企業テクノマセマティカル東証スタンダード:3787】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は国際標準規格に準拠した映像/音響などの圧縮・伸張技術を開発および製品化しております。特に数学的手法を駆使して独自に開発したアルゴリズム「DMNA」(Digital Media New Algorithm)を基幹技術として、差別化を図っております。

 今後も「Algorithm Specialist」をコンセプトに基幹技術の開発と各種製品への適用を進めてまいります。これらの製品を用いて、様々な電子機器・通信機器向けに高品位な技術とソリューションを提供し、快適で豊かな社会の実現に寄与することを目指してまいります。

(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当面の経営環境につきましては、様々な問題(新型コロナウイルス感染再拡大、ロシアによるウクライナ侵攻、サプライチェーンの混乱、インフレ圧力、他)の継続が懸念される一方、欧米主要国を中心に金利上昇による景気の失速懸念があるものの、我が国においては実質賃金の上昇、金利の低位安定を背景に、業種により回復度合いに差異はあるものの、落ち着きを取り戻しながらの生産・消費活動が行われるものと見込まれます。

 上記のような諸懸念により顧客企業の開発・生産・出荷が停滞する場合、当社においてライセンス契約の獲得、ソリューション製品の販売も大きく影響を受けることとなると見込まれますが、一方で、「非接触・リモート」をキーワードにした当社技術、製品へのニーズが高まることも期待できます。

 このような中、当社の主要顧客業界である電子機器関連業界は、事業の再編を進めつつも、新興国向けに機能・性能を絞った製品の開発を進める一方、競争力の源泉である優れたアルゴリズムを用いた映像・画像・音声の圧縮伸張技術を追求し続けております。

 具体的には、携帯型端末においてはワンセグ機能に加え、より高画質、大画面の方向に向かっていることから、映像・画像の圧縮伸張コア技術であるビデオコーデックにおける優れたアルゴリズムを市場が求めております。また、デジタル情報家電においても、高画質化に加え高音質化が求められており、低消費電力と合わせてそれらを実現するオーディオコーディックが期待されてきております。さらに、動画像の配信・伝送分野においても、低ビット・レートでも高画質、高音質、低遅延を実現する圧縮伸張技術が必要不可欠のものとなっております。

 当社は、組込み機器上のプロセッサで動作するソフトウェアIP製品のライセンス事業と、半導体チップの設計データであるハードウェアIP製品のライセンス事業を軸に事業を進めてまいりました。

 国際標準規格に準拠した製品を開発し、世界中の顧客に高品位な技術とソリューションを提供するという基本戦略の下、特にモバイル向け地上デジタル放送(ワンセグ)に必須の映像圧縮・伸張規格であるH.264/AVCに準拠した製品群の開発および販売に注力してまいりました。また、H.264/AVC規格に加えて、デジタルハイビジョン放送やIP放送などを視聴する機器に必要な圧縮・伸張規格である、MPEG-2、MPEG-4規格およびWindows Media形式への対応も行っております。さらに、最新の画像圧縮伸張の国際標準規格であるH.265/HEVCを開発し、顧客である電子機器メーカーのFHD(Full High Definition)、4K/8K(FHDの4倍/16倍の解像度)対応を積極的に支援しております。

 今後も引き続き、当該製品群のライセンスに注力するとともに、世界各国で順次開始されている地上デジタル放送規格に対応した製品を投入することで、海外市場への本格的な参入を目指してまいります。また、当社の事業形態は「技術のライセンス」を主軸とするため、提供した技術が顧客の最終製品に組み込まれてから量産に移行するまでの期間、ならびにこれに伴って発生するランニングロイヤルティ収入を獲得するまでの期間は相応な長さとなります。これらの期間の収益を補い、将来にわたっての収入を増加させるためにも、新規ライセンス契約の獲得に重点をおいた活動を行ってまいります。

 一方、市場においては、用途を限定した、より高性能な独自仕様の圧縮・伸張技術にも注目が集まっており、当社独自規格のエンコーダ/デコーダ「DMNA-Vシリーズ」には、顧客の関心がますます高まっております。また、ソリューション事業においては、ソフトウェアIP、ハードウェアIPとして開発済みの技術・製品を活用して、高画質・高音質・低遅延を実現するシステム製品を開発・製造・販売し、多岐、多様な顧客を獲得する方針で推進してまいります。これにより、当社は顧客のニーズに応じて、ソフトウェア製品、ハードウェア製品、ソリューション製品を柔軟に選択して提供することが可能になり、これらの事業を市場の要求に合わせて的確に展開することで、収益ならびに顧客層の更なる拡大を目指してまいります。

 近年は、ソフトウェア製品、ハードウェア製品を総合的に活用・組み合わせたシステム製品・技術の需要が増えてきており、今後もこの傾向は続くものと考えております。このため、現在の保有技術・ノウハウを総合的に活用しつつこれらの市場にも積極的に参入し、IPのライセンス・ビジネスからソリューション・ビジネスへ事業領域を拡大させてきております。なお、この事業領域で必要な技術・ノウハウをすべて自社で開発するにはかなりの時間を要することとなるものと見込まれるため、必要技術・ノウハウなどを補完し合える事業パートナーとの協業も積極的に検討・実施してまいります。

 以上のような環境下、当社は以下の項目を対処すべき課題と捉え、対処してまいります。

① 特定市場への戦略的アプローチ

 当社の開発、ライセンスする製品は、国際標準規格に準拠しており、その用途・ライセンス対象は多岐にわたります。一方、デジタル信号処理技術の進展はめざましく、日夜新しい技術・規格が世界中で産み出されており、その競争も非常に激しいものとなっています。このような環境下、より多くの電子機器に当社製品を搭載していただき、ライセンス収入を得るためには、対象となる機器・顧客に最適な性能・機能を持った製品をいち早く開発・提供する必要があります。当社では携帯型機器(Handset)、撮像機器(Imaging)、リビング向け機器(Consumer)、アミューズメント(Amusement)、車載情報システム機器(Automotive)、および映像・画像配信機器(Broadcasting)を重点対象と位置づけ、これらの市場・顧客に対して、戦略的な受注・開発・ライセンス活動を行なっていく方針です。また、ソリューション製品は主として放送・伝送システムとして市場投入していく方針です。

② 販売体制の拡充

 当社の製品は業界の一部では非常に高い評価を得ているものの、業界全体として見た場合には未だ認知度は高くなく、この認知度を上げることが急務であると考えております。より広く潜在顧客へのアプローチを行うことおよびより多くの顧客からのアクセスを誘引・獲得することで、当社の潜在市場、製品用途はさらに広がるものと考えております。そのためにホームページを刷新してマーケティング機能を充実させ、また、営業部門と開発部門とが潜在顧客および技術動向のすり合わせを密に行うとともに、代理店や協業会社との関係を強化することで、より多くの市場へ効率よくアプローチを行い、国内外での市場拡大を目指していく方針です。

③ 効率的な開発・サポート体制の構築

 地上デジタル放送の本格化に伴い、各種表示装置はもちろん、携帯型端末機器へも高精細動画機能が搭載されるなどの環境変化により、当社製品への引合いならびに製品の受注活動が活発化している一方、多様な顧客に対して高品質な製品を提供するための効率的な体制の構築が課題となっております。将来の収益源を産み出す研究・開発組織体制の整備はもちろん、製品化から品質保証・納期対応にいたるまで、一貫した組織体制の構築が事業成長の鍵となると認識し、顧客へのさらなるサポート体制拡充を含めた施策を実施してまいります。

④ デモ・システムの充実

 各種デジタル映像・画像機器に当社が開発したDMNA(革新的なアルゴリズム)を用いた圧縮・伸張技術を採用すると、低消費電力化が図れることに加え、画質、音質などの性能が数倍向上します。

 このような当社製品の優位性を確認・理解していただけるデモ・システムを開発し、効果的な営業活動が行なえる体制をとってまいります。

⑤ 組織の活性化

 当社は社員の平均年齢が約49歳と決して若い企業とは言えません。また、ここ数年の業績動向は決して芳しいものではない一方、業務運営に緊張感、危機意識、活気がない部分が散見されるようになってきました。これらに対処すべく、能力のある若手社員の採用に力を入れるとともに、人事・処遇を今まで以上に成果・貢献度を重視して行うなど、業績回復の前提ともなる組織活性化のための施策を実施してまいります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社の事業は、ソフトウェアライセンス事業、ハードウェアライセンス事業およびソリューション事業の3事業に分かれております。これらの事業をバランスよく拡大させながら期末に集中する傾向のある売上の平準化および売上の増加を図り、利益の確保ならびに黒字化の定着を目指してまいります。

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