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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「インターネットテクノロジーカンパニー」として高い技術力をもった人材を豊富に抱え、数多くのサービスを世に送り出してきました。これからも技術力の向上や活用に一層注力し、便利で質の高いインターネットサービスを提供してまいります。また、当社が提供するサービスを通じて、質の高いインターネットコンテンツの発信や伝播を支援しています。楽しく役に立つコンテンツが増え、手に届きやすくすることで「より豊かなインターネット社会」を実現してまいります。

 当社は、インターネットを活用して『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』ことをミッションに掲げ、一般の利用者がコンテンツを発信するコンテンツプラットフォームサービス「はてな」を、技術の力を梃子に一貫して提供し続けてまいりました。

 現在、上記サービスの他にコンテンツマーケティングサービスやテクノロジーソリューションサービスを新たな事業領域として、事業拡大に努めております。

 コンテンツマーケティングサービスは、顧客が自らウェブサイトを所有し(オウンドメディアと呼ばれます)、コンテンツを発信、ソーシャルメディアにおいて拡散する際に、オウンドメディアを構築・運用支援するサービス「はてなブログMedia」、アフィリエイト広告等を提供しております。

 テクノロジーソリューションサービスは、創業以来培ってきたサービス開発力やITインフラ構築力、保有する大規模データとその分析力を活かし、顧客にソリューションサービス(受託開発・運用サービス、サーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」)を提供しております。

 上記の3サービスを基軸として、更なる良質なサービスや価値を創造し、発信・提供していくことで企業価値・株主価値の向上を目指しております。

 また、当社は、持続的成長を見据えた戦略的投資を強化してまいります。「はてなブログMedia」「はてなブックマークネイティブ広告」等のコンテンツマーケティングサービスの営業人員強化や、コンテンツプラットフォームサービスにおけるテクノロジー基盤への投資、サービス開発の制作人員強化など、各有力分野で未来成長を意識した攻めの重点投資を実施します。

(2)目標とする経営指標

 当社が重視している経営指標は、売上高、営業利益及び経常利益であります。売上高、営業利益及び経常利益を継続的に成長させることにより、事業の安定的な成長による企業価値の向上、株主価値の向上を目指してまいります。

(3)中長期的な会社の経営戦略

 インターネットを取り巻く市場は、通信速度の向上、テクノロジーの進化等を背景に、引き続き高い成長が見込まれております。目まぐるしく変化する市場の中で、新技術、新サービスの実現により、顧客に対してより付加価値の高いサービスを提供できるよう、努めてまいります。

 当社は自社コンテンツプラットフォームの開発・運営を通して新規顧客を開拓しつつ、そこで獲得した資産、知見を最大限に活用して「はてなブログMedia」「Mackerel(マカレル)」などの法人顧客向けサービスを提供するハイブリッド戦略を採用しております。当該戦略を通して、読者・利用者誘導や開発ノウハウなど強みをさらに強化し、自社コンテンツプラットフォームへの還元によるシナジー効果を図ってまいります。当社の主要な3サービスに関する経営戦略は以下のとおりであります。

① コンテンツプラットフォームサービス

 当社は、個人向けにユーザーが文章や画像などのコンテンツを発信・閲覧・拡散するプラットフォームを提供するコンテンツプラットフォームサービスからスタートしました。ユーザーがコンテンツを発信・拡散するUGCサービスとして「はてなブログ」「はてなブックマーク」等のサービスを展開しています。任意のWebページにユーザーがコメントを簡潔に付けることができる「はてなブックマーク」があることで、「はてなブログ」の記事に他のユーザーの意見や批評が集まりやすいことや、長い文章や論考、コラムのようなものを発信するITリテラシーの高いブロガーが比較的多いことが「はてなブログ」の特長であり、競合優位性となっております。コンテンツプラットフォームサービスにおいては、「はてなブログ」「はてなブックマーク」を始めとしたUGCサービスの利用は、スマートフォンの普及とともに、ユーザーがコンテンツを発信、拡散するサービスとして伸張しており、登録ユーザー数やユニークブラウザ数は、今後も拡大する見通しであります。より競合優位性を確保するため、機能開発を継続してまいります。

② コンテンツマーケティングサービス

 オウンドメディア(企業が顧客等に向けて伝えたい情報を発信するための自社メディア)の構築・運用支援サービス「はてなブログMedia」を2014年より開始しています。「はてなブログMedia」はSaaSで提供されており、当社がUGCサービスで培ったシステム・ノウハウを生かし、顧客が費用対効果の高いオウンドメディアを構築できることが競合優位性となっています。コンテンツマーケティングサービスにおいては、BtoB向けストック型ビジネスである「はてなブログMedia」を成長事業として位置づけております。企業がインターネットを活用して動画、画像、テキストを提供し、潜在顧客の認知や興味関心を獲得する重要性がますます増加する見通しであります。デジタルマーケティング戦略や人材採用戦略において、ひとつの企業で複数のはてなブログMedia媒体を運用しているケースもあり、ここ最近では働き方改革に関する情報発信や社員インタビューといった人材採用分野での活用を目的としたオウンドメディアのニーズが増大しているのが特徴となっております。オウンドメディアの活用がなされるマーケット傾向にあることから、潜在顧客に対しても、鋭意アプローチしてまいります。コンテンツ制作支援とともに、ネイティブ広告等の広告展開を実施することで、より収益獲得機会の拡大に努めてまいります。

③ テクノロジーソリューションサービス

 コンテンツプラットフォームサービスで蓄積したサービス開発力やITインフラ構築力等を生かして、企業のオウンドメディアをスクラッチで開発・構築する受託サービスや、顧客企業の情報システム担当向けに、情報システムにおけるサーバーを監視・管理するツールをSaaSで提供するサーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」を展開しています。受託サービスは、ユーザーによる投稿や閲覧行動を顧客企業のビジネスに生かすサービスを構想し、実装に落とし込む企画力や拡張性のある設計を迅速に実装できる開発力を有していること、また、サービスの規模が拡大しても表示速度等のパフォーマンスを落とすことなく、ローコスト運営を維持することが可能なITインフラの設計・構築・運営力が競合優位性となっております。「Mackerel(マカレル)」は、サーバーやアプリケーションサービスの稼働状況を、異なるクラウドサービスやデータセンターサービスであっても一元的に監視できるほか、使いやすいUIと効率的なAPIにより簡単に導入・運用できることが競合優位性となっております。また、Web企業、ゲーム制作企業やアドテク企業での導入が顕著であり、エンタープライズ領域における利用も試行されるなど、市場は拡大しております。テクノロジーソリューションサービスにおいては、受託サービスとして受託開発・運営サービスの継続的な事業展開のみならず、BtoB向けストック型ビジネス「Mackerel(マカレル)」を成長事業と位置づけております。サーバーの監視ツールは、顧客が企業内で内製化していることが多いため、より品質の高い追加機能を継続開発のうえで、潜在顧客に対しても、鋭意アプローチしてまいります。

(4)会社の経営環境並びに優先的に対処すべき課題

① 社会経済情勢の変化に伴う短期的な業績への影響

 新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が2023年3月に緩和されるなど、社会経済活動の正常化が進む中で、緩やかに持ち直しの動きがみられました。一方、海外では、ウクライナ情勢等の地政学的リスクや世界的な金融引き締めを背景とした海外景気の下振れリスクに加え、資源価格の高騰や円安による物価上昇が進行し、先行き不透明な状況が継続しております。

 当社では、資源価格の高騰や円安による物価上昇が誘発する景気の冷え込みを、業績に影響する課題として認識しております。かかる状況下、事業資金の確保及び事業継続に注力すると同時に、多様化する顧客ニーズに対応し、人材育成を推進する等、人的資本経営を念頭においた教育・環境の整備を進めることで、人財強化に取り組んでまいります。同時に、パートナー企業との連携の強化、継続的な新卒採用や積極的な中途採用、事業提携の取り組みによる事業投資を進め、当社のケイパビリティ拡大を目指してまいります。

② コスト管理の徹底と財務基盤の強化

 資源価格の高騰や、円安による物価上昇が、企業活動に広範な影響を与えております。当該事象がより長期化した場合に備え、販売費及び一般管理費などのコスト管理を徹底してまいります。財務面では、リスク・ファイナンスの一環として、複数の金融機関との間で、手元流動性の更なる補完に向けた交渉を必要に応じ継続してまいります。また、外貨建債務の為替相場変動による評価損益を一定程度にとどめるため、為替のヘッジ取引をはじめとした措置を機動的に講じてまいります。

③ 中長期的な成長を意識したサービスの展開

 「はてなブログ」「はてなブックマーク」を始めとしたコンテンツプラットフォームサービスは、他のSNSなどインターネットで投稿・閲覧するサービスが普及し一般化していく風潮とともに、ユーザーがコンテンツを発信、拡散するサービスとして投稿数が今後も拡大する見通しであります。より競争優位性を確保するため、機能開発とマーケティング活動を継続してまいります。

 コンテンツマーケティングサービスにおいては、BtoB向けストック型ビジネスである「はてなブログMedia」を成長事業として位置づけております。企業がインターネットを活用して動画、画像、テキストを提供し、潜在顧客の認知や興味関心を獲得する重要性がますます増加する見通しであります。デジタルマーケティング戦略や人材採用戦略において、オウンドメディアの活用がなされるマーケット傾向にあることから、潜在顧客に対しても、鋭意アプローチしてまいります。コンテンツ制作支援とともに、ネイティブ広告等の広告展開を実施することで、より収益獲得機会の拡大に努めてまいります。

 テクノロジーソリューションサービスにおいては、マンガビューワ「GigaViewer」の導入推進や、マンガ・小説投稿サービスを受託サービスとして受託開発・運営する事業の展開のみならず、BtoB向けストック型ビジネスである「Mackerel(マカレル)」を成長事業と位置づけております。サーバーの監視ツールは、クラウドサービスの市場拡大に伴い、顧客のニーズが高まり、潜在顧客も大きく広がってきています。高い品質と安定した運用を武器に、既存顧客・潜在顧客に対して鋭意アプローチしてまいります。

④ UGCサービス「はてな」の魅力の拡充

 当社のUGCサービスは、スマートフォンの端末の普及・拡大によるインターネットアクセス手段の多様化や音声などの入力手段の多様化、アプリストアと呼ばれるソフトウェア流通の手法の革新、他のSNSの台頭など、技術環境やサービス環境の進化に大きく影響を受けます。当社は、UGCサービスの新規機能開発やマーケティング活動の推進、新しいサービスの導入を適宜行っていくことでサービスの魅力を増大させて、投稿数や閲覧数を増加させていきたいと考えております。

⑤ 新規取引先の拡大と事業基盤の強化

 当社は、コンテンツプラットフォームサービスにおいては検索エンジンや他のSNSにアクセスを依存しており、広告売上がそのアクセスに左右されます。BtoB向けストック型ビジネスである「はてなブログMedia」、「Mackerel(マカレル)」、マンガビューワ「GigaViewer」においては、サービスの利用継続について顧客の投資動向の影響を受けるため、特に売上高上位顧客の解約率を低く保つことが事業上重要となります。コンテンツプラットフォームサービス自体のアクセス増大に取り組む他、他社への営業活動を積極的に行い、新規取引先の拡大に努めることで、事業基盤の強化を図ってまいります。

⑥ 組織体制の強化

 当社は、積極的に企業価値を拡大していくためには、優れたサービスを構築することができる専門的技術、知識を有した優秀な人材の採用を行うとともに、最大限に能力を発揮することができる組織体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、各事業フェーズに合わせ、即戦力となる人材確保を目的とした中途採用と、将来を担う社員の育成と組織の活性化を目的とした新卒採用を積極的に行ってまいります。

 また、業界を牽引する人材の育成を重点課題と位置づけ、職種別研修の実施や、専門資格の取得支援、広い成長機会の創出・支援を行ってまいります。

 さらに、年齢や国籍等に制限なく、高いスキルや潜在的な能力、情熱を持つ人材を積極的に登用し、適材適所を見極めながら事業状況に合わせた臨機応変な組織改編をスピーディーに行うことで、強固な組織体制を構築してまいります。

 また、従業員が新規サービスのアイデアを自発的に具現化する施策を行うなど、従業員のモチベーションを喚起し、イノベーションを創り出す組織文化を追求してまいります。

⑦ コーポレート・ガバナンス体制の強化

 当社は、株主、顧客、従業員、取引先、社会等のステークホルダーに対する社会的責任を果たすとともに、企業価値の最大化を図るためには、各ステークホルダーの立場を踏まえた上で、透明性が高く、公正かつ迅速で、果断な意思決定を行うための仕組みとしてのコーポレート・ガバナンス体制の構築と改善、強化が重要であると認識しております。業容拡大に伴う業務の増大に対応して、内部統制の仕組みを改善し、全社への教育や啓蒙を行うことで、より強固なコーポレート・ガバナンス体制を構築してまいります。

⑧ 知名度の向上

 当社は、UGCサービスにおいて20年以上の提供実績を持ち、個人に対しては一定の認知度を有していると考えております。一方で、法人顧客に対しては認知度が十分ではないと考えております。セミナー開催や技術カンファレンスにおける登壇などを通じて、積極的な広報活動や宣伝活動を実施し、認知度の向上に取り組みます。

⑨ 技術革新や市場変化への対応

 UGCサービスは、インターネット関連市場として、今後も技術革新や新たなサービスモデルにより、既存サービスの陳腐化、代替サービス、類似サービスの登場により競争の激化が起こると考えております。これらの変化に対応するために、市場動向を把握し、顧客企業にとって最適なサービス、ソリューションを提供し続けられるよう努めております。今後も市場のニーズを先取りした商品・サービスを開発し、市場の変化に対応してまいります。

⑩ ブランドセーフティへの対応

 インターネット広告では、数多くの広告主により多くの広告配信ネットワークから広告が配信されることから、広告配信業者による審査をかいくぐった不正な広告表示や錯誤を誘発する広告表示が可能な状態となっています。当社は、当社UGCサービスにおける閲覧者にそのような錯誤を発生させないよう、広告取り扱いに関する社内方針を定めて社内レビュー体制を強化し、信頼性の低い広告配信ネットワークについては利用を止めるなど、該当する広告取引の減少に取り組んでまいります。

 また、UGCサービスにおいては投稿者がコンテンツを投稿することから、コンテンツの種類によっては内容として適合しない広告を掲載するページが生成される可能性があります。そのような場合、広告を実施した事によって広告主のブランド毀損が発生する可能性があるため、このようなブランド価値毀損が発生しうる広告掲載を防止するブランドセーフティが意識されるようになってきております。当社では、広告主がブランド価値毀損を起こしにくいよう、UGCサービスにおけるページ内容と広告枠の適合性を高める技術を開発し推進すると同時に、投稿者が利用規約を遵守した投稿を行うような監視・サポート体制の構築・強化を行うことで、該当する広告取引の減少に取り組んでまいります。

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