企業兼大株主トーア紡コーポレーション東証スタンダード:3204】「繊維製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

1.会社の経営の基本方針

 当社グループは「暮らしと社会の明日を紡ぐトーア紡」を経営理念とし、トーア紡クオリティの追求と新しい

 価値の創造、環境負荷の低減に積極的に取り組むことを通じて、モノづくりの伝統を未来へつなげることを基本

 方針としております。

 そして社会に貢献し、必要な存在として認められる企業集団となり、常に自らも成長・発展し続ける「暮らし

 と社会の明日を紡ぐ企業」として、事業の永続性を確かなものとする努力をしております。

2.経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略

 当社グループを取り巻く経営環境は、コロナ禍を契機としたデジタル化の加速、SDGsによる世界的な規

 模での環境や人権リスクへの意識の高まり、原燃料高などによるコスト増など、様々な要素が複雑に絡み合

 い、困難かつ柔軟なかじ取りが必要になってきております。そのような環境背景に対応すべく、既存の基幹

5事業(衣料・インテリア産業資材・エレクトロニクス・ファインケミカル・不動産)については新領域へ

 の展開も視野に入れた効率的かつ持続可能な仕組みの再構築を行い、一方で次世代を見据えた新事業の創出を

 喫緊の課題と捉え、令和4年度を初年度とする中期経営計画(令和4年12月期~令和6年12月期)を策定し、

 実行しております。

 当社グループでは、中期経営計画の達成に向け下記の5点を重点施策とし取り組んでおります。

1.強み、成長分野を見据えたポートフォリオの再構築

 ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた環境変化に対応するため、衣料事業・インテリア産業資材事

 業・エレクトロニクス事業・ファインケミカル事業・不動産事業の基幹5事業については、新領域への展開

 も含めたセグメント内での選択と集中を行い、収益基盤を確実なものにしてまいります。

2.持続的な成長に資する重点的な設備投資

 この3か年を持続的な成長へ向けた準備期間と位置づけ、新規事業創出と育成に注力するとともに、環境

 負荷低減を実現する投資を積極的に行います。

3.環境に配慮したバリューチェーンの構築などサステナビリティへの取り組み

 原材料から製品までのサプライチェーン全体で快適な製品の供給と環境負荷低減の両立を実現させる仕組

 み「TOABO GREEN VALUE CHAIN」の構築を足掛かりに、サステナビリティへの取り

 組みを加速させます。

4.SDGs、機能性を切り口にした新領域への展開

 持続可能な環境に配慮した事業活動と快適性を追求した機能素材開発を通じて、新たな価値を生み出し、

 新領域への展開を目指します。

5.DXによる業務改善、改革の継続的推進

 モノづくりを始め、あらゆるシーンでITの活用を推進し、ビジネスモデルや組織を変革、企業の優位性

 を高めます。

 これらの施策により、安定的な事業基盤の確立を目指してまいります。

 なお、中期経営計画の詳細につきましては、令和4年2月15日に発表いたしました「中期経営計画の策定に

 関するお知らせ」をご覧ください。

 当社グループの目標値を次のように設定しております。

(単位:百万円)

 

令和6年12月期

売上高

17,000

営業利益

630

経常利益

550

親会社株主に帰属する

当期純利益

330

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 米中対立やロシアによるウクライナ侵攻等の地政学的リスク、また、インフレの高止まり懸念等により、不

 透明な経営環境が続くものと予想されますが、このような状況下、中期経営計画の最終年度(令和6年12月期)

 の目標達成に向け各事業分野において以下の取り組みを進めてまいります。

・衣料事業

 混沌とした国際情勢を背景に不透明感を増す一方の経済環境の中、中期経営計画最終年度に当たる今期は、

 次のフェーズに繋がる盤石な事業体制の構築へ向けて、以下の施策を進めていきます。

1.安定的かつ効率的な生産体制の構築

 メーカーとしての基盤を盤石にすべく、設備投資、人の配置等の最適化、外注工場との協力関係の深化等を推し進め、強固な生産体制作りに注力します。

2.DXの推進

 DXによる各工程、業務フローの見直し、見える化による迅速な情報の共有化等、業務変革を徹底的に推

 進していきます。

3.海外拠点の活用

 強みである既存の中国、東南アジアの拠点について、製造拠点としてのみならず、商品開発、それに伴っ

 た市場創造の側面から有効活用し、新たな事業モデルを模索していきます。

4.コスト高騰への対応

 上記1.2.3に加えて環境配慮型商品、高付加価値商品の開発、価格転嫁等の施策を推進することで原燃料等

 の高騰に対応していきます。

・インテリア産業資材事業

 インテリア産業資材事業は以下の3つの戦略を推し進めていきます。

1. 生産の効率化

 国内、中国子会社とも新規商材の立ち上げ、および効率化を図るため既存設備の改修、改造、新規設備の導入を図り生産の効率化を進めていきます。

2. 品質へのプライド・ものづくりへのこだわり

 すべての分野で新規商材の受注獲得のための新たな開発を進めていきます。

 ポリプロファイバーでは、高機能綿の開発・販売、カーペット不織布では、高付加価値機能商材の開発・販売を目指します。

3. 環境に配慮したものづくり

 環境に配慮した排水処理設備の効率の良い運用を実現するとともに、工場で使用する電力、燃料の低炭素排出へのシフトを実現し、環境負荷低減を推し進めます。また、リサイクル事業では、産官学共同研究による「リサイクル炭素繊維の連続繊維化および製布化」を継続しリサイクルカーボンファイバーの高付加価値製品化を目指します。

・エレクトロニクス事業

 昨年度は、新型コロナが収束したことによる反動で電動工具向けコントローラーの受注が激減したことと、

 産業機器関連向けパワー半導体の年間を通した客先での在庫調整が重なり、非常に厳しい結果となりました。

 今年度の半導体市況は、第3四半期以降に回復基調となる見通しですが、まだまだ予断できない状況です。

 主要分野において以下の重要施策を推進していきます。

1.ACコントローラー分野

 現行機種については、生産効率を向上させるとともに在庫削減を徹底します。

 新機種の獲得率を上げるために、営業活動を強化します。

2.電子デバイス分野

 産業機器用パワー半導体に加えて、今後電子部品の逼迫が予想される、車載用の電子部品の販売を新たに開始します。

3.成長分野

 減速機は、ロボット需要の回復に対応できるように多機種の生産体制の確立と販売を目指します。個人向けビールサーバーは、昨年から好調な販売を維持していますので、増産する予定です。

4.新規開拓

 新たに、眼鏡用の偏光レンズフイルムの販売を開始します。既に試作は完了しており4月から販売開始予定です。大きな需要があり、将来の柱になる分野として期待しています。その他、車両用のブザー組立を大阪工場で行うなどの工場の有効活用を行います。

・ファインケミカル事業

 中国市場の景気減速や緊張が高まる中東情勢など、世界中を覆う様々なリスクが高まる不透明な事業環境ではありますが、持続的な成長をより確かなものとすべく、今年度も中期経営計画に沿った以下の重要戦略を推進していきます。

1. 電子材料分野は、長引く調整局面もようやく出口の兆しが見え始めております。今後電気自動車、情報機

 器、半導体、FA等、多種多様な市場拡大が見込まれると捉え、生産能力の増強と品質力向上等、当部門の強みを伸ばし収益力をさらに高めます。

 また、新しい電子材料の需要の発掘に向けて、保有する得意技術を駆使し、開発活動にも傾注していきま

 す。

2. ヘルスケア分野は、オーソライズド・ジェネリック品と競合する厳しい事業環境に耐えうるコスト低減策

 を講じて競争力の維持向上に取り組み、収益性確保を最優先に「営業・生産・技術」が一体となった地道な事業活動に注力します。

3. DXのさらなる推進で業務効率化・生産性向上をより確かなものとし収益力を高めます。また、昨年末の

COP28で合意がみられたように、社会のカーボン・ニュートラルに対する要求はさらに高まるものと考えます。省エネ・サーキュラーエコノミー推進やプロセス改善に永続的に取り組み、もって人類共通の課題解決に貢献し、ケミカルテクノロジーでその使命を果たしていきます。

・不動産事業

 資産の有効活用と安定収益確保のため、以下の4つの重点施策を進めていきます。

1.事務所賃貸については、設備のリニューアルを継続的に行うことで、オフィス環境の満足度を高め、魅力

 あるオフィスビルとして稼働率と収益性の向上に努めます。

2. 商業施設については、稼働率と収益性を高めるため、計画的に設備更新を行い付加価値の維持向上を図り

 ます。

3. 老朽化した施設については、新規テナント誘致のため、建て替えなど新たなスキームを検討していきま

 す。

4. 保有森林の維持管理などSDGsを意識した資産の活用を促進し、環境負荷低減への貢献を図ります。

 当社グループは、創業者の訓示である「顧客満足」「重点主義」「公平性」を脈々と受け継ぎ、人々そして

 暮らしの「アメニティ=快適・ここちよさ」を追求する「暮らしと社会の明日を紡ぐ」企業グループであり続けるという理念のもと、以上のような取り組みを通じて持続的な成長と企業価値の向上に尽力していきます。

 また、法令順守や危機管理を一層徹底するため、「トーア紡グループ企業行動憲章」のさらなる定着と実践を推進し、より実効性のある内部統制の整備、運用に取り組んでまいります。

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