企業ウェルネット東証スタンダード:2428】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社が事業ドメインとするオンライン決済市場については今後も一定の伸長を見込んでおりますが、電子決済拡大による決済自体のコモディティ化が進むとみており、決済+αの具体的な形として、事業者側のDX化を支援するクラウドサービスの拡充に尽力しております。

 文中における将来に関する事象は、当事業年度末(2023年6月30日)現在において当社が判断したものであり、現時点で予測できない下記以外の事象の発生により、当社の経営成績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。

A.ペーパーレス化・キャッシュレス化における“スマホ決済”「支払秘書」

 決済を銀行口座と連携するスマホで行う「支払秘書」は、8電力会社に導入済、また公金支払いでも提携銀行が多い地域を中心に「支払秘書」で支払える案件が増加しているほか、当社が提供するクラウドサービスである下記B項記載の「バスもり!」、「アルタイルトリプルスター」及び、ekaiin.comとのシームレスな連携を中心とした展開を行うとともに、組み込み型電子マネーの開発を進めております。

 請求の電子化と様々な費用の決済を「支払秘書」とクレジットカードで行える会員管理サービス「ekaiin.com(e会員ドットコム)」においては従来の用途に加え、ジェイアールバス関東株式会社の旅行・ツアー代金の回収、令和4年度札幌市飲食店の未来応援クラウドファンディング(第二弾)の支援金募集、日本作曲家協会創立65周年記念事業「全国歌謡選手権大会」の募集、DMM英会話の申込みと集金など幅広い分野に採用が広がってまいりました。今後も提供分野拡大と共に実績分野の水平展開に力を入れてまいります。

 一方、支払秘書の提携銀行は三井住友銀行、ゆうちょ銀行など36行と提携いたしましたが、一連の不正使用発生によるセキュリティ対策を完了後の再開作業を進めており、2023年6月30日現在、利用可能銀行数は25行まで回復しております。この中には、2023年5月に新たに接続したメガバンク三菱UFJ銀行も含まれており、今後の利用拡大を期待するとともに、継続的な増加努力を行ってまいります。

B.交通事業者向けIT(DX)化プロジェクトを積極推進中

2016年8月に開始したスマホ電子チケットアプリ「バスもり!」は、1回券、回数券、定期券、フリーパス、企画券など電子化券種を拡大し、バス・鉄道の取り扱い路線は610を超えております。コロナ禍で非対面で購入できるスマホ定期やスマホ回数券は拡大しております。また、2017年から開発してきたオールインワンの交通事業者向けクラウドサービス「アルタイルトリプルスター」は、乗物やイベントの在庫・時刻表管理、チケット予約・購入・発券・認証、そして売上情報の集計と精算処理に至るまでの一連の業務の自動化を実現できるトータルクラウドサービスです。特に複数事業者が共同提供するMaaSにおいて、多大な労力を要する精算業務に関する十分な知識と経験を当社が持っていることは大きなアドバンテージです。

MaaS領域においては、次のとおり導入実績が拡大してまいりました。前記のとおり、2024年春に「スルッとKANSAI協議会」のQRコードを活用したデジタル乗車券サービスの導入も控えており、多くの地域での提案活動を精力的に進めております。

2020年1月 函館市「DohNa!!(ドーナ!!)」

2021年10月 「仙台MaaS」

2022年1月 北海道オホーツクエリア「OkhoNavi(オホナビ)」

2022年2月 「JAL MaaS」

2022年5月 北海道「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」

2022年6月 「熊本都市圏パークアンドライド社会実験定期券及び回数券」

2022年9月 「仙台MaaS」における仙台市交通局の地下鉄一日乗車券(QR付き電子チケット)

2023年5月 東北学院大学生向けのデジタル乗車券

 当社が展開するサービスは、クラウドの本筋であるシステムコストの変動費化を実現しているため、いわゆる実証実験期間終了後も継続して使われている持続可能なスキームであることが大きな特徴です。

C.ウェルネットの“主力商材”「マルチペイメントサービス」の現況

 非対面決済において「マルチペイメントサービス」は引き続き伸長するポテンシャルがあると見込んでおります。当社は、30年以上にわたり様々な事業者に決済サービスを採用いただいておりますが、今後も事業者・コンシューマ双方の利便性向上に資する決済ゲートウェイの拡充を目指します。当社は決済+αのサービス開発を推進してまいりますが、その際決済基盤を持っている当社は大きなアドバンテージを持っていると考えております。

2022年9月には当社が新たに開発したスマホバーコード決済「stanp」がファミリーマートの全国の店舗で採用され、利用者が当社の「マルチペイメントサービス」を利用する際に、スマートフォンに表示されるバーコードを店頭レジで直接読み取ることにより、マルチコピー機を介さずにリアルタイムに支払いが完了できるようになりました。引き続きファミリーマート以外のコンビニでの採用に向け、積極的に営業活動を進めてまいります。

D.地域貢献活動・SDGs

 当社のビジネスである「IT利活用・DX化」そのものが、環境に優しいビジネスモデルへの転換を支援するものであり、ビジネス拡充自体が地球環境保全に資するものと認識しております。

 地域社会への貢献として、北海道の工業高等専門学校に通う経済面で苦労する学生向けに設立した「ウェルネット奨学金」により多くの学生を支援しております。2022年度までの累計で768名に対して約86百万円の奨学金を支給しており、支援を受けた学生から多数の感謝のお手紙をいただき、従業員のモチベーション向上にもつながっております。新型コロナウイルス感染症により2022年度も多くの学生が影響を受けましたが、この支援の効果もあり北海道の4高専においては昨年に引き続き経済的な困窮を理由に退学した学生0を達成したとのご報告をいただきました。2022年11月にはこの活動の教育研究活動への協力が認められ、一般社団法人全国高等専門学校連合会から感謝状を頂戴しております。本活動は今後も継続してまいります。

 さらに、地元のスポーツ振興に寄与することを目的とし、北海道・札幌市などと連携して2030年の札幌オリンピック・パラリンピック招致を目指す北海道オール・オリンピアンズが推進する「スクラム札幌」構想へ参画、男子1000メートルの日本記録を持ち、オリンピック出場が期待されるスピードスケートの山田将矢選手と2022年4月にスポンサー契約を締結して支援を開始しました。その後2023年4月から同選手は当社の社員となり当社に所属して活動を行っております。今後はekaiin.comをスポーツ選手の支援にも積極活用し、当社のサービスによるスポーツ支援を拡大する方針であります。

 また、2021年に竣工し、運用開始した札幌本社新社屋は、働く環境や従業員の健康に配慮したオフィス設計を行っており、2022年9月に「WELL認証」最高ランク「プラチナ」を取得いたしました。「WELL認証」は2014年に米国で始まったビルやオフィスなどの空間を人間の健康の視点で評価・認証する先進的な取り組みであります。この取り組みは、人的資本である従業員への投資であり、ひいては生産性向上、働き方改革、SDGs達成への寄与など企業価値向上につながると考えております。現在のところ、日本国内で「プラチナ」ランクを取得した企業は建築関連の企業がほとんどであり、フィンテック系企業として初、北海道内で初の取得です。

E.収益予想と株主還元

2022年9月6日に中期経営計画(2023年6月期~2025年6月期)並びに2023年8月14日に2024年6月期の業績予想及び配当予想を公表いたしました。

2024年6月期の業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による落ち込みからの回復傾向を踏まえ、主に交通系DX化商材の業績が好調であることから、売上高及び各利益項目共に2023年6月期と比べて増加となる見込みであり、次のとおり予想しております。

売上高

経常利益

当期純利益

10,160百万円

1,150百万円

790百万円

2023年6月期の期末配当につきましては、株主様への利益配分の基本方針(配当性向50%以上)に基づき、前回予想の16.43円から0.41円増配し16.84円に修正することといたしました。また、2024年6月期の期末配当につきましては21円を予想しております。

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