シーズメン 【東証スタンダード:3083】「小売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 現状の認識について
当社グループの属するカジュアルウェア市場におきましては、消費者のモノ・サービスに対する選別は厳しさを増し、企業は更なる経営努力が要求されております。このような状況において、今後の成長を図るためには、常に新しい価値を提供し、消費者の選択を得ることが必要不可欠な状況にあると認識しております。
(2) 当面の対処すべき課題
当社グループは、衣料品販売を中心とする小売業の展開を行ってまいりましたが、2020年春頃より流行した新型コロナウイルスの影響により、2021年2月期および2022年2月期は大きく業績を悪化させ、当連結会計年度に至るまで大きな営業赤字を計上しております。
かかる状況において、当社では、長引く売上縮小に耐えうるコスト構造の構築と、手元現金の維持を最重要課題として取り組んできました。具体的には、赤字店舗の閉店や仕入圧縮と在庫の換金に向けたアウトレット販売の強化などが挙げられます。緊急事態宣言の発令により、商業施設が半ば強制的に閉店に追い込まれるなど、厳しい時期が続きましたが、通常の経営方針からいわば「守りの経営」に早期にギアチェンジをすることで、企業体として十分に存続できる状態を維持してまいりました。
また、当連結会計年度より、株式会社スピックインターナショナルの吸収を通じて、規模の拡大を行うことで、間接部門・費用の共通化やアウトレット在庫の販売など、コスト効率の高い経営の実現を進めております。加えて、当連結会計年度より、子会社化した株式会社チチカカについては、不採算店舗の撤退とコスト削減を実施して収益改善を図り、今後の新たな成長に向けた取り組みを進めております。
(3) 具体的な取組状況等
当社グループおよび業界全体の売上高も徐々に新型コロナウイルス流行以前の状態に向けて回復を始めております。
しかしながら、当社グループは、同ウイルスの流行によって引き起こされた消費者のライフスタイルの変化は、短期的には流行以前と全く同じ状態に戻ることはないと考えております。
このような状況下、当社グループは新たな再成長に向けた取り組みを加速させながらも、売上の回復が停滞した際にも企業として十分に耐えられる構造の確立をさらに推し進めていきます。
具体的には、下記の取り組みを行ってまいりました。
① 売上停滞に対して耐久性の高いコスト構造の改善
1)不採算店舗のさらなる閉鎖
当連結会計年度において、株式会社シーズメンで10店舗、子会社である株式会社チチカカで17店舗、シーズメングループで合計27店舗の閉鎖を行いました。
2)グループ会社間での業務効率化によるコストシナジーの創出
当連結会計年度おいて、子会社であった、株式会社スピックインターナショナルを吸収し、本部機能を一元化いたしました。
② 既存店舗の売上回復に向けた取り組み
1)消費者の新たなライフスタイルに合わせた商品開発
当連結会計年度において「流儀圧搾」ブランドではキャラクター商品の強化、「TORNADO MART」ではルームウェア、「HIGH STREET」ではゴルフラインの新規立ち上げを行いました。
2)グループ会社間での商品開発・販売面でのシナジー創出
当連結会計年度の新たな取り組みとして、子会社であるチチカカブランドのレディス商品をシーズメンの店舗で展開し、女性客へのアプローチを強化する取り組みを進めてまいりました。
③ 新たな事業への取り組み
1)メタバース・ファッション事業
2021年10月、メタバース領域におけるアバターの衣料品を現実に商品化する「POLYGON TAILOR FABRIC」ブランドを開始しました。
また、2021年12月には、逆に現実のファッションブランドがメタバース領域に参入することを支援する「POLYGON TAILOR IMPORT」事業を開始いたしました。
2)オフプライス事業
アウトレット催事の専門チームによる取り組みを進め、商業施設の催事スペースにてセール催事を実施してまいりました。また、当連結会計年度において、催事における集客を図り、セール商品の販売を促進するため、「駄菓子」を取り扱う業者とのコラボレーションによる催事企画を実施いたしました。
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