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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は、「世界中の人々を魅了する会社を創る」というビジョンを掲げております。全ての社員が誇りを持てる組織と事業の創造にこだわり、関わる人々がファンとして応援したくなるような魅力ある会社であり続けます。そして、日本を代表するグローバルカンパニーとして、世界中の人々から必要とされる存在を目指します。

 また、当社は「テクノロジーによって人の可能性を拡げる事業を創造していく」という想いを込めて、当社を「People Tech Company」と再定義しております。

(2)経営戦略等

 当社グループの経営戦略の現状と見通しは以下のとおりです。「Green」、「Wevox」の成長を加速させると同時に、複数の新規事業を創造し、収益化させていく方針です。

①人材紹介サービスのリプレイス(注)

 当社は、「Green」を通じて、従来の人材紹介サービスのリプレイスを実現したいと考えております。日本のHR領域におけるサービスの多くは、高コスト構造に陥りやすい旧態依然とした労働集約型のビジネスモデルや、情報を囲い込むことによって価値を生み出そうとするクローズドなビジネスモデルを中心に構成されてきたと考えております。しかし、パソコン、タブレット端末、スマートフォン等の普及、ビッグデータ解析等のテクノロジーの進化、さらにはFacebookやX(旧Twitter)等のソーシャルメディアやブログを中心に個人が積極的に情報を発信し、情報のオープン化が進む現代においては、書店や小売、不動産業界等と同様に、HR領域においても、従来のサービスでは提供し得なかった本質的な価値を提供することが可能になると考えております(当社が考える本質的な価値については「第一部 企業情報 第1企業の概況 3 事業の内容 < People Tech事業 >(1)成功報酬型求人メディア「Green」」に記載の「①成功報酬型のビジネスモデル」及び「②ビッグデータの活用」をご参照ください)。

 当社の「Green」は従来の人材紹介会社のように求職者と求人企業を仲介するアドバイザーを必要とせず、オンラインで転職のサポートが可能なサービスです。また、アドバイザーを雇用する必要が無い事から、従来の人材紹介会社と比較して安価な成功報酬単価を実現する事が可能となります。新型コロナウイルス感染症を含む感染症の拡大によって、積極的な外出が困難な状況に陥った場合や、経済活動の動向に関して不透明な状況が継続し求人企業が採用予算の削減を余儀なくされる状況に陥った場合でも、当社の「Green」はその影響を受けづらいサービスであると考えております。当社は、転職市場における「Green」の独自のポジションを活かした更なるシェアの拡大を目指してまいります。

(注)「リプレイス(replace)」とは「置き換える・取って代わる」等を意味する言葉であり、経営戦略においては「既存の業界のサービスを新しい技術で置き換える」という意味で使用されます。

 ②HR領域における新市場の創造

 当社グループは、これまで培ったノウハウ、経験、顧客基盤等を活用し、HR領域における新市場の創造及びビッグデータ、テクノロジーを駆使した先行優位性を持つビジネスモデルの創造を目指します。

 イ.「Wevox」

 「Wevox」は、エンゲージメントを可視化することで組織を活性化し、人材の活用と定着化を促進するサービスです。エンゲージメントとは、組織に対する自発的な貢献意欲や、主体的に仕事に取り組んでいる心理状態を評価した指標です。「Wevox」独自のサーベイを用いる事で、重要な経営指標の一つとして注目を集めているエンゲージメントを定量的かつ多角的に把握する事が可能となります。

 当社は創業以来、「Green」を通じて、多くの求職者と求人企業のマッチングを実現してきました。

 しかしながら、IT業界を始めとした昨今の知識産業社会においては、採用という雇用の入り口だけでなく、人材の流動性の高まりや多様な働き方の浸透に伴い「人材の活用及び定着」こそが、将来の企業経営における極めて重要な課題になるであろうと考え、「Wevox」の提供を開始しております。今後は、唯一無二の組織力向上プラットフォームとなる事を目指し、多くの組織におけるエンゲージメントの向上に貢献してまいります。

 ロ.「Yenta」

 「Yenta」は、「ビジネスを加速させる出会い」を生み出すビジネスマッチングアプリケーションです。ソーシャルメディア等の台頭で、個人が積極的に情報を発信する現代においては、ビジネスパーソンが会社組織に依存しない時代が到来していると当社は考えております。「Yenta」は、人工知能(機械学習)を駆使し、多くのビジネスマッチングを実現しております。具体的には、組織の枠を超えた横の繋がりを増やすことで、オープンイノベーション、働き方の多様化、生産性の向上などを促進しております。

 ③スポーツビジネスにおける新たな価値の創造

 当社は、2020年7月に100%子会社である株式会社アルティーリを設立し「Sports Tech事業」に進出いたしました。プロバスケットボールクラブ「アルティーリ千葉」を創設し、千葉県千葉市を本拠地にプロバスケットボールクラブの運営等を行っております。People Tech事業の経営ノウハウを掛け合わせる事で、スポーツビジネスにおける新たな価値の創造に挑戦してまいります。

 ④グローバル市場への進出

 当社は、継続的な事業拡大のためには、これまで培ったノウハウ、ナレッジを活用し、欧米、アジア等のより大きな市場で、今後の成長が期待される地域に向けたサービス提供を推進することが重要だと認識しております。それに伴い段階的ながらも社内コミュニケーションに英語を取り入れ、海外進出を意識した経営を行ってまいります。また、これらと同時に、市場調査を行っていく中で、現地法人設立や現地有力企業とのパートナーシップ構築等の検討も進めてまいります。

 ⑤組織運営

 イ.当社の目指す組織の在り方

 当社は、優秀で意欲ある人材の採用、育成、定着が極めて重要であると考えております。従来のような出世を前提としたヒエラルキーの強いピラミッド型の組織形態では無く、フラットな組織形態かつプロジェクト単位で柔軟に働ける組織運営を徹底しております。それにより、意思決定のスピードを速め、業界の変化に迅速に対応し、社員一人ひとりの経営視点や参画意識を高めるよう努めております。

 ロ.組織運営の方針

 当社は、「世界中の人々を魅了する会社を創る」というビジョン実現のため、当社に関わる全ての人々を幸せにするサイクルを回し続けながら、意欲ある社員が「働きがい」を感じられる組織創りを追求しています。優秀な人材を惹き付け、その人材が高いエンゲージメントと共に長期に渡り活躍する事が当社の持つ魅力であり、成長市場における長期的な競争力の源泉であるという考えのもと、組織運営を行っております。

 具体的には、当社は、採用活動を会社経営の最重要事項と捉えており、個人の価値観や能力はもちろんのこと、人間性や既存メンバーとの相性なども十分に吟味した採用活動を行っております。そのため、過剰な人材採用を行うことはせず、労働生産性にこだわりを持った経営を行っております。また、当社は新卒採用を中心とした組織創りを行っております。学生時代の経験やスキルはもちろんのこと、価値観や人間性など全ての要素において一切の妥協を許しません。少しでも採用基準に満たない部分があれば、採用を見送るという厳選した採用活動を行っております。若い社員だからこそ、高い柔軟性を持ち、最新の技術をキャッチアップするスピードが速く、大きな事業環境の変化にも即座に対応できる能力を持っているため、急激な成長を遂げる可能性を秘めていると考えております。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高及び生産性(社員一人当たり売上高)を重要指標としております。

(4)経営環境

 「Green」はIT・Web業界に強い求人メディアです。IT・Web業界は、以下の点から成長トレンドにあると考えております。

・日本のインターネット広告市場は、7,747億円(2010年)から3兆912億円(2022年)に拡大しております(注1)。

・日本の一般消費者向け電子商取引(EC)の市場規模は、7兆7,880億円(2010年)から22兆7,449億円(2022年)に拡大しております(注2)。また日本のEC化率は9.13%(2022年)であり(注2)、十分な成長余地があると考えております。

 IT・Web業界の求人動向については、2023年9月時点で、業種別の転職求人倍率は「IT・通信」が約7倍、職種別の転職求人倍率は「エンジニア(IT・通信)」が約10倍であり、いずれも高い水準にあります(注3)。

 当社は、IT・Web業界に強い求人メディアという独自のポジションの確立、ビッグデータ解析等のテクノロジーの進化に基づく書類選考通過率の向上等により、更なるシェアの拡大を目指します。また、あらゆる業界におけるIT化の加速により、IT・Web業界と他の業界における垣根が低くなってきていると当社は考えております。今後は、IT・Web業界以外でも認知度を向上させ、求職者及び求人企業の獲得効率の向上を目指します。マーケットシェアが拡大する事で、更に認知度やブランド力が向上するという好循環が実現できると考えています。

(注)1.株式会社電通「2022年 日本の広告費」

2.経済産業省「令和4年度電子商取引に関する市場調査」

3.パーソルキャリア株式会社「転職求人倍率レポート(2023年9月)」

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は「世界中の人々を魅了する会社を創る」というビジョンの下、「テクノロジーによって人の可能性を拡げる事業を創造していく」という想いを込めて、当社を「People Tech Company」と再定義しております。当社は、「Green」、「Wevox」の成長を加速させると同時に、複数の新規事業を創造し、収益化させるため、以下の課題に取り組んでまいります。

①サービスの知名度向上

 当社は、これまで培ってきたWebマーケティングのノウハウを中心として、段階的に動画広告を利用したマスメディア向けの広告を活用することにより、「Green」への登録者を獲得してまいりました。その結果としてIT・Web業界においては相応の知名度を獲得できたと考えておりますが、今後は、IT・Web業界を超えた幅広い業界における知名度の向上、競合企業との差別化を明確にしたブランドの確立が重要であると認識しております。

 そのためにも、これまで構築してきたWebマーケティングと並行し、費用対効果を慎重に考慮した上で、マスメディアを活用した広告宣伝及びプロモーション活動を継続的に検討してまいります。

②新規事業における収益拡大

 当社は、主力サービスである「Green」を中心に堅調に成長している一方で、「Green」の収益力への依存度が高い状態にあります。長期的に成長し続ける組織であるためにも、今後複数の事業を収益化させ、発展・拡大させていくことが極めて重要だと考えております。

 そのためにも、組織力向上プラットフォーム「Wevox」の収益拡大を図るとともに、その他構想・検討している新規事業に関しましても、未来の収益の柱へと育てるべく尽力してまいります。

③ビッグデータの有効活用

 当社は、創業当初から転職・採用等のHR領域に特化したノウハウや経験を有しております。それらを属人的なものではなく、競争優位性の高い独自のデータとして蓄積してまいりました。当該ビッグデータをさらに有効活用し、優位にかつスピーディに事業を展開していくことが重要であると考えております。

 また、継続的・安定的にデータを蓄積しつつも、今まで以上にデータの解析精度を向上させ、データを活用した新規事業の創造へと取り組んでまいります。

④組織体制の強化

 当社は、知的産業社会で価値を生み出す最大のリソースは「人」であり、その集合体としての「組織」であると考えています。そのためにも、能力と意欲を兼ね備え、かつ当社の持つ価値観や目指す方向性に強く共感する人材のみを採用することを徹底しております。また、そのような優秀な人材が長期にわたってやりがいを感じて働くことができるよう、旧態依然とした出世や役職といった考え方を撤廃し、全社員に権利と責任を付与したフラットなプロジェクト制での組織運営を行っております。

 この取り組みの徹底のため、全社員にプロとしての意識・自発的な行動・成果を求めております。そのため、情報共有を徹底し、ビジネスで成果を出す上で不必要な管理やルールの排除を行っております。その結果、当社は極めて高い定着率を誇り、新卒や若い社員を育成するノウハウを保持することに成功しております。

 しかしながら、今後複数事業の迅速な拡大・成長を実現する上で、これまでと同様の水準を保ちながら、人材を確保していくことが当社の発展における課題であると認識しております。

 そのため、ソーシャルメディアを活用したダイレクトリクルーティングや従業員からの紹介制度の強化等、多様な採用手法を用いて人材の獲得に努めるとともに、優秀な社員が定着し続けるような創意工夫をし続けてまいります。

⑤情報管理体制の強化

 当社の運営する事業は、膨大な個人情報を保持しております。そのため、個人情報保護に関しては重要課題と認識しており、個人情報に関する社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施やセキュリティシステムの構築を行っております。また、一般社団法人 日本品質保証機構が運営する情報セキュリティマネジメントシステムの認証を取得しており、引き続き、情報管理体制の強化、徹底を図ってまいります。

⑥グローバル市場への進出

 当社の継続的な事業拡大のためには、これまで培ってきたノウハウ、ナレッジを活用し、欧米、アジア等のより大きな市場で、今後の成長が期待される地域に向けたサービス提供を推進することが重要だと認識しております。それに伴い段階的ながらも社内コミュニケーションに英語を取り入れ、海外進出を意識した経営を行っております。また、これらと同時に、市場調査も継続的に行っていく中で、現地法人設立や現地有力企業とのパートナーシップ構築等の検討も進めてまいります。

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