クラスターテクノロジー 【東証グロース:4240】「化学」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
① 新規開拓に向けた営業力の強化
機能性精密成形品で培った強み・特徴を活かし、これまでの産業機器、レジャーに加えて、
ロボット、センサ、通信、医療などの他市場・他分野へ新規顧客開拓のためのアプローチを強化する。
② 環境への対応と未来への商品開発
環境方針、管理体制、規程類を整備し、環境に関わる全社的な体制づくりを行うとともに、
「未来への商品開発」を推進し、成果を出す。
(世界的な環境意識の加速に対応するため、2023年3月期に変更しました。)
③ 生産力の強化と人材育成
個別製品の原価低減に取り組むとともに、検査機やロボット等の導入による自動化と効率化を
さらに進める。
会社と社員の成長、成果の配分を徹底する。
(2)経営環境
わが国の経済の先行きにつきましては、地政学的分断は続くものの、世界的なインフレがピークに達したとの見通しや日本国内では大企業中心に賃上げの活発化、大型の最先端半導体工場建設の発表等を始め設備投資の増加により、景気は緩やかに持ち直しつつあると思われます。
また、新型コロナウイルスの5類への移行やインバウンド需要の増加も経済にプラスに働くものと考えられます。
こうした中、当社は、売上高の拡大や導入済設備の本格稼働・個別原価低減等による収益力向上、開発投資、人的資本への投資に注力していくことを計画しております。
当社のセグメントごとの経営環境の認識は以下のとおりであります。
<ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業>
映像機器分野は、ミラーレスの新機種の寄与が見込まれことから、売上高は増加するものと思われます。
OA機器分野は、主力顧客の増産体制の維持と民生用インクジェット関連の回復から売上高は増加するものと思われます。
産業機器分野は、産業用インクジェット関連の回復から売上高は増加するものと思われます。
レジャー分野は、引き続き海外のアウトドア需要の好調もあり、順調に推移するものと思われます。
<マクロ・テクノロジー関連事業>
機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子ともに景気動向の影響は受けにくいものの、ライフラインを支えるインフラ設備に使用される製品であるため、定期的な入れ替え需要のほか、電線の地中化や高圧受配電盤の樹脂絶縁部品などが見込まれます。売上高は前期からの値上げが寄与することから、増加するものと思われます。
(3)対処すべき課題
中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)
当社は、2022年3月期から2024年3月期(第31期~第33期)の3年間における経営方針として「当社の強みをお客様の付加価値に繋げる!」をスローガンに、
① 新規開拓に向けた営業力の強化
② 顧客提案力の向上と未来への商品開発
→「環境への対応と未来への商品開発へ」(2023年3月期)
(変更理由:世界的な環境意識の加速に対応するため)
③ 生産力の強化と人材育成
を行い、当社の強みをお客様の付加価値向上と当社の利益向上に繋げていく施策を継続的に推進してまいりました。その中で、売上高を、3年後(2024年3月期)に10億円超を目標とする中期経営計画を2021年5月に発表いたしました。
当社は、同計画の初年度である2022年3月期において、コロナ禍での厳しい売上状況が引き続き予想されると判断し、個別製品の原価低減を推進いたしました。対処すべき製品を個別に選定し、その利益率の改善に積極的に取り組んでまいりました。
こうした中、当社のナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業が、米中の景気回復や巣ごもり需要等を背景に産業用機器やOA機器関連を中心に売上高は回復し、個別製品の原価低減の積極推進と相まって、営業利益は大幅に改善してまいりました。
以上の結果、中期経営計画の初年度(2022年3月期)は、期初予想を大きく上回る業績を達成することが出来ました。特に、利益面におきましては、10年ぶりに過去最高益を更新いたしました。
しかし、中期経営計画の第2年度(2023年3月期)においては、売上高の未達に加え、製造コストの急激な上昇、設備投資や自動化への投資について、当該投資に対する本格生産の立上げ遅れなど、コスト削減効果が充分に得られないこと等により営業利益、経常利益、当期純利益とも期初予想より大幅に悪化する結果となりました。
中期経営計画の最終年度(2024年3月期)の取組
当社は、中期経営計画の第2年度(2023年3月期)の大幅な業績修正に伴い、中期経営計画の最終年度(2024年3月期)の業績の修正と同時に、次期中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を発表いたしました(「事業計画及び成長可能性に関する事項の開示」 2023年5月19日適時開示)。
a. 新規設備投資と新商品「PasCom」(バイオマスプラスチック複合材料)の拡販
当社の工場の設備は、購入後年数も経過しており老朽化が散見されていましたが、安定的な利益確保の観点から、大幅な設備の更新に充分な手当がなされていなかったところがありました。そこで当社の更なる発展には、設備の更新や生産工程の自動化が必須と考え、当事業年度(2023年3月期)において、関東工場に自動検査機や成形機など比較的大型の投資を実施しました。
しかし、期初に想定できなかった製造コストの急激な上昇と当該投資に対する本格生産の立上げ遅れなど、コスト削減効果が充分に得られない結果となりました。当社は当事業年度の反省を踏まえ、2024年3月期以降の新規設備投資を当面の間抑制すると共に、2023年3月期に導入した設備の本格稼働に注力し、収益力を高めることを計画しております。
さらには、新商品「PasCom」(バイオマスプラスチック複合材料)の拡販、改良、応用製品への展開に注力してまいります。
b. 人材の育成と外部人材採用による競争力の強化
当社は、近年重要な経営資源の一つである人材(社員)の待遇改善等を推進してまいりました。これまで実施した賞与支給額の増額等によるモチベーション向上は上記の原価低減等の推進に大きな原動力の一つとなりました。
しかし、安定的な利益確保を優先するために給与原資の制限を考えざるを得ず、待遇改善も限定的なものに留まらざるを得ない状況が続いていました。
当社は、2018年3月期以降、営業損益が5期連続黒字化し、2022年3月期においては過去最高益を更新する利益体質になったことから、2022年4月より、給与体系・人事制度を抜本的に改定いたしました。
年功序列の色彩が強かった従来制度から脱却し、人材活性化(優秀な人材確保を含む)を通じて会社を飛躍させるために給与体系・人事制度の見直しを行いました。具体的には、仕事内容・役割や成果に応じて給与やポストを決め、公平に評価し分配していく制度へ変革いたしました。
その結果、待遇改善原資のうち、月額給与の給与原資は増加し、将来の活躍が期待できる20代から30代の人材や女性幹部の待遇改善が大きく前に進みました。また、当社における男女間の給与格差はなくなりました。
当事業年度において、事業環境は大きく変化し、業績の下方修正を余儀なくされました。しかし、当社は人材が今後の収益力回復・拡大のカギとなると考えており、今後も更なる待遇改善を前提に経営を進めていく所存です。
c. 次期中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の前倒し発表
当社は、現中期経営計画の最終年度(2024年3月期)の目標を下方修正したことから、株主及び投資家の皆様の当社への理解を深めて頂くことを目的に、次期中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の定量目標を前倒しで発表いたしました。
既存顧客の横展開、新規分野開拓、開発製品の拡販をベースに売上高を2024年3月期比、約20%拡大し、12億円超を目指します。また、営業利益は120百万円とし、2022年3月期の100百万円の最高益更新を目指してまいります。
(4)事業方針
「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」
当社は高精度と高機能を軸として樹脂製品に機能を付加することにより、お客様の商品価値の向上に貢献します。
(5)当社の強み
① 樹脂製品の概念を変える
樹脂製品は「精度がでない」「物性が満足できない」今までの常識で樹脂化を断念していませんか。当社は新たな樹脂化の可能性を追求し、樹脂製品の概念を変えます。
② 樹脂製品のコーデイネーター
当社はお客様の樹脂製品の設計から生産に至るまでのプロセスをトータル的(材料、金型、成形、後加工に至るまで)にサポート提案します。お客様の商品価値向上と量産を視点にあらゆる角度から最適な樹脂製品を提案します。
③ 樹脂製品のカスタマイズ
熱硬化性・熱可塑性に関わらず、様々な種類の樹脂を取り扱う事が可能です。独自コンパウンド技術により、お客様商品にマッチしたオリジナル材料を提案・開発・製造することが可能です。
④ 樹脂製品の一貫生産
樹脂複合材料をコアとして、金型、成形、後加工に至るまで一貫した技術と生産体制を保有しており、提案力、スピード、完成度の優れた樹脂製品を提供できます。一貫体制ならではの安定した量産構築が可能であり、品質保証も一貫して行います。
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