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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「世界をエンターテインする。クリエイターと共振する。」をミッションに、ゲーム事業を主軸にコミック事業にも挑戦しデジタルコンテンツを武器にグローバルで戦える会社を目指してまいります。

 当社グループはさらなる成長を加速させるため、責任と権限を一体化して事業を運営するベンチャーカンパニーグループを目指し、2022年4月1日付で当社グループの主力事業であるゲーム事業を分社化するとともに、持株会社体制へと移行いたしました。

 当連結会計年度において経営方針説明会を実施し、ベンチャー精神に立ち返り、より大きな事業価値、企業価値の創出に向け、以下の3点を変更しております。

 ・国内市場に閉じたプロジェクトへの事業投資を凍結

 ・グローバルポテンシャルを持つ大型プロジェクトへ集中投資

 ・長期間の継続運営で大きなリターンを目指す

 今後は国内に閉じたプロジェクトやリアルエンターテインメントからは撤退し、ゲームで培った強みを活かすことができ、かつグローバル市場でも成長見込みがあるデジタルコンテンツに集中し、コミック、アニメにも焦点をあて、IPの価値を最大化する商流構築を目指してまいります。

(2)経営戦略等

(ゲーム事業)

 当社グループは競争の激しいゲーム市場において、以下の戦略により事業拡大に取り組んでおります。

① ユーザーの行動履歴の分析による施策の実施

 モバイルゲームは、これまでの家庭用ゲーム専用機向けタイトルとは異なり、サービスの開始後もユーザーの動向に合わせてゲーム内容の改良を常に行っていくことが必要となっております。当社グループは、DAU、課金率、ARPPU等、ユーザーの行動履歴を示す各種指標を取得することによりユーザーの動向を把握し、各種施策を適時に実施することにより収益向上に取り組んでおります。

② ノウハウの蓄積

 当社グループは、企画、開発及び運営に至る主要なプロセスを自社で一貫して行うことにより、モバイルゲームの開発及び運営のノウハウを蓄積してまいりましたが、既存タイトルにおける過去の施策とその分析結果を開発部門全体で共有することにより、他の既存タイトルや新規タイトルの企画、開発及び運営にも応用できる体制をとっております。既存のタイトルから得られたユーザーの行動履歴及びその分析結果の蓄積が当社グループの強みであり、これらを常に全開発部門に共有することで、安定的に収益を得られる体制を構築しております。

③ 複数タイトルを同時に開発・運用できる体制

 当社グループは、安定的な収益を確保するために、既存タイトルの運営と新規タイトルの開発を同時並行で行う体制を構築しております。また、国内外において優秀な人材の採用を積極的に進めており、開発体制の強化を進めております。

④ オリジナルタイトルの開発

 オリジナルタイトルは、ゲーム内で使用するイラスト費やプロモーションコストを当社グループで負担する必要がありますが、一方で、当社グループに対する収益分配率は高くなります。また、企画から開発及び運用まで一貫した体制を築くことで、新規タイトルの開発期間の短縮やユーザーの嗜好の変化に対して速やかな対応が可能となります。またノウハウの蓄積の観点からもオリジナルタイトルの開発は重要であると考えております。

⑤ 有力IPタイトルの開発

 有名なアニメや漫画等の有力なIPは、ユーザーの認知度が高いため、サービス開始直後から一定のユーザーの獲得を見込むことができます。収益分配率は、IP保有会社への分配があるため、オリジナルタイトルと比べ低くなりますが、他社が配信する場合には、ゲーム内で使用するイラスト費やプロモーションコストを抑えることが可能となるため、今後も継続して取り組んでいく必要があると考えております。

⑥ 海外における展開

 当社グループは、国内だけではなく今後成長が見込まれる海外市場においても、当社グループのゲームを提供していく必要があると考えております。実績のあるタイトルについては、海外向けにローカライズすることにより提供し、新規タイトルについては、国内・海外同時にゲームを提供できる体制の構築を目指しています。

(コミック事業)

① ユーザーの購読履歴の分析による施策の実施

 電子書籍は、これまでの通常の書籍を電子化したものとは異なり、縦読みフルカラーサービスの作品が増加しているなど、ユーザーの嗜好が変化してきております。また価値観の多様化により、様々なジャンルの作品が出版されております。当社グループは、ユーザーの嗜好やトレンドを購読履歴等より取得することによりユーザーの動向を把握し、各種施策を適時に実施することにより収益向上に取り組んでおります。

② オリジナル作品の制作

 コミック事業においてもオリジナル作品は、ゲーム事業と同様に使用するイラスト費やプロモーションコストを当社グループで負担する必要がありますが、一方で、当社グループに対する収益分配率は高くなります。また、企画から制作及び配信まで一貫した体制を築くことで、ユーザーの嗜好の変化に対して速やかな対応が可能となります。またノウハウの蓄積の観点からもオリジナル作品の制作は重要であると考えております。

③ 掲載作品数の増加

 当社グループが配信しているHykeComicアプリにおける掲載作品が多ければ多いほど、多数のユーザーが楽しんでいただけるものになると考えております。当社グループではオリジナル作品の制作だけではなく、ヒット作品を数多く掲載できるよう作家の皆様に積極的に働きかけを行ってまいります。

④ 海外における展開

 当社グループは、国内だけではなく今後成長が見込まれる海外市場においても、当社グループのコミックを提供していく必要があると考えております。実績のある作品については、海外向けに翻訳すること等により提供できる体制の構築を目指しています。

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、継続的な企業価値の向上を経営上の重要課題と認識しており売上高及び営業利益を重要な経営指標としております。

(4)経営環境

 当社グループが属するゲーム業界を取り巻く環境につきましては、2022年の世界のビデオゲーム消費支出は前年比5.4%増の2,031億ドルと予測されておりますが、その中でも最も大きな割合を占めているモバイルゲームにつきましては前年比5.0%増の1,035億ドルの市場規模へ成長することが見込まれており(出典:Newzoo「Global Games Market Forecast」)、引続きグローバルで成長し続ける業界であると考えられております。

 また、当連結会計年度において当社グループが新規参入したコミック事業を取り巻く環境につきましては、国内の2021年コミック市場全体で前年比10.3%増の6,759億円と過去最高を更新しております。その中でも電子コミック市場は前年コロナ禍の自粛生活で拡大した新規ユーザーがそのまま定着している他、「縦スクロールコミック」の台頭でマンガを読んでこなかった新たなユーザーを掘り起こしている結果、前年比20.3%の4,114億円と大きく成長しております。さらに、当社グループが提供を始めた縦読みフルカラーコミック「ウェブトゥーン」の世界市場は、2027年に約2兆円規模にまで成長すると予想されております(出典:QYR Research)。

 このような環境の中、当社グループのゲーム事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は見受けられず、より高いクオリティとユーザー体験にこだわり、タイトルを厳選して開発・運用していく方針の下、既存タイトルの堅実な運用と新規タイトルの開発に努めてまいりました。主力タイトルである株式会社バンダイナムコエンターテインメントとの協業タイトル「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」につきましては、5年ぶりに新ストーリーを追加しユーザーの活性化を図った他、海外版の対応言語も拡大させ6言語に対応させるなど、長期目線での運用を継続しつつ、劇場版との連動企画や国内版8周年イベント及び海外版7周年イベントの開催により、国内だけでなく米仏含む複数の国と地域でストアセールスランキング(注)1位を獲得しました。

 また、株式会社スクウェア・エニックスとの協業タイトル「ロマンシング サガ リ・ユニバース」では、国内版3.5周年及び4周年イベントや佐賀県とのコラボイベントを開催するなど、コアファンを惹きつける長期目線での安定運営を継続してまいりました。

 当社グループのコミック事業につきましては、2021年より準備を進めていたサービスである縦読みフルカラーコミックアプリ「HykeComic」を2022年6月に正式リリースしております。当該アプリでの取扱い作品数の増加やオリジナルコンテンツへの積極的な投資に加えて広告施策も行うことで、ユーザー数が順調に増加し売上高が伸長しました。また、有名クリエイターと協業による新作の連載開始や、一部の作品を他社プラットフォームにて販売を開始し複数タイトルが上位にランクインするなど、オリジナル作品の反響に手応えを得ております。

(注)ストアセールスランキング:App Store またはGoogle Playのセールスランキング

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 海外市場展開の強化

 当社グループは、国内だけでなく、今後より一層の成長が見込まれる海外市場に当社グループのゲームやコミック作品を提供していく必要があると考えており、その上でApple Inc.やGoogle Inc.が運営する各アプリマーケット上において、当社グループのゲームやコミック等の作品を提供していく必要があると考えております。具体的には、各地域の国民性や言語、デバイスの普及状況などに鑑みて、海外情勢等を慎重に検討した上で今後も海外市場に通用するゲームタイトルの開発・運営に取り組むとともに、コミック事業においては当社グループのオリジナル作品の制作や翻訳を進めてまいります。

② ユーザー獲得の強化

 当社グループは、当社グループが提供するゲームコンテンツやHykeComicのユーザー数の増加が、業績拡大のための重要な要素であると考えております。当社グループは、これまでもデータ分析結果等を通じてマーケティングを実行してきておりますが、マーケティング施策の精度向上や新しいプロモーションの取り組み、ユーザーエンゲージメントを高める各種施策などにより、広告宣伝に関する費用対効果を維持・向上させつつ、積極的なマーケティングを実施することによりユーザー数の維持・増加を図ってまいります。

③ 新技術への対応

 当社グループは、技術革新が激しい業界において継続的に成長を遂げるためには、新技術への対応を適時に行うことが重要な課題であると考えております。したがって、現在、マルチデバイスや3Dに対応したゲームの開発等が進んでおりますが、当社グループとしては、主にゲーム事業において新たな技術を活かしたゲーム開発等を行うなど、新技術に適時に対応していくことが必要であると認識し、必要な対応や積極的な投資を行ってまいります。

④ 優秀な人材の確保

 当社グループは、市場の拡大、新規参入企業の増加、ユーザーの多様化に迅速に対応していくためには、優秀な人材の確保及び育成が必要であると考えております。しかし、優秀な人材は、他社とも競合し、採用が難しい状況が発生する可能性もあると考えております。当社グループは、採用部門に配置する人員数を充実させるとともに、積極的に採用イベントの開催等を実施し、当社グループの認知度を向上させ、優秀な人材の確保につなげたいと考えております。また、人材育成に関しては社内外の研修プログラムを充実させるとともに、目標管理制度や1on1制度などの導入をしており、このような取り組みを会社の魅力として、世の中に訴求していくことも重要であると考えております。

⑤ ゲームの安全性及び健全性の強化

 ゲームにおいては、ゲーム内アイテム等をオークションサイト等において売買するリアル・マネー・トレードや、不適切な水準での有料アイテム出現確率に関する問題、未成年による課金問題等が社会的な問題となっております。当社グループは、こうした状況を踏まえ、ゲーム業界の健全性や成長性を損なうことのないように対応していくことが、重要な課題であると認識しており、各種法的規制や業界団体の自主規制を遵守しております。また、業界団体からの情報収集を適時に行うことで、法的規制や新たな法令の制定に適切に対応していくことが重要であると考えております。

⑥ システム管理体制の強化

 ゲームやコミックのユーザーは、インターネットへ接続可能なモバイル端末等を利用するため、インターネットへのアクセスが可能であれば、時間や場所を問わず利用することが可能となっております。このため、多数のユーザーが同時にアクセスした場合、システムに一時的に負荷がかかり、ゲームの提供やコミック閲覧環境に支障が生じることがあります。当社グループは、システム稼働の安定性を確保することが重要であると認識しており、システム管理やシステム基盤の強化に継続的に取り組んでまいります。

⑦ 組織体制の強化

 当社グループが、今後更なる業容拡大を図るためには、事業環境の変化に適応しつつ、持続的な成長を支える組織体制・内部管理体制の強化が重要であると考えております。当社グループとしましては、内部統制の実効性を高めるための環境を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、内部管理体制の強化に取り組んでまいります。また、不測の事態となった場合でも外部専門家と連携して適切に対応できる体制の強化に取り組んでまいります。これにより、組織的な統制・管理活動を通じてリスク管理の徹底とともに業務の効率化を図ってまいります。

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