ハリマ化成グループ 【東証プライム:4410】「化学」 へ投稿
企業概要
当社事業の主軸であるパインケミカル事業は、松から得られるロジン(松やに)、トール油(松の油)、テレピン油などの天然素材を有効活用した、資源循環的なビジネスモデルが特徴です。この特徴を活かした2022年を初年度とする中期経営計画「NEW HARIMA 2026」では、2026年度の売上高1,100億円、営業利益70億円と「事業基盤の強化と事業領域の拡充」、「新規事業、成長分野に向けた研究開発」、「新時代に向けた経営の革新」の実現を目標としております。
〈NEW HARIMA 2026 業績目標〉
| 2022年度 実績 | 2026年度 NEW HARIMA 2026 |
売上高 | 945億円 | 1,100億円 |
営業利益 | 17億円 | 70億円 |
営業利益率 | 1.8% | 6.4% |
ROE | 2.4% | 10.0% |
〈NEW HARIMA 2026の主な進捗状況〉
基本方針1:事業基盤の強化と事業領域の拡充
1)パインケミカル総合メーカーとしての競争力強化
パインケミカル事業分野では、ローター社ニュージーランドの工場に続く当社2か所目の「ミルセン」生産設備を加古川製造所に新設しました。ミルセンは、松から得られるテレピン油に含まれる植物成分で、主にアロマオイルや香料の原料として利用されますが、世界的な環境志向の高まりに伴い、需要が増加しております。
また、長期安定的な原料確保と販売価格の適正化による採算確保への取り組みを継続して進める他、ロジンのグループ内調達強化を通じた競争力アップにも努めております。
2)海外事業領域の拡充
ヘンケル社から買収したはんだ材料事業は、英国に技術営業拠点を設立した他、マレーシアの生産拠点統合など、当初計画に沿った買収後の事業統合作業が進んでおります。自動車の電動化や通信機器の高度化に伴い、高性能はんだ材料の需要増加が見込まれており、成長市場でのシェアアップと既存事業とのシナジー効果追求に取り組んでおります。
また、製紙用薬品事業は、市場での競争激化に対応すべく販売品種の増加やサプライチェーン見直しによる売上増と収益改善に取り組んでおります。
3)事業ポートフォリオの見直し
今後、需要拡大が見込まれる半導体用機能性樹脂事業では、生産能力の拡充を進めております。他方、市場が成熟している平版インキ用樹脂事業や塗料用樹脂事業、国内の製紙用薬品事業は、事業運営を見直し、生産体制の効率化を進めております。
基本方針2:新規事業、成長分野に向けた研究開発
当社は、粘接着剤用樹脂、インキ用樹脂、合成ゴム用乳化剤、トール油製品、サイズ剤などのパインケミカル事業の他、塗料用樹脂、水系樹脂、紙力増強剤、バリアコート剤などの事業分野でも環境負荷の軽減に役立つ製品を数多く展開しております。また、半導体用機能性樹脂や高耐久はんだなど、成長性の高い電子材料分野の製品群も有していることから、次の時代を牽引する新製品を生み出すべく、引き続き研究開発投資へ重点的な資源配分を継続します。
基本方針3:新時代に向けた経営の革新
1)デジタル技術を活用したものづくりとDX体制づくりの推進
デジタル人材の育成と業務プロセスのデジタル化を推進する為に、社内にDX推進企画の専担部署を新たに設けました。これにより、生産部門や営業部門、研究開発部門と情報システム部門の連携を強化し、AIやデジタル技術を活用した最適生産体制の構築、安全操業に向けた予防保全体制の確立、在庫管理や構内物流の効率化、製品開発のスピードアップなどを目指します。
2)企業理念に沿ったESG経営の推進
当社は、2013年度の温室効果ガス排出量を2027年に46%、2030年には50%削減し、2050年までにカーボンニュートラル達成を目指しております。加古川製造所のバイオマス発電、高砂市伊保基地の太陽光発電に続き、2023年3月には加古川市・狩ヶ池で「ため池水上太陽光発電」事業を開始しました。また、「カーボンニュートラル都市ガス」の導入、「再エネ指定の非化石証書」を活用した加古川製造所の電力CO2排出量ゼロ化など、温室効果ガス排出量削減目標の達成に向けた取り組みを進めております。
また、当社は非財務情報の開示の充実にも取り組んでおります。気候変動(TCFD提言に基づく開示)ではリスク・機会の分析や財務影響の情報開示を開始しました。また、人的資本では、開示義務化への対応と開示内容の拡充に取り組み、経営理念に沿ったESG経営を推進します。
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