トリドールホールディングス 【東証プライム:3397】「小売業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
<コーポレートスローガン>
<ミッション> 本能が歓ぶ食の感動体験を探求し世界中をワクワクさせ続ける
<ビジョン> 予測不能な進化で未来を拓くグローバルフードカンパニー
当社グループは、五感だけでなく本能までも揺さぶられるほど圧倒的な「食の感動体験」をお客様に提供し、世界中の人々を幸せで満たしながら、グローバルフードカンパニーに成長することを目指しています。
この志を端的な言葉で明文化し、グローバルで共有・浸透させていくために、上記のコーポレートスローガンを制定しました。このスローガンのもと、国内外のグループ会社と各国の「ローカルバディ」が協力して、食の世界の頂を目指してまいります。
※ローカルバディ:感動体験に共感した特別な知識とノウハウを持つ世界中の仲間
(2)2023-2028年3月期 中長期経営計画
当社グループは、名実ともに真のグローバルフードカンパニーとなることを目指して、2022年5月に「2023-2028年3月期 中長期経営計画」を策定し、2028年3月期に売上収益 3,000億円、事業利益率12%以上を目標に掲げています。
① 基本戦略
当社グループのこれまでの成長を振り返ると、主力業態である「丸亀製麺」は、セントラルキッチンを持たず、店頭で粉からうどんを打ち、「手づくり・できたて」で提供するという、一見すると非合理的な要素を抱えながら、圧倒的なスピードでグローバル外食チェーンへと上り詰めました。
本来であれば二律背反となるような矛盾をはらんだ活動を両立させ、「食の感動体験」によって新たなマーケットを創造し、世界中に拡大していくことができる「二律両立」こそが、当社グループの独自性であり強みです。
当社グループは自らを「KANDO Creators」と定義し、感動こそが私たちの成長の源泉であることを社内外にグローバルで浸透させていくために、敢えてローマ字で表記した「KANDOトレードオン戦略」を中長期経営計画の戦略に据えます。
当社グループの事業の根幹であり、お客様の来店動機そのものであると考えている「食の感動体験」が戦略の起点となり、これらの感動体験を体現する多様なブランド群を「ダイバースブランド」、世界各地で特別な知識・ノウハウ、ネットワークを持つパートナーを「ローカルバディ」と表現します。
この「ダイバースブランド」と「ローカルバディ」が掛け合わされて、世界中で網目状に張り巡らされたネットワークとして機能し、各地で複数の業態が同時に進化・出店し続けることが「KANDOトレードオン戦略」の骨子です。「二律両立」を実現しながら、「食の感動体験」を世界中に拡大し、想像のはるか先を行く予測不能な水準で成長することを目指していきます。
② 4つの重点テーマとその実現に向けた取り組み
重点テーマ | 取り組みの概要 |
感動体験 の追求 | 感動体験をさらに進化させると同時に、新たなシーン(中食、海外、ハラル・ヴィーガンなど)で感動体験を創出し続ける |
① 感動体験の創出・磨きこみ | テイクアウトや他国業態、新たな商品・サービスの展開など、新たなシーンで感動体験を創出・確立 |
② 人材育成と定着化 | 人材投資、定着率向上による中長期的な売上理論値の引き上げ、費用の抑制 |
③ 感動体験を生む舞台づくり | 店舗DX・設備導入などにより店舗従業員が顧客サービスに専念できる環境を整備 |
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事業ポートフォリオ の量・質 拡充 | 国内外のバラエティ豊かなブランド群を活かした、バランスの取れた成長を指向 |
④ M&Aによる新たな業態獲得 | 1,000億円のM&A枠で、欧米/中華圏/東南アジアを重点ターゲットに業態を拡充 |
⑤ 選択と集中 | 勝ち筋の定まった業態に重点投資で数百~千店舗単位の業態を複数創出 |
⑥ ブランドインキュベーション | グローバルブランド化を含めた業態の開発、モデル化 |
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ローカルバディ 布陣の 確立 | 各地のパートナーを単なるビジネス上の契約関係を超えた、いわば第2のヘッドクォーター チーム「ローカルバディ」として、複数業態並行で事業展開を進めていく |
⑦ 新規有力ローカルバディの探索 | 世界の有望市場において、有力フランチャイジー、JVパートナーを含む新規バディを探索、早期に体制確立 |
⑧ 重要市場のバディによる業態 同時展開 | 各地域のバディをハブに、複数業態を同時展開し、海外での出店スピードを大幅に加速 |
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N×N展開 を支える 基盤構築 | 業態・バディ、それらを支えるグローバルアドバイザリーボード、本社機能が、世界各地で 縦横無尽にネットワークとして、複数業態の同時展開を支えていく |
⑨ ブランド基軸でのグローバル 連携 | ブランド横断でのベストプラクティスの展開などを通じた相乗効果の創出 |
⑩ グループ機能のグローバル化 | グローバル展開を支える本社・営業機能の確立 |
⑪ 出店力の強化 | 5,500店舗を支える立地・モデル開発の体制強化 |
(3)経営指標
中長期経営計画は、2028年3月期を最終年度とする中長期目標と3か年計画で構成しています。2023-2025年3月期の3か年計画については、当期の好調な進捗を受けて、2024-2025年3月期の連結の売上収益と事業利益の計画を引き上げました。また、2026年3月期を最終年度とする新3か年計画を策定しました。3か年計画は毎年見直しを図る予定です。(2026年3月期までの3か年計画はM&Aにおける上積みは考慮していません。)
項目 | 初年度実績 | 新3か年計画 | 中長期目標 | ||
2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2028年3月期 | |
売上高 | 1,883億円 | 2,120億円 | 2,350億円 | 2,620億円 | 3,000億円 |
店舗数 | 1,770店舗 | 2,023店舗 | 2,400店舗 | 3,000店舗 | 5,500店舗超 |
事業利益 | 70億円 | 97億円 | 144億円 | 195億円 | 360億円以上 |
事業利益率 | 3.7% | 4.6% | 6.1% | 7.4% | 12%以上 |
営業利益 | 75億円 | 67億円 | 114億円 | 165億円 | 約300億円 |
営業利益率 | 4.0% | 3.1% | 4.9% | 6.3% | 10%程度 |
当期利益 | 38億円 | 26億円 | 55億円 | 87億円 | 200億円以上 |
EPS(非支配持分調整後) | 39.6円 | 25.5円 | 63.8円 | 100.1円 | 200円以上 |
ROE | 5.8% | - | 8%以上 | 10%以上 | 12%以上 |
上記の成長性・収益性・効率性の指標に加えて、健全性についてもバランスを追求することが重要だと考え、ROICを重要な経営指標としています。ROICの管理によって資本効率性を改善し、キャッシュ・フロー創出力の一層の強化を図るとともに、大規模な投資等に備えて一定の財務健全性と調達余力を確保していきます。
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