企業兼大株主テルモ東証プライム:4543】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当連結会計年度の研究開発費は616億円(売上収益比率7.5%)となりました。

 心臓血管カンパニー

TIS事業では、米国において2つの臨床試験の結果を発表しました。手首の動脈からのアクセス(ラジアル手技)によって行う、下肢カテーテル治療(R2P、Radial to Peripheral)と腹部カテーテル治療(R.A.V.I.、Radial Access for Visceral Intervention)の臨床試験です。R2Pの臨床試験では、R2Pは入院日数の短縮や合併症の低減をもたらすことが示唆され、結果の詳細は、2022年9月に米国で行われたカテーテル治療学会Transcatheter Cardiovascular Therapeutic(TCT)で発表されました。R.A.V.I.の臨床試験では、多くの腹部カテーテル治療において、従来から行われてきた太ももの動脈からアクセスする手技に代わり、ラジアル手技が第一選択になりうることが示されました。研究内容は、2023年3月に開催された、米国最大級のインターベンショナル・ラジオロジー(画像下治療)の学会であるSociety of Interventional Radiology(SIR)にて発表されました。

血管事業では、胸部大動脈用ステントグラフト「RelayPro」の適応が拡大され、従来の胸部大動脈瘤への適応に加えて、日本と米国において胸部大動脈解離、米国において外傷性胸部大動脈解離への適応を取得しました。Relay Proは、ステントグラフトを収納して血管内を運ぶデリバリーシステム(シース)を細径化したことで、血管アクセスがしやすくなり、簡便な操作が期待できる製品です。

 当事業に係る研究開発費は348億円となりました。

メディカルケアソリューションズカンパニー

ホスピタルケアソリューション事業では、留置針の新モデル「サーフローZERO」を日本で発売しました。独自開発した「3D針」を採用し、穿刺時に血管を捉えやすい針のデザインと、血管確保を視認できる仕組み「OKフラッシュ」を搭載することで、留置成功率の向上を目指しています。

ライフケアソリューション事業では、日本で販売中の持続血糖測定器「Dexcom G6 CGMシステム」の保険適用区分に、「C150 血糖自己測定器加算」が追加されました。これにより、糖尿病の病型に関わらず、インスリン自己注射を1日に1回以上行っている全ての方に、保険診療下でDexcom G6をご利用いただくことができるようになりました。本製品は、Dexcom社(米国)が開発・製造しており、テルモは2018年に同社と提携、持続血糖測定器の日本での独占販売権を取得しています。

ファーマシューティカルソリューション事業では、協和キリン株式会社と共同開発したコンビネーション製品「ジーラスタ®皮下注3.6mgボディーポッド」が日本で発売されました。ジーラスタ®皮下注3.6mgは、薬剤の投与が自動で行われるため、がん化学療法と同日に使用することで、翌日に投与するための通院が不要となり、患者さんの通院負担と医療従事者の業務負担の軽減に繋がることが期待されています。

 当事業に係る研究開発費は75億円となりました。

 血液・細胞テクノロジーカンパニー

細胞・遺伝子治療分野のプロセス開発から商業生産までをサポートするバイオリアクター「Quantum Flex Cell Expansion System」を米国で発売しました。Quantum Flexを使用することで、開発者は、製造に使用するのと同じプラットフォーム上で初期のプロセス開発を完了させ、細胞が増殖するための培養環境を作り出すことができます。早期のプロセス開発により、臨床試験の後期段階におけるコストや予期せぬプロセス逸脱のリスクを低減できる可能性があります。

米国コロラド州オーロラにあるCSL Plasma社(米国)の血漿採取センターで、原料血漿採取システム「Rika」を使用した、初のドナーからの血漿採取が完了しました。Rikaは、2022年3月にFDA認証を取得した原料血漿採取システムで、拡大する血漿分画製剤の需要に応えることを目的に開発されました。現在、Rikaは限定上市の段階で、今後、米国にある他のCSL Plasmaの血漿採取センターへシステムを順次導入する予定です。また、血漿採取センターの運営業務を支援するソフトウェアなどを通して一連のプロセスの効率を向上し、原料血漿採取に革新をもたらすエコシステムを提供していくことを目指します。

 当事業に係る研究開発費は112億円となりました。

 その他

カンパニーや事業の枠を超えた全社的な連携を推進するR&D部門では、自社開発による戦略的ポートフォリオの構築や競争優位の源泉となるコア技術の深化・応用展開に加え、必要技術獲得のための外部投資やオープンイノベーション(社外との連携)にも取り組んでいます。2022年度は、5カ年成長戦略「GS26」で掲げている、技術軸のCenter of Excellence(CoE、組織を横断する取り組みを継続的に行う際に中核となる部門)を導入しました。技術CoEのメンバーがあらゆる開発テーマに横断的に参画することで、全社の技術やノウハウを蓄積、発展させながら開発の成功確率やスピードの向上を図ります。

加えて、デジタルトランスフォーメーション(DX)については、2021年4月に発足したDX推進室が、各カンパニーやオペレーション部門が進めるDX関連プロジェクトに関する情報を集約し、その連携を促すなど、「事業創出のDX」と「オペレーションのDX」の2つを推進しています。2022年度には、グローバルの経営役員が集まるGlobal Leadership Meetingを「One Terumo DX」をテーマに開催しました。また四半期に一度、全社的なDXの方向性を定めるためのDXディレクション会議の開催を開始。全社的な協働を促し、各プロジェクトをより強力に推進する体制を構築しました。

 なお、当連結会計年度の研究開発費総額には、各事業分野に配分できない基礎研究費用81億円が含まれております。

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