応する製品の受注拡大を加速させるための「e商品開発部」新設を実施しております。高付加価値製品の技術開発を推進し、急成長が見込めるCASE新分野での活動を具体化し、当社グループが掲げる2030年CASE対応商品売上100億円達成の実現を目指してまいります。

2.特定取引先への依存

 当社グループは、日産自動車、そのグループ会社及びこれらに対する部品サプライヤー向け販売の売上に占める比率が高く、当社業績は日産自動車グループの生産販売動向に影響を受けます。そのため、主要客先以外への取引先、特に日系以外の海外自動車メーカーへの拡販活動に注力しており、今後も取引先の多角化に努めてまいります。

 また、自動車業界における電動化へのシフト、カーボンニュートラル、環境規制対応等の新たな潮流により、従来型の新車開発による事業を拡大するだけでは利益の拡大が見込めなくなる可能性があります。そのため、自動車部品、医療機器に続く第3の事業の柱を確立させるべく、2022年には、新たな事業の創造を目指した「MIRAI事業部」を設置するなど、当社グループの持続的な成長のための新しい取り組みを進めております。

3.品質関連

 当社グループは世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかしながら全ての製品について欠陥がなく、不良品の発生に伴う製品回収費用ならびに取引先に対する費用の補填などのコストが発生しないという保証はありません。特に販売先である自動車メーカーのリコールにつながる製品の欠陥は多額なコスト負担が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす事があります。そのため、2022年には各事業部の品質保証機能を集約した「品質保証部」にて、品質マネジメントシステムに沿った一元的な保証体制を構築することで、品質を向上させ、リコールを発生させないような体制を整えております。

4.海外事業に潜在するリスク

 当社グループは、北米・欧州ならびにアジア地域で事業展開をしており、これらの海外市場の事業展開において以下に挙げるいくつかのリスクが内在しております。また、ロシアのウクライナ侵攻による世界情勢及び事業影響についても今後注視していく必要があります。
 ① 予期しない法律または規制の変更
 ② 不利な政治または経済要因
 ③ 潜在的に不利な税影響
 ④ 地政学リスクによる社会的混乱

 ⑤ 諸外国同士による貿易摩擦

 これらの事項が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、海外事業に係る現地通貨建ての会計項目は、連結財務諸表作成のために円換算されていますので、為替相場の変動が業績及び財務状況に影響を及ぼします。そのため、海外拠点からの情報を集約する部門を設置しリスクの未然防止を図る体制を整えています。

5.知的財産保護の限界

 当社グループは、知的財産に関する法律及び契約上の規制に基づき一定の固有財産権を確立し、保護するための措置を講じております。しかしながら、知的財産を保護するための措置は技術の不正流用の防止、第三者による類似技術の開発、もしくは取得の抑止等の防止には十分でないことが、判明する可能性があります。
 結果として、当社グループの技術の不正流用、第三者による類似技術開発及び権利侵害のクレームへの関与が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、知的財産権に知見を有する部門を設置しリスクの未然防止を図る体制を整えています。

6.原材料の価格高騰・調達難

 当社グループの製品は、原材料の大部分と一部の部品を外部より調達しておりますが、価格高騰や需給逼迫、調達先の不慮の事故等により、原材料・部品不足が生じ、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクが存在します。そのため、調達先との安定的な取引関係維持に努めております。

7.物流の混乱

 新型コロナウイルス感染拡大後の経済の急速な回復やロシアのウクライナ侵攻による世界情勢の混乱等に伴い、物流コンテナ不足や世界の港湾における流通の混乱が発生しており、その結果、物流費が高騰しております。2022年度は混乱が解消されつつあり、物流費の高騰も収まりつつありますが、コロナ禍前の水準に戻ることは難しく、北米・欧州ならびにアジア地域で事業展開している当社グループの業績に影響を及ぼすリスクが存在します。物流費高騰への対策として、当社グループは物流合理化をさらに強化してまいります。

8.環境規制

 自動車部品業界は、広範囲な環境その他の法的規制の適用を受けております。燃費、安全性及び生産工場からの汚染物質レベル等規制が広範囲に渡っております。その規制の変更等により、規制を遵守するための費用が発生する可能性があることから、常に情報収集及び法規対応に取り組んでおります。

9.人材の確保

 当社グループの成長には、有能な人材を採用・育成し、雇用の維持を図ることができるかどうかが重要であると考えております。近年、労働市場における人材獲得競争は、ますます激しくなってきており、従業員の高齢化やダイバーシティ対応への遅れにより、多様性が確保できなかった場合や有能な人材を採用、育成できなかった場合、企業の発展が阻害されるリスクがあります。当社グループでは、2022年に「パイオラックスグループ人財基本方針」を制定し、多様な人材の確保と育成に積極的に取り組み、新たな発想力による企業発展を目指しております。

10.自然災害、感染症等

 国内のみならず全世界的に予期せぬ大規模な自然災害が発生した場合、原材料の調達を含む製品の製造や物流、販売活動に被害が出ることにより、当社の業績に影響を与えるリスクがあります。そのため、全世界でBCPプランを策定し、リスクの未然防止を図る体制を整えています。

 新型コロナウイルス感染症については、経済活動の再開や回復の兆しが続いています。しかしながら、再び感染が拡大、長期化し、世界的な景気の悪化による自動車の販売減少及び資材価格の高騰、または資材確保の困難等が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。感染再拡大の状況も想定し、日常のリスク体制強化に取り組んでまいります。

11.情報セキュリティ関連

 当社グループは、情報システムに様々なセキュリティ対策を講じていますが、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により、情報システム等に障害が生じた場合や、企業情報及び個人情報等が社外に流失した場合は、事業活動の停滞や社会的信用の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、年々多様化、巧妙化するサイバーセキュリティ上の脅威への対策として、情報システム部門が中心となり、情報セキュリティレベル向上の取り組みを進めております。サイバーセキュリティの脅威に対する技術的な対策に加え、定期的な教育・訓練を通じ、従業員の情報セキュリティに対する意識レベルの向上に努めております。

12.為替レートの変動

 当社グループの海外売上高比率は6割を超えており、為替変動は、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。将来における為替相場の変動に伴うリスクの軽減を図るため、為替予約を行っております。しかしながら想定を超える急激な為替変動により、当社グループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。

13.気候変動等による影響

 気候変動が事業に与える影響について、シナリオ分析を通じてリスクと機会を特定し、対策を実施しておりますが、対応の不足や遅れにより以下のリスクが顕在化する可能性があります。

①気候変動によるリスク

(移行リスク)

 短中期においては、製造工程の脱炭素化に向けた設備投資・改良、熱源見直しや電力グリーン化に係るコスト増加、環境関連規制の強化による排水・廃棄物処理コストの増加リスクがあります。

 中長期においては、炭素規制等の導入による調達コストの増加、自動車業界におけるCASE動向、特に電動化の加速など市場や製品需要の変化への対応遅れによる機会逸失、売上減少等のリスクがあります。

(物理リスク)

 中長期においては、異常気象によるサプライチェーンの寸断、エネルギー供給の不安定化及び工場・倉庫の操業停止、修復費用増加のリスクがあります。

②リスクへの対応策

(移行リスク)

 短中期におけるリスクへの対応策として、生産性向上を目的とした真岡工場リニューアルや徹底した省エネ施策に取り組んでおります。

 中長期においては、環境対応材料の採用・置換、調達の地産地消化による調達コストの低減、CASE対応の新製品開発及び拡販を実施しております。

(物理リスク)

 地産地消化の推進による在庫コストの圧縮、サプライチェーンの多極化や原材料の標準化による安定調達、工場や倉庫のレジリエンス強化に向けたインフラ整備を実施しております。

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