企業兼大株主アマガサ東証グロース:3070】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、それらの発生の回避、発生した場合の対応に努める方針でありますが、投資における判断は、本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、以下の記載は、全てのリスクを網羅するものではなく、また、文中における将来に関する事項は提出日(2023年4月26日)現在において、当社グループが判断したものでありますのでご留意願います。

(1) 継続企業の前提に関する重要事象等について

 当社グループは、2016年1月期以降、売上高が減少傾向にあったところに、さらに新型コロナウイルス感染症の拡大が影響し、売上高は大きく減少、当連結会計年度を含めると5期連続した営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスの計上、並びに7期連続した親会社株主に帰属する当期純損失を計上している状況にあります。当連結会計年度においては、売上高は1,393,523千円で前連結会計年度に比較して11.1%減少し、営業損失634,906千円及び親会社株主に帰属する当期純損失697,670千円を計上いたしました。

 また、当面の先行きも不透明である状況から継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

 当社グループでは当該状況を解消すべく、以下の事業施策により収益性を高め、財務施策により資金繰りの改善を図ります。

 事業施策

1.直営店舗の削減による固定費の削減

 事業の採算性の向上及び効率化のため、靴事業における不採算店舗の撤退を加速化させ、必要最小限の直営店舗数とします。当連結会計年度においては16店舗を閉店し、直営店舗数は5店舗となりましたが、来期はさらに閉店を進めます。EC事業の売上が婦人靴事業の中核となる中で、直営店舗の位置づけを見直し、お客様との接点を活かしながらブランドを発信する拠点として運営します。

2.事業収益改善

2023年3月に筆頭株主となったネットプライス社の支援を受けながら、これまで取り組んできたオムニチャネル化体制を一層強化するとともに、ブランド展開の見直し、セールスプロモーションの強化に取り組み、事業収益を改善させます。

3.成長エンジンとしてのEC事業の強化

 これまで、当社主力事業であった小売事業を縮小させ、ECサイト販売を重視する方向で諸施策を展開した結果、EC事業は一定の伸びを示してきましたが、収支均衡をはかるにはさらに成長を加速させなければなりません。これまで進めてきた海外事業(インドネシア、台湾)からは撤退し、今後、利益率の高い国内の自社ECサイトにリソースを集中させ、積極的な販売活動を実施してまいります。

4.事業領域拡大事業

 既存の主力事業である小売業、EC事業だけでなく、主力事業に付随する新たな事業の開始及び新規事業を模索・展開していくことで将来的な売上高の増加・収益向上を図ってまいります。

   ・SDGs商品販売の開始

 当社は、新規事業として、生活関連領域のSDGs関連商品を主力とした商品の販売を2021年8月から開始いたしました。業務提携先との協議のうえ、婦人靴以外の小売事業を積極的に拡大すべきとの判断から、生活関連のマーチャンダイズを実行し、小売事業に付随する新商品・新商材の販売として新たな売上・収益となることを目指しております。

   ・アートビジネスの開始

 当社は、「上野アートビレッジ」の屋号をもって、アートをテーマとした新たな事業を2021年11月から開始いたしました。現代美術家の絵画作品等に投資を行います。主に、新進の現代美術家を中心とした芸術家の育成とそのマネジメント、及び今後取得する美術品の販売によるキャピタルゲイン獲得を行うことで、当社の収益獲得の機会を得ることを目的としております。

   ・インバウンド関連事業の開始

 当社は、2022年7月に上野本社にて免税店販売許可を取得し、インバウンド関連事業を開始いたしました。2022年12月には時計、バッグなど高級ブランド商品の販売を取り扱う店舗「BRAND HUNTER 上野店」がオープンし、2023年以降の本格的な需要回復を念頭に、お土産や地方の名産品など商品ラインナップを充実させていきます。

 財務施策

1.資産の処分と借入金の圧縮による財務健全化

 当社は、本社機能の圧縮及び物流業務の外部委託等に伴い、所有していた余剰不動産を売却し、借入金の圧縮及びキャッシュ・フローの改善を実施してまいりました。このため、当連結会計年度の末日において借入金残高は247,598千円となり、保有現預金に対して、預金超過の状況を創出することができました。引き続き借入金の圧縮及びキャッシュ・フローの改善を図ってまいります。

2.財務基盤の安定化

 2020年1月、2021年4月及び2022年4月に第三者割当による新株予約権の発行を行い、円滑な権利行使が進む中、資本の充実を図ってまいりました。なお、2023年2月には第3回新株予約権のうち250個がネットプライス社に譲渡され、2023年3月8日にそのうち100個が行使され、新たに249,000千円が資本勘定に充当されました。

 2020年7月には既存取引金融機関より、新型コロナウイルス感染症特別貸付制度に基づき新たに運転資金として300,000千円の借入を実行いたしました。これら調達資金の有効な活用を行い、2022年1月末には当初の懸案事項であった金融機関に返済猶予をいただいていた借入金の元本残高について全額弁済いたしました。今後も企業収益の改善に努め財務基盤の強化に取り組んでまいります。

3.継続した資金調達の実施

 当社は、これまでに3回の新株予約権の発行による資金調達を実施しております。当連結会計年度の末日において当該新株予約権による資金調達額は2,051,700千円となり、主に事業領域拡大資金等に充当しております。なお、ネットプライス社が2023年3月8日に行使した100個分を除く、未行使新株予約権の調達可能額は1,978,500千円であり、当社としては、継続して既存の新株予約権未行使分における行使状況の把握を行い、また、必要であると判断した場合は追加的な資本増強による資金調達を検討してまいります。

 以上の施策をもって、当該状況の改善に全力を挙げて取り組んでまいります。

(2) 流行・気候等が経営成績に与える影響について

 婦人靴は、流行性、季節性の高い商品であるため、ファッションの流行や気候・気温の変動により業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。また、極端な冷夏・暖冬等の異常気象の発生により、想定した商品の需要と実際の市場のニーズが異なった場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 このため、社内に商品開発部門を設置しており、市場の流行に合致する商品のデザイン企画・商品選別等に努めることに加え、流行の変化によってある特定のブランドの業績が悪化した場合でも別の商品群で補うべく、旗艦ブランドである「JELLY BEANS」に続くブランドの育成、事業の展開を行う方針であります。

(3) 人口減少の傾向について

 当社グループの商品は、主として20代から30代の女性をターゲットとした商品であり、今後、国内の市場規模は縮小傾向にあると考えられます。しかしながら、実用品としてよりもファッションアイテムとしての需要が高いこと、婦人靴市場における当社グループの成長余力は十分残されていると考えられることから、消費者のニーズに応えられる商品を提供し続けていく限り、市場規模の縮小が直ちに当社グループの事業の衰退に結びつく可能性は高くないと認識しております。

 今後も、強みである企画力を活かし、消費者のニーズに合致した商品を作り続けるとともに、EC事業の強化等により、現在の事業規模を維持・拡大できるものと考えておりますが、こうした施策が奏功しない場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 輸入規制緩和による影響について

 靴は、使用素材によりノンレザー靴、皮革靴、布靴と大別されますが、皮革靴は関税割当(Tariff Quota(タリフクオータ)、以下TQという)制度の対象品目であり、皮革靴を輸入する業者はそのTQ枠を使用して輸入することが義務付けられております。TQ枠の設定により、国内の皮革靴業界は海外商品の過剰流入から保護されておりますが、今後、TQ枠が撤廃され完全自由化が実施された場合、ヨーロッパなど海外からの皮革靴の流入量が増加し、商品価格の低下等、靴業界に多大な影響をもたらす可能性があります。

 当社グループは、ノンレザー素材の優れた加工容易性を活かし、価格訴求力よりもデザイン性を追求したノンレザー婦人靴を取扱っておりますが、TQ枠の撤廃による皮革靴市場の価格変動により、ノンレザー靴に対しても価格低下圧力が加わった場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 個人情報保護について

 直営小売店やインターネット上での通信販売などにおいて取得・保有しております一般顧客の個人情報の保護につきましては、社内規程及び運用マニュアル等の整備、売場へのガイドラインの配布や社員教育等を通じ、内部管理体制を徹底するとともに、不正な外部侵入を防止するためにネットワークセキュリティーを強化するなど、個人情報が外部に流出することのないよう、十分留意しております。

 しかしながら、不測の事態により個人情報の漏洩等の重大なトラブルが発生した場合、信用力の低下や、損害賠償請求等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 仕入取引について

① 中国からの仕入について

 商品は、国内メーカー、国内メーカーの中国協力工場等への生産委託(間接輸入)、中国メーカー(直接輸入)を通じて調達しております。

 このうち直接輸入については、為替相場の変動、材料費の著しい変動、物流を取り巻く状況が変動した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、中国における政治体制の変更や労働コストが上昇した場合、仕入体制に影響を及ぼす可能性があります。

② 仕入先メーカーに対する依存について

 当社グループは、主に、国内及び海外生産品を問わず、ケミカルシューズ産業の集積地である兵庫県神戸市長田区に在する複数の国内メーカーより商品を調達しております。

 長田地区の靴メーカーとの取引により、デザイン面、品質面、納期面、価格面等で当社の希望を満たした商品の調達が可能である一方、取引先メーカーは企業規模が小さなところが多く、何らかの障害が発生した場合や、今後、後継者不足によりメーカーの廃業等が増加した場合、仕入体制に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 知的財産権等について

① 商標権の使用について

 ブランドは重要な知的財産であるとの観点から、事業展開上、必要な商標権を取得しております。しかしながら、今後海外進出を行う場合、或いは販売先が、独自の判断において日本国外で商品を流通する場合において、当社グループに先行して、第三者により同一商標の登録がなされていた場合、商標の使用が制限または禁止される可能性があります。そうした事象が発生した場合、異業種コラボレーションによる靴以外の商品を取扱う機会や、ブランド使用許諾(ライセンス)の付与による事業化の機会が制限或いは禁止されることなどにより、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、第三者が保有している同一商標の使用態様により、商標・ブランドに悪影響が及んだ場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 訴訟の可能性について

 販売先が、その独自の判断において日本国外で商品を流通した場合において、それに起因・関連して当社グループが第三者の知的財産権を侵害したと判断された場合は、当該第三者から損害賠償請求や使用差止め請求等の訴えを提訴される可能性があります。このような場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 感染症の拡大について

2019年12月以降の世界各国における新型コロナウイルス感染症の拡大は、その収束の時期や今後の経済活動の回復時期を見通す事は非常に困難で、先行き不透明な状態にあります。今後、新型コロナウイルス感染症に限らず、こうした感染症が拡大、継続した場合には、店舗の休業等による消費への影響に加え、プロモーション、生産スケジュール等へ影響し、ひいては業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、ステークホルダーの安全を最優先に考え、衛生管理の徹底や政府・自治体からの要請に基づいた勤務体制導入や事業の運営等の取り組みを継続してまいります。また、事業面においては、影響を最小限のものとすべく、情報収集と臨機応変な対応を継続してまいります。

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