企業カネコ種苗東証スタンダード:1376】「水産・農林業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発をグローバルな視点で取り組んでおります。

 種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「カンショ(サツマイモ)などの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、持続可能な社会を支える農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、840,975千円となっております。

 セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。

(1)種苗事業

 くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第73回全日本野菜品種審査会におきましてキャベツ、カボチャ、エダマメ、ハクサイ、ブロッコリーで7点が入賞いたしました。そのうち2022年8月24日に長野県野菜花き試験場にて開催されましたエダマメ審査会におきまして“鈴だるま(N14-003)”が1位となり農林水産大臣賞を受賞いたしました。さらに2022年10月19日に長野県野菜花き試験場にて開催されましたハクサイ審査会におきまして“キングリー(N-2198)”が1位となり農林水産大臣賞を受賞いたしました。また、東京都種苗会主催の第64回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてコマツナ、ホウレンソウ、ダイコンで3点が入賞いたしました。そのうち2022年10月11日に東京都農林総合研究センター江戸川分場にて開催されたコマツナ審査会におきまして“必閃(ひっせん)(N-006)”が1位となり農林水産省輸出・国際局長賞を受賞いたしました。第70回千葉県野菜品種審査会におきましてもホウレンソウ1点が入賞いたしました。入賞品種につきましては、販売に向け試験を重ねてまいります。

 野菜類では、2023-24年度版野菜種苗カタログに、前年度に発表しました品種を含めミニトマト、ネギ、ハクサイ、タマネギ、ズッキーニ、ダイコン、レタス等12品種を加えました。“白翠”ネギにつきましては肥大性・伸長性に優れた初夏どり用一本ネギとして産地で好評頂き順調に普及が進んでいます。また近年栽培が拡大したズッキーニにつきましては、ウイルスに強い耐病性を保有し生産安定に寄与できる品種“スプリント”を加えました。好評販売中の“グリーンボート2号”に加えて普及が期待できます。タマネギにつきましては、大玉で収量性に優れ食味にも優れる“ヒーローZ”を発表いたしました。

 飼料作物類では、2023年飼料作物ガイド都府県版および北海道版にヒマワリ、飼料用トウモロコシ、イタリアンライグラス、飼料用大麦の6品種を発表しました。ヒマワリ“アーリーサン”は極早生で草丈が低くすきこみやすい品種で景観作物としても期待できます。飼料用トウモロコシ“KD082ゲルセミ”はすす紋病耐病性と収量性に優れた北海道に向く早生品種です。イタリアンライグラス“いなずまGT”は主力品種の“いなずま”の特性を維持しつつさらにいもち病の耐病性を付与しました。また飼料用大麦品種“わせまる六条”は穂に発生するノゲが極めて短いため牛への嗜好性が期待でき自給飼料確保に貢献できます。緑肥関係では、葉ダイコン“KGM1804”の販売を開始しました。栽培することで土壌中の有害センチュウの密度を抑制する効果が高く農林水産省「みどりの食糧システム戦略」に掲げる環境にやさしい農業に役立つ品種です。緑化関係では、シバ類2品種を販売開始しました。

 引き続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。

 波志江研究所ではバイオテクノロジー技術を利用して主に栄養繁殖性作物の品種開発を行っております。当年度につきましては、カンショ(サツマイモ)で新品種 ”栗かぐや®”の栽培が産地で始まりました。ホクホク系で果肉の色が黄金色で甘いこの品種は、焼き芋のほか天ぷらや大学芋などの惣菜にも適しており利用範囲の広い特徴から今後の展開が期待されます。一方、しっとり系で甘い“シルクスイート®“は消費者の評価が高く栽培面積が増加しております。また、近年栽培地域の拡大に伴う寒冷地適性や重要病害に対する耐病性も求められておりますのでこれらの点を重視した品種開発を積極的に行って参ります。

 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、663,773千円であります。

(2)花き事業

 花き育種研究室では営利栽培農家向け花き類とホームユース向けの花き類及び野菜類の開発を行っております。一般社団法人日本種苗協会主催の第68回と第69回全日本花卉品種審査会に、ユーストマ、スターチス・シヌアータ、キンギョソウの出品を行い、ユーストマにおいて2点が入賞いたしました。また、新品種のコンテストであるジャパンフラワーセレクションに、ユーストマ2品種とカーネーション1品種の出品を行い、ユーストマの“エグゼアンティークピンク”と“エマライトピンク”が特別賞を受賞したのに加え、人気投票では当社の3品種が1~3位となりました。

 当年度につきましては、営利栽培農家向けとして4品目で合計18品種を新発売といたしました。ユーストマでは5品種を新発売し、その中で“カフェドレープ”と“レトロア”は最近人気のアンティーク系のピンク色で、アンティーク系品種の品揃えがより一層充実し、この分野では業界をリードする存在となっております。カーネーションのスプレー系では5品種を新発売し、その中で“グリーンモンスター”は耐暑性が高い品種として、好評を得ております。また、ユーストマ、カーネーション、デルフィニウム、スターチス・シヌアータでは海外において高い評価を得る品種が増えてきております。引き続き海外市場を見据えた品種の開発も積極的に行ってまいります。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、花き類で2品目9品種、野菜類で3品目3品種を新発売とし、商品のより一層の充実を図りました。

 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、97,761千円であります。

(3)施設材事業

 システム開発部では、種苗会社の中で長年培われた栽培技術を生かし、太陽光型養液栽培及び閉鎖型植物工場において、他社にはないシステムプラントの開発、提供を行っています。栽培する品目に適したシステムプラントを開発し、これまでも好評を得ております。“マルチリーフ®レタス”や細ネギ(小ネギ)などの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック®”、トマトやキュウリなどの果菜類を栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”など、それぞれの品目について省力化が図れ、環境にやさしい生産者のニーズに合った養液栽培プラントを提供しております。

 当年度につきましては、農業事業に参入を目指す他業種の会社、団体にEK式ハイドロポニック®、キュウリのスプレーポニック®、ココベリーファーム®等を導入いたしました。SDGsに貢献すべく、従来の化石燃料の代替に廃食油を燃油にしたボイラーを設置したトマトのスプレーポニック®の実証施設を導入しました。今後もSDGsに貢献できる養液栽培プラントの開発、普及を行って参ります。

 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、79,440千円であります。

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